2016.06.06

6/4 主体的な管理をしていない分譲マンションを火災保険が選別する時代に

4日、朝霞市内のマンション理事長や経験者の交流会があり、参加してまいりました。
当日のお題は、分譲マンションの管理組合が入る共有部分の火災保険。マンション保険が赤字事業であることから。昨年10月、築年数の古いマンションから保険料が大幅値上げになり、それに対する対応と、割高になる築20年の分譲マンションを対象にして営業努力で工夫した日新火災のマンション火災保険の勉強でした。

築20年以上でも割安な火災保険商品は、加入にあたって、マンション管理士会に調査を依頼し、管理組合のガバナンスや自己管理能力、給排水管のメンテナンス状況、修繕積立金の積み立て状況などから指数化し、トラブルのリスクが低いので割引を適用するケース、リスクがないとはいえないので他者並みの高額保険で引き受けるケース、引き受けを断るケースと分類して契約に話を進める仕組みになっています。

他社の保険では、マンション共有部分の火災保険が赤字事業で、引き受けをしない事例も出てきていることもある、ということで日新火災もあまり管理がよろしくない分譲マンションは加入をお断りしている、ということです。

朝霞市の分譲マンションの建築時期を調査したことがありますが、最も多かった1994年~6年の3年間に、約1万3000戸のうち2900戸が供給され、ちょうど築20年を超えています。その後も、1997年~2004年まで4700戸が供給され、朝霞市の半分以上の分譲マンションが、割高な火災保険を利用せざるを得なくなります。

自己管理をきちんとやっていない管理組合が、火災保険に入れない、入れても倍ぐらいの保険料を払わなくてはならない事態というのがやってきているわけで、意識啓発の問題ではなく、将来リスクを先読みする保険業者の論理として、管理組合のガバナンスや、管理能力、財政的体力、メンテナンス状況とその情報の共有が、分譲マンションの多い朝霞市としての死命を制すという状況になっていることをまざまざと痛感ししました。

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2016.01.28

1/26 分譲マンションの区分所有の放置が問題になるこれから

26日夜都内で景観と住環境を考える全国ネットワーク主催の「はじまっている区分所有マンション放置時代」という勉強会を拝聴してまいりました。

供給過剰の住宅、マンション600万戸という状況での分譲マンションの空き家問題が、スラム化をともなって地域問題になっていく、という話と、それをどう解決していくのか、ということを、「2020年マンション大崩壊」の著者の牧野和弘さん、マンション学会理事で管理士の祢宜秀之さん、景観問題を通じてマンション問題に取り組んできた弁護士の日置雅晴さん、都市プランナーの野口和雄さんのディスカッションで解明していく内容でした。

分譲マンションをかたちづくっている区分所有権が、青天井の権利を各所有者に認めながら共同管理をしなければならない矛盾を抱えていて、分譲マンションのスラム化したときや終末期には、区分所有権を溶解していかないと問題解決できない、という共通の話のもと、整理機構みたいなものを想定する牧野さん、管理士などの介入を義務づけて予防することも重要とする祢宜さん、公的管理が必要だがこれまでのマンションの匿名性やゲイテッドシティみたいに住んできたマンション住民に公的支援に理解なんかされないだろうという野口和雄さんの説明の後、会場との交流で問題を解き明かしていくのですが、未来永劫青天井の所有権と思われている区分所有権を解体に向けてどう法的に整理するかの問題と、解体における高齢者の住まいをどうしていくのか、という課題をどう扱うか、がハードルのように思えました。
また政策としては、住宅新規着工戸数をどう抑制していくのか真剣に向きあわないと作れば作るほど住宅は余り、それはやがてスラム化するマンションになっていくだろうと4人とも予想しておられました。

詳細は、参加者の報告がアップされています。

●牧野さんの提起は面白く、

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2011.10.12

10/8 自治体のマンション政策について助言をいただく

8日、東京都中央区のマンション管理組合交流会の会長の今井さんと意見交換をしました。

今井会長は、マンションの維持・管理を行政がアドバイスする必要性が、まちのスラム化を防止する視点から必要だということで、中央区のマンション管理組合によびかけて、自主的な交流会を作り、活動しています。

朝霞市もかつては木造2階建ての住宅が建ち並ぶまちでしたが、1995年前後から、建築基準法の改正などによってマンションが急増しました。一時は全国一マンションが販売された都市として名前があがったこともあります。
集合住宅を一時期に大量に販売したことで有名な都市は、東京都多摩市や大阪府吹田市ですが、集合住宅の陳腐化を防げなくて、結果として、築40年にして、大量の建て替えをする必要に迫られています。そのような危機感から、住民自身が集合住宅の課題を連携して取り組んでいる事例をとしてお話をお聞かせ願いました。

今井さんの問題意識は、マンション管理組合を自治体が放置しておくと、まちによってはスラム化が始まる、という危機感がありました。また、マンション住民を二級市民として扱うような自治体の体質にも疑問を呈しておられました。

マンションは、各自が勝手に建物の修繕ができるものではありません。廊下やエレベーター、駐車場などは、みんなのものですし、柱や壁も、どこかの家だけ修繕しても意味がありません。そこで管理組合を必ず設けることになっていて、建物全体を共有財産として管理することになっています。

ところがマンションという仕組み自体が歴史が浅いことや、所有者と建築業者や管理会社との情報の圧倒的な非対象性から、そうした建前はきちんと徹底されにくく、多くのマンションは、開発業者の系列会社による管理会社が指定され、修繕積立金を抑制する開発業者の販売政策で、管理組合の運営がスタートしています。ここに何の情報も与えられず、消極的な所有者だけで管理組合を運営をすると、築25年~40年、大規模修繕工事を数回経て管理組合の運営が財政的にパンクして、最低限の修繕しかできなくなってきます。ちょうどその頃、購入時、働き盛りの人たちがリタイアを始めます。

その結果、買い換えできる財力のある人がマンションを出ていき、買い換えできない人が陳腐化したマンションに残されるようなことが始まります。空き室がなかなか入居せず、所有権がわからない人たちにダンピングされながら転売されていく、これがスラム化です。買い換える人にとっても、人生に二度も住宅投資をしなければならないことや、転売するにしてもなかなかうまくいかないなどの問題も出てきます。

それが市のなかで一棟二棟なら経済問題や住宅問題としてとどまりますが、ある程度まとまった規模で起きてくると、まち全体がスラム化し、治安や住宅地としての価値が低下し、所有者の高齢化もあいまってさまざまな複雑な社会政策が必要になってきます。自治体として重い課題になってきます。

しかし、そんなこといっても私自身がそうでしたが、マンションの管理組合の運営を素人がしたがって、自治体やNPO、マンション管理組合どうしが管理組合の運営を助言したり、相談に乗る体制が必要だろう、ということで今井さんと認識が一致しました。その上で今井さんからは、地域社会にとってのマンション政策として必要なこととして、

○自治体が市内のマンション管理組合の役員を集めて、お互いに情報交換できるようにする。
○管理組合どうしで学習会等を行う。
○自治体としてマンション管理に関するノウハウを助言する体制をつくる。
○マンション住民どうしの交流を進める。とくにマンション住民の名簿を作ることは大切。管理会社しか名簿を持っていないなんて論外
○自治体にマンション住民の意見反映をする仕組みが必要。具体的には町内会政策を変えること(朝霞市は管理組合やマンション単独での自治会登録を認めていて、ここは改善が進みつつあります)

と助言をいただきました。同感するところばかりで、こうしたことを実現していく必要があると、マンション管理組合理事長とても、活動家としても思うところでした。

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2011.08.09

8/9 管理会社から「ビラ投函禁止」の札を勝手に貼られる

管理会社と良好な関係を続けたいので本当は書きたくないが、やはり業者は免じても罪は免じたくないので、ここに書きます。

Dscn1926先日、私の住むマンションに、集合ポストに「ビラ投函お断り」の札が、管理組合名で掲出されていた。私は管理組合の理事長なのだが、まったく預かり知らない話で、驚いて管理員に確かめたところ、管理会社の会議で貼ったらいいと渡されたらしい。

この札が貼ってあると、ビラ投函した人は、マンション住人の誰かか管理員に迷惑だと判断された段階で、住居不法侵入で容疑者に仕立て上げることが、2009年11月30日の最高裁小法廷の棄却で可能になった(この裁判の告発者は警視庁公安課の職員である住人で、被疑者が共産党の活動家だったというところが、おとり捜査のようにしか見えないが)。単に、意識啓発の掲示物とは全然意味が違うのだ。

私は今まで、マンションの集合ポストに「ビラ投函禁止」の札を管理組合名で掲出しているのは、本当に管理組合で合意形成取ったのが疑義を呈してきたが、まさにそのことが行われたわけで、管理会社には、厳重に抗議して、顛末について文書にして提示するように求めた。管理会社は平謝りだったが、業界としてごく当たり前のこととして、こうした半ば違法行為を管理員に指導していることが、今回明らかになった。

国土交通省のマンション政策課にも電話で問い合わせたが、やはり集合ポストへのビラ投函まで禁止するのには、情報を遮断されるリスクを全住民に理解されるべきなので、管理規約になければ全住民が参加する機会が与えられている総会で諮られるべきことだ、と言われた。理事長や理事会の判断だけでやることも、実はグレーゾーンのことなのだ。

●迷惑なことなのだから規制して当たり前、という意見が出てきそうだが、集合ポストとなるとそう言い切ってよいものなのだろうか。迷惑なビラというものの判断に客観性を求めることはできず、ピザ屋のビラなど迷惑だと思う私のような人もいれば、逆に宅配ピザをよく利用する人には大切なものかも知れない。私と関わりの深い政治ビラなんかは全く両極に分かれるのだろう。そうしたものを取捨選択し判断するのは、あくまでも受取人でなければならないだろう。ましてビラなんてものは、読まずに棄てればよいだけのことで、迷惑といっても、その労苦はたかが知れている。また、ビラ投函おことわりを集合ポストの各戸の投函口に掲出することもできる。全員を巻き込む必要は全くない。
ビラ投函の禁止と容認の判断を、間に管理会社や管理組合が入ることは、自由への侵害である。これはあんたにはいらないと思う手紙だから棄てておくよ、なんて第三者がやったら普通は怒るべきことだ。しかし誰も怒らないどころか、そうしたことが裁判で有罪判決にまでなっているのが、この国の異常な現実だ。
まったく近代的自由にはナンセンスな「ビラ投函禁止」の掲示と判例である。

●このブログを読まれている方で、マンションにお住まいの方は、ご自分のマンションの「ビラ投函禁止」の札が貼られているかどうか確認してみてください。もし、貼りだされている場合は、誰がいつどのように判断して貼りだしたのか確認してみてください。悪質な事例があれば私に教えてください。

●しかし、たかがビラ投函のためにここまで怒って、自由を確保しようなんて人は、あまりいない。そういうことが、規制をしたい側にやりたい放題させている面があるのだろう。

●基地跡地にできる国家公務員宿舎にもビラ投函禁止の札が掲出されるのだろう。政治的問題の焦点となる建物なのだから、余計に神経質になるのだろう。

●政治や運動について言えば、ビラ投函の自由が保障されて、それでようやく言論の質が高まる。今みたいに配ること自体にタブーな意識がある社会では、スキャンダリズムしか言論にならない。政治家が馬鹿ばかりに見えるのもそういう社会の背景があるからだと思う。

●朝霞市の自治体議員の選挙の投票率の分析をしているが、見事にマンションの多い地域の投票率が大きく低下している。ビラ投函禁止による地域情報からの隔絶も、一つの原因だろう。マンションに住んでいると、地域情報は官製情報しか入ってこない。

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2010.12.23

12/22 国立市で上原前市長にわけのわからない求償を認める判決

何が市に損害与えたのか不可解な判決。

マンション訴訟賠償金、前国立市長への請求命令

この問題、一審判決では市の言い分をある程度認めている。揺れる判決の中で、損害額が明白でもないのに、直接利害のある市民でもない原告の訴えを、裁判所が容易に認めることは問題が多いと思う。
原告については、何の動機があるのかわからない。生活者ネットワーク出身のこの市長を嫌うだけの政治的動機か、マンション業者の代弁者としての動機しか考えられない。

裁判所も裁判所で、いたずらに裁判所が地方自治で住民間で揺れる問題について、介入することは慎むべきではないかと思っている。
当時の国立市長はこのマンション建設に反対する人たちに応援されて、賛成する候補者と対決して当選している。いわば民主主義社会のルールにのっとって審判された結果によって、市長に就任し、マンション問題を解決しようとした。その行動が違法行為で、損害賠償すべきとなってしまっては、政治家によって民主主義社会のルールにのっとり問題解決していくというこの社会の基本的な仕組みが崩壊しかねないことになる。
議会の違法答弁(とは思わないが)の責任とか、そんなこと言い出したら、社会福祉関係の法律を無視してモラリズムばかり説くようなこの近辺の首長はいくらでも訴訟の対象にできてしまう。

もちろん法の支配という考え方があるから、裁判所が行政や政治に口出しするなというつもりはないが、しかし法の支配の前に、自由と人権があり民主主義があるのがこの社会の基本的な原則であり、それを裁判所も尊重してもらいたい。

●行政訴訟というカテゴリーの存在が、どうも訴訟魔みたいな住民運動を静かな権力者として振る舞わせているきらいがある。

●この判決を見て思い出すのは、枚方市の非常勤職員賃金を違法だと訴えた住民訴訟である。

●この裁判官、マンション業者から金でももらったのではないか。

●こういう判決で地方自治体がどんなに多数の住民の合意のもとで施策を進めても、好き放題やる不動産屋に対抗した裁判は、ほとんど敗訴する。この国は中国並みに不動産屋が政治や行政と癒着して好き放題やっている国だと思う。景気対策でもまず不動産屋が喜ぶことばかり。その結果、長期的価値のないバカ高い不動産を消費者は買わされ続けている。

●菅直人は土地・住宅問題の専門家として政治家をスタートさせたのではないか。

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2010.12.20

12/20 見え透いた工作

私の住んでいるマンションがそろそろ大規模修繕にかかる時期に来ている。そのためどうするかということを管理組合や専門の委員会で検討している。素人集団の管理組合がデベロッパー系列の管理会社に対して何の判断力も持たないということで、管理組合にコンサルタントを付けようということで、コンサルタントの選定に入っている。とくに修繕積立金の大幅な値上げを組合員に要求して通していただいた後だったので、適当な工事発注はできないという覚悟で管理組合を預かっている。

コンサルタントのプレゼンテーションを受けて、同じデベロッパー系の管理会社に管理を受けてコンサルタントの助力を得て修繕工事を経験した近隣のマンションの管理組合に経験談を聞こうと思って管理組合理事長あてに手紙を出したところ、先方の管理人にブロックされて、おそらくそこの管理組合の理事長が目を通す前に手紙が返却されてきた。

こんなことをするものかと思った。明らかに私のマンションの管理組合の財布をねらって、第三者の眼による客観的な評価を妨害しようという工作にほかならない。管理会社に対しては、悪いようにしないという思いがあったが、こんなことをされたのでは、今後管理会社のいいなりになってはろくなことはないと思い、改めて真剣に客観的な評価を受けるようにしようと思っている。

●私のブログの熟読者はお気づきのことだと思うが、近代社会の基本的なルールをふまえず、本当の情報を手に入れさせないようなことをすることが最も私は嫌いだ。きちんとした対応をして話を進めれば、多少条件が合わなくても信頼して仕事を頼めたと思う。

●管理組合の役員をやると、労働問題と非常によく似た構造の問題に出会う。片方は情報を一手に把握し、ユーザーは素人集団として専門的知識も資本もなく業者に立ち向かわなくてはならない。分断して統治されるというのも同じ構図。

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2010.12.12

12/12 不動産絶望未来を読む

住宅に関する思いこみは捨てなくてはならない。そういう中、友人が読んで衝撃を受けたというので、山下努「不動産絶望未来」を読む。ほとんどの前提と、予測について8割方同意する内容。埼玉、千葉、奈良の住宅地は資産価値なしと言いたいことの内容はだいたい同意。

人口減、若者の収入減、少人数世帯化、持ち物の減少、勤務形態の多様化など、従来の住宅取得を前提としたライフコースが崩壊している以上、そうならざるを得ない。

世田谷区ですら不良債権という書き方をしているからには、山手線の駅から何とか歩ける範囲の地域しか住宅としての資産価値はないということで、私もだいたいそうだと思う。

また埼玉や奈良の自治体は、介護難民が大量に発生し、地域社会を圧迫していくことになると予測。東京都や一方の極にある高齢化の進んだ過疎地に比べて問題認識能力が低いこのあたりの自治体がこのままのことをやっていったらそんなことになるだろう。

住宅を買おう、埼玉や千葉や奈良の自治体に関係する人、必読の書だと思う。

●この本の難点もふまえた方がいいと思う。
著者はマンション寿命35年説を前提にして書いていることがどうもひっかかる。
若者の低所得化や長期的には退職金の廃止や定期昇給などの圧縮などが考えられ、35~40年で建て替えることができる社会構造ではなくなっているし、老朽化しようが機能劣化しようが、住み続けざるを得なくなるのではないかと思う。その上で管理組合の運営に脱落したマンションからスラム化が始まり地域を覆うという議論の立て方が必要ではないかと思う。そうなると、建て替えられるマンションがいいという議論ではなくて、住み続けられる地域やマンションがいいという維持営繕の議論になっていく。どうも建て替え論の背後には、従来型の不動産業の論理がへばりついているように思える。
山岡淳一郎氏の著書など読むと、35年建て替え説の強弁をしている側というのがバブル期の建設省に期待させられた需要のための論理ではないか。還元率期待など右肩上がりの経済成長神話の残骸の議論ではないか。
また住宅のクラウド化となれば機能劣化は情報インフラなど限定的なものになるだろう。私は今の多摩ニュータウンのようにダメだ終わったと言われながらも、そこそこの人たちが高齢化を迎えつつ60年~100年維持し、住み続けるということにならざるを得ないと思う。どんな修繕工事をしても建て替えるよりおおかたはやすく上がる。
ただしこれは建て替えできる・できないが住宅価格に反映できるかどうかのところで論が代わるだけであり、売却でなきいという現実など、人口減少圧力などもっと大きな前提の議論を変えるものではない。

●取材源が不動産業と建設関係者が中心で、住み続ける選択をしようとしている人たちの取材が見られない。

●千葉ニュータウンや鳩山ニュータウン、つきのわフランサを埼玉の代表例として紹介しているのが印象操作のきらいがある。今の埼玉の住宅問題は、こうした高度成長期にだけ人口の増えた地域と、その後バブル崩壊のマンションブームで人口増をしてしまった埼玉県南部や市川市、船橋市などの問題とてやや中身が違うように思う。

●けちょんけちょんに書かれた埼玉、千葉、奈良の対抗戦略は。

私は奈良や千葉、埼玉の一部の自治体は東京都編入を求めるべきではないかと思っている。これらの地域は、東京に経済的に依存し、東京がその税収を23区に囲い込んでいるのに対して、住宅や福祉などコストのかかる部分だけを東京から押しつけている。東京抜きにその地域の存在意義も示すことはできないため、その現実を肯定した県域の再編が必要ではないかと思う。

周辺自治体が怠慢であればという前提だが、埼玉県、奈良県、千葉県の自治体どうしの中での差別化を図り、永住都市としての価値を高めることが相対的な地域の価値を高めて、周辺自治体の落ち込みを踏み台にして生き残ることができる戦略となるだろう。
そのためには、介護、保育、医療サービスの整備と、マンションや個人持ち家の管理修繕に関する支援を行うことが最低限必要である。ただしこれは埼玉県なり奈良県の自治体がみんなやれば、相対的な価値は低くなるので、住宅地としての価値はまた平準化してくる。しかし、不動産業者や土地持ちの利害にかんじがらめの自治体の首長、議員が多くいる限り、自治体に土地を買わせたりすることを唯々諾々と続ける、既存の自治体の運営モデルから脱却できず、なかなか転換は図れないだろうから、この戦略は当座有効だと思う。

●どうも著者は豊洲のマンションを買ったらしいが、あの殺風景なビジネス街、あんまり流行していないショッピングモール、いずれもなんとかニュータウンと発想がそんなに違うと思えない。超高層マンションも、建設技術によるものであって、維持管理に関するノウハウの蓄積は感じられない。

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2008.03.23

3/22 マンション管理組合・要注意

国交省が、マンション管理を理事会が責任をもってやる方法から、企業などに全面委託することを可能とする法改正をする。このままではとても危険な改革だと思う。

現在でもマンション管理会社が、管理組合の財産を押さえてしまったり、管理組合の役員を「客」としていいように議論をリードして、管理組合財産を自社の系列会社に使いたいだけ使ってしまう事例も多い。

今度は、その管理権限を住民から手放させることを可能にしてしまうのだ。マンションの財産としての権利はどこに行ってしまうのだろうか。

一方で、高齢者ばかりのマンションが増えることも、公団を中心に避けられない事態になっていて、何とかしなくてはならないということもあるが、国交省のやることだ、眉につばつけて考えた方がいい。自己防衛しない管理組合には、デベロッパーの系列管理会社がいいように管理組合の財産を食い物にする業界体質にメスを入れるつもりなど国交省にあるわけがない。

また、国交省は築30年以上のマンションを老朽化と行って、建て替えを煽るような課題設定を行っているが、冗談ではない。きちんと管理すれば築70年は使えるし、多少管理が雑でも50年以上は維持できる。地下鉄、高架橋、日比谷公会堂、九段会館、国会議事堂、大蔵省、こうした建物が築30年の段階で取り壊して作り直すなんて話はないし、マンションより過酷な環境にある地下鉄のトンネルを作り直すなんて話はない。

築30年以上を老朽化と設定して、建て替えを煽り、建設業界とおいしい汁を吸おうというのが国交省の戦略か。そのためにマンション管理組合のブレーキを緩めて、デベロッパー主導の住宅開発をできる道を開きたい、そんな考えが見え隠れする。

だからこそ、管理会社にきちんとチェック機能を働かせることができる自立した管理組合を育てていかなくてはならない。朝霞市もマンション業者の言われるまま建築許可を出す前に、そうしたマンションがたくさん建った後の社会的な課題も考えておかなくてはならないのではないか。

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2007.11.13

11/12 情報を入手する権利の保障

シンポジウムの準備で、いろいろ市議候補さんの連絡先や経歴を調べているが、ホームページもなければ、電話帳も出ていない人が結構いて、いったいどういう風に自分を宣伝しているんだろうかといぶかしくなる。駅に立っているのも、原山さんがよく立っていて、神谷さんの息子さんがたまに立っているけど、それ以外は見ない。

おととい、地域社会の有力者の方に会う機会があったので、市議選の情報ってどう入手しているの?と聞いてみたら、知人の噂以外ないという。私の家がマンションだから遠慮しがちに入ってこないのかと思って、戸建てにチラシが入るか聞いてみたら、投函も公明党と共産党と、たまに市民ネットのが入ってくるというだけで、全然入ってこないという。

そんなので候補者はどうやって選挙やっているのだ!と思う。
立候補届だけで、投票所のポスターと投票所の名前だけで選挙をやっているとは、驚異だと思う。投票所のリストだって、みんな無所属で、誰がどんな人かという手がかりすら与えてくれない。「広報あさか」も議会報告は匿名記事しかない。議員の賛否なんて誰も情報提供してくれない。

そういう公開性のない選挙で選良を選んでいる自治体は、議員が持ち込んでくる話はコネ関係の頼み事しかない。だから権力を経由しない「余計な声」が苦手で、対応能力がなく、批判拒否症的体質を持っている。意志決定がとても閉鎖的なシステムになっている。市内の小学校の安全性の問題で、当該校の保護者が教育委員会に苦情を言ったところ、校長から抑圧がかかったとか、そういう話はいとまがない。そういうことをやっていてはこの街は本当の話が公のテーブルに出てこないから進歩しない。本当に不満を抱えたら、近くに他の自治体がごまんとあるから、転出されていくだけになる。住民のニーズの水準がそもそも低いから、行政サービスが低レベルでも住民の満足度が高いという、足立区のような現象が起きてくる。

そんなことを考えながら、週末のイベントの作業をやる。苦手な宣伝を先にやらなくてはと、ちらしまきに夕食後歩き回る(自分は市議選の候補者よりも熱心だと思う)。
政治家のつながりが深いと言われているデベロッパーのマンションに入ったら、「ちらしお断り」と管理組合名で大きな看板が貼ってある。でもこのマンションまだ建ったばかり。これはきっとデベロッパーが「気を利かせて」管理組合を名乗って先に貼ったのだろう。

住民は、プライバシーだとか、不審者の侵入だとか、美観がどうだとか、そういうものからデベロッパーが守ってくれていると思っているかも知れないが、ぴんくちらしが入らない以上に、地域の政治家の情報、地域の市民運動の情報、地域のお店の情報が入らなくなる。そうすると、そこのマンション住民は地域情報から隔絶され、誰に何を物言っていいかわからなくなるため、発言力が実質的に奪われるということになる。期せずして税金と管理費だけ取られるだけのカモネギ住民になってしまうことになる。
でも、マンションを買うというのは、ほとんどの人は借金もこさえるわけで、少なくとも2~30年は住むことになる。それなのに地域情報が入らなくしてしまうというのは、後から何かおきたときに、大変になるのではないかと心配してしまう。少なくとも、朝霞市はマンション住民に胸襟の広い地域社会ではない。せめて情報の入手ルートぐらい確保しておかないとと思うのは余計なお世話だろうか。

私が理事長をやっていたとき、マンションのちらし投函を禁止していた管理人にやめさせた。管理組合が合意もないのにマンション住民の情報入手ルートを遮断する権利はないと思ったからだ。情報を得られない権利と、ちらしを処分する手間を比較すれば、ちらしを処分する作業の方がはるかに問題が少ないと思うからだ。ぴんくちらしや危険物の投函は別途警察が取り締まる法律がある。
ちらしの投函禁止より、管理組合がたたかわなくてはならない相手は、問題住民の対応から計算根拠がはっきりしない請求書まで、もっともっと多い。

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2007.10.21

10/21 管理組合の改革を進める

住んでいるアパートの管理組合の総会があった。2期2年つとめた管理組合の理事長、副理事長をようやく退任させてもらうことができた。

管理会社にすがるしかない管理組合を脱却して、少なくとも対等な関係でつきあえる体制づくりをした。そのための改革は、①最低1人の理事は2期2年理事をやり、継続性をもたせること、②50万円以上の支出をともなう大規模な工事や管理費の内容改定をする場合は外部アドバイザーを入れて原案をまとめること、③防災・防火体制を整備に着手したこと、の3点。

①は、今までの理事会は1年任期で全員入れ替え、ほとんど立候補者もなくくじ引きで役員を決めてきた。新しい理事が総会にいないことが当たり前のようになっていて、1年のうちの半分は管理会社に頭が上がらないような状態が続いてきた。
②マンションは、売るデベロッパー、管理会社、様々な修繕工事を請け負うゼネコン、同じ系列会社がやっている。管理組合の役員は素人であるため、系列企業どうしで作成してくる見積書も請求書も相場がわからず、管理会社を窓口にしてお金を使われることにチェックが効かなかった。これに第三者を挟ませることを義務化して、見積書のチェックをするために労力やコストを使えるようにした。
ほんとうは、マンション管理組合の連合会みたいなところに入る選択肢も考えたが、まだまだ管理組合や共有部分は住民のものという意識が高まっていないので、今回は見送った。
③住民自身で防災活動をできるようにすることも大事であったが、共有部分も含めてマンションが自分たちのものであり、最終的には自分たちの責任で維持されていることを意識してもらうことも考えてもらう機会になった。防災訓練や、防火計画の策定などを行った。そこで警報システムの不備も発見できてよかった。

1期目を終えるときに継続して役員を引き受けてくださる方がおらず、言い出しっぺの私が続投した。仕事が忙しくなってきたので、2期目の今回こそ降りなきゃと思っていたら、最も若手で、最もしっかりした方が、続投をしてくれると言ってくださって、あっさり引退できてほんとうに嬉しい。しかも、この引き受けてくださった方は、自分なりのマンションの未来に必要な課題を持っておられて、他の理事も同感することだったので、とっても期待できる方だと思っている。

まだまだ面白いことできるなぁと自分では思っていたが、またお役に立てるときに出ればいいことで、いろいろな人がいろいろな課題を背負って管理組合に関わってくれることが大事だと思っている。総会が終わった後、かつて理事長を引き受けてくださった方が、またいつか何かでかかわりたいとおっしゃってくれて、広報体制などにも抱負があると申し出てくれたことも、よかった。

仕事が労働組合なので、重ね合わせていろいろなことを感じたし、そのノウハウも役に立ってきたと思っている。当面、我が管理組合は、組織問題もなく運営できるなぁ、とありがたく思う。

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