2/23 ハコモノ羅列の不安と市議のままの不安~市長選の公報を入手
市長選の公報を入手しました。
今回の市長選、私は試合放棄状態です。現職には、和光市とのごみ焼却施設や朝霞の森開設など、一度判断したことを傷が大きくなる前に転換して変えた決断力と政治力は評価していますが、新しい政策課題に対する認識が甘いこと、議会の自律性を考慮しないところに、応援するということにならないと考えています。
一方で挑戦者の候補者は、市議時代に同じ会派を組んでいた方です。男性を含むひとり親家庭の支援に国に先立ち政策化したり、議員としては立派で、道を開けないことに道をつける活動をされてきましたが、市役所全体の上司となる資質や、責任を問われたときの態度などを見てきたなかでは、課題の多い人であると思います。こちらも応援することにならないと思っています。小さな話ですが、すでに政治活動チラシの配布が始まっていた、今月中旬まで何の話もありませんでした。
さて、入手した公報ですが、
現職・富岡勝則候補のものは、ハコモノ政策ばかりです。朝霞台地区を冷遇してきたことを見直そうとしているんだということは評価します。これも、私や田辺議員、須田議員が強く問題提起をして、気づかれた問題ではないかと思います。
一方、ノウハウで解決すべきことまで、ハコモノ政策の羅列で問題解決を提示することに不安しか呼び起こしません。財政的にもきついですし、政策の提示の仕方が古いという感じがしています。この25年、朝霞市の人口増を支えた人たちは、ハコモノで経済成長を実感したことがなく、新社屋建築と社内行事の盛り上がりに得意がる会社幹部に先行きの不安を覚えるような時代を生きている若い賃金労働者です。
この4月からスタートする市の総合計画に書かれていない話もあります。18日の市議会全員協議会で、市議会に対して、総合計画の策定手法の説明に終始して、内容をほとんど説明しなかった理由、公共施設の維持修繕を具体化するはずの「ファシリティーマネジメント計画」に数字が盛り込まれなかった理由かと合点しました。当選したら作ったばかりのこの2計画をどうするのか、問われることになると思います。
朝霞市が新型コロナウイルス対策で直面したのは、建物の話ではなくて、市役所と外郭団体内のノウハウの不足です。この9年間、議場で、市長と市長に事前諒解されている各部長の答弁を拝聴してきましたが、先進自治体とまではいきませんが、新しいソフト重視の政策への評価が低すぎて、朝霞市役所のひとりよがりみたいな答弁が目立つなぁと思ってきたところです。今回の公約でも、孤立する子育てに寄り添う職員やボランタリーな人々を増やすことなく解決しない問題を、ハコモノ増やしても子育て強者の居場所だけを増やすだけです。
市民の側も、声を挙げやすい題材として、公共施設のあるなしで行政からの愛情を評価する語られ方がこういうことになっているところがあるとは思うところです。
挑戦者の小山香候補の側は、強大な権力を持っている5期目現職を打破したいということなのに、市議時代に固執していた政策だけ、という感じです。お金のかからないソフト重視の政策が中心なのは評価しますが、学校増設など、あまりにも他の政策に与える財政、人的、政治的影響を考慮していないと言わざるを得ません。朝霞台地区は経験していますが、期待した第十小学校建設では思うような場所に土地確保はできず、当時の人口急増地域に学校は作れず、結果として飛び地的な学区を作らざるを得ませんでした。時間もお金もかかり、子どもが多い地域も動いていくもので、再考が必要なことと思います。
その他の政策は個々にはそうなんだろうなぁとは思いますが、市議として取り組める政策ではなかったかなと思うところです。
レイアウトもタテヨコの字の間隔がほとんど同じで、読みにくい、という印象を与えるばかりです。
●先進国では類を見ない規制だらけの公職選挙法では、選挙期間中のちらしは、街頭配布だけ許可されていて、ポスティングが禁止されているので、陣営から支持されていないと思われた人には、入手が困難を極めています。公職選挙法の規制は、主体的に投票先を選びたい人には、情報が入ってこない規制ばかりだと改めて思うところです。
●今回、富岡市政が始まって初めての対決型選挙になったなかで、十分満足いく候補者を擁立し、市民のみなさまにこれなら次の朝霞市は、と思っていただける状態にできなかったことが、私の政治力の至らなさだと反省しています。言い訳はいろいろありますが。
背景にあるのは圧倒的な朝霞市の地域政治の人材不足です。
地域のイメージが、町内会・自治会・商工会ばかりで、市民による自発的な活動の層の薄さが、地域の人材不足に拍車を掛けています。ここを解決しない限り、市議になったり、もっとオーナーシップをもって、市長になって街を良くしていきたい、という人材は、政党が供給する人材か、今の現職市議しかラインナップはありません。この問題は保守も革新も共通している限界です。報酬が若干低い(この4市は全国的にも低いのです)和光市議会にはどんどん挑戦者が入ってくるのに、朝霞市はいつまでも、いつもの顔で、新人もいつの間にかいつもの顔に巻き込まれてしまいます。
乞う挑戦者、と思っています。市議選ということもありますが、地域開発に挑戦者、と思う気持ちです。また市議選でも、次々に新人が既存の体制に恭順していくなかで、自分の手で道を開きたい、という人を期待しています。