2023.05.30

5/29 2024年4月までに朝霞市内のバスの縮小が始まります

29日16時から、交通事業者、市民、自治体、警察などが公共交通の課題を議論する地域公共交通協議会が開かれました。
1年間の公共交通計画の進捗状況のチェックの後、具体的な交通の話が始まりました。

プラスの話では、
コミュニティーバスのわくわく号、夏にはスマホによるバスロケーションシステムが導入され、乗りたいバスがどこまで近づいているか、だいたい何分待ったらよいかが示されるようになります。時刻表的な情報はgoogleマップでも確認できるようになっていることとあわせてバス待ちの不安が解消されていくことになると思います。
上内間木、根岸台7丁目崖線、溝沼3・4丁目に、ワゴンバスによる新たな交通手段の確保が検討され、夏頃試行事業に入ります。示された経路も遠回りが少ない合理的な路線で、ダイヤも例示されましたが毎時間の発車時刻が統一されたパターンダイヤでした。利用料に目をつぶれば使いやすいものになりそうです。

一方、マイナスの話もありました。主にはバス運転士を保護するための労働時間規制から、バスの運行時間の縮小、減便、路線の存廃までが議論されました。
わくわく号の終バスの時間が繰り上がることを中心にダイヤの見直しが2024年4月までに行われます。4月以降には、乗車率の低い区間の廃止が検討されます。
・国際興業バスに続き、東武バスが7月に運賃値上げが行います。
国際興業バスから、2024年4月以降は運転士不足による路線維持が不可能ということで、車庫から遠い朝霞市内バス路線の部分的な縮小撤退を検討していることが示されました

提案者に対する意見では、
・タクシー業界から、新たな交通手段を駅構内に入れないように、という要請がありました(今、公共交通が潰れそうな原因となる競争相手はバスではなくて、過度なマイカー利用だと思うのですが)。
・私からは、労働時間規制によって実施するわくわく号のダイヤ見直しが、二段階になっているのはおかしい、新たに発生する空白地域への対応が求められるのではないか。
・他の委員からは、新たな交通手段の利用料300円が高すぎるのでなんらかの対応ができないか、新たな交通手段のフリー乗降を引き続き検討すべきではないか、といった意見が出ています。

●前回の廃止提案を撤回してもらってから4年延命できましたが、改めてバス路線の撤退が示唆されたことに私も含めて会場全体で緊張感が走りました。具体的な路線名は示されませんでしたが、乗車状況からは膝折循環は残りそうなものの、他の「朝11」系統朝霞・志木線、「朝50」系統朝霞駅・内間木線のどちらか、または両方が整理の対象になりそうだと見ています。

早めに情報収集して対応しないと、朝霞市内広大な公共交通空白地域(あるいは代替手段が2時間以上ダイヤの空白があるような実質的な空白地域)が発生しそうです。

●バスの運転士の確保が困難だという時代のなかで、企画書とお金をいくらつきつけても難しい時代に入っているという感じでした。

かつては憧れの職業の上位だった運転士。経営学的な議論のなかでの現業的な仕事への「非創造」的な印象操作、近年では自動運転に対する過大な肩入れによる「オワコン」意識が、人材確保を困難にさせている原因だと思います。
1990年代後半からの職業に対する考え方を変えて、それぞれの仕事の現場で、実際に手や足を動かす人の地位を改善していかないと、いくらインターネットでポチッとやっても実務をやってくれる人がいない社会がやってくる危機感を感じました。

朝霞市役所も給食調理や用務員、その他ケアにあたる直接処遇職員をどんどん切り離していますが、危機のときに誰がやってくれるのでしょうか。行政改革の視点を変えるべきです。

●質問を打込むとAIが答えるchatGPTが話題になっていますが、これの登場で将来なくなると思われる仕事のリストが新聞記事になったようです。そのなかでは従来、IT技術の進展でいらなくなると言われていた仕事が生き残り、逆にホワイトカラーの仕事の多くがいらなくなると示されていました。
将来いらなくなる仕事などわからないものです。生活に必要性のある実感の高い仕事に、適切な費用とプライドがあれば、その仕事は残ると思います。

●バスに対して長く冷淡な態度が強かったせいか、交通難民になりやすい自治体だと思いました。

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2023.01.31

1/30 わくわく号の値上げと地域の公共交通環境の改善を議論~地域公共交通協議会

30日午後、朝霞市役所が公共交通の利用環境を調整・意思決定する、地域公共交通協議会が開かれ、委員として出席してまいりました。
議題は1本、コミュニティーバス「わくわく号」の運賃値上げです。
現在、全路線均一150円を180円に値上げする内容で、前回の協議会で決定する予定だったものを、一度持ち帰りとして、今回決定したものです。委員の1人から反対意見があったので、採決に付され、賛成多数で決定しています。
今後、市議会全員協議会での報告、関東運輸局などへの手続きを経て、この協議会の決定をふまえ市長決裁で値上げとなる見込みです。
値上げの理由として、第一に、民間バス事業者との運賃の不均衡があり、民間バス会社からそれならすべてコミュニティーバスでやって、と言われかねないこと、第二に、運行経費が高騰していること、第三に市の持ち出し負担を抑制することとなっています。

協議会では見返りの需要喚起策として、スマホによってバスの位置確認ができる「バスロケーションシステム」を導入することが内定していることが報告されました。バス停で行ってしまったのかまだ来ないのか、そういう不安がバスを敬遠させていると、市議会でも岡崎議員や私が市議会で必要性を訴えてきたことです。その他需要喚起策もコストが過大にならない範囲で、取り組むことも表明されました。

反対意見としては、負担感を訴えるものがありました。その通りだと思いますが、福祉に特化したつくりにしていないことや、まだ交通空白地域の解消のめどが立っていないこと、目に見えない交通不便地域の課題もあることなどから、これ以上市の持ち出し負担でやることは難しいだろうと思います。私は利便性向上が行われ需要喚起につながる投資が行われることを前提に、賛成しました。市議会議員としての委員なので、その理由は市議会という場で言った方がよいだろうと思い、発言は差し控えました。

報告はいくつかありました。
①交通空白地域の新たな公共交通づくりの取り組みで、
・根岸台7丁目の崖線沿の地域は、ルート、運行本数、運賃などのたたき台を町内会などで構成する地域協議会でつくり、実現に向けた調整が始まる段階まで進んでいることが報告されています。
・内間木地区は、ルートのたたき台を地域協議会がつくり、さらに検討を進めている状況です。駅寄りのルートをわくわくどーむ経由のショートカットとなる案に変わったと報告されました。
・溝沼3丁目・膝折4丁目地区は、地域協議会が発足してルート検討が始められていると報告がありました。
委員からは、運賃設定が高すぎる、という意見、別の事業者委員からは、路線競合の懸念を申されました。私からは、マイカーから住民を取り戻すことが課題で、住民が地域協議会でこんな公共交通がほしいと言いながら、利用しなきゃという気持ちにしていくことをできるだけ尊重してほしいことと、、高齢の利用者は買い物需要が大きいので、スーパーなどの経由に配慮が検討されているか確認質問をしました。買い物需要への対応は今後の調整や地域アンケートの結果を踏まえてさらに検討する方向です。
東武鉄道のダイヤ改正が報告されました。HPのリリースのとおりで、日中の本数がどう変化するのか、と聞いてみましたが、差し控えられました。そうだと思います。
③JR東日本から、オフピーク定期券の導入が報告されました。
④両者から、バリアフリー経費に使われる、バリアフリー運賃加算の導入が報告されました。1乗車10円、定期券で月600円の値上げが予定されています。委員から、北朝霞駅ホームのホームドア設置の質問がありましたが、JR側からは実施時期は未定と答えがありました。
⑤昭和交通を運営する飛鳥交通グループから、和光市とあさかリードタウン(積水工場跡地)を結ぶデマンド交通、根岸台7丁目水久保公園前に途中停留場を設けて、根岸台7丁目住民に利用会員となるよびかけをされた報告がされました。
⑥公共交通の利用状況について国土交通省の統計を確認しました。
⑦朝霞駅前一方通行化と本町2丁目の交通安全対策の方向性について朝霞市から報告がありました。委員から先行事例となる第五小学校周辺の交通安全対策について質問があり、ハンプの設置状況などの答弁がされています。

また議案にあわせて、国際興業バスから、4月から運賃改定をすることの報告がされました。初乗りで180円が200円となります。提出された資料に掲載された他市の運賃から比較すると、最長の朝11系統志木駅東口→朝霞駅南口240円が260円となるのではないかと見ています。

●終了後、交通関係労組、交通事業者委員とご挨拶をいたしました。厳しめの意見をおっしゃった交通事業者には、懸念は解決されつつあり、どうか引き続き当市での事業継続を、とお願いしてまいりました。

●その午前「都市計画審議会」があり傍聴してまいりました。
議題は、
①立地適正化計画の最終検討の確認で了とされました。計画期間が24年もの内容になるの初めて聞いて驚きました。少し事後の詰めが必要そうです。
②都市マスタープランの策定を、これまでは専門の委員会を作っていたものを、都市計画審議会に移し、都市マスタープラン検討委員会条例を廃止することでした。検討過程をシンプルにするのは大事ですが、一方で都市計画審議会はプロと議員ばかりの審議会で、そこで一般住民の感覚が伝える機会があるのか疑問です。前回、10年前には、総合計画策定審議会と併せて検討したことがすっかり忘れられているのも気になっています。
次の都市マスタープランは計画期間が20年にもなるというもので、そんな重たいものを作れるのかと思ったものです。

●都市計画審議会で最後に、議員委員の田辺委員が、傍聴のあり方について開かれる方向で意見を言っていただいたのはありがたいです。

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2023.01.27

1/26 戦前からある労働組合の新年会に招かれました

20230126toko02 労働組合関係の新年行事はここ3年中止ばかりでしたが、ようやく動き出しています。昨夕は、都交通局の労働組合「東京交通労働組合」の新春の祝いにお招きいただき、出席してまいりました。新型コロナウイルスの感染拡大という情勢もあって、組合会議室でのお茶を提供する方式でした。
お世話になっている方々、市内在住役員の方などともお会いできて、よい機会でした。

推薦を受けて活動している自治体議員にも1人ずつ話す機会をいただいたので、「都交通局の営業エリアではなく、在住組合員の職場課題に返せるものはないので、公共交通従事者が子どものあこがれの職業だったときのプライドを回復するために、朝霞市で公共交通をもっと使おうという活動をしている」と申しました。

福田委員長のあいさつでは、賃上げ春闘の取り組みに、地域の連合に支部役員まで入り込んでがんばりたいことと、戦前からある組合なので、岸田政権が議論もなく安全保障政策の大転換をしたことを批判するあいさつをされました。同感です。

来賓では、岸参議院議員からは、エッセンシャルワーカーである組合員に、経済活動を活性化するというのはいいが、それなのにマスクもワクチンも感染者対策も放棄するような政府の方針には問題がありとして、修正をかけていくと決意、鬼木参議院議員からは、国土交通委員会所属となったことで、公共交通の課題に取り組んでいきたいことを表明するあいてさつが行われています。

●私の自治体議会デビューは、1996年。札幌市議会で「市民ネットワーク北海道」という会派の推薦で、札幌のクルマ社会っぷりに異議申し立てをする市民活動のメンバーから市営交通の運賃改定の参考人として意見陳述し、質問も受け、答弁までしたことがあります。今にして思えば質問とりという感覚のことも、交通局職員の事前レクというかたちで、自治体議会で政策形成に関与する面白さを発見したよい機会でした。自治体の公共交通関係の労働組合との関わりは議会活動の原点のような関わりです。
参考人としては、自民党推薦(研究者)、民主党推薦(交通労組役員)、共産党推薦(主婦)の3人とご一緒しました。

●東京交通労組は、前身は1911年からスタートし、労働組合法制のない1929年から労働組合となった由緒ある労働組合です(東京交通労働組合webの沿革)。戦後、公営交通の労働組合「都市交通労働組合(都市交)」という上部団体に所属しておりましたが、2013年都市交が自治労と統合しています。

●戦前のリベラル系の民政党が、昭和の初期には労働組合の法的地位を認めることを検討していました。この段階で実現していれば、労働基本権を世界でも早い方で認めることができたのですが、GHQがやってくる戦後まで店ざらしになって、米国占領で「押しつけられた」感覚で実現する結果となっています。今も労働基本権の団結権の行使にすら後ろ向きな文化というのは、その経緯かなと思うところがあります。最近では障害児を極端に分離する教育をしている文科行政が国際的な問題になっていますが、他にも人権に関わる必要な国内の改革も自主的にできず、外圧頼みなのが残念な状況です。

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2022.05.20

5/13 バスの路線維持がピンチ

13日午後、朝霞市の会議「地域公共交通協議会」が開かれ、委員として出席してきました。この会議は、市内の交通を維持・活性化していくために、市民・交通事業者・県や警察など関係者が公共交通全般に関して話し合い、路線の開設や維持や廃止、運賃の改定、新たな交通手段の検討、公共交通の利用しやすい改善などを検討する会議です。
朝霞市は地理的に恵まれて公共交通の維持にあまり注意を払わずに済んできましたが、近年、バス運転士の不足や、マイカーの利用の常態化などで公共交通の不振、バス経営の都内に比べての相対的な優先度の低下などが続いています。さらには、朝霞市は高低差が大きくそうしたところでの高齢化が著しく、日常生活の移動手段の確保も課題になっています。そうしたことを個々に条件闘争的に交通事業者と市が交渉するのではなく、包括的に検討できる機能があります。

13日の会議では、
・地域公共交通計画の進捗状況の報告
・それにともなう公共交通空白3地区の検討状況
・すでに書面報告され実施されている西武バス朝24系統・朝霞台駅~泉水地区~志木駅南口路線の収支改善のための経路変更
・バス協会からバス事業者の経営状況
・飛鳥交通からあさかリードタウンへの交通手段の検討のさらなる見直し(住民限定の完全予約制の送迎に特化)
などが議題となりました。

一番深刻に受け止めなくてはならないのは、バス事業者の経営難で、コロナ前の80%までは回復しているが、採算をいく90%には到達が難しく、85%前後で止まるだろうという報告です。さらには2024年からの運輸従事者の総労働時間の規制強化が始まることから、わくわく号を含むバスの減便が避けられないだろうという見通しが示されました。バスがあって当たり前とした議論が通用しなくなる現実が迫っているかも知れません。市民の積極的な利用が課題になっています。
市役所からは、市役所にバス時刻表を掲示したり、ロビーに公共交通のパンフを置いたり、googleマップにわくわく号の時刻表まで連動させて、ルート検索をすると、ちょうどよいバスがその時間帯にあればバス移動が案内できるようにしました。営業的な視点からいうと市の取り組みはまだまだなことが多くありますが、少しでも利用者が増えればと思っています。

あさかリードタウンの交通実験では、黄色い送迎バスの利用率が低迷していて、住民限定の完全予約制のワゴンバスに実験を切り替えると報告がされています。利用の低迷とみんなが使えるバスでなくなったことには残念な思いがあります。ただし未来志向の実験だと思うのが、完全予約制の通勤手段が始まる点です。鉄道事故やダイヤの混乱でコメンテーターとして引っ張り出される工学院大学の高木亮先生は近著で、定員の3割しか座席のないような交通手段が利用者から見放される可能性はなくはない、着席を確保する観点で予約制の通勤手段というものがこれから検討をしていく必要がある、というようなことを提言していて、その観点からは後ろ向きな実験ではないと思いますが、リードタウンの住民の利用が行われるかどうかが課題だと思います。

前向きな話としては、公共交通空白地域の3地区のうち、根岸台7丁目の和光市境の河岸段丘の地区への交通確保に関して、市と地元3町内会で具体的な検討が始まったことが報告されました。運行可能なルートの確認、車体の選択、利用方法、運賃などがこれから検討されていくものと見られます。
過去の市議会の答弁では一定の方向性が出たら、地域住民一般にも話し合いや説明会の場を設ける、とされているので、地域住民の利用喚起のきっかけとなることも含めて、そうした場がいずれ設けられることになると思います。

市議会に持ち帰りの多い会議だと思っております。

●恥ずかしい話ですが、この会議体を設置する条例が市議会で提案された際(もちろん会議設置を提唱したもので最終的には賛成しましたが)、議員委員がいることが良くないとして、修正案を出しています(賛成少数で否決されましたが)。国内では「我田引鉄」という言葉があるように政治家が維持もできない公共交通を自分の票田に引っ張って、公共交通をダメにした事例に枚挙にいとまがないことと、議員には市議会という場で話せる場をもっと持っているからです。
私もこの会議体設置を提唱した責任から、この会議体をほぼ毎回傍聴してきましたが、ここで議員委員が私と遠藤議員に交代するまでは、議員委員ばっかりしゃべって、本来、めったに言葉を聞けない、住民のニーズ、公共交通事業者の事情、県や警察などの立場が会議で出てこない状況が続いていました。我田引鉄のような害悪はありませんでしたが、本来のこの会議の機能を減殺するようなことが続いていました。
今回私が委員になるにあたって、発言しないように、と思いましたが、実際に会議に出てみると、過去のこうした運営のおかげか、議員以外の委員がなかなか発言しないことか当たり前になってしまっていて、まずいということで、他の委員に質問を投げかけるようにしました。
その結果、公共交通空白地域の町内会の方に検討の受け止め、バス事業者に路線維持のための将来の考え方などをお聞きできたと思います。

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2021.03.04

3/3 16日から国際興業バス全市的に減便のダイヤ改正

20210302bus 市内4路線を走る国際興業バスが16日からダイヤ改正を行います。今回は、朝霞駅南口から膝折、志木駅方面の路線が全般的に減便になっています。全面的にダイヤも改正されていて、改正ダイヤにご注意ください。

 内容としては、
・朝霞駅東口から朝霞・浦和線を経由して内間木(旧湯~ぐうじょう)の路線は夕方帰宅時間帯を中心に減便、
・朝霞駅南口~末無川(志木行と膝折循環の合計)は1時間に約4本→2~3本、
・さらにその先に向かう朝霞駅南口~膝折~志木駅東口は約50分間隔
となります。
 私の居住する三原地区では、志木駅東口→朝霞市役所が、朝霞市民の公共施設の利用で使われるのですが、イベントの開始時間に間に合うには微妙なタイミングのダイヤ設定であり、やや使いにくいダイヤだなぁ、と受け止めています。

 バスの運転士に対する全国的な賃金低下が、人材不足を招き、その結果としての路線廃止です。日頃、もっとバスを活用する生活スタイルにしていくことで、賃金改善が実現すれば、いずれ増便となる可能性もないわけではないので、もっと乗ろう、ということを呼びかけたいと思います。

●このうち、早朝1便だけの朝霞台駅→膝折→朝霞駅南口(朝12系統)は廃止になります。
志木駅南口→朝霞駅南口(朝11系統)は、昨年3月に市内の2路線の廃止申請を県に届け出て、様々な事情で8月に廃止は撤回されましたが、減便を予告されていたものです。
  過去記事 8/26志木駅東口→朝霞駅南口のバス廃止が撤回へ
こうした問題に、朝霞市は公共交通協議会という会議体を設置して、業者、警察、自治体、地域団体で歯止めをかける仕組みを一昨年から発足されています。これがあったから助かったというところがあります。

バス会社も募集しても応募がない運転士の賃金改善のために、路線の選択と集中を徹底的に試みています。採算が取れているだけでは存続してもらえる時代ではなく、もっと儲かる路線に集中的に運転士と車両を投下していく時代です。
1便あたりの乗車率や、自治体の協力で路線の存続を決めているところがあります。埼玉県内は減便や廃止した分しか増便しないと自治体に表明しているバス会社もあります。そういう業界事情のなかで、マイカーばかりを乗り回していた人が、突然バスがないと言いだしても、対処しようがない時代に入りつつあります。
わくわく号も、以前は朝霞市が金を積めば増便を考えてくれましたが、今は、運転士がいないと断られている状況です。

●社会全体、人の役に立つ仕事に人手不足が起きて、東大生の希望の職業がコンサルタントといい、憧れの職業が軒並み手足を動かさず観念的な職種が並ぶ時代です。税制が金融にだけ甘いせいですが、努力が大事と言う人こそ、資産から派生する所得ばかり追いかけたり平気でする時代です。
このミスマッチを解消するような、所得の公正な配分が行われる社会構造に転換することが急務だと思います。

●そのようななか、新年度予算では、市役所の駐車場の舗装し直しに2500万円もの予算が計上されています。マイカーを持っていない人の割合が下から4番目の朝霞市で、公共施設のマイカー来場者の駐車場に関するクレームばっかり聞いている感じがします。新型コロナウイルス対策はもちろんのことですが、CO2対策や、公共交通の存続という観点から、そこに今お金使うんですかという感じがします。市役所周辺の見てくれの整備にばかりお金を使います。

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2018.11.07

11/4 バス停に採算を表示する京都市営バス

20181105kyoto_bus2研修の後、京都市内の移動に市営バスを利用しました。その際、バス停に、その路線の採算状況が示されていました。茶色い四角囲みの数字が100円の運賃収入にかかる経費です。
20181105kyoto_bus1_2

是非論があるかと思いますが、一定の人口密度のある京都市では、マイカー利用をやめてみんなでバスに乗るようにすれば採算が取れるはずの地域です。そういうなかで、住民にもう少し乗ってくれれば採算が取れるという到達目標を立てられることになると思います。

私も、わくわく号やその他バスの課題に取り組んでいますが、バスを通しても結局乗ってくれない現実に退くしかない話ばかりです。
業者が乗ってくれるような努力をしていないと水掛け論を言われますが、乗らない限り増便もないし、バス会社はもっと儲かる路線に資源を投入したいので、運転士不足のおり運転士も確保してくれない、という時代状況です。

●この話を別のところで紹介したらバス運賃がタダにして街が活性化したという海外の事例が紹介され、ナンセンスだというご意見をいただきました。
私も、基本はそうだと思います。ところが、残念なことに日本の公共交通は独立採算が基本でその仕組みを変えるのは何十年もかかる話です。財源も小さな政府が歓迎されるので、どこからも出てきません。補助を出したくても、人に関わる医療、福祉、教育の支出をして、日常のインフラのメンテナンスをして、その残余の額でしか公共交通に振り向ける財源はありません。限界です。地方の公営交通も福祉財源として予算を確保して、高齢者無料パスを交付することで財源投入を受けているという実態もあります。
そうした貧困な公共交通政策のなかで、こういう採算の表示が、住民自身がマイカーから少しでも降りてバスを残す努力をしてみるか、という一つの判断材料となり、社会的な意義のある消費行動を誘導することになると思います。

●「政治路線」と言われるような、有力政治家がごり押しして、誰も乗らないバスを無理に維持させるようなことの防止にも効果的です。
一方、朝霞市では内間木地域のバスが課題になっています。私は、人口密度の低い地域の交通維持は別問題で、採算云々の話ではないと思っています。採算問題は他3路線の課題です。

●私は、高齢者や障害者に交付しているパスモの補助金(年額2000円)が、経費が関わる割に利用できる頻度が少なく、効率悪いと思っています。また市役所や出張所に近い住民ばかりがメリットがあって、遠い住民はこの交付を受けるために交付金額の大半を使ってしまう矛盾があります。またパスモなので、地域間の人をつなげることに政策目的が特化できません。
このための財源が総額約4000万円程度あることから、これを市内バス事業者3社に分配して、高齢者と障害者のバス無料パスを交付したらどうかと提案しているところです。また、ケアマネージャーなどの専門職の判断で、無料パスではなくタクシー券に振り替えることも含めて検討されるべきだろうと思っています。

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2016.10.31

11/30 住民と自治体は「おでかけ」をどのようにかたちにするか

29~30日、東洋大学で開かれた「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム」に参加しました。地域の移動の問題を考えたり行動している研究者、事業者、市民が、事例交換して考え方を整理する研究集会です。日頃、生活と公共交通をどうするか、ということを市議会で問題提起し続けている私にとって、刺激の多い場でした。

問題提起は、名古屋大学の加藤博和先生、大分大学の大井尚司先生、福島大学の吉田樹先生から行われ、
事業者には、
・輸送する部分だけを考えて仕事していないか。「生活」「お出かけ」のなかの手段であるということを見渡せているか
・情報ツールの変化や経営の手法を使っているか
自治体には
・地域のお出かけ環境を整えることが仕事と認識されているか。要求されているからバスを通すということだけやっていないか
・地域公共交通会議で、事業者、自治体、市民で、地域のお出かけをどうするのか、考えているか(全国の自治体の設置率8割、朝霞市は未設置)
市民には
・要求するばかりではなくて、自分ごととして公共交通を考えているか
などの話をされました。

事例は、住民が回送バスを誘致した福岡市柏原3丁目(西鉄バス)、タクシー補助で地域のお出かけを活性化した町長(鳥取県日野町)、沿線住民に全戸訪問して必要性と欠けたところを認識して地域との関わり方を変えた(十勝バス)、再建を引き受けた京都丹後鉄道の地域活性化と乗客増(WILLER・EXPRESS)、沿線活性化の仕掛け(鳥取・若桜鉄道)、半径2キロのくらしの足をつくる(北九州・三ヶ森タクシー)などから報告がされています。

●朝霞市は池袋から15分という環境に、交通が便利だ、と思い込みがちですが、地域内の交通環境に関しては、あまり目配りしてこなかったので、マイカーがなくても移動できる移動手段が脆弱です。先生たちが紹介した事例のなかで、青森県八戸市の事例がありましたが、指定した地域には、必ずバスは20分に1本以内、定間隔で走らせることを自治体が宣言し、そのための事業者間コーディネートをしていることも紹介されました。
全国の自治体ではもはや8割にのぼる地域公共交通会議の設置がされていないというのも、グループディスカッションでは恥ずかしい思いをしたところです。もちろん課題がなければよいのですが、簡単にわくわく号を拡充することが難しい状況のなかで、既存バス路線の活性化が必要です。

●ポスターセッション(展示)で、豊田都市交通研究所の交通行動と社会参加の関係性の発表の中で、お出かけの頻度が高い人は、人付き合いや5年後の自分の姿を楽観しているプラスの効果の他に、投票率が高いという結果が発表されていました。投票率の低い朝霞市、やはり地域のお出かけの機会が少ないのかも知れません。

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2015.07.23

7/21 二本松通りの東武バスがダイヤ改正

見落としていましたが、21日から東武バスの朝04、朝05、朝霞駅東口から東円寺を経て、溝沼の二本松通りを西に向かい朝霞台駅や志木駅、新座車庫I行く、東武バスの「朝04」「朝05」がダイヤ改正しています。

改正前と改正後の状況がよく把握できていませんが、日中20分間隔のパターンダイヤを踏襲しながら、新座車庫の入出庫の延長路線が1日13本のなかで、時間帯によって消滅したり新設されたりしているようです。
また夕方の帰宅時間に少し時間があくようなところもあるようです。

●まだ子どもが歩けない頃、保育園の送迎でよく利用した、18:30朝霞台駅発がなくなったのは、いささか寂しい感じがします。このバスは部活帰りの荷物を担いだ中学生も乗っていることもあって、味わいのあるバスでした。

●沿線には、東朝霞保育園、市民会館、溝沼老人福祉センター、溝沼保育園、溝沼児童館、弁財市民センターなどがあって、公共施設の活性化のためには重要な路線でもあります。

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2015.07.21

7/21 エスカレーターの片側あけをやめようと鉄道会社が広報へ

鉄道会社と昇降機業界がエスカレーターの片側あけをやめよう、と広報を展開しはじめます。
私は賛成したいと思います。ただしこの宣伝の仕方に問題を感じていて、確かに片側あけをやめるのは、安全最優先のためですが、それを言い募って行動が改まるとは思えません。

片側あけは、急いでいる人が「どけどけ」と言うから行われているのではありません。そんな人はごく一部です。
急いでいる人に迷惑をかけてはならない、と片側に寄っている人たちの謙譲の気持ちから、片側あけが定着しています。その方たちが安全のためだからと、あいている側に、ずうずうし居座ることを始めるとは思えません。

実験では、片側をあけずに2列でエスカレーターを利用した方が、大量の人を早く運搬できるという結果もあります(片側をあけても一部の人だけが早く昇降できて、あけた分、多くの人がエスカレーターの前で行列を作って待たされています)。宣伝としてはそのことを宣伝しないと、ダメなのではないかと思います。

●朝霞台駅のような短いエスカレーターで歩けないからとイライラしている人を見ますが、あの短いエスカレーターで急いで乗ったところでどんな効果があるのかわかりません。そもそもバリアフリーのために設置しているのではないか、とようやく歩けるぐらいの子どもを連れていたときにいつも思っていました。

●デパートやマンションに比べると、駅の昇降機の数は、利用者数に対して少なすぎるのではないかと思います。また、大手私鉄が空前の利益を出しているときに、自治体の公金の支出がない限り設置しないというのもどうかと思っています。

●そもそも・首都圏のJRの快速と各停の乗り換えのような階段利用を前提とした乗り換えを少しでも減らしてほしい(最近は関西でも階段をのぼりおりしないと新快速と各停の間を乗り換えられなくなっている)。

大阪市の地下鉄は、御堂筋線と郊外の一部路線を除いて、日中は5分間隔でそろえてあり、焦って乗り換えても全く効果がないようになっています。そのようなダイヤを組むことも大事ではないかと思います。
大阪市の対比でいうと、東京メトロに関しては、路線によって運行間隔がまちまちで、かつ混雑していない時間でも頻繁に入る「後続電車遅れ」の時間調整があるため、階段乗り換えを必要とする駅で、焦って乗り換えをしているのではないかと思います。

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2015.04.01

4/1 東武バス積水化学経由で大幅減便

一昨日お知らせしたバス時刻変更ですが、東武バスの朝霞駅東口→積水化学→田島→北朝霞駅→志木駅の系統は、平日で1日16便から11便に大幅減便となっています。

始発の繰り下げ、終発の繰上もあり、当路線しかない田島→内間木支所→浜崎にかけての区間は相当不便になります。

乗らなきゃ減便というのも仕方ない面ありますが、人口密度からしても少ないバス、課題だと思います。
また市の交通行政のなかでの、バス空白地域の認識の再定義が必要です。

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