2015.11.08

11/8 安倍首相が和光市のネウボラを見学

安倍首相が和光市の「わこう助産院」を見学して、妊娠から出産、産後生活まで一貫した支援をする「ネウボラ」を視察したというニュースが入りました。

安倍首相にはあれこれ思うところがありますが、これはよいことだと思っています。

私も、4年前に市議会議員になったときから、委員会審議や一般質問でこうした取り組みが必要ではないか、まずは全額自己負担になったとしても、まずはサービスを形成していく努力を役所がしないと、妊娠で戸惑って動けなくなったり、出産直後の育児と生活の両立でつまづく核家族が出たりして、妊娠~産後の朝霞の生活を暗い思い出にしてしまう人が出てこないか、と指摘してきました。

これに対して行政側からは、おとなり和光市であまりにもうまくスタートさせているので、どうも朝霞市はこの問題に尻が重く、やらない理由、理解しようとしない返答が続いてきました。妊娠とお産と育児は完全に自己責任だという考え方です。しかし、妊娠とお産と育児は人間社会があってこそ成立するもので、個人的な責任だけではないのです。
安倍政権が妊娠から産後生活までの政策が必要だ、と提示してから少しずつ風向きが変わっています。

私は、子どもが増えればいいとは考えませんが、せっかく授かった人の命が大切にされるような安心が必要ではないかと思っています。そのために必要な自治体の政策があるのですが、それをピックアップした首相の今日の行動は評価したいと思います。

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2015.07.21

7/21 エスカレーターの片側あけをやめようと鉄道会社が広報へ

鉄道会社と昇降機業界がエスカレーターの片側あけをやめよう、と広報を展開しはじめます。
私は賛成したいと思います。ただしこの宣伝の仕方に問題を感じていて、確かに片側あけをやめるのは、安全最優先のためですが、それを言い募って行動が改まるとは思えません。

片側あけは、急いでいる人が「どけどけ」と言うから行われているのではありません。そんな人はごく一部です。
急いでいる人に迷惑をかけてはならない、と片側に寄っている人たちの謙譲の気持ちから、片側あけが定着しています。その方たちが安全のためだからと、あいている側に、ずうずうし居座ることを始めるとは思えません。

実験では、片側をあけずに2列でエスカレーターを利用した方が、大量の人を早く運搬できるという結果もあります(片側をあけても一部の人だけが早く昇降できて、あけた分、多くの人がエスカレーターの前で行列を作って待たされています)。宣伝としてはそのことを宣伝しないと、ダメなのではないかと思います。

●朝霞台駅のような短いエスカレーターで歩けないからとイライラしている人を見ますが、あの短いエスカレーターで急いで乗ったところでどんな効果があるのかわかりません。そもそもバリアフリーのために設置しているのではないか、とようやく歩けるぐらいの子どもを連れていたときにいつも思っていました。

●デパートやマンションに比べると、駅の昇降機の数は、利用者数に対して少なすぎるのではないかと思います。また、大手私鉄が空前の利益を出しているときに、自治体の公金の支出がない限り設置しないというのもどうかと思っています。

●そもそも・首都圏のJRの快速と各停の乗り換えのような階段利用を前提とした乗り換えを少しでも減らしてほしい(最近は関西でも階段をのぼりおりしないと新快速と各停の間を乗り換えられなくなっている)。

大阪市の地下鉄は、御堂筋線と郊外の一部路線を除いて、日中は5分間隔でそろえてあり、焦って乗り換えても全く効果がないようになっています。そのようなダイヤを組むことも大事ではないかと思います。
大阪市の対比でいうと、東京メトロに関しては、路線によって運行間隔がまちまちで、かつ混雑していない時間でも頻繁に入る「後続電車遅れ」の時間調整があるため、階段乗り換えを必要とする駅で、焦って乗り換えをしているのではないかと思います。

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2015.06.15

6/14 埼玉県の子どもの貧困政策を聴く

Dscn630814日午後、浦和で埼玉自治研センターの公開セミナー「子どもの貧困と自立支援」を拝聴しました。講師は、PHP新書などで貧困問題の著書がある、大山典宏さん。

貧困問題を総合的に救済できるのは生活保護制度をとりまく、「適正化」と「人権」のせめぎあいを示し、そのなかで貧困対策三法として、生活保護法の改正という「適正化」重視、生活困窮者自立支援法という中間的なもの、子どもの貧困対策法という「人権」重視の政策が打たれた。この改正のなかで、自立支援のあり方はほとんど議論にならなかったことが問題と指摘。マスコミも「地味だから」と全く取り上げなかったことも報告されました。

続いて、大山さんが児童相談所勤務だった経験から子どもの貧困の話が紹介されました。親との摩擦でホームレスとなった17歳の少年と出会いながら制度的な穴から自立につなげられず親元返し、その後、18歳を超えたところでまたホームレスになって万引き「終わってしまった」と知った無力感の経験。
数字にも出ていて、相対的貧困率が上がっているわ、ひとり親家庭の貧困率はOECD加盟国で最低なのに、子どもの生活保護利用者数は絶対数からして減り続け、さらには保護されない家庭の方が深刻な貧困を抱えている現状などを示されました。

埼玉県として取り組む政策として、生活保護世帯の子どもの教育支援「アスポート」事業の展開を紹介され、不便であっても特別養護老人ホームという、他人が介在し、仕事も存在する場所で、同じ問題を抱える人たちどうしで集まって勉強していく意義を語られました。関係性が自立支援につかながっている、と力説しました。
この政策によって、埼玉県の保護世帯の高校進学率が86.9%から、97.8%まで上昇する成果を上げています。
また、最近では、18歳から20歳まで、親元にいては人生が台無しになるような人が、落ち着いて進学できるように、貧困家庭に対して住宅提供を開始して、これによって生活保護家庭の子どもの大学進学率が13.9%(東京都が40%、全国が20%)を24%に上げることができたことも報告がありました。

●埼玉県の貧困対策は先進的な取り組みだと言えます。フロアから市町村や教育との役割分担の質問が出たことに対して、大山さんは、役割分担といって仕事を押しつけたのでは解決には進まない、相手がやらなきゃと思うほど踏み込んだことをやっていかないと、改善には進まない、と話されたことが、事態の改善に向かって動いている現実なのだろうと思います。

●翻って朝霞市は、アスポート事業が県の丸抱えでなくなった今年から、単なる学習塾の通塾費の経済的支援の政策に変わってしまいました。議会のやりとりで、行政側は一方的に県がやめた、という被害者意識です。
しかし、子どもにとっては混乱状態にある保護家庭が少なくなく、直接的な経済的支援だけではどうにもならないことも多いということを改めて認識させられました。学力的にも、家庭環境的にも、比較的良好な状況にある子どもしか使えない制度に変質してしまったのではないかと思います。

●18歳から20歳まで、親元から自立しなければ守られない子どもの住宅をどう保障していくのか、課題だと認識しました。親との関係性が悪い子どもが、親の毒から逃げようとしても、住宅を借りるという法的行為には、法定代理人である親に取消権があることから、ダメになってしまう事例はいろいろ聴きます。18歳選挙権でシルバーデモクラシー云々するもの結構ですが、18歳という節目に子どもをどうするのか、もっと自立支援の政策が必要です。

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2014.10.15

10/15 財務省出身者の介護を拒絶せよ

財務省が6%もの介護報酬の引き下げを厚生労働省に押しつけようとしています。

介護労働者の賃金があまりにも低いことは広く知られていることですが、これをさらに下げてくうや食わずの状態にして、どのように人の支援をしてもらう体制を継続しようとしているのか不思議でなりません。

安倍政権が進めるアベノミクスは、企業を豊かにしてやれば労働者の給料も上がる、という神話をもとに、企業への保護を広げ続けて、ついには法人税を下げることまでしようとしています。
給料が上がらなければ個人消費は増えない、個人消費が増えなければ内需が生まれない、内需がなければ景気回復しない、という前提は共有するのですが、問題は、給料上げてちゃんと消費する人と、貯金しかしない人がいて、ちゃんと消費する人の給料を上げない限り、景気なんか良くならないわけです。

そのなかでまさに介護労働者というのは、限界に近い低賃金で、機械化できない人でなければできない仕事を担っているわけで、彼らの給料の改善は、景気回復のために重要なステップになるはずです。月収40万も50万もある人の給料上げたって将来不安で貯金されますが、月収20万、ボーナスや退職金すらあやしい介護労働者の賃金を改善すれば、間違いなく抑えていた消費にお金を回し始めます。

それから、最近の安倍政権が言い始めた「地方創生」が必要になったのは、増田寛也さんたちが衝撃を与えた「地方消滅」するという未来予測です。
増田さんの未来予測は、高齢者がいなくなると、介護や医療の従事者も地域からいなくなって地域が消滅する、という説ですが、そのことは、今が、介護や医療が高齢者の多い地域で若者・中年の雇用を創出し、地域経済を支えるための再配分が行われている、という現実があるわけです。そこを絞ったら、今から「地方消滅」が始まることになります。

こんなことをやって、介護を担う人材が確保できるか、問題が起きてきます。
中村淳彦さんの「崩壊する介護現場」では、賃金が安い、人が来ないのなかで、やってくるのは他の産業では雇わないタイプの人の割合が高く、そのことで、サイコパスのような問題人間と、無気力な人間が職場の空気を支配してしまい、まともな人がどんどん職場を去っているという現実を告発しています。
看護だって良くはありませんが、せめて看護の世界のように、安定した賃金と雇われ方と、社会的ステータスが形成されてこないと、人の老後によりそう仕事の質を維持することは困難です。

そこで今度出てきたのは、介護労働者の条件を引き下げる、というまた「参入規制の緩和」という一見最もな話なのですが、前の段落で申し上げたとおり、そうやって要求する質を引き下げれば引き下げるほど、ダメな労働者が流入することで、良質な介護労働者がやってられなくなる職場ができあがります。

官僚がこんな政策しか打ち出さなくなっていることに、創生だの異次元だの言ったところでどうせろくな未来が待っていないのじゃないか、と不安だけが倍増ということになります。

こんな財務省のあほな企画力でも権力です。しかし財務省の職員は自分たちの将来の介護なんかまともに考えたことがなくて、相変わらず明治維新ばりの天下国家なんでしょう。
そうだとするなら死ぬまで天下国家を夢みてもらっていたらいいと思います。

恐らく、財務省の官僚の年金は、現役の介護労働者(39.54歳月20万1435円日本クラフトユニオン調査)より高いでしょう。それだけの資力があるのに、あんたがたの仕事は社会的には地位が低いんだ、と繰り返し言うような人たちを、介護事業者や介護労働者が介護しなければならないのでしょうか。
全ての介護事業所は、財務省出身者の介護を拒絶するような運動をした方がいいのではないかと思います。

●社会保障というと年金のことばっかり関心向けていると、こうした本当に困ったときのシステムがもっと壊されてしまうことになります。
年金の帳尻なんて、100年スパーンのもの。そこにばっかり関心を持っていると、年金財源が足りない、崩壊する、もらえないという恐怖感につけこんで、体よく財務省が増税しても保険料上げても、お金を巻き上げて借金返済にしか使いません。しかもそんな余裕ができると成果に焦る政治家が、国土強靱化だの地方創生だのと横からもぎ取っていきます。
年金が多少下がることの問題より、本当に困ったときに、機能しない社会保障の方が絶対的に困ります。その困った状況に着目した社会保障政策への関心を高めてほしいのです。

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2014.06.02

6/2 福祉労働者を地獄に叩きこむ朝日新聞の一連の社会福祉法人叩き

朝日新聞が、連日社会福祉法人の内部留保たたきをしている。全国で2兆円ある、といい、税金にたかる前に、待遇改善のためにはき出せというもの。そしてその情報源が財務省である、と臆面もなく書いています。

2兆円という金額に驚いて、思考停止しまいがちですが、この金額が1法人あたり、1施設あたりどのくらいの金額になるのかという感覚が重要でしょう。
その金額で驚かせて社会福祉法人に埋蔵金がある、と思わせる手口だと思います。日本全国に社会福祉法人は1万9206法人(2011年)あり、1法人あたり1億円程度の内部留保がある、ということになります。
これが多いか少ないかは、評者によって分かれますが、私はその程度の金額だと思います。社会福祉法人といえどもその福祉事業をするための建物は、減価償却が必要であり、それは内部留保になる。社会福祉法人には数十ヵ所の施設や事業を運営しているところや、自治体ごとにある社会福祉協議会のように大量の福祉事業をしている法人もあり、1施設になおすと数千万円程度となります。
やや高いかも知れないが、法外という内部留保ではないはずです。

一方、こうした社会福祉法人叩きを始めた経産省は、民間企業を管轄している。その民間企業の内部留保は270兆円にものぼります。赤旗あたりは、それをはき出して賃上げ、と言っていて、私はそのすべてに賛意を示すわけではありませんが、過剰な内部留保を日本の民間企業が貯め込んでいる、ということには同意する。その一部を賃上げや、非正規労働者の正規化、請負、下請け企業への圧力をやめることに使えば、消費の限界にあえいでいる人が消費に使い、日本の景気が良くなるのだが、「非現実的」「内部留保がすべて現金だと勘違いしている」などと反論して、必死に冷笑して却下しています。さらには法人税減税しろしろ政治に圧力をかけまくっているのです。

こうした経産省の手口は、まことに矛盾した姿勢と言わざるを得ません。

こうした力学を読者に紹介せず、経産省やそれに乗じている財務省のいうまま、福祉サービス基盤を不安定化して、壊そうとする朝日新聞の姿勢には不勉強と言わざるを得ないと思っています。

利権という問題よりも、福祉労働者が、奉仕の精神にがんじがらめになっている上に、利権・利権という人たちによって福祉のワークルールの「岩盤規制」を壊され、低賃金、不安定雇用にあえいでいる中で、内部留保が貯まってしまっている、という現実もあるはずです。というなら、利権を壊せではなくて、福祉労働とその対価を記事にすることが大切で、福祉利権などとやってしまったら、ただてさえひどい福祉の労働環境がさらに悪化してしまいます。

多分、この記事を書いた記者たちは、福祉の必要な人、支える人の視点になって何かを見たり聞いたりした経験がないのでしょう。


朝日新聞 5月31日 社福の内部留保2兆円 「待遇改善の財源に」 財政審推計

朝日新聞 報われぬ国第二部 福祉利権

朝日新聞は根拠のない理由で年金不信を煽って、民主党と心中した失敗をしたはずです。

●私は民主党政権誕生直後、労組があるから政治がおかしい、というような産経新聞以下のキャンペーン記事を貼ったので、お金を払って読むのはやめました。つくづく「リベラル」な社会的強者の常識のための新聞だと思います。

●メディアスクラムという悪習で、朝日新聞は指折りひどいやり方をするところだ、と認識しています。

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2014.05.13

5/12 和光市の介護保険がNHKクローズアップ現代で紹介されました

昨日のクローズアップ現代「介護からの卒業式」で和光市での、介護度が軽い人が自立復帰できるように取り組んでいることが紹介されていいました。

高齢者の全数調査から始まったこの10年の和光市の介護保険の取り組みには学ぶべきところが多いですし、公的に介護を事業として取り組むということがどのようなことか考えさせられます。

あまり近隣市と比較すると、余計によいことをしなくなると言われていますので、比べるのは控えるべきですが、議会の質問でも、介護施設をどのくらい増やすか、という話と筋力トレーニングの話しか出てこない、わが市の状況と嫌でも比較してしまいます。

和光市の介護保険の運用の成果を比較するための対象として朝霞市がならないように、引き続き在宅介護をどうしていくのかというポリシーと、介護予防の多面性について、議会で質し、市役所の仕事の質の問題として、目標を「何をするか」「何をつくるか」ではなくて、「どんな問題を解決すべきなのか」という視点に置き換えていくよう、議論をしていきたいと思います。

●朝霞市の介護保険制度の運用は、個々のケアマネージャーや医師の判断に任されている部分が大きいので、気づかない人には気づかないままの一方、スキルのあるケアマネージャーや医師に当たった人には自立に向けたケアや、重度な人でも必要な支援が受けられる、という結果になります。専門職を信頼した制度運用とするなら、今度は介護の要否の判断を行う専門職が相互に触発しあえるよう合同研修みたいなことをやらないと、と感じているところです。

●和光市の介護保険料が安いということが番組ではクローズアップされていましたが、それだけに話が焦点化されると、戦略性のない介護保険の運用しかしていない凡百な自治体では、とんでもないことが起きる、ということも注意を払っておきたいと思います。同じ年齢別人口構成のもとで、介護保険料を安くするには、介護事業を絞り込むことになるのですが、その際、和光市のような在宅中心での高齢者の幸福度を高める取り組みをして自立につなげていくことをしなければ、単に介護施設の利用者待機者を増やすだけになるか、補正予算で追加財政投入を繰り返して、次の計画期間で大幅値上げをしなければなりません。
また、和光市の介護保険料が特段安いかというと、朝霞市も近い水準です。介護保険料負担だけをあれこれ議論しても仕方が無く、意味のある介護保険制度なのか、効果のない無意味な介護保険料なのか、という議論をきちんとしないとまずいと思います。

●数日前、民主党の社会保障派を自称する議員が、和光市のこうした取り組みを、「大して自立していない」とくさすようなツィートを見受けました。民主党の社会保障政策の方針が、菅内閣の細川厚労相から軌道修正がかかったはずですが、また先祖返りしているようです。社会保障は大事な政策ですが、大事な政策だからと政局化すべき話題かどうかはまた別なことです。仮に和光市の介護保険制度の課題があったとしたら、そのレベルの話ではないと思います。残念なことです。

●和光市の介護保険の運用の鍵は地域コミュニティーケア会議の運用ではないかと思います。今は優秀な部長がいて、前向きな議論をし、全体の底上げと、自立に向けた挑戦を促す場となっています。そのためには管理職の人材と、会議に参加する専門家・事業者間の信頼関係が大切だと思っています。

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2014.04.18

4/18 社会福祉法人悪者論は経済産業省の調略

奇妙奇天烈な規制改革会議の提言です。「社会福祉法人に社会貢献活動を義務づけ」

福祉分野を自省の縄張りにしようとする経済産業省の調略がきいています。社会福祉法人が1億円貯金を貯め込んでいるとか、盛んに悪宣伝を繰り返して、とにかく譲歩させたものです。

社会福祉法人だって、減価償却や運転資金の留保は必要で、1億円がそれに該当するのか、各種補助金の人件費を著しくピンハネして蓄財されたものなのか、まったく説明がなされていません。それでこの悪宣伝をまんまと信じて、本来業務をちゃんとやれ、と言うだけの提言を、さも社会福祉法人が仕事をさぼっているかのような言い方をするのは妥当なのでしょうか。

社会福祉法人は、規制改革会議がイコールフッティングという点ではほとんど見過ごしている学校法人や宗教法人などと違い、役員報酬自体禁止されていますから、現金にしろ資産にしろ持ち出すことがほとんど禁止されていて、蓄財する意味は福祉事業の新展開か、施設の更新ぐらいしかありません(学校法人や宗教法人は自民党の票田ですからねぇ。デフレの下で学費をつり上げるだけつり上げて、さらに公費の補給まで受けて豪華校舎の建築に邁進している学校法人などどうなっているの、と思うところが多いのですが)。

もちろん利用者をえり好みする社会福祉法人を何とかすべき、という点については、この提言が言いたいことの一部は理解しないわけではないのですが…。そんなこと規制緩和とは何の関係もなく、社会保障関係の審議会や各自治体の福祉関係の審議会等で十分に議論してほしい話です。

保育園問題で証明されていることなのですが、経産省の都合で福祉事業をいくら規制緩和しても、福祉事業への新規参入は僅かしか進まないんですよ。岩盤規制があるからなんて話ではない。もうからないから人件費ピンハネするしか事業者のインセンティブはない。そのための規制緩和もしましたが、それによって運営者も労働者も人材確保が難しくなり、市場から手痛い反撃を食らっているところです。
ウンコの始末をしたり、少なくとも60キロ近くある人間を何人も抱える仕事を、他の人より著しく安い賃金で首切りやすい雇用制度のもとでやりますか、ってことです。新規参入が起きるのは、法人格の問題ではなくて、福祉事業者に払われる補助金・給付金の額の水準です。

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2014.02.01

1/31 就労支援のNPOの経営を聴く

31日は、先の選挙準備でうかがった三重県で知り合ったNPO、稲初ネットと松阪市の沖議員に同行し、立川市の「育て上げネット」にヒアリングに随行しました。

稲初ネットは、就労支援B型の施設運営をしているNPO。そこから接点が広がって、発達障がい、ひきこもりなどの青年から、就労できない若者の支援活動に展開が見えてきたというので、上京する折にくっついてまぜてもらいました。

若者の支援活動NPOの経営の課題、就労支援政策の迷走などのリスク管理などについて、いろいろお話をお聞きすることができました。
とくに大事なことは、もののやりとりはできるだけ互助的関係をつくり現金支出をしないでもいろいろなものが手に入る関係を地域社会と作ることだ、ということは最近、感じていることを話してくださいました。
また、人を支援する政策が増えていくことによって、それらは国や県ではなく、市町村に実施の現場がどんどん移っていくだろう、という見通しも同感でした。
難しいのは、こうした若者支援のNPOの運営に、利用者がお金を払うかどうか、ということで、東京だから成り立つところがある、という話があった一方で、西の方にいくとそういうことがなかなか成り立たない、教育でなければお金を払わない、という話もあり、印象的でした。

その後、都内に移り、私の前の職場、自治労の結成60周年レセプションに出席。2年前、退職から選挙まで時間がなくて十分にあいさつできなかった全国の組合員や、元同僚たちにあいさつすることができました。

せっかくの都内の夜だったので、さらに有楽町の知り合いの開いているバーで飲んで、帰宅しました。

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2014.01.07

1/7 都内の歯科医がポイント制を導入していることの弊害

歯科医師業界の経営が苦しいというのは、身近にいるので様子がわかります。
そうしたなかで居酒屋経営のように、コンサルタントが入り込んで、助言するというのはわかるのですが、さらに踏み越えて、危険領域に入っているのではないか、というのがこの話です。

歯科医院でもポイント還元 患者集め?規制に二の足朝日新聞

もちろん健康保険を使わない診療でこうしたことを行うのは自由だと思いますが、健康保険を使ってポイント還元をするとすれば、多くの人の税金や保険料という「強制徴収」されているお金を流用したことになると思います。

また、歯科医だって身銭を切ってポイント還元をしているわけではないのですから、本来、健康保険で求められる必要な医療の枠を超え、不要な診療行為の拡大にもつながります。それは目下課題になっている健康保険の財政問題を悪化させる原因にもなります。

さらには、実質的な値引きと、健康保険の財政支出の拡大を煽るわけですから、当然、財務省やら、規制緩和に絡む各種政府審議会・委員会・会議からは、さらなる医療財政の切り込みがかけられる危険性もはらみます。
医療の市場化の圧力のもと、少ない医療財政で、市場化では解決しない。、高齢化に関わる医療、お産に関わる医療、小児科医療、救急医療を何とかしなければという時代に公的な医療をきちんと確保していくことが求められます。こうした金銭的利益で患者を釣るようなことは医療界の自殺行為ではないかと思います。

●医療を市場化した場合と、公的管理においた場合の質とコストの比較は、慶応大学の権丈先生がHPで、何度もいろいろな文献を紹介しています。
MARK GONGLOFF(English) 日本語版:佐藤卓/ガリレオ「「アメリカ医療システムがひどい」がよくわかるグラフ」
アメリカの医療はある程度高度であるけれども、社会全体の医療コストからはすべての国より非効率な状態にあることを示しています。

●権丈先生で思い出しましたが、民主党の社会保障政策を担う人たちがまた3年ぐらいの暴虐の歴史に戻ったなぁ、という感じがしていますが、そのことを紹介している記事もご案内いたします。
朝日新聞2013/11/20年金と政治家のレベル

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2013.12.23

12/23 マッサージサロンのような介護予防専門デイ

Dscn4474首都圏にいると実感しませんでしたが、厚生労働省などが要支援1・2を敵視した政策を取るのはなぜかわかったような写真です。
まだこの写真のところは良い方なのですが、その向かいにはマッサージサロンのような看板で、小さな文字で介護保険適用の介護予防専門のデイサービス施設と書いてある店が、北海道の地方の空きコンビニに乱立しています。

実際に自立能力を維持する支援が行われているのか、予防段階の改善につながる支援が行われているのか、窓には選挙事務所みたいに大きなカラーシートが貼付されて中が伺い知れないのでわかりません。
そして利用者も、大変なリハビリ訓練より、楽になるマッサージばかり受け続ければ好評になることは間違いありません。
それでもこうした施設で社会的な関係性を高齢者が作れればいいのですが、と願わずにいられません。

組合の仕事をしているときの友人で、北海道のある自治体で福祉事業者の監察みたいなことをしている職員がいるのですが、最近、デイサービスを名乗って、満足なサービスも提供しない施設が、というので耳を疑っていましたが、このようなことになったと理解しました。

出てくれる施設にありがたいありがたいと施設偏重の高齢者介護をやっていると、いつかこういう事態になっていく可能性は否定できないと思います。

●コンビニ・デイサービスで検索をかけたら、出てくるサイトどれも経営論的視点でビジネスチャンスと煽るもので、コンビニでやる意義とか、人生のチャンスとかそんな言葉ばかりです。もちろんコンビニの跡地にちゃんとしたデイをやるところもあるでしょうが、その場合、利用者を入れてくる腕の良いケアマネに信用されるような看板の出し方をするのではないかなぁ。

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