10/1 きょうから消費税10%に
きょうから消費税が10%になります。私は消費税を簡素に完全なかたちで取って、様々な社会サービスの無償化や、災害の被災者の住宅のような自費で自力で調達しているような困難な問題の解決にきっちり使ったらいいじゃないか、と思っています。しかし、今回の5→8→10%の改定は、迷走と混乱が続いて、消費税への不信感だけが広がった上に、使われ方もメチャクチャになったと思っています。
一つは軽減税率の混乱です。この運用めぐって小売現場、飲食店は大混乱です。マスコミが盛んに報道している軽減か本来税率かの微妙なところは、日々業務を処理する以上、テキトーに運用するしかないように思いますし、そこには税務当局は寛大に臨んでもらいたいものですが、それでも会計処理をめぐって混乱と残業増が続くでしょう。その社会コストを考えたら軽減するのは意味があったのか、小売業や飲食店に従事している方々は、世の中に強気でものを言える仕事ではないわけで、たまらない問題を残したと言えます。
各種のポイント還元も混乱気味です。対象店舗もコンビニがポイント還元の対象で、デパート・スーパーが対象外、地元商店は経営者次第みたいな基準が全くわかりません。機器の導入、対象店舗の認定も遅れているといいます。
こんなポイントで事務手数料かけてちまちま返すより、全国民に税の申告させて、低所得者に割合の高い仕組みで現金を戻せばよいではないか、と思います。そうすれば、逆進性の緩和どころか再配分になります。
市議会議員としても、その前に政治に関心があった国民・市民としても、北欧までいかなくても西欧先進国みたいな大きな社会保障を手に入れることが必要だと思い続けてきました。福祉や学校給食費や義務教育での教材費など教育に何もかも料金や自己負担が必要な社会をやめるためにも、また介護・医療・保育・各種相談員など、人の命に関わる公共サービスで年収200万以下で働いている人が山ほどいる問題を解決するためにも、増税が必要と考えている私は、消費税増税は大きな選択肢と考えていますが、あまりにも筋が悪い「増税対策」にウンザリするとともに、そうした必要なところに回すお金がなくなってしまっています。一方で、こうしたいい加減な政府の増税を突いて、かつて増税が必要と言っている人たちが「増税反対」や「減税」を言い出している政局にほんとうに呆れ果てている状況です。誰も未来をどういう社会にしようなどと考えて、世論を突き動かしていません。消費税の是非に争点が集中しすぎています。
老後に2000万円貯金がいると金融庁がぶちあげて話題になりましたが、年金給付は生活のランニングコストととらえ、老後に貯金がなくても暮らせるという政策目標が必要で、そのための政策動員をきちんとしなければならないのに、それが全くなっていない。非常時こそ臨時出費が続くような老後生活の仕組みのなかで、高齢者が人生をエンジョイするお金も使わずに必死で生活防衛と貯金を残すことに汲汲としている、そんな社会を変える必要があります。
また災害になると自宅は自力再建で、この間、天災で借金地獄になったり、仮設住宅のような劣悪な住環境にずっと暮らさなくてはならない人々を見続けています。こうした人たちの住宅保障に使ったらいいじゃないかと思ったりします。みんなで努力すれば解決できるのに、運が悪い人だけが地獄に堕ちるような仕組みは、みんなで負担して変えていくべきでしょう。