2015.12.11

12/10 問題の多い来年度の税制改正

昨日発表された税制改正の評価です。

①法人税減税の効果に対して疑問、②企業版ふるさと納税制度の創設は企業のヤリ散らかしをさらに奨励する、③軽減税率なんかより給付面での弱者対策、④通勤手当の拡大は時代に逆行する、⑤金持ち優遇の配偶者控除の存続、が問題点と感じています。
一方で、朝霞市にとっては是非が別れるところですが、自治体間の財政力格差是正の拡大は評価しています。

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2014.06.15

6/15 理解不能な法人税の引き下げ

法人税の20%台への引き下げが強引に決められました。財政がすってんてんで、消費税増税で国民の多くが負担増を我慢しているなかで、こんなバカな話がまかり通る、政治の品質って何だろうか、と思います。

また今回、法人税引き下げを強引に呑ませ、さらには労働者保護に関してどんどん安全弁を外そうとする経済界がなぜ政治的関与を糺弾されないのか、疑問に思っています。

地域名士層(農民等)=保守、企業経営者=自由、労働者層=社民という先進国型の政治構造のもと三極間で利益調整をする仕組みができあがらず(日本における社民主義やその流れをくむ勢力の試合放棄が大きいが)、かつては農民、今は企業経営者層の声ばかり政治に意見反映されやすい構造ができあがっていることの問題は大きいと思います。

その構造変化が、農協や労組への「既得権益」、政策に対する「岩盤規制」というレッテル貼りの批判というかたちで、ますます経営者団体のわがまま通り放題という感じになっています。

法人税減税の問題点として
・財政問題に決着がつなかい
・表向きの減税が行われても、課税ベースは広がるので、中小企業はさらに痛めつけられる(法人税減税の効果としての徐々に中小企業、個人に富がしたたり落ちるとするトリクルダウン理論とそもそも矛盾する)
・企業活動が自由になればなるほどかかる社会的負荷(たとえば長時間労働の蔓延による長時間保育の必要性、従業員の精神疾患のかかるリスク、行政サービスの時間拡大、共働き不可能となることからの女性の社会参加の機会の喪失など)への適正負担を失わせる
・法人税ゼロの国がある以上、こうした法人税減税競争は最終的には無意味である
・税金を払わないモラルなき企業の価値観を公認
・かつては法人所得は最終的に賃金や配当で個人に帰属するから法人課税は少なく、という理論があったが、昨今では内部留保と、蓄財にしかまわらない配当に行くことにしかならない
・賃金=経費なので、労働分配率の低い企業ほど恩恵を得る=有効需要を生まずに景気を冷やす
などがあります。

ベッドタウンの自治体の運営を見ていると、企業活動の自由による公共サービスの対応に追われっぱなしです。企業活動のツケ回しである保育所の運営経費を、なぜ企業のよる公的負担がなされず、経済界からは無駄遣いがあるのではないか、社会福祉法人が不正蓄財しているのではないか、などと言われなくてはならないのか、不可解だと思います(最近では、朝日新聞までかそんな論調に加担して、リベラルが財界とつるんで格差や支援が必要な人の問題を無視している昭和初期と同じような展開になっています)。

●先の市議会で、法人市民税の減税で、こうした法人税引き下げの動きを批判された論が展開されていましたが、今回の議案はまたこれとは違う話です。

今回提案されている法人市民税は、自治体ごとに法人税課税するウエイトが大きいと、東京と名古屋にばかり法人税が集まって、東京23区とそれ以外で財政構造があまりにも違いすぎる、という問題意識からの制度改正です。本社がどんどん東京に集中している状況においては、自治体の努力を超えている前提があります。
そこで、国税の法人税と自治体の法人税の割合を変更して、国税の割合を増やし、その分を地方交付税財源として地方に配分する予算とすることです。
その考え方は、私は賛成です。

また、埼玉県南西部の自治体は、地方交付税で決められた水準の財源しかないのに、住民からは潤沢なほい人税から上がる都財調による、東京23区並みのサービス(そのほとんどが給付金と何かの無料化政策でとにかく現金ばかりがかかる)が要求され、そのことが税収が悪くないのに財政を痛めつけている面は否めません。

一方で、朝霞地区4市は、地方交付税水準といっても、それでもそこそこ税収があると、この改革でソントクだけで言えばやや損ということになる可能性も高いと思います。

東京一極集中の税収構造を問題だ、という考え方をとるのか、ソントク論で反対するのか、考えどころです。

●もう1週間前になりますが、NHKの「里山資本主義」という番組で、貿易収支を都道府県間に見立ててグラフにして紹介されていましたが、埼玉県は、高知県の次のワースト2位で赤字でした。
それでなぜそこそこ豊かかというと、考えられることは、労働力を県外に出している、つまりベッドタウンとして労働者を住まわせ、東京で働いて得る賃金ことによって最終的に黒字になっています。地域循環型経済とか、持続可能性のある経済というにはほど遠く、人材育成を怠ると、とたんに経済的には苦境に至る県の経済構造だ、ということを思い知らされました。

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2014.05.07

5/7 消費税増税で作った財源を横取りするかのにような法人税減税を主張するなら政策効果と効果が出る期限を明示せよ

消費税増税をしたばかりのところで、法人税減税を打ち上げる安倍政権は無定見ではないかと思っています。

民主党政権をぶっつぶした消費税増税は国益をもって判断されたものですが、社会保障費の増大や現在の債務残高をふまえて、持続可能な国の財政を作るためものだったと思いますし、私もそのように理解しています。

ところが、そうして国民がつらいと思いつつも、国の未来を考えて受け入れた増税財源を、簡単に法人税減税に走るのはどうかと思います。
法人税減税が政策的効果があるのか、私は疑問です。

政府税調に入り込んでいる太田弘子氏などが盛んに経済効果がある、と押し込んでいるものですが、産業が海外に流出しないインセンティブはあるものの、海外から産業が税金が安いからと日本に環流してくると言い切れるものなのでしょうか。
法人税減税によって企業に残る現金が、ちゃんと消費にまわるのでしょうか。儲けの残りから払う法人税が惜しいから日本から出て行く企業が、直接のコストである賃金を上げたり、下請け、孫請けに対する仕入れコストの切り下げをやめる、ということがなければ経済効果などないのです。

むしろ、企業が儲けを残しても税金が取られなくなるのですから、企業活動は活性化しても、それは需要にまわらず法人の蓄財にまわされることになります。それこそ、今の経済構造を歪めている元凶です。
税金が浮いた分の現金が法人の蓄財となれば、その現金は個人消費の需要を生みません。需要がないなかで蓄財した現金に具体的な投資先もないのですから、ただ投機資金に回るだけです。それは投資してもただ現金らしきものを保有することになるだけなので、再び、バブル崩壊の道と、その後のデフレへの圧力になります。

税金以上につよい直接的なコストである、賃金を払うわけがないし、仕入れコストを上げるわけもないし、そうであるなら消費も増えませんから、何の効果もないのではないかと思っています。残るのは、今社会問題になっている、企業だけが蓄財して、国民の貧困化と政府の財政赤字の死屍累々ではないかと見ています。

国民にとって税金がみんなの生活を支えるための共同の財布という考え方がとうとう確立できなくなります。払った税金が自分たちを苦しめる企業・法人に持って行かれた、という被害者意識しか醸成しません。その結果、税金を払うことに対するモラルはさらに下がるのではないかと思っています。

残念な政策判断はしないでしほしいものです。

●甘利経済再生担当相と、太田弘子氏は、法人税減税によるトリクルダウンの、政策効果の目標値と、その実現の期限目標を示すべきだと思います。社会保障はじめ他の政策で、当たり前のようにやらされていることを、法人税減税においてもならってもらいたいものです。とくに太田弘子氏は、福祉を切れ、政府支出を抑制せよ、財政を再建させよと言ってきた人です。責任ある説得をしてもらいたいと思います。

●労働者に、長時間労働や過剰な感情労働を要求して世の中壊し、そのツケは保育所のコスト増大や、家庭の崩壊、精神医療関係のコスト増大となって余波を受けている企業が、そのコストを負担せずやりにげして、それが改革だと言ってはばからないのは、どうかしているとしか思えません。

●競争力強化による産業再生、そのための小さな政府という路線は、イギリスも、アメリカも財政悪化をもたらしてきています。減税の先食いばかりされて、国民を支える十分な社会保障が構築できないので、貧困は底に滞留し、結果として、人権の観点で民主主義国がやらざるを得ない、国民の生存の極限を支える、最もコストのかかる福祉支出が増えざるを得なくなるのです。

●現在、法人税を払える企業は東京に集中していますから、法人税減税の効果は東京と名古屋に集中することだと思います。消費税は地方でも払っていて、それが増税になっていますから、地方から東京の資金の移転が起きることになります。

●消費税増税は必要だという私も、それでできた財源をすべて財政再建に使え、という財務省の金科玉条を言うつもりはありません。銀行に環流させても、投機資金にしかならないからです。使う先が、消費に効果が出てこないところに使っても仕方がないと思っています。
私は、消費との関係で言えば、法人税減税は公共工事予算の増大以下の判断だと思います。今回上げた消費税の1~2割を、現在、ワーキングプアに支えられている介護、福祉労働者の待遇改善に使うだけでも、人材確保難の悪循環と、支出を抑制しすぎて生活している彼らが消費の拡大に回していきます。また社会で生産活動に邁進したいという人たちへの目詰まりを解消する効果も出てきます。高齢者医療費の軽減などにまわせば、今度は現役世代が退職後の不安を解消するための不必要な蓄財をせず消費に回すことが可能になります。

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2014.04.29

4/29 国民の借金が8000兆円?

昨日のニュースで衝撃を受けた方が多いかと思いますが、国の財政制度審議会が2060年に日本の借金が8000兆円になる試算を出した、という報道を流しています。

現在の1000兆円が50年でどのように8000兆円になるのか、正確な報告を読んでみないとわかりません。いくつか矛盾する数字も並んでいます。GDPの200%の債務残高=1000兆円が、GDPの397%=8000兆円ということは、GDPが2000兆円にも成長していることになります。

そして、結論が
「今の財政健全化目標のあとの2021年度から2026年度の間に集中的に「基礎的財政収支」を改善させる場合、2060年度の債務残高の比率を、現在の水準に近い200%に抑えるには、6年間でおよそ30兆円の収支改善、比率を100%まで下げるにはおよそ45兆円の収支改善が必要だとしています。
財政制度等審議会では、このままでは将来世代に極めて重い負担を背負わせることになるだけに、国や自治体は歳出の大胆な見直しやさらなる増収策に早急に取り組むことが必要だと警鐘を鳴らしています。」
と書いています。

現在、国の財政支出94兆のうち23兆円が国債費ですから、30兆だの45兆だの支出を削減したら、私たちの払っている税金の半分以上が国債費になります。そのようなことができるわけがありません。もちろんこれは数年間の累計の数字ですが、それならもう少し、丁寧で実現可能な数字として、単年度で5兆円の改善とか言うべきでしょう。

財政が大変だということを過剰に印象づけると、着実に改善していこうとする方法論を持った議論がばかばかしい議論として冷笑され、定着せず、数字も見ないで大変だ大変だと過剰に大騒ぎする国民と、どうせ何やってもダメだからと漫然と行政サービスの垂れ流しを使い倒す国民との分裂状態になります。その結果として、財政の立て直しがかけ声倒れになって、我慢させられた気分が蔓延している中で、景気回復などで増収があっても、国・自治体ともに、このときとばかりパーッと使ってしまう結果になります。
本来は景気がよくなったら支出を引き締め、景気が悪くなったら支出を緩めるというのが、財政運営のあるべき姿ですが、日本はいつも真逆なことをやっているのです。

財政制度等審議会のように、できもしない数字を並べ立てて、その帳尻あわせのために、社会的弱者をモラルでいじめるようなことばかりやっていても、何にもこの社会は良くならないといのうが私の見立てです。

また無理な財政再建をやると、国の借金を返すことは成功しても、その現金は金融機関に環流するだけです。その資金は有用な投資先がなければ、投機資金になるだけで、マネーゲームの担い手ばかり豊かにします。そのことはデフレを招くほか、さらに雇用や社会保障の保護をムダなこととして圧迫し、社会をさらに不安定化させます。

国債の危機は、金利負担の増大リスクが危険なので、そこを回避するための財政再建が一定の目標になろうかと思います。現実的な財政再建の選択肢を提示して、国民が受け入れられるような提案を出して、安易に社会保障が自治体がと、責任を誰かに押しつける酔っ払いの天下国家論に終わらせないことが、一番財政再建につながる道ではないかと思います。

●私も財政再建が必要だ、という認識を持っていますが、このような極端な議論をされると、財政再建よりも社会保障を守れという声を優先課題にせざるを得ません。欧州の安定した政府運営をしている先進国の税率はどうなんだ、財政構造はどうなっているのだ、どのような行政サービスの水準なのかと考えて、何が日本にできていないのか、と考えていくことが大事なのではないかと思います。

●こういう数字が出てくるのは、太田弘子あたりが景気回復すると強弁して強引に推進している法人税引き下げへの牽制だと思いますが、それでとどまってくれればと思います。

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2014.04.03

4/3 臨時給付金を自治体が配布することの問題

4月に入り消費税が増税になり、低所得者の負担緩和として、臨時給付金が出されます。朝霞市の事務手続きは住民税が確定する夏頃となる見込みです(多くの自治体と同じ時期です)。

臨時給付金は2種類で、①住民税の課税がされていない人(生活保護世帯を除く)、②①を除く児童手当受給世帯で、1回きりの1万円です(年金受給者、特別障がい者手当や児童扶養手当の給付を受けている人は加算あり)。

これも申請しないと受け取れません。もちろん市役所から申請書類が送られる見込みですが、申請もれがないよう注意が必要です。

●消費税の増税は必要だと認識していますし、増税の痛みの大きい低所得者を緩和する意味で、国民に税務事務作業を増大させる軽減税率制度よりまし、こうした給付金を設けることには賛成どころか、推進する立場です。

しかし、この事務のやり方について問題が大きいといわざるを得ません。
まず、国の制度として行われ、給付金の財源は100%国の補助、給付事務のコストも国が面倒見る、ということになっています。自治体が痛みがないと言えばそうなのですが、そこまで国丸抱えの仕事をなぜ自治体がやらなくてはならないのか、という思いはあります。
問題は、自治体が実施する拒否したり制度を改変して実施できるはずの「自治事務」と位置づけられて行われることです。もちろんすべての自治体が住民にお金を配るだけの事務を拒否したり、逼迫する財政でバラマキを加算することなどありませんが、地方分権の考え方からするとおかしな話です。自治体はこのために、臨時職員を確保したり、コンピューターシステムを変えたり、印刷物を刷ったりさせられます。
その事務作業量はわかりませんが、コストだけ見ても、自治体によりますが、朝霞市で給付額の10%程度、多い自治体だと2割を超えます。

朝霞市の臨時給付金の歳入・歳出(2014年度当初予算、事務経費は国が手当する金額にあわせて計上)
                   歳出          歳入       持ち出し
臨時福祉給付金        3億1300万円     3億1300万円   0円
臨時福祉給付金事務関係  2898万円     2898万円   0円(ただしこの事務にあたる正規職員の人件費の作業時間分の計上はなし・時間外勤務手当のみ)
子育て世帯臨時特例給付金 1億5000万円    1億5000万円    0円
同事務関係           2069万円       2069万円      0円(この事務の監督にあたる正規職員の人件費の作業時間分の計上はなし)
合計   給付金関係     4億6300万円
      給付事務関係      4966万円
  事務費の内訳 電算システム改造1010万円、郵送料1801万円、口座振替手数料892万、人件費関係341万(正規職員の人件費の負荷工数は含まず)、印刷費などなど。

本来税金を取ることの見返りとして給付されるのですから、所得税の税務申告のなかで処理されればよかったのではないかと思います。扶養家族や低所得者など、税務申告のない人をどうするか、という問題だけ、自治体との間で事務処理を進めるか、そもそもの国税の申告のあり方を変えるなどすればよかったのではないかと思います。

また、増税の部分的見返りなのですから、増収する税金より上回ることはありません。そうであるなら1人あたり平等に1万円戻すことをすれば、事務作業は格段に簡素化されます。

所得格差がそのまま控除額に反映され加速的な逆進性を持つ各種所得控除の廃止の引き換えに、こうした戻しを所得税のなかに組み込み、恒久化してもいいのではないかと思います。

いずれにしても、あっちでとって、こっちで返して、事務作業をふくらますだけの自己目的化した制度設計をして、仕事の効率化に逆らうようなことはやめてほしいものです。とくに子どもに関しての給付金は、子ども子育て新制度への移行準備のなかでやらなくてはならないわけです。困ったものです。

●こうした国が実施する給付金は、民生費支出として増大し、市町村の支出の民生費の比率をさらにおしあげます。そうしたことを割り引かずに、中身をきちんと検証しないで「民生費の増大」という安易な批判が行われているのではないか、注意して聞かないと本質を見誤ります。

●昔、町村部の自治体職員の友人に、国民全員に給付金を配った「定額給付金」を実施する前、配布を効率よくやる方法はないか、と聞かれたことがありました。私は、本人証明できる書類を提示したら、その場で現金を渡すのがよい、と申し上げたことがあります(記憶にないのですが、東北の町村でそう割切って処理した自治体もあったと思います)。
コンピューターシステムを改造して、そのバグを潰し、郵便物を送り申請書を出してもらい、その提出確認業務をやり、銀行に手数料を払い振込事務をする、などと考えると、その場で渡してしまえば、1回こっきりの事務になります。
もちろん騙し取られる可能性もありますが、そのリスクが、この七面倒くさい手続きのように給付額の1割を超えることなど、本人証明の提示がある以上、ありえません。町村部であれば、騙し取ったら、そのまちにいられなくリスクの方が高く、1~2万円の金額のためにそのリスクを冒してまで騙しとるか、ということも言えます。
これだけの事務を重ねても、定額給付金にしろ臨時給付金にしろ、きちんと本人に渡っているかという点では、DV被害者の給付金を加害者が世帯主としてすべて取ってしまったこと、逆に暴力団等に追いかけられている人は絶対に受け取りに行けないなど、あったわけで、本人と違う人に渡ってしまうということを撲滅することは不可能ではないか、と思うところもあります。

行方不明の年金の問題もそうですが、多様な国民市民がいるなかで、その国民との間に現金をやりとりする事務のなかで、1人たりとも間違いのない事務、などありえません。間違いの軽減とその事務工数の限界がどの位置にあるのか、という問題です。

●朝霞市の場合、給付者リストの作成、チェックする職員の人件費、蛍光マーカー、給付金を入れる封筒代、封筒に入れる事務工数に、騙し取られるリスクを加えた金額的経費が4966万円を下回るようでしたら、本人証明・窓口現金払いをした方が効率的である可能性がある、ということです。

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2013.11.09

11/9 非課税の私的年金創設は赤字国債の消化かバブルの再来だけ

政府が、非課税の私的年金創設と打ち上げているが、景気やこれからの日本に必要な社会や経済構造に全く逆行する発想と言わざるを得ません。

今の日本経済の問題は、消費に意欲がなくなっているのか、貯蓄して現金や現金もどきを抱え込んでいるのか、いずれにしても、お金を持っている人たちが消費をせず蓄財ばかりしてしまうことで、金融緩和しようが、財政出動しようが、すぐ元に戻ってデフレになってしまうことです。

私的年金を奨励して、老後に使うかどうかもわからないお金のために、多くの国民に30年40年の貯蓄を奨励しても、成熟社会になった今、社会全体が物不足で購買意欲に満ちあふれているわけではありませんから、運用先のない資金が市場にだぶついて、景気を悪化させるのではないかと思います。
さらには、その運用先が国債と株式や土地への投機ぐらいしかありませんから、国債であれば公共事業か財政赤字の穴埋めに使われて将来の返済圧力として積み上がっていくか、投機であればバブルになるだけでしょう。

そして投機バブルの方は将来的にはいつかバブル崩壊、デフレという経路をたどりますし、財政赤字の穴埋めは終戦直後の経済混乱のように、最終的に日銀札を刷りまくってハイパーインフレで解消するしかありません。

今大事なことは、国民に消費をしてもらうことです。とくに増え続ける低所得者は必要最低限のものすら切り詰めているとしか考えられませんから、低所得者に所得を改善するための施策を打って、そして彼らが安心して消費をする環境を作るという価値基準で政策動員することが必要ではないかと思います(しかしそれをやっても日本社会は大都市部の不動産価格や家賃が上がってそこが富を収奪してしまう問題は抱え続けています)。

また私的年金を育成する政策というのは、公的年金の縮小か、富裕層の蓄財奨励しか考えられません。公的年金の縮小であれば、これから年金を負担する層の意欲を減退させますし、富裕層の蓄財奨励は上記のように社会全体をデフレに向かわせます。

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2013.06.01

5/31 小野教授のアベノミクスの評価

前職の仕事の取材以来、12年にわたる親交を続けてきた大阪大学経済学研究所の小野善康教授(前内閣府社会経済研究所所長)が上京されるというので、学士会館に会場を取り、何人かの友人とともに、アベノミクスの理解についてお話をお伺いいたしました。

金融緩和のリフレーション派も、新自由主義(新古典派)も、m(貨幣の量)/p(物価)の関係を操作することしか発想がないという点では同じ穴のむじなで、金融緩和はmを人為的に増やし、新自由主義は競争激化政策でpを小さくすることで、この比率を高めてお金を使いやすくするというものです。
しかし成熟社会では、これを放置しておいても現金保有になりがちで、貯金ばっかり増えてしまう、投資先のない投資資金が増えてしまうという結果になっていきます。

この金融緩和について、吉川洋以降の世代のマクロ経済学の学者は採用しないし奨めもしないだろう、ということでした。

私を含めた参加者の最大の関心は、アベノミクスの弊害がどのように現れてくるかということでした。
それが恐慌的なものなのか、副作用的な混乱なのか、ということだと思います。安倍政権に批判的な人には、それを終わらせるために経済政策が破綻してもらいたいという願望から、アベノミクスに対して大恐慌が起きるというような批判が加えられます。ここのところ株価の乱高下もあり、関心の高いところです。

これに対して小野教授は、 大恐慌でいえばもう20年続いている状況で、それは戦後の経済学の発達で、政策調整されて緩和しつつ続いているという前提の上で、もっと別の要因で経済破綻のような大恐慌が起きる危険性は高まっているが、金融緩和自体は、景気にもデフレにも何の効果もないので、逆にそれ自体で大恐慌は起きず、この1週間のように、株価や金融資産の暴騰・暴落を繰り返す不安定な相場がだらだら続くだろう、ということです。

したがって大恐慌待望論で安倍政権をやめさせることなど考えず、代わりうる政権が何をして国内に幸福をもたらすか考えるべきという話となっています。

最後に本当の無駄とは何かという話になり、「多くの人が労働に参加できない状況が社会の最も無駄な姿で、個々の効率性のために、社会全体で多大な「無駄」が生じている状況をどう解決するのかが課題」とお話をいただきました。

●生活保護の絞り込みのようなことが行われていますが、真剣にその結果を得たいなら雇用、それも社会的な弱者でも就労可能な職場や社会参加の場の確保ではないか、と改めて認識しました。そこを内包しない社会が続く限り、非効率な人は生産の現場から外に放り出し、それは政府によって養うという最も非効率な解決策を採るしかなく、生活保護の補完性の原理から、そこには豊かな市場が形成され得ないということになります。
問題は、そういう非効率な人を包み込んだ職場の生産性で、市場競争に耐えうる範囲なら民間で何とかなりますが、耐えられない負担になってくると、やはり社会的な事業や公的な事業で働く/社会参加をする機会をつくっていくしかないのかと思います。

●参加した民間企業の労務担当者は、アベノミクスで株価が上がって、組合が野党支持の政治方針を徹底しようとしても、従業員たちが安倍政権に好意的だという話をしてくれました。大手企業の場合、従業員で自社持ち株組合を運営しており、この間の2倍に上がった株高で財産が増えたと喜んでいる、精算したはずの退職者まで、持ち株組合の払い出し状況を再確認される、というのです。上場企業で働いたことのない私には、すっかり気づきの遅れていた話でした。

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2013.04.12

4/12 「金融緩和の罠」

日銀にお札をバンバン刷らせて景気回復を図る「リフレーション派」考え方を採用して、外国為替、株価がとりあえず改善している安倍政権。維新、みんなの党、他の自民党総裁候補が小泉構造改革的な新自由主義になりがちで、民主党も新自由主義的経済政策と社民主義的社会政策との間をいったりきたりする中で、腰を据えて小泉構造改革ではない価値を求めていることについては、安倍政権の姿勢を評価しています。しかし実際に経済政策としての効果はどうなのだろうか、日銀が刷りまくったお金がほんとうに失業をなくすのか、インフレなんて本当に来るのか、来たときにはどういう顛末になっているのだろうか、そんなことを考えます。

そうした中、大阪大学の小野善康先生から「金融緩和の罠」をお贈りいただきました。津田塾の萱野稔人准教授が、「デフレの正体」の藻谷浩介さん、BNPパリバ証券の河野龍太郎さんと、小野教授と対談するかたちで、アベノミクスが採用したリフレーション派の経済学の危険性をわかりやすく説明しています。

藻谷さんは、生産人口減社会のなかで、インフレ誘導策など不可能、トリクルダウン理論は高齢富裕層の貯金だけが積み上がって、それを銀行を通じて国債に化け、その国債が年金に化け、高齢富裕層と銀行と政府の間でぐるぐる資金がまわっているだけと喝破しています。必要なことは即効薬はないと断りながら、高齢富裕層から若者への所得移転、生産人口を補うための女性の就労を促進する様々な施策を進めることを提言しています。

河野さんは、金融緩和は金融システムが危機のときにのみ有効な施策で、金融危機のない不況時の金融緩和は国債購入にばっかり投資が振り向けられて、民間経済が成長しない、各国経済にバブルをもたらす、立ち直れないほどの財政パニックをもたらす危険性がある、と指摘しています。やや3人のなかでは小泉構造改革的な観点に近い批判になります。

小野教授は、買う物に満足感が少ない成熟社会では現金保有願望が何より優り、そのために現金をいくら市中に回しても、特定の人たちの現金保有にばかり回ってしまって、人余りカネ余りは解消されないと指摘。通貨供給力をいくら増やしても消費者物価指数は増えも減りもせず、GDPも上がらないことが続いていることを示しています。その上で、とにかく雇用につながる政策が必要と提言しています。また今回は円の信用崩壊についていつもになく厳しく指摘していて、そうした観点から安易な国債発行依存に警鐘を鳴らしています。

三者に共通するのは過去の金融緩和が全く効果がなかったと検証していること。消費額の増加分は燃料高騰分など物価上昇以外の要因によるものと明らかにしています。

●書店には17日頃から発売になるということのようです。

●藻谷さんが本書のなかで以下のようなことを言っています。
「リフレ論の信者に、ある共通の属性があることは間違いないでしょう。それは「市場経済は政府当局が自在にコントロールできる」という一種の確信を持っていることで、だからこそ彼らは日銀がデフレもインフレも防げると信じるわけです。
 これを私は「近代経済学のマルクス経済学化」と呼んでいます。昔ならマルクス経済学に流れたような、少数の変数で複雑な現実を説明でき、コントロールできると信じる思考回路の人間が、旧ソ連の凋落以降、近代経済学のなかのそういう学派に流れているということではないのでしょうか」
おおむね同意します。少し違うのは、①リフレ派だけではなくフリードマン派も同様の傾向が見られる、②マルクス経済学でも様々で、「マルクス主義経済学」と言われる類の人たちに限定しておいた方がよいのではないか、ということです。いずれにしても経済学は心理学とならんで、対象に絶対的な評価を下せると誤解する危険性があります。

●藻谷さんの主張がどこまで経済全般に指摘できるかわかりませんが、すくなくとも地域分析、地域経済分析において藻谷さんの年齢層別人口の推移をみながら考えていくやり方は参考になります。私も市議会では、社会保障関連政策についていろいろ意見していますが、考えるときに最近は藻谷さんの手法をトレースして、保育の将来像、義務教育の将来増、高齢者福祉の将来増について検討するようにしています。

●ちなみに朝霞市で年齢層別人口の推移を確認すると、現在のところ少子化はなく、微弱な高齢化があるものの、バブル経済のよる地価高騰にぶつかった団塊の世代の人口は他市に比べて少ないことがわかります。したがって朝霞市において少子高齢化の対応をまじめにやると、かなり的を外した政策を取ることになります。
一番の課題は、私の属するアラフォー、1965~1975年頃に生まれた世代への対応です。現在はそれが保育所不足やマンモス校の存在として現れていますが、あと20~30年経つと、今の3倍ぐらいの高齢者福祉の需要になってきます。この頃、全国的には、まだ高齢者介護の需要は続いていますが、ピークは過ぎ、整備し終えた高齢者介護サービスを十分に活用できる段階に入り質を求めることが考えられる段階になりますが、朝霞市においてはサービスの量的確保に追われている状態となる可能性があります。

●アベノミクスによって一時的な経済浮揚が始まっていることについては一定評価しておきつつ、これが万能のものとはならない、場合によってはデフレ不況の克服策とは逆行するものになるのではないか、という冷静な判断が必要です。民主党が陥りがちですが、アベノミクスに対して何か言わなくてはと思うあまり、ケインジアンなのか新古典派なのかよってたつ経済理論がわからないような中途半端なクサし方をしてしまい、結果が出ているように見せている安倍政権から逆襲され、さらには対抗理論として根拠薄弱なことを見透かされるような批判をすべきではない、と思います。そうした間違いをしないための一冊だと思います。

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2013.03.20

3/20 ハゲタカが電車の廃止を求めている

西武鉄道の再建に関与してきた金融資本サーベラスが、西武秩父線と西武多摩川線の廃止、プリンスホテルのサービス料を倍にすることを要求しているという。

もともと西武鉄道は民営であっても、公共サービスの1つである。経営破綻するレベルならともかく、簡単に鉄道路線の廃止などされることは許されるものではない、と思う。

出資者に過ぎない、地域社会に住まずに生活がもかかっていないような外国人が、生活の根幹を支える公共交通の廃止について、単に出資証券の価格をつり上げたいがために主張して通るようなことがあれば、この社会はほんとうにおかしなことになっていく。

自治体議員になってみて、市役所の仕事のほとんどが民間委託によって成り立っている。清掃工場は直営でも、その運転業務から分別業務、収集業務は民間。保育園も半分が民間、学校給食調理も民間がかなり入っている。今のところ出資者がどうこうでサービスが止まることはあまりないが、資本流動が容易、事業譲渡が容易な株式会社にそのサービスの実務の多くを依存することで、西武鉄道で起きているような危機は、ないとは言えないことになる。

公共サービスの民営化は、サービスが良くなるとかそういう次元で受け止められているが、本質的には倒産という自己規律メカニズムと、資本がバラバラになりどこの誰の持ち主になるかわからない、という面を持つことを忘れられた議論がされているように思う。公共サービスにとって慎重であるべき、「撤退」ということをつねにはらむものであることを忘れてはならない。

●TPP交渉参加なども含め、最近頭の中に「攘夷」という言葉がちらつく。明治維新の志士気取りの政治家たちは、最初から「開国」なのだろうか。

●TPPの議論で、農産物は輸出強化で何とかなる、という議論があるが、そのようなこと論理として成り立つわけがない。何百パーセントもの関税が、価格競争力では太刀打ちできないことは明らかだし、高付加価値なものとなれば、何百パーセントもの「付加価値」として農家、農産物取引業者の利潤に化けるだけ。そんなものは普通の日本人には買えるものとはならない。
普通につくっている農産物が多少品質良くして海外で売れるのは、ベトナムなど賃金格差が何倍もある国との経済価値の平準化が進むまで解決しない。そこまで経済価値の平準化が進んだ状態というのは、農業国日本だった時代の社会になるということだ゜。

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2013.01.16

1/16 新聞代の消費税に軽減税率適用を求める業界団体の動きの問題点

流通業者の事務コスト・工数を飛躍的に増加させる消費税の軽減税率導入に私も反対ですが、それを冷ややかに取り上げていたマスコミの業界団体、日本新聞協会がいち早く我も軽減税率適用せよと言い出しています。

新聞に軽減税率が適用されても、原材料の新聞紙やインク、機械装置、記者が取材等で払う様々な諸経費などなどはすでに消費税がかかっており、販売差益分しか消費税は軽減できません。そのため新聞料金はやはり消費税増税分の何割かは上げざるを得ません。ところが軽減税率なのにどうして値段を上げるんだともめる理由になり、それは販売店の差益を減らすだけになるのではないかと思います。全く無意味な狼煙ではないかと思います。

新聞購読者が減る一方というのは統計でも実感でもあり、昨今では新聞購読が階層消費化しているのではないかと思われます。そうしたなかでは、新聞が消費税減税をせよというのは低所得者対策にもならないと思っています。

いずれにしてもいかがなものかと思います。

●こうした挙動を行い、軽減税率導入がどういう政治的混乱をもたらすのか試しているとすれば高等戦術だと思います。

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