2017.08.23

8/22 政治家が打ち上げる保育料無料化って…

最近、新しさを掲げる政治家たちから保育料無料化をぶち上げられます。保育料だけ見れば、消費税1%もいらないというのです。しかしちょっと待ってよ、と思っています。子ども保険などという制度を入れて、出てくるのが保育料無料化しかないなんて話もあります。それだけの財源調達やってそれですか、という感じがしないでもありません。
私ももっと保育園が重視される政治をやれやれ言ってきた側だし、私自身の保育料負担は、地域的に認可外保育しか選択肢はなく、11年の未就学児を育ててるうち8年間利用し、自動車2台買えるぐらい超過負担をしてきたので、保育料は安いに超したことはないと思っています。しかし、保育料を下げることに多大な財源を使ってしまって、他に解決すべき保育園にまつわる様々な政策課題が解決できるのか、疑問です。
端的に言うと、優先順位がおかしくて、票を取るためにわかりやすい政策だけを打ち上げて、財源弾切れ、待機児童問題や質の問題が放置されたまままた40年問題が放置される、ということになりかねません。

保育園に関する財政は、市町村の超過負担によって支えられています。保育園が思うように整備できないのは、この超過負担の財源がなく、様々な支出を削ってひっぱがして調達している現実があり、最近のベッドタウンでは、よほど金回りのよい自治体以外、様々な子育て世帯や障害者のいる世帯に出す〇〇補助金みたいなのを切って、公共施設の新築・改築どころか修繕すら先延ばしにして、標準の行政サービスを提供するのがやっと、という状況です。
そこに保育料を無料化したらどのようなことが起きるのか。
保育需要は少しだと思いますが上がるでしょう。保育園は1施設でそんなに人を入れられません。60人とか90人とかの規模です。朝霞市で未就学児が8000人いて、保育所利用率がわずか1%上がるだけでも保育園が1つ必要になります。新たに必要となる保育園の建設費はほとんど国・県の負担ですが、運営経費は1園で市負担分だけで5000万円が必要になります。ここは無料化した保育料の倍ぐらいの予算がいります。まずこの問題にぶち当たります。
無料化されるのは保護者負担だけですから、その裏側で国や自治体が負担している保育財源は、今の日本政府や自治体の財政からは簡単に出てきません。待機児童問題が放置されたまま無料化すると、想像するだけで変なことが起きそうです。

高齢者や障害者福祉サービスとのバランスが必要です。高齢者の福祉・医療は1割負担、ある程度の所得の人は2割負担、さらに来年度からは高所得者には3割負担が入ります。年金収入だけで他に収入もない高齢者世帯が、保育園と同等のサービスを受けると、介護度により3万5千円~6万円払っていることになります(高所得者限定ですが来年度からはさらに1.5倍になる人がいる)。保育園の利用理由の大半が経済活動のためだとすると、収入のない人の介護利用料を上げ続けて高齢者に貯金しなきゃならない強迫観念を与え続けていることとのバランスが問われてくると思います。

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2016.09.16

9/16 待機児童数が絶対に正しい数字になることありません

厚生労働省が、待機児童数の数え方を変更するようです。自治体や保育関係者からクレームがついたからって、計算方法を変更する、というのはムダだし、そんなことに労力使うなら、というごろついた思いがあります。保育関係者ほど、待機児童数の数え方に問題あり、という議論に盛り上がりますが、それを計算するには、あまりにも変数が多くて、いつも無駄な議論だと思っています。

こうなったのは、世田谷区長はじめ、待機児童数でワーストをもらっている自治体関係者が、待機児童数の数え方がおかしいと騒ぎだしたのが発端ですが、私はそんなことで厚労省に力入れてクレーム入れている暇があったら、不動産屋や保育事業者、保育士養成学校などをまわって、少しでも待機児童を解消する努力をしてもらうべきでしょう。

待機児童数というのは就労や親族介護看護、就学など親などによる「保育を必要とする」子のうちから「保育園入園が決まらなかった」子の数です。その過程では危機的に困っている人だけ抽出するために、転園希望だったり、認可外保育で実質的に保育が行われたりする人を差し引くのですが、それが自治体によって基準がまちまちだと、不利な評価になった自治体関係者が怒っているのです。
まず、その加算減算がどの自治体も一律の基準でできるものなのでしょうか。

さらに、待機児童数を数える出発点にある「保育を必要とする子」は、役所に認められた子どもの数からスタートします。それを全国画一的に定義できるのでしょうか。「保育を必要とする」と認定されなかった子どもの数は最初からどこかに行っていますが、それを定義することは地域事情によりけりで本当は不可能です。
とりあえず「保育が必要」と認定された子どもの数から数えていることに何の疑問も感じていないで、その先の加算減算のところで待機児童数の数え方がおかしいの何のと言っても、永遠の研究テーマでしかないように思います。

働くということが実に多様だし地域性があるということを飲み込むと、そもそも待機児童数は相対的な数字でしかありません。自治体間で正確に比較して優劣をつけるような種類のものでもないし、そのようなことをしても待機児童問題は解決せず、数字を少なく出すことができた自治体の自己満足に過ぎないわです。
数字を示されると、どこか科学的で正しいもので、その確信を裏切ってはならない、と考えるのは、受験秀才的な信仰です。

しかし「待機児童数」が全く無意味かというと、そうではなく、その自治体内においての基準として、問題解決に向けては必要で有効です。他自治体と比較するにしても、変数が多くて相対的な数字なんだと飲み込んで、自治体の仕事の相場を把握するのに使う限りにおいては、使える数字だと思うのです。でもそれは問題解決に向けて自治体が動くことが前提ということです。

いずれにしてもそんな数字に自治体や厚労省保育課が神経すり減らす労力があったら、財源調達することに力を注いだらと思うものです。

●数値目標みたいなキラーワードに縛られると、こういうことが起きるのです。

●保育園が充実しているかしていないかの、自治体間で客観的に比較する数字は、そこの自治体の未就学児に対して、保育定員の比率、保育園の整備率しかないように思います。
待機児童数が少ないのに、保育園の整備率が悪い自治体は、専業主婦が多いので、最近の目黒、世田谷、杉並みたいに、おかれた環境や子育て世代の住民意識の変化があればいつか待機児童問題が深刻に発生します。
待機児童数だけ見て、需要追随で保育園を整備したって後手後手に回るだけなのです。待機児童数というのは諸々の変数の結果でしかないのです。厚労省の統計の責任にして自治体の保育行政が免責されるような問題ではないのです。
もっときついこと言うと、首長が厚労省に「待機児童数の数え方が」などと言わせて、注進もしない無能な管理職は、問題が起きると解決する前にオレのせいじゃない、と考えるタイプと思われます。保育職場からはもちろん、数字を扱うような部署や、トラブルの多い部署の管理職をやらせてはいけないように思います。

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2016.03.29

3/29 政府の保育対策の問題点と評価点

政府が昨日、待機児童への緊急対策を発表しています。
政治が、保育園に入れなくて仕事を失う人のことを考えようとしたことは評価していますが、一方で出てきた対策が中身がなさすぎて、まとめが必要ではないかと思います。

一週間ほど前の記事にも書きましたが、保育制度の改革では、小泉政権時代が最も効果がないことを行い、それ以後の政権は一貫して前向きな対応をとっていますが、それでも状況を甘く見過ぎていることと、政治の側に当事者がいない状態です。
小泉政権時代は、保育分野に既得権益を設定して、国民の仮想的のように演出して、必要な改革を空回りさせてきたことが問題でした。また民主党政権が終わった後は、せっかく確保した消費税増税財源を年金積立金に取られたりしながら保育に振り向ける財源が刈り込まれて、必要な政策が停滞しているところがあります。

今回の対策は、既得権益攻撃をするような価値観をもつ塩崎厚労大臣のもとでは、小泉政権期に大した効果を上げなかった政策がべたべたと貼り付けられている、という感じがしています。
国は、何より、保育園整備が自治体で止まってしまっている事情を解消していくことを専念すべきです。思いつきみたいなこといくらやっても、厚労省保育課をトップに自治体、保育園事業者、建設業者、保護者団体もみんな改善に向けての動きがそのことで空回りしてしまうのです。

とくに一番の課題は、保育所の建設費は結構出てくるのですが、保育園の運営コストの自治体負担分が超過負担になっていて、その構造を改善しないと、自治体としてはどこかで対策が限界に来るということです。

●以下、塩崎大臣の発表した緊急対策とその私の考え方です。

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2016.03.12

3/12 2000年代保育園政策はどう展開されたか~待機児童問題の誤情報による責任論を回避するために

「国会議事録で調べると、民主党政権で子供手当ての財源確保のために公立保育園などの補助金を事業仕分けで削減したために待機児童が増えてた。地方も都市部も一律対応した民主党政権の負の遺産でした 」
というデマがツィッター上で流布しているみたいです。結果からいうとそういう事実はなく、むしろ、2009年頃から、首都圏の自治体では保育園を急増させているので、数字だけみると逆の現象になっています。

保育園を増やしたか減らしたかに関しては、自民党政権も民主党政権も功も罪も党内での意見の割れもあって、結果として保育園を増やす方に動いてきたというのが事実です。

日本の場合、保守政党がイデオロギーとは別に、私立保育園の一部を票田に組み込んでいるし、自治体首長や議員も保育園の政策をやっているので、イデオロギーや政党の対立によって待機児童問題に影響は与えていません。そこを無理に政局にするのも、どうかと思っています。

一方で、蓮舫参議院議員は「保育所関連施設を事業仕分けの対象にした、との間違いが時々見受けられますが、そもそも自民党が一般財源化したもので国の予算ではないためあり得ません」といい、玉木衆議院議員は「民主党が事業仕分けで保育所関連経費を削減したとのネット情報があるが、全くのデマだ。公立保育所の予算は小泉政権時代の「三位一体改革」で平成16年に運営費が、福田内閣時代の平成20年に整備費が、それぞれ一般財源化されており、そもそも国の予算ではなくなっている。」と反論しているが、どうも反論としては断片的な事実で反論しているだけで、一般財源化そのものは民主党も推進してきたことから、さらに誤解を広げる展開になるのだろうと思います。

民主党が待機児童対策など保育園政策に定見を持っていたかという謎は、中公新書の「民主党政権 失敗の検証」の「第五章子ども手当-チルドレンファストの蹉跌」を読んでもらいたいものです。そのなかでは、それほど保育園政策そのものに熱心ではなかったことが、子ども手当というわかりやすい政策に飛びつかれたことが書かれたことが明らかにされています。
民主党政権下の保育園整備は着実に推進されていますが、その原因は一部の良心的な議員が注目されないところで整備の仕組みを守って、2007年~今日まで続く保育園増設を基調とする待機児童対策が取り組まれてきた、ということが言えます。そのことは政権交代でも壊さずに来たということが言えると思います。

●十分な資料が手元にないので一部不正確な認識があるかも知れませんが、1990年代後半からの保育園政策を以下整理してみます。

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2016.03.11

3/11 迷走する待機児童問題への議論

保育園の待機児童問題への関心が高まっています。

しかしそこで語られることがあまりにも印象的なことばかりで、問題解決につながらない話が多く、これでは待機児童対策も迷走するのではないか、と危惧しています。

結論から言うと、保育園を増やした市町村の財政が傷まない地方財政のあり方を構築すること、保育士の確保に全力を挙げること、その上で事業者が適正利潤を確保しながら事業拡大できるようにすること、勤務時間管理などを中心に労働者の保護の強化や育児休業取得を保護して無理な保育所利用を抑制すること、などが中心的な対策です。

今朝のニュースが伝える、官邸発のつまらない小技は、かえって基本的な解決を遅らせます。そのことは小泉政権下で続いたことです。

怠慢的な待機児童問題がひどかった朝霞市でも、ようやく本腰入れて対策が進んだのは、2000年代後半、小泉政権の終了以降でした。

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2015.07.01

7/1 育休での保育園退所はあまり効果なし

もう夏です。

さて所沢市の保育園で、育休取得者が家に親がいるんだろう、という理由で、保育園を退園させる運用を始めました。これに対して該当する保護者たちは怒っていて、市議会でも問題解決せず、訴訟に展開されることになっています。

人ごとではないし、もし朝霞市でこのような対応がされたときにどうするか頭の体操の意味も含めて整理したいと思います。
訴訟という点では、自治体の裁量ということで敗訴する可能性が大きいのではないか。育休中ぐらい家でという論調も強いのですがそれには幼稚園児と比較してどうなのか、ということでは預けて問題ないのではないか、行政にとってこんなこと始めると、大した効果がないのに事務量だけ増えるのではないか、と考えています。

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2015.04.27

4/27 保育制度を議論する方に読んでほしい小林美希さん「保育崩壊」

Hoikuhoukai岩波新書から小林美希さんの「保育崩壊」が出版され、私にも本を送ってくださいました。

小林美希さんは、小泉政権全盛期、若者の失業と貧困は彼らの努力不足で片付けられていた時代に、若者がほんとうにひどい働き方をしている、ということを克明にルポルタージュし、経済誌に特集を組んだ人。若者の失業や貧困問題、今日の「ブラック〇〇」とされる問題に最初に目を向けさせた記者でした。
朝霞市の男女共同参画セミナーで講演すると聞きつけ、仕事を休んで講演を拝聴、そこで知り合いになり、時折意見交換をしています。

今回の「保育崩壊」は、保育制度ではなく、入れるか入れないかだけではなく、保育所で保育士と子ども・保護者の間で何が起きているのか、保育士はどのような状況に置かれているのか、ということを中心に書かれています。

思い起こせば、1999年自治労で保育労働運動を担当せよと辞令を受け、保育所は高コスト体質でだから待機児童問題がなくならない、と強引に展開する世論と、その結果として小泉純一郎から樋口恵子さん(時には労組内の女性労働運動)まで「抵抗勢力」と呼ばれて防戦一方のなかで、職場のシステムや職員配置基準は守ったけれども雇用の流動化や賃金水準に関してはかなり犠牲を払った結果に終わった経験があります。
最近、ようやく保育士の確保不足がクローズアップされて、雇用のあり方、働かせ方、そして賃金のあり方も注目されて、「高コスト体質」と批判してきたことの弊害が出てきていることが明らかになっています。
著書は、直接、そうした経済政策論争に首を突っ込んでいるのではありませんが、この間、経済政策論争の犠牲になってきた保育現場をフォローする意味で、保育制度の議論をする方々には必ず読んでほしい一冊です。

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2014.09.03

9/4 4月からの保育・学童保育の制度大改革-子ども子育て新制度の議会審議日程

来年4月から保育所・学童保育の制度が大改革されます。市内のいくつかの家庭保育室もこの制度に適合する仕組みに入り、利用申込が市役所に行わなくてはならなくなります。

そのことに関連した、条例案が9月の定例市議会に提出されています。保育園の利用者、学童保育の利用者にはこれを機会に議会を傍聴してくだされば、と思っています。

審議日程は
4日 本会議の新制度関連の5条例の審議をします。ただし議会のルールで大括りの質疑になります。
      保育園入所認定の条例
      家庭保育室の認可の条例→家庭保育室の制度変更に関わります
      特別保育施設の認可の条例
      学童保育の設置管理条例の改正→6年生に拡大しますが待機問題が発生します
      学童保育の認可条例
11日午後以降or12日 民生常任委員会での新制度関連条例の審議をします。
      こちらは制度の詳細について新条例を逐条的に審議します。
      保護者のみなさまが日頃感じている疑問を詰める質疑はこちらが中心になりますが、10日から始まる他の議案の審議の状況で早まったり遅くなったりします。例年
      10日午前 決算の福祉政策全般、障害福祉
      10日午後 決算の高齢者福祉、児童福祉の一部
      11日午前 決算の児童福祉の残り
      11日午後 決算の生活保護、保険年金行政、保健センター関係
             決算以外の条例
そこまでの審議で、11日18時過ぎになりますので、常任委員会が特段の夜間審議でもしなければ、子ども子育て新制度関連の条例審議は12日の3日目になりそうです。もちろん、委員の議論の状況によってはこれが前後することになります。
保育政策は、仕事をしている人にとっての切実な課題で、それの審議時間が定まらないことは申し訳ないことですが、ご都合がつく方にはぜひ委員会審議の方を傍聴していただきたい気持ちです。

さらに私の個人の新制度に向けた今回の条例以外の課題については、18日の昼前後に割り当てられそうな私の一般質問でさらに深めていきたいと思います。

保育所、学童保育の利用している保護者がこうした場を傍聴していただき、忌憚なく身近な議員に意見を言ってくださることで、市長、市議、市職員一同、保育政策への理解が深まっていくことになり、問題解決が進むのではないかと思います。


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2013.10.02

10/2 児童虐待の再発防止のために

あす、2年前にあった児童虐待死事件をめぐる、朝霞市児童虐待防止等検討委員会の報告書を、市議会民生常任委員会で審査します。内容がセンシティブなため、秘密会となります。議事録も委員会としての報告部分以外は、当事者が全て死亡するまで公開されないだろうと思います。

検討委員会の提言でいただいた、①アセスメント能力、②ケース支援・援助における進行管理体制の改善、③個別支援会議の運営の改善、④モニタリング体制の充実、⑤再発防止に向けた組織体制の整備、強化、⑥関係機関の要望(朝霞市担当の県児童相談所の担当児童福祉司の欠員解消)が解決されたのか確認することになろうかと思います。

現在、その審査のための事前学習中です。

検討委員会が提言している、①アセスメント機能の確立は、専門職を固定しにくい700人の市役所で可能かどうか、⑤外部のスーパーバイザーを置く再発防止が可能か、などは、少し難しいのかなと思うところもあります。かなり思い切った対応が必要だと思います。

朝霞市は、都心に近く、アパートも多いという地理的特性から、孤立した子育て家庭の存在を無視できない都市です。どうしても児童虐待の発生要因が高く、周期的に事件となっています。積極的な児童虐待防止と、児童虐待への対応が不可欠だろう、と考えていますが、県児童相談所のからみや、発見の難しさから頭を抱えることが多くあります。

●児童虐待の対応は、憲法の生存権に由来するもので、財政論を超えていくものではないかと思います。そのなかで都道府県児童相談所の体制の弱さが課題にあるのではないか、と常々思っています。児童虐待が社会問題化した10年ぐらい前に、公務員を全く増やせない政策が打たれたことの遅れは大きいのではないかと思っています。

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2013.04.14

4/14 さいたま市自民党が保育所待機児童対策のための面積基準の緩和改正条例を提案

自民党さいたま市議団が、深刻なさいたま市の保育所不足に対して、保育所に必要な面積の緩和を行う条例改正を提案することとなり、議会招集権者である市長に議会開催を要求している、という報道がありました。

さいたま市議会ホームページ、自民党さいたま市市議団のホームページのいずれも提案内容について確認できないため詳細はよくわかりませんが、マスコミの報道の範囲で判断して書いていることを予めおことわりした上で、私はこの条例案について修正や附帯決議を行い可決すべきと考えます。

民主党政権時代の地方分権策として、待機児童問題が深刻な大都市圏の自治体に対して、必要な面積を一部緩和する法改正にもとづく政策変更の提案で、さいたま市も対象地域であり、法的には問題ないと言えます。しかし、こうした面積基準の緩和の提案について評価は分かれると思います。保育の質を問い、長年、認可保育所の保育環境の向上をめざして運動を取り組んで来た人たちには反対の声が強いと思いますし、一方で地方分権や規制緩和に原理主義的に取り組んでいる方には、そんな規制自体がナンセンス、という考えもあろうかと思います。

私は基本的には保育環境の向上に取り組む前者の立場ですが、しかし丸7年、待機児童問題の当事者でもあり、利用していた認可外保育所と認可保育所の環境の格差も見てきました。認可保育所を利用できないことが、どれだけ家庭に負担になっていることか、また公的に位置づけられた保育所に入所することがまずは保育保障の基本だろう、と考えると、まずは認可保育所にできる範囲で入れるような政策が必要だろうということで、今回の自民党さいたま市議団の提案について基本線は必要なことなのだろうと考えています。

その上で、保育の質、保育環境の維持・向上のために、詰め込み保育と言われないようにするために、、

① 地域別、年齢別の中長期的な保育需要、つまり将来推計人口の6歳児以下人口×保護者の共働き率など簡素な計算でも構わないので保育需要を計測する。

② 広いさいたま市の待機児童問題と一口にいっても、地域、年齢、保育時間によって大きく異なると思いますので、そもそも待機児童問題が発生していない地域、年齢に対して緩和措置をさせないこと。

③ 現在、保育所の増設に力を発揮している子育て安心基金によって、1ヵ所3000万円程度の市町村負担で保育所を新設できるので、保育所新設が見込めないのは新設コストよりも土地確保や事業者確保などの課題があると思われるので、そうした障害がないのに将来的にも保育需要が明らかに見込める場合は、認可保育所の新設・増築を模索すること。

④ ②③の条件にはまらない場合に、一時的(将来的に保育需要が低下するか、保育需要は下がらなくても保育所増設を見込める地域・年齢)、例外的(保育需要が低下しないのに保育所用地を確保できない地域・年齢)に限定してこの条例の目的とする必要面積の緩和を認める。

といったようなことを自民党以外の会派は、条例修正またはそれが難しければ附帯決議で織り込んでいくことが必要ではないかと考えています。あんまり原理主義的に全会派が、丸呑み賛成か全面反対かでやっていると、どちらも副作用が大きいと思います。

●埼玉県内はいずれも地方交付税の基準財政需要額水準の行政サービスしかできないはずなので、自治体財政が潤沢な東京都内の論理にふりまわされないよう留意して現実的解決を図るべきです。

●従来、こうした議案は行政からの提案ばかりだったと思いますが、こうした議員提案が出てくることは、内容の是非はともかく機能する住民自治に向けた、自治体議会発の問題解決として重要だと思います。また自分自身にふりかえっても、議員提出議案による政策実現は、私の能力開発の課題だと認識しています。

●保守系自治体議員は、保育所政策に後ろ向きな意見をされる方が少なくありませんが、社会構造の変化に対して正面から受け止めて必要なものは必要として政策提案をしている自民党さいたま市議団の姿勢については評価したいと思います。

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