6/11 固定観念に満ちあふれた国政の政策判断の影響と自治体の判断の遅れ
市議会本会議の議案質疑が終わりました。詳細の審議は15日の総務常任委員会、17日の民生、教育環境常任委員会に移ります。
他会派、無会派の議員の質疑にいろいろ気づかされることがありました。そういう意味で全体的な会議の場での質疑は重要でした。
さてその内容です。
市税条例改正の専決処分では、国の環境政策の逆行につられた制度改正を確認しました。一つは太陽光パネルによる発電所の発電設備で大規模なものへの固定資産税の減額が、ペロブスカイトによるパネルしか適用しなくなること、輸入障壁とされている軽自動車の環境性能割の撤廃を確認しています。環境政策は減税で促進すべきかは考えがありますが、それでも、環境政策が求められているなかで、逆行するような税制改正だなぁ、というのが感想です。
介護保険条例では、介護保険料の計算式を改めるものがありました。本来は3月定例会に通しておくべきもので、7月に発送される通知書の作成タイミングからもどうして今に追加議案なのか、という点は、よくわからない事務を理由にした答弁が続き、解明できませんでした。
介護保険料は、税額から所得水準を判断して、その人の保険料が決まります。国民民主党が急きょ押し込んだ所得税・住民税減税でその前提となる税額が大きく変わることになり、介護保険料の収入不足となるため、厚労省は今年度は、改正前の税の計算式で所得水準を判断して今年度の介護保険料を決めよ、として、朝霞市も3月定例市議会で条例改正を議決しています。
来年度から全国の自治体で3か年の介護保険事業計画が改定され、予測される3年間の介護保険サービス量から逆算して、介護保険料が全体的に再設定されます。そのため、改正後の所得税・住民税で判断しても支障がないので、今年限りの対応です。
今回、7月の通知書発送の直前に提出された今回の追加改正の議案は、この税制改正のうち非課税枠の拡大分については、改正後の税額で介護保険料を判断するというものです。そこで、非課税枠が拡大したことで、非課税と思って働いたのに介護保険料が課税扱いになってしまわないように、という「配慮」の改正です。その選択肢は、1月9日に厚労省から自治体に示されていて、なんで提案するのに6月までかかったのか、というのが疑問点です。
他市では、この2つの考え方を1本の条例にして、3月議会で改正しています。どうして朝霞市だけが2つに分割したのか、不思議なものです。しかも市議会の議決を経る前に、保険料の通知書の作成作業に入っているわけで、どうかと思うところです。
●介護保険料は安ければ安いほどいいみたいな価値観が強いのですが、現実に高齢者を支える人たちの賃金の塊で、その水準は世間の給料に比べて高いとは決して言えないなかでは、それでよいのかということを改めて考えるべきだと思います。
一方で、介護保険料は、「応益負担」というイデオロギーが前提におかれて、貧富の差の関係ない一律料金を前提に、所得水準によって軽減したり加重する計算式を取っていますが、所得に応じた率ではないので、低所得者には重めに、高所得者には軽めになる保険料です。
正社員とその退職者が中心の時代であれば、一定の月ごとの収入があって、頭割の保険料の考え方は負担できる、という判断ですが、これから非正規雇用の経験が大半の人が老後を迎える時代が来て、軽減があるにしても頭割料金の社会保障負担が続けられるかどうか、考え直すべき時代に入っていると思います。
介護保険料の計算式は、法律に決められていて、自治体で独自の計算式は設定できませんが、時代の変化に応じた介護保険料のあり方を考えるべきときだと思います。
●改めて自治事務という言葉をかみしめたいと思いますが、世の中的には、隣の自治体と制度が違うのがおかしい、みたいな話ばっかりだし、自治体議員が首長との近さをアピールして政策実現力などと言って主体性をどんどん失うなかで、新しい制度を果敢に実現していくということは困難な時代になってきたと思います。
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