3/31 年度末の地方税法改正の問題点
年度末です。
3月定例市議会閉じるなと怒られそうですが、毎年3月31日に地方税法の改正が行われます。
飲み屋談義で「○○市は税金が高い」という議論がありますが、基本的に、地方税法と、財政支援する以上は収入は勝手にきめさせたくないという地方交付税制度のおかげで、市町村によって大きな税金の違いはありません。細かい制度的なものを除くと、あっても固定資産税の評価額によるものと、埼玉県では保険料ではなく保険税とされる国民健康保険税ぐらいです。その国民健康保険税も2027年度からは県内統一となります。たまに加算税みたいな、開発をセーブするための固定資産関係の加算税や、環境政策原資のための政策増税をやっている自治体もありますが、例外みたいな話です。
収入は国が決められた仕組みになっている以上、自治体ごとの行政水準の差は、支出に現れます。現金的なもののバラマキに傾倒すれば実務は後回しになりますし、問題解決型の仕事をすれば、現金的なもののバラマキは抑えめにならざるを得ません。
その税率や計算方法を定める「地方税法」は、毎年3月31日ギリギリに国会を通過します。それが4月1日からの自治体の税金として施行されるわけですが、少し迷惑なものです。
一つは、自治体では議会での審議をする余裕がないので、あわせるために改正すべき市税条例などを、議会で即断即決みたいに短期間で可決しているか、朝霞市においては3月議会を閉めているので、議会を通さず市長の専決処分で決まっています。
実際に税金が課されるのは5~7月にかけて始まるので、少し時間はありますが、税のシステム改修や、納税通知書の発送など考えると全然余裕がなくて、地方税法が国会で無傷で通ることが前提で、システムベンダーなどが作業を始めていますし、短期間で審議する議案や専決処分書は、その前提で国会が通る前から準備作業を始めています。
これまで準備作業で滞ったことはありませんが、財政民主主義や、議会の役割が元々は市民の負担や義務を合意する場所ということを考えると、おかしな慣習です。
朝霞市では市長の専決処分が行われる、と書きましたが、処分して条例改正しっぱなしではなくて、議会にかけるべき条例は、専決処分の承認という議案で、次の市議会に提案・審議されます。否決されてただちに無効ということはありませんが、政治的または市民合意的に問題だった、ということになります。
地方税法のような議案をもっと早く国会で通してくれないかと思ったりしますが、政策のなかで減税を最重視する政治文化のなかで、税金のことは日程闘争的に決めないと、なかなか合意形成が難しいというのがあるのかも知れません(こういう書き方をすると野党の問題のように見えますが、実際には社会団体を背景にした自民党の議論の方が税制の要望の寄せられ方がすさまじい)。
●市民への「負担や義務」が議会にかけるべきこと、というときにいろいろな矛盾を感じることがあります。
市の施設の利用料も、負担や義務ですから、数百円の公民館の利用料みたいなものまで、議案として出てきます。独立採算の水道や下水道料金も議案として出てきます。私は1996年市営交通の運賃改定議案をめぐって、札幌市議会で参考人発言していますが、このときもそれです。同業の民営バス会社や私鉄は、議会などかける必要はありません。
一方で、学校関係の負担はほとんどが議案として出てきません。給食費も食材費は実費だからといいますが、1円も誤差なく実費として払っているわけではなく、見込み額での実費で、こどもの数や食材費の変動で結果は誤差が出ます。朝霞市の場合、公会計化(市の予算決算にちゃんと載せている)しているので、予算審議で食材費と給食費の水準は議場で審議していますが、公会計化されていない自治体は、議員は一般質問で要望的な質問をするしかありません。教材費は使っていないものが返金されていますから、かろうじて「実費」として言い訳が成り立つかも知れません。いずれにしても、生徒の保護者からは「払わない」という選択肢はなく、地方自治法で「負担と義務」といっても、払わされる側の意見表明の場が用意されているかどうかは厳密じゃないなと感じるところです。
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