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2024.12.31

12/31 お役に立っているのかと思いながら、多忙な一年。ありがとうございました。

もうすぐ2024年が終わります。すごくジタバタした一年、みなさまにはハラハラさせたと思います。見守ってくださったり、助言くださったり、時には手まで貸してくれてありがとうございました。

1月は、昨年末の朝霞市議選に立候補もしていないのに、街頭で激しく悪宣伝を繰り返したつばさの党の黒川敦彦と勘違いされたのか、日頃の活動の質に問題があるのか、市議選の結果が前回比500票以上の減となる不振から、再生不可能な未来を感じて、引き続き意気消沈をしていました。

2月、2023年10月に発覚した部活動で有名な市内中学校の教員逮捕事件の、教育委員会の内部調査の報告がされました。深刻な面に触れても深掘りはありませんでした。教育委員会の対応方針は「あってはならない」と現場への綱紀粛正の強化が中心。成果を神格化し、有力者や地域が特権的な扱いをして、体罰や精神的なハラスメントなどの予兆的な問題が通報されても異動をさせず、全部「あいつが悪い」という話だけです。これでは再発防止にはならないと思いました。

2~3月、予算議会で少しずつ息を吹き返しました。市民の感覚と正邪の価値判断、それを議案とのにらめっこして、議会の発言をすることが私の活力です。
私どもの会派「立憲歩みの会」は光熱水費の見積不足に対して予算修正案を提出しましたが、根拠がないまで言われて否決されました。しかし12月市議会でやっぱりそこが足りない補正予算が出てきました。また会派「あさか未来」もDX人材確保の別の予算修正案を提出し否決されましたが、わずか1議席差という結果でした。
市議会が予算を決める場として、ただ追認するのではなく、主体的に関わる試みが昨年同様行われたことはよかったと思います。
教育長の再任議案では、資質を問う教員逮捕事件の対応に質疑や反対討論が盛んに行われました。そのなかで、市長や、擁護する市政与野党の議員からとんでもない発言が繰出したのが、当該校の現役保護者として強く記憶に残っています。

4月は七尾市に、能登地震の自治労の応援ボランティアに加わり、給水ポイントの管理人として8日間行きました。あの時点での被災地の救援、特に災害復興住宅の提供では、東日本大震災に比べて遅れているのを実感しました。宿舎の氷見市の海岸の夜明けの風景がきれいでした。
新しい勉強を始めました。
衆院の補欠選挙があった東京15区では、つばさの党による選挙妨害が派手に行われました。朝霞市議選で、面倒を恐れてけりつけない問題であり、痛恨の極みでした。これ以後、朝霞市議会として、ほぼ一体的にこの問題の対処に動くようになります。
NHK党もつばさの党も、朝霞での議席獲得が悪行の起爆点になっています。野党や市長にものいいする一部与党議員への見せしめ的として、当選した彼らを与党に組み込み、支持層を斡旋したり、市職員がていねいに対応させて優遇したことで、政治活動の勘違いを促したことが原因とみています。

5月、第三中学校のPTAの総会があり最後の最後の1年、会長職を引き受けることにしました。いろいろあっての小中のPTA役員の初心者なので、ジタバタしながらやっています。

6月は、定例市議会のなかで、4月の補欠選挙で暴れ回ったつばさの党所属の議員の問責や、逮捕時のための危機管理の条例提案に関わりました。つばさの党の議員の反対討論で飛び出した暴言から、さらに懲罰動議を発案することになり、民主主義と自由の狭間のなかで、文案づくりに追われました。市議会での討論や提案理由説明がYouTubeに拡散され「もうひとりの黒川」というあだ名までもらいました。
図書館まつりにとりくみました。市内で源氏物語の学習会を開催していることのは学舎の岩野さんに講師をしていただいて、権力と宮中の関係、和歌が果たすコミュニケーションの話をしていただきました。

7月は、所沢市の相談支援事業所で実習を受けました。議員活動をする上でとても肥やしになりました。障害者のケアプラン作成のみならず、市の委託事業も受けていて障害者やその他福祉を必要とする方々の様々な困難事例の相談が舞い込むところなので、事例をリアルに接し、その重みを受け止める機会となりました。

8~9月は、2023年の市の決算を審査しました。過去最大の15億円の赤字(実質単年度収支)の原因さがしに追われました。
裁量を残すために計画なしにお金を使っているのと、強権的な市政のもとで面倒な提案をしたくない職員の心証のもとで、大きな事業もできずごまかしごまかしだらだらと現状維持のためだけの経費にだらだらと有り金全部を使い、お金が流出している、そんな結果です。
また、善政を見せつける政治的スローガンとしての効果度外視の値引き、値上げの回避を繰り返し、これも財政を悪化させています。このままでは、値引き、割引のために、お金がなくなり、一番きついところにある人への福祉を切るという2014年のときのような本末転倒のことが起きます。
「あさか未来」さんから中期財政計画にもとづく財政運営をせよ、という附帯決議が出て、全くその通りと思い賛成しましたが、1議席差で否決されています。
一方で、同じ「あさか未来」さんから、教員逮捕事件での教育委員会の後始末が悪いことを指摘して、組織的対処を求める附帯決議が提出され、これは1議席差で可決しました。

10月は降って湧いた衆院選。久しぶりに民主党系が躍進したのはよかったのですが、その後の国民民主党の暴走気味に辟易しています。応援した8区市来、7区小宮山、4区岸田が議席を射止めたことはよかったと思います。4区での維新の不振は、政治構造を変えていくためによかったのではないかと思います。

11月は、特別養護老人ホームでの実習をしました。介護実習ではなく、利用者のニーズを確認していく実習で、コミュニケーションに課題がある自分を見つめ直してしんどい体験でした。

12月は、11月末に降ってきた次の市長候補予定者の対応に追われました。
またワンチームあさかという朝霞市政を改革する運動を開始し、12月31日12:45に一つの作業を終えて、散らかったままでこれから正月を迎えます。

振り替えると日常がなく、ただ忙しい一年でした。
みなさまにもよいお年をお迎えください。
そして、ようやく朝霞市政をよくするチャンスがやってきました。その機会を逃さず、みなさまの期待に押しつぶされずに、実務者としての自分の役割を言い聞かせて、前に進みたいと思っています。

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2024.12.25

12/23 市長選挙の立候補者説明会がありました

2025年2月16日投票の朝霞市議会議員選挙への立候補者説明会が行われました。

立候補者説明会は、対象となる選挙に立候補しようとする人が、その手続きの説明を受け、所定の書類を受領する機会です。もちろん告示日に書類を書いて持って行くというところまで候補者が確定することはないのですが、準備作業などの関係や新聞報道があることから、泡沫候補になりたくなければ出るものです。
一方で、最近の傾向ですが、立候補者説明会に出たからといって必ずしも出馬するということではないこともあります。昨年の朝霞市議選では、43陣営が出席し、市内各所に巨大なポスター掲示板が設置されましたが、蓋をあけてみれば32陣営の立候補に留まりました。

今回の説明会は5陣営が出席し、①兼本昌尚市議、②大橋正好元市議、③小野寺のりこ元厚労省職員、④富岡勝則現市長、⑤●(現在確認中)の5陣営が出席しました。

●私は、小野寺のりこ陣営として、本田議員、西議員とともに出席してまいりました。

●たまたまお会いした近隣市の革新政党の市議に「くろかわさんって自民党や参政党と組むんだ」というツッコミをいただきました。
今回の「ワンチームあさか」は、私の所属する「立憲歩みの会」と市議会の他の会派「あさか未来」の議員を中心に運動を始めています。「あさか未来」に自民党所属の議員も参政党所属の議員もいることから、そういう言葉になったのだと思います。
一方で、他の、兼本議員は自民党籍がありますし、大橋議員も元進政会、富岡市長は公明党と自民党員も入っている進政会の応援も受けているので、革新政党が独自候補を擁立するのでもなければ、そうした批判は、誰を市長にしようとしても、あるいは誰も市長を出さないということでも、どこか「自民党」を含む政権づくりを認める、同じ結果となります。

今回、「ワンチームあさか」に参加して小野寺さんの政治活動に共闘している理由としては、他の誰より福祉政策がバージョンアップされて、少なくとも近隣他市の水準に追いつくことが可能になる、と思っているからです。実際に掲げている政策を見ていただければ、強者からの配慮する政策を福祉とする現市政の政策より大幅に改善できるもので、大半は仕事のやり方や視点を変えるものが中心で、新たな予算を必要とするものはほとんどありません。
自民党員であっても、共産党員であっても、今よりよい街にしていこうということであって、その解決方法が同じベクトルを向いている市政が実現するのであれば、ひとまず私たちは共闘していきたい、そう考えています。

共闘する「あさか未来」さんとは、教員逮捕事件の後対応、2023年度決算での市の財務体質の改善への意思、素人だらけの市役所のデジタル化への問題意識などでこれまでの課題取り組みで何度か協力してきました。そのなかで、彼らは彼らなりのあるべき論を持ち、市民の代表機関である議会の機能回復を実現させた、という点で信頼できるメンバーだと受け止めています。

4期13年、市政にとって招かれざる客、針の上のむしろという状態のなかで、特に前半11年は誰も指摘しないなかで、ときに保守の側が持つべき問題意識まで提言しながら、じりじり政策が前進することに取り組んできた私や、その仲間は、こうした機会は逃すべきではないとの判断です。

●仮に応援している人が市のトップになったとしても、二元代表制の原則を重視し、批判すべきものは批判し、反対票を投じるものは反対票を投じるつもりでいます。

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2024.12.20

12/19 小野寺のりこさんの出馬表明の記者会見に同席

Line_album_61219-_241219_2 19日午後、前福岡労働局長の小野寺のりこさんが、朝霞市長選挙への出馬表明する記者会見が行われ、同席いたしました。

2月の朝霞市長選への小野寺のりこさんの出馬会見に同席しました。確認団体「ワンチームあさか」の一員として、5期20年の固定観念から脱却するために、市民とともに歩いて行く、覚悟を決めたところです。

最近まで市長選には田原市議が出るものと受け止めていました。2年前の市議会での政変を主導し、市議会を市長の追認的運営から解放し、改革と議論の議会を取り戻した田原市議のリーダーシップに期待していました。会派が違い、自民系と立憲系というイデオロギーの違いはあっても、とにかく今の政策決定の権威主義と停滞を止めないと、市内にどんどん朝霞市の福祉は遅れていく、その危機感と改革の志向は共有していました。

その田原さんからもっといい人がいるんだ、と小野寺さんを紹介されたのが、12月市議会のさなかの11月下旬。
お会いしてみれば、厚生労働省で障害者の就労・社会参加が専門としていて、朝霞市のこれまでの市政が苦手とした福祉や働くこと、社会参加の分野のすべてが埋まる問題意識の持ち主として、お話させてもらって、会派の本田議員と何度も検討する話をし、会見に同席することを決めました。

私が21年前に地域福祉計画策定委員会・市民委員会に飛び込んで、市民委員のみんなで参加型福祉社会を作る絵を計画書に書き込んで、さぁ福祉の改革が始まる、といったときに市長が交代して店ざらしにされてきたことが、小野寺さんの得意分野です。ずっと止まっていた問題に、ようやく血流を流す人が現れた、と受け止めています。

よい活動をしたいと思っている市民が仲間を集めて立ち往生することが続いています。よい仕事をしたいという市職員が組織に幻滅する場面を何度も見ました。仕事ベースではないことで配慮することが多すぎて、新しいことがなかなか始めにくい、そうした朝霞市の目詰まりは解決されるべきです。

小野寺さんには、官僚出身とか、外から来たとか、最初のうちはいろいろなこと言う人がいるでしょう。しかし自分たちの街でみんなで幸せになるためにどうしたらよいのか、市民のみなさんと一緒に考えていくことができる人だと思っています。朝霞市のよい改革のために不可欠な人材です。

これからあちこちでお目にかけると思います。ぜひお声かけください。みなさまとお会いするのが楽しみになりました。
・12月21日(土)10:00~私の市政オープンミーティング
・1月5日(日)14:00~15:30 市議会立憲歩みの会新年懇談会
に小野寺さんが参りますので、そこでみなさまに直接ご紹介できます。
※新年懇談会のご参加の希望は、会場準備の都合でご一報いただけたらありがたいです。

きょうの会見には応援する9人の市議のなかで4人として出させてもらいました。あまりずらずらと政治家が並ぶのは、ということで5人は控えてくれました。でもその裏で一所懸命、働きかけをしてくれています。感謝です。

●答弁席に座っていただいたら、当然、厳しく二元代表制で進みます。

●5期20年の現職の対抗となることから、隠密行動が求められました。この発表が突然だったという方にはお詫び申し上げます。

●小野寺のりこさんの政策はホームページをご覧ください。
https://onodera-noriko.jp/

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2024.12.17

12/16 議事の進歩と退歩と~12月定例市議会が終わりました

16日、朝霞市議会は市長・議会提出の議案すべてを可決して終了しました。
私と属する会派「立憲歩みの会」では、このうち補正予算第8号、第10号、国民健康保険税条例改正の3議案に反対しました。

補正予算第8号はに反対した理由は2点、そして問題点として1点指摘しました。
反対理由①9月定例市議会の附帯決議を受けて教育委員会が性暴力防止の指針を策定するというなかで、違法な附属機関の設置、それに対する報酬が含まれているということで反対しました。内容もお粗末で、わずか1回手取り6880円の報酬しか有識者に払わず、税込みで32000円の予算しか組んでいません。
反対理由②年度途中に南朝霞公民館の大規模修繕をぶっ込んできたことで、億単位の追加支出がされることになりました。中央公民館の大規模修繕が始まり部屋が足りなくなるから南朝霞公民館を急遽やらねばならないという話です。近年、公共施設をめぐっては、計画を無視して、泥棒が来てから縄を縫うような補正予算での工事発注が続いていて、そのことが年度始めの予算で想定しない巨額の赤字を作り続けています。議員が公共施設の工事の中身について検証しきれないとたかをくくっているのでしょうか。公共施設のマネジメントが全然できていない今の市政の問題は大きいです。
そして問題点として、4月から朝霞駅南口の地域の第六、第八小学校で始まる、放課後こども教室の準備予算ですが、放課後児童クラブであればこの時期には決まっている運用が全然決まっておらず、放課後児童クラブ、民間放課後児童クラブ、放課後デイとこの放課後こども教室でどのように利用されるべきで、どういう申し込み体制を整えて、どんな職員体制にして、ということが全く固まっておらず、答弁を求めるたびに変わるような状況に疑義を呈しました。そしてきょう、事業者を募集するというのですから、心配が尽きません。

補正予算第10号は、国の住民税非課税世帯への給付金が内容です。赤字国債でこうした給付金を出し続けることが政策的にどうなのかという問題点も感じますが、毎度毎度、住民税非課税世帯という、「いかにも」な定義ですが、同じ所得でも年金控除の大きい高齢者は該当し、子育て世帯の低所得者は外れてしまうという問題を指摘しました。今回は燃料価格高騰と物価高への対応ということで、賃金が上がっている層にはやらなくてよい政策である一方、市として住民税非課税世帯の上の貧困層に対する施策が必要なはずです。質問してもそういう答えがなく、逆にわずかばかりの給付金や料金値引きを市民に延べ反で撒くようなニュアンスがあるので、反対しました。

国民健康保険税条例改正は、加入者家族1人年7万円の人頭税導入へのロードマップの第一歩なので反対しました。いくら県の強力な指導があるとしても、市として稼ぐ力のない家族の負担をそのまま市民に押しつけるのか、という点に全く無策なまま提案しているので、反対いたしました。

本会議最終日の採決の前、本来は採決に際して委員会はどうだったかと確認すために用意されている委員長報告に対して、委員会質疑が存在したかしないかという中身のない質問を何十問も投げかけることが続けられてきました。その質問が出る度に、各委員会の委員長が議事録ひっくり返して確認作業に追われ、議事があったかなかったかだけを答えるという非効率な議事が続けられてきましたが、今回から議事録の速記録が議員にデータで配布され、そこで確認してもらうようになりました。これで議場で、議員・市職員約50人が、意思決定にさして意味のない空転につきあわなくて済むようになりました。
一方で委員長報告を形骸化しようとする意見もありますが、私は採決にあたり参考情報をきちんと提供される必要があると思い、どんな賛成反対意見があったのか紹介されるべきだと考えています。もちろんそうなるためには委員長の委員会議事に対する要約力が問われます。

良くないと思ったのは、国民健康保険税の改正という市民の負担増になる議案で、委員会なら議案修正や、継続審議にしていくことも容易なのに、簡単な討論しかせず、意見の違う人を説得するような言葉も発せず、本会議に戻すことを許しておきながら、もはや採決するしかない本会議採決前の討論の場面で、微に入り細に入り問題点を指摘した討論があったことです。もちろん討論は自由ですが、地方自治法では委員会中心主義を唱っているし、市民に実害のある条例だと思うなら、もっと委員会で真剣な議案の処理をしてほしかったと思いました。
委員会審議の軽視は、市政与野党共通の、始めに結論ありきを長く続けてきた市議会の体質から慣れっこになっているところがあります。実質化できる審議の改革が不可欠です。

●議案の審議状況と結果

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2024.12.04

12/3 悩ましい大統領制の政治体制~日本の地方政治も

12月に入りました。3日に市議会建設常任委員会があり、水害対策で不足してきた道路修繕工事の予算の追加や、武蔵野線をまたぐ橋の工事代金の減額などを審議して4議案とも全会一致で可決して、本会議に戻しました。

●近況です。
11月30日には市民のトラブルの対応、朝霞の森のプレーパーク20周年の芋煮に顔出し、子どもの進学の対応、会派への相談の対応をいたしました。
12月1日は2ヶ月ぶりの本格的な休日をいただきました。
2日には会派の会議、図書館友の会を会員として参加、連合の地域組織の政策要望の調整会議に参加しました。

●昨晩の韓国尹大統領の戒厳令には驚きました。また議会が察知して集まって、きちんと戒厳令を解除する議決ができたことにも拍手喝采したいほど驚きました。尹大統領の身分以外は、無事に解決しそうなのでほっとしています。
北朝鮮が武力に任せて国際社会に進出しようとしているときに、何をやっているのか、という感じもしています。
尹大統領は、国会が思うように議決してくれないから、というのが戒厳令の理由で、野党に対して「従北」などのレッテルを貼っていることに、近年のトップリーダーにありがちな狭さを感じました。

日本国内でも、近年、目立つ首長選ほどおかしな現象が目立っています。ありもしない、あるいはあったとしても首長に比べれば全然権力のない存在の仮想敵を設定して、それが大衆の求めを邪魔している勢力だと規定して、敵意を煽り、SNSでさらに拡散・扇動して、選挙を勝ち抜き、さらに敵意を煽る人々を沸き立てセルということが続いています。

私は、行政の長を直接選挙で選ぶ政治制度に懐疑的です。強い大統領制をもつ国が混乱をもたらしています。アメリカ、ロシア、フランス、そして今回は韓国です。そうした体制で求められるのは話し合いではなく、トップの決断で、熟議がなくなりやすい仕組みです。
疑似大統領制をとる地方自治体の議会に関わっても、熟議や妥協という場面が見られず、ほとんどが首長への追随か拒否です。平場で政策を形成することは例外的な状況で、政策を実現したければ、議会で活動せず同僚議員との話し合うより、首長との関係性構築に血道を上げる少数派議員も珍しくありません。議員が自己決定権を放棄して、トップの決断にすがるような審議になっていきます。これは自民も非自民も変わりません。

そのような日本の議会を見ていると、韓国の議会は強いな、骨があるなと思うところです。一方で強い大統領制で、議会の仕事が統治責任から少し無責任なるなぁ、と思うところもあります。尹大統領の言い分のなかで、こんなものまで予算を否決するのか、ということがありました。議院内閣制であれば、議会から行政府の責任者を送り込みますから、議会も政府運営に一定の責任が生じざるを得ない長所があると思いました。

●日本の議会もダメかというと、戦前の帝国議会は、政府提出の法案が可決できたのは半分ぐらいということで、骨のある議会だった評価もできます。どうして戦後の地方議会がこんなかなぁ、というのを制度からも、議員へのあり方論からも考えることが多くあります。

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