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2024.11.06

11/5 契約書に書かれていない経費を市民が負担すべきか~臨時市議会

5日午前中は市議会の臨時議会でした。4件の議案を審議しました。
今回の議案、2本は国の事業に伴うもので、法定受託事務といって、自治体が代行してやるべきと定められている国の事業の補正予算、2本は第十小学校の大規模修繕工事で、屋上屋根貸しの太陽光発電の一時的な撤去をすることに、発電業者から想定外の補償を要求されての対応でした。

3つめの第86号議案「和解することについて」は、約束にもないお金を、細かい契約の定義の隙間を読み込んだバーチャルな企業から請求され、いつかやらなくてはならない工事を人質に取られて払わざるを得ない、という展開。同会派の本田議員のFBにも書かれていましたが、市のトラブルシューティングが事なかれ主義になっているなと感じるものもありました。このままいけば、そういう先例を掴んだよからぬ輩に、市役所が変なお金を渡してしまいかねない、そんな感じもしています。

2つめの衆院選の経費予算は、反対してもどうしようもないものの、石破さんのための議会を作ろうとして、解散理由に大義もなく、無理な日程で行われて事務も何も無理ばっかりだったことに、おかしさを申し上げました。

4議案とも、興味深い論点が多く、多くの会派の議員からたくさんの質疑が飛びました。最近の市議会は、採決はともかく、おかしいことには聞くという態度を取る議員が増えて、質疑によって立体的に見えたり、街の保守勢力の方もこんなこと考えるのか、と気づくことが多く、学びが増えたしうれしいものです。

議案の審議の展開です。
第88号一般会計補正予算第5号(新型コロナウイルスワクチン接種被害者への給付金)
自治体の仕事には「自治事務」と「法定受託事務」があり、戸籍のように国の事業の一環としてやらなければならない裁量性のない事務は「法定受託事務」と定義されて国の言うとおりに仕事しています。
新型コロナウイルスワクチン接種は5類移行前は「法定受託事務」として国の事業として行われ、接種によることを起因して死亡したとされる市民への給付金も、国から市を通じて支出することのための予算です。国の通知を受けて、9月30日に市長が専決処分※したものの追認的な承認を求める議案です。
私の会派では本田議員が対応しています。
質疑者:外山,利根川,本田,田辺,高堀
討論:なし
採決の結果:全会一致による賛成
※専決処分:議会で決すべきものを市長の処分決裁で決定できる地方自治法の例外的な手段

第89号一般会計補正予算第6号(衆議院議員選挙)

この議案も国の事業として行われる衆院選によるもので「法定受託事務」です。仕方ないと言えば仕方ない予算ですが、一方でそもそも解散のやり方、解散の大義がなく、訴訟がないだけで憲法違反の可能性もある支出なので私どもの会派は反対しました。
会派では私が主に担当しました。

急な解散、最短の選挙日程による混乱の状況、総務省から9月30日に出た事務連絡のおかしさを確認する質疑をしました。
総務部長から、本来解散があっての衆院選なので何度かこれでよいのかと返しましたが、事務が進まないのでやむを得ず解散前に専決処分をさせてもらった、という答弁に、法にしたがう行政内部の戸惑いが率直にを感じられました。事務的な混乱を確認する質疑(私、飯倉議員)では、他市に比べて早かったとはいえ期日前投票に間に合わない投票所入場券の送付、ポスター掲示板の地図落とし、選挙公報のポスティングの遅れなどトラブルがあったことが答弁されています。

討論では私が、憲法解釈を展開しました。9月30日に天皇が解散する国会を、臨時国会の日程を決める議院運営委員会の開催前に一政党のトップが解散するなど日程まで指定して総務省が全国の自治体に事務連絡している事態はおかしい、などの討論を申し上げ、反対しました。また解散の大義も「石破政権の信を問う」といい、自民党がいつ解散したら有利かということだけ。解釈改憲で行われている首相の任意解散権を容認する憲法の通説が求めている、信を問うべき大きな政変、重大な国民的判断の必要なことでもなく、違憲の疑いのあるものを少数会派であるうちは賛成するわけにはいかない、と反対しました。

法定受託事務であり実際に選挙は行われているので多くの議員が賛成して不思議ではありませんが、憲法上問題があるものを全会一致にしてはならないと思っての反対です。
質疑者:飯倉,黒川,田辺,高堀
討論:黒川(反対),飯倉(賛成),田辺(反対)
採決の結果 賛成多数で可決
賛成:20 あさか未来8,進政会6,公明党4,外山
反対:3 立憲歩みの会2(黒川,本田),田辺

第86号和解をすることについて(第十小学校工事の太陽光発電の一時撤去にともなうもの)
太陽光パネルを学校の屋上で業者丸投げでやらせたところ、学校の屋根工事の関係で工事期間中撤去することにしたら、補償を要求されて約310万払うことで交渉がまとまったので、和解させてほしいという提案。
屋根貸しの発電収入が年410万に対して、朝霞市が受け取る屋根の賃料が13万。2015年からの稼働で、家賃に対して補償金を払って大赤字になる展開です。実質的には親会社が対応しているものの、請求者はペーパーカンパニーのSPC合同会社。また問題が浮上してから何度も定例市議会があるなかで、議会に何一つ報告なく突然このようなものが出されても、という点も問題視し、我が会派として反対しました。
多くの議員が、今回の事業者、市の対応に問題を感じている質疑を展開されましたが、第十小学校の大規模修繕を先送りさせることが良くないと賛成されています。
質疑者:小池,利根川,本田,飯倉,権,黒川,田辺,高堀,福川
討論:本田(反対),田原(賛成),権(賛成),田辺(反対)
採決の結果 賛成多数で可決
賛成:20 あさか未来8,進政会6,公明党4,外山
反対:3 立憲歩みの会2(黒川,本田),田辺

第87号一般会計補正予算第7号(第十小学校大規模修繕工事の変更)
上の第86号議案にともなう補償金を計上し、その交渉のための遅延による工事終期を遅らせることから、支出する工事期間を延長し年度ごとの工事の金額の配分を再設定する予算です。
補償金については86号で議論されたので、主には工事の延長に関して質疑が行われました。
質疑者:黒川,田原,田辺
討論:黒川(反対),田原(賛成),田辺(反対)
採決の結果 賛成多数で可決
賛成:20 あさか未来8,進政会6,公明党4,外山
反対:3 立憲歩みの会2(黒川,本田),田辺

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