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2024.08.15

8/15 79回目の終戦の日・首相退陣と総選挙

79回目の終戦の日を迎えました。
先の大戦に思いをはせ、今年も千鳥ヶ淵にお参りに行ってまいります。

●昨日、岸田首相が退陣を表明しました。支持率をここまで下げて首相を続けられたことや、安倍前首相が始めた憲法を踏みにじる国会との関係をさらにパワーアップしたことなど、あまり良い首相とは思えませんでした。強引な手法であっても白を黒と言わせたがる安倍派を無力化したこと、最後に、強制不妊手術をした過去の政府の判断に謝罪をしたことは評価されるべきことかと思います。

前回の衆議院議員選挙が終わってから3年になろうとしています。戦後、首相による国会の解散は平均すると3年であることから、そろそろ衆院解散があってもおかしくありません。
自民党政治の矛盾や、安倍政権のやったことの歪みが解消されていないこと、ミクロでは自民党を支える社会団体の弱体化からことから、長期的なトレンドは自民党の支持率が低下する傾向にあると思います。そうしたなかで、派手に総裁選をやって、(自民党員しか投票していないのですが)みんなで選んだ新首相の支持率が高い総裁選の直後に衆院解散、そして自公で300議席以上の獲得、という流れにもっていくのだろうと思います。

日本国憲法は国民が選んだ国会議員が首相を選ぶ、つまり衆院選→首相選出、という手続きになっています。しかし、首相の一方的な解散権が好き放題行使され自民党政権が続くなかで、自民党のなかで首相を選び、その新首相が都合のよい議会を創るためにイメージダウンが始まる前に解散して政権を安定させる、首相選出→衆議院解散という手続きが続いています。

野党も野党で頭が回っているのか、首相の支持率が落ちると「衆院解散に追い込む」などとおかしな常套句を言います。そして首相が勝手に交代されて、一番支持率のよいときに解散を打たれ、衆院解散に追い込んだ上に惨敗するわけです。海外では首相がなっていないときに野党が言うべきは「首相の総辞職を求める」です。
自民党の都合の良いときに解散打たれて惨敗して、首相解散権の制限と提言したのに、また支持率のトレンドがちょっと良くなると「衆院解散に追い込む」なんて自社なれあい政治のときの常套句を言いだすことに、過去との矛盾も考えずに常套句に飛びつく民主党の体質は変らないと思うところがあります。

●三権分立という考え方からいうと、多くの国では議会での不信任決議→対抗策としての国会解散、という制度になっています。したがって首相による解散がこんなに乱発されているのは日本、イタリアで、制度としてあっても滅多にやらないのはイギリス、カナダとなります。
新首相を選んで、それに協賛する議会を選ぶというのは、戦前の帝国憲法下の首相と議会の関係でした。この時代は、首相の選任権が最終的に天皇にあり、ある政党の首相が運営に失敗すると「憲政の常道」で対抗政党の首相が天皇によって任命され、衆院が解散される、ということが繰り返されました。それが新与党によるひどい利益誘導選挙をもたらし、潰し合いの政争を繰り返して問題解決能力を失い、軍部の政治進出を招き、先の大戦の悲劇となって終わったところがあります。
戦後、最初の衆院解散は、野党の指摘やGHQの指摘を受けて、首相不信任を決議した上で行っています。しかしそれ以後は一方的解散を繰り返し、野党も安倍政権が出てくるまでこれといって批判することもありませんでした。
憲法のすき間を突き、首相による一方的な解散を容認してきたのは、戦前の政治の前提を蒸し返したいところから来ているのではないかと見てます。
イギリスも国会解散は自由(一時期制約をかけていました)ですが、国王が首相と頻繁に意見を聴き、最終的な判断者として儀式的にでも振る舞っていることから、その権威の前にデタラメな解散はできない、ということを書かれた本があります。朝霞市立図書館に所蔵されています。

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