5/17 重たくどよーんとする足の確保の課題~市の地域公共交通協議会
17日14:30~朝霞市の市民・交通事業者・行政・警察等で交通政策を協議する「地域公共交通協議会」が開かれ、9つのテーマを議論しました。今回は、遠慮しがちな交通事業者、行政からも活発な発言があり、聞き応えのある会議でした。まだ公募委員など市民の発言が低調なのが課題でしたが、そのなかで町内会委員が地域事情をヒアリングして発言されていたのが印象的でした。
心配されていたコミュニティーバスの運営にあたる東武バスの撤退は見送られましたが、バスダイヤの見直しは言明されています。実証実験をしたワゴンバス、ねぎし号とひざおり号の結果は、目標数値を大きく下回る結果でしたが、交通事業者からは目標数値が楽観的すぎたと指摘をうけながら、今後も検討は続行されることになりました。
その他、運転士不足のなかから、様々な報告が行われています。
協議会の運営の質が変わってきたなと思っています。以前は、ない地域に公共交通を整備する、プラスの話が中心でしたが、今は公共交通の担い手不足による資源の減少に市民のダメージを軽減していくか、代りの手段を作っていくか、というものに変わってきています。右肩上がり要求貫徹みたいな話は通らない認識で公共交通の政策は当たらないと、現場に無理を押しつけ、担い手をなくし、ゼロになっていくと感じています。
運転士不足の解消には、公共交通の従事者の待遇改善、そのためには公共交通の利用を促していくこと、公費投入を考えなくてはならないのだろうと思います。さらにはバブリーな今の時代ならではの職業観を、手や足を動かす仕事を再評価していく職業観に転換が起きる必要があると思っています。収入額から逆算させるような文科省の進めるキャリア教育の失敗ではないかと思ったりもしています。
自動運転が宣伝されすぎていますが、技術開発だけではなく、道路環境の整備、自転車や歩行者のルール徹底などを進めると、全的な導入に少なくともあと20年はかかるもので、引き続きバスやタクシーの運転士は必要といえるでしょう。
そんな前提を含みながら、使い倒すだけではなく、地域の生活のQOLを上げるために、今の交通資源をどう配分するか重要な会議体となっています。
交通政策の進捗を確認する議題では、計画を踏襲できている課題の報告の上承認を求められました。私は、課題や未達事項をのどうするかという話が必要で、次回からはそういう用意してほしいと求めました。利用喚起策に関して、わくわく号のロケーション案内システムの利用をどう評価するか、啓発ばかりでよいのか、様々な提起がされました。
計画の進捗報告なので、そうですか、という話で、議題は承認されました。
報告事項が大事なことが多く、一部は本当は議題にすべきものもあり、苦言を呈しました。
1つめは、わくわく号根岸台線、宮戸線の件です。東上線沿線のコミュニティーバスから東武バスが手を引くというニュースが流れましたが、坂戸市と東松山市は別の事業者に移行し、ほかの自治体は、当面運営を続行することになりました。ただし、運転士不足に対応するダイヤ見直しをにおわす話もされています。
2つめは、わくわく号内間木線のワゴンバス化の実績報告です。1ヵ月運行して、前年比74%の乗客数となり減少が報告されたものの、当初予定より堅調な推移と報告されました。内間木地区の町内会委員2人からは、1人は町内会で確認することを、1人はいくつかの課題を示し、事業者からは、数字の読み方で新たな手段になった割に客の減が少なかったこと、日曜日に関しては落ち込みが大きいことなど報告されました。現状を継続しながら、改善を追求することになりました。
3つめは、根岸台7丁目の「ねぎし号」、膝折4丁目の「ひざおり号」の実証実験の結果でした。結論は実現に向けて続行となりましたが、実証実験の結果が目標数値収支率30%の乗客数を割り込んだ結果になっています。わくわく号と比較して目標数値が高すぎる可能性、目的に叶う路線設定でないことなどが課題ではないか、と申し上げました。事業者からは、意向調査から目標数値の設定や実験結果の評価が行われ、実験結果はアンケートに対しての歩留まりが比較的良好な結果ではないか、という評価を受けました。
この案件には、発言が多く、また今後の方向性の決めも少なくないことから、議題とすべきだったのではないか、とも指摘しました。市からは実験の報告だったので報告としたが、決めることが出てきたので改善したいという答えを受けています。
バス事業者からは、定時低運行の乗り物と規定しすぎない方がよいのではないか、という提案をいただきました。運営に向けて紆余曲折してこの案となった経緯はあるしこれからまた検討に時間をかけるのはと思う一方で、もう少し頭を柔らかく考えてもよいのかなと思う大事な指摘でした。
4つめは、西武バスが土曜日ダイヤを当面、日曜日ダイヤで運行することの報告で、確認されました。バス事業者からは、運転士不足はかなり前から始まっていたものの、コロナでの観光バス需要の壊滅的な状況に助けられて、運転士をやりくりできたが、観光需要が復活するなかで、深刻になったと報告されています。
5つめは、シェアサイクルの運営会社シナネンモビリティから委員となったあいさつと事業の状況の報告と、実証実験が終わり本格事業に移行することが報告されました。また、バスと共存していきたい、とお話をいただきました。これも確認されました。
6つめは、第二次地域公共交通計画の策定が開始され、コンサルタント業者が選定された報告がされ、確認されました。
その他として
1つめは、朝霞リードタウン(積水跡地)・根岸台7丁目と和光市駅との間で運行している予約制のデマンド乗り合いタクシーの状況報告と経路変更の検討が報告されました。制度上は事業者の裁量権といい、西友根岸台店の近傍などに経由地を追加することを検討中、と報告いただき、異論があれば求められましたが、特に異論がなく確認されました。
2つめは、わくわく号の利用状況の報告で、対年同月101%を確保したことが報告されました。
最後に、市の福祉部から、高齢者の移送の課題に積極的に取り組みたいので、事業者や関係者のみなさまとの協力をお願いしたい、というあいさつがありました。
次回は8月開催と予告されています。
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