« 3/11 呼び出しの献血を受けてきました~震災13年の日 | トップページ | 3/19 教育長人事での私の討論 »

2024.03.14

3/13 朝霞市として子育ての質を確保するための質問をいたしました~市議会一般質問

13日、自由論題「市政に関する一般質問」を終えました。
運転士不足に直面しながら高齢化に対処しなければならない公共交通のあり方、子どもの人権施策の検証、子ども施設の運営、役所の文書が残らない公文書管理の問題、朝霞市の中期的な未来像について質問をしました。

交通政策に関して、コミュニティーバスの利用喚起が中心だったものを、民営バスの利用も含めてもっと喚起していかないと、という提起には行政も同意していました。2026年度からの次期次期地域公共交通計画の策定に向けてのお題は、交通事業者の人材不足や高齢者の移動の課題が中心になるという答弁。それを受けて、それを策定する市の地域公共交通協議会で、委員としている高齢者福祉部門の市職員がもっと会議の場でニーズや検討している課題を話すべきではないか、という投げかけには、そうしていくという答弁がありました。

子どもの人権に関しては、
①県内公立保育所で相次いだ施設内虐待の発覚を受けての朝霞市の公立保育所の虐待対策を問いました。私立園の方は経費抑制すれば営利事業になりうるということで、性悪説から様々な規制や監視システムが存在しますが、公立保育所は性善説ばかりで、トラブルは通報先も同僚である市職員であるし、市の事務職は保育士の世界を別世界だという感覚があるので、盲点になりやすいところがあります。第三者評価や苦情解決システムが必要ということのなかで、保育部門の内部では必要性はあるけれどもお金がないのでやらない、という答弁の一方、新たに創設される子どもの人権相談から話が来れば、対応せざるを得ない、という答弁でした。
教員逮捕事件の事後対応について問いました。まず、教員逮捕事件の報告書の表現が甘いことを追及しました。報告書のタイトルが事件ではなく「事故」であることをはじめ報告書に保護者の不満は強いことを受けてのことです。「性被害の被害者にならない加害者にならない」というような、被害者に落ち度があると捉えられるような表現はじめ、教育委員会ならではの独特の言葉の用法が保護者を刺激していることを厳しく伝えました。報告書の検討経緯や参考文献などを確認しましたが、作業として甘い、という感じを受け、そのことを伝えました。教育委員会内部での子どもへの虐待案件を受ける仕組みは「全員で対処する」という答弁から未整備であることも確認しました。
③事件を受けて、12月定例会の利根川議員の質問に、市長が子どもの人権相談窓口を設置する、という答弁が行われています。私も会派立憲歩みの会も子どもの人権オンブズマンの設置を提言してきたので、人権相談窓口の設置は歓迎するものの、問題解決につながらなければ二次被害になりかねないという問題意識で質問に臨みました。
市が事例としては北本市を参考にした、という答弁でしたが、条例制定が先行し網羅的に制度を構築する北本市に比べ、朝霞市のやろうとしてしている内容は相談業務の運営手法のみで、受けた相談をどう処理するかに関する体制整備は全くありませんでした。相談した問題のなかから対処が必要なものを考える専門家の調査委員会や、委員に対する勧告権の付与などがなく、今の法律や条例では朝霞市では対処できないことも判明しています。朝霞市として条例整備や、専門家による委員会設置はどうするのか、という問いにはいずれ設置していきたいが、5月開設には間に合わない、子どもの相談に乗れることがまず大事だろう、という答弁ではぐらかされました。解決できない相談や、加害者に市職員や教員が絡むような被害があったときに、会計年度任用職員が窓口に立ち、専門的な検討とそれによる勧告権もない相談窓口では、問題のたなざらし、握りつぶしがおきかねない、と見ています。検討期間が必要と申しましたが、まずは走らせてくれという答弁でした。

子ども関係の施設利用の状況を確認しました。
朝霞駅周辺の放課後児童クラブで、大量の待機児童問題が発生していることは、私の質問の前にも4人の議員が指摘していました。私からは待機児童を発生させないための将来予測の計算が機能していたのか確認しました。近年は放課後児童クラブで待機児童が発生しなかったので、計算していないことが答弁されました。保育所入所児童の居住校区から、校区ごとの放課後児童クラブの利用者の将来推計をすることを約束させました。
3月8日に子ども家庭庁の会議体で、新しい「放課後児童クラブ運営指針」の素案が出てきて、朝霞市の放課後児童クラブがこの指針に適合するかも確認しました。子どもの自発性や企画、運営への関与、障害児とのノーマライゼーションという点では課題がある答弁でした。
朝霞駅周辺で、保育所の待機児童問題が増大ています。市としては未就学児の数自体はそんなに増えていないという認識と、一部地区での開発の影響があるという答弁に、私から開発事業者に保育行政と学校教育行政へのヒアリングを行わせ、販売責任と、販売する側からどのような客層が購入するかの情報を交換した方がよいと提言したところ、開発建築行政と連携して、待機児童の先読みをしていく工夫をさらに強める答弁が行われています。
③放課後デイサービスの利用に関して規制強化が来年度から始まります。放課後児童クラブを利用することを選択する児童が増えてくる可能性があることから、障害福祉と児童福祉の連携、放課後児童クラブの人員体制の強化を求めました。人員体制の強化の必要性を認識し、部から違う二つの課での連携の必要性が答弁されました。

朝霞台駅南口にできる新たな「福祉等複合施設」の建設構想に対して、住民参加が不在で、朝霞駅の周辺の様々な公共施設の建設で行われているワークショップなど、潜在的なニーズを把握したり、住民がその施設を自分たちの施設だと思ってもらえるような設計・企画が行われていないことを問題視しましたが、市からは、予定を変更しないという答弁しかされませんでした。
12日には遠藤議員からの質問で、防災倉庫に関しては一等地に作る必要はないことなどが指摘され、市としてその部分は会議室スペースとして供出する変更が答弁されていますが、それ以外に関しては、行政独裁のような計画の進め方です。
入居する機能としては、児童館が約1000㎡で3分の1を取りますが、その他で一番大きいのは社会福祉協議会の事務局です。ボランティアセンターだ地域福祉だという話ですが、それなら市役所近傍に置くことが必要です。公共施設用地のない朝霞台に中心部にあるべき新たな施設を作って置くものではないし、市からの地域福祉に関する(それも、国が社会福祉協議会がやった方がよいという他自治体で当たり前に行われている程度の)要請すらわけのわからない理屈で断ってくる社会福祉協議会に新しいオフィスを提供する義理はないのではないか、と指摘しました。またあわせて朝霞駅周辺では住民参加のまちづくりをいろいろな場面でやっているのに、朝霞台周辺では、公共施設の建設に関して住民参加をやらないのは地域差別ではないか、とも指摘しました。

公文書の管理について、破棄基準と歴史的文書の保存がなっていないことを指摘しました。破棄にあたっては年限が来たら、担当課長の裁量で破棄させています。断捨離好きな課長のもとではどんどん文書が破棄されるということが起きます。公文書管理の確立した自治体では、公文書管理の担当課長(朝霞市では市政情報課長)と、担当課が保存期限の切れた文書を確認しながら破棄文書を決めています。施策の後世の検証、歴史の記録のために、残すべき文書に関しての運用ルールの改善を求めましたが、前進する答弁はありませんでした。昨年、墨田区で朝霞市のことを扱った写真展示をされた写真家の方が、市役所に行ったら何の文書も残っていない、とお困りになっていた話から取り上げた課題です。過去を語りすぎるのはどうかと思いますが、記録のない街に歴史は残らず、歴史が残らない空間にポジティブなアイデンティティーは発生しないと私は考えています。

2026年からの新たな10カ年の総合計画の策定が始まっています。
総合計画に基づく施策として「少子化対策」と「子育て世代の誘致」という言葉が盛んに使われているので、そればかりでほんとうにそれでよいのですか、ということを問い直しました。子育て世代の流入過剰が、朝霞市で保育所不足、学校施設不足、放課後児童クラブの不足に追いかけ回され続けて、ちっとも子育ての質を上げるところにお金を使えていないではないか、世代的な人口バランスを崩し、将来的には遅れてやってくる急激な高齢化に直面するのではないか、という指摘に、行政や議場からそうだよなぁ、という感触はあったものの、明確に転換する答弁はありませんでした
朝霞市では計画書を山ほど作るのですが、財政的な裏付けが全くありません。そのことで計画を作っても、場当たり的に要求される1000万円単位の事業がどんどんお金を食べていって、市役所や市民会館や学校の改築など、お金のかかる事業が全然、実行に移されません。その結果、第二中学校など補修工事で二重にお金を使うことになっています。
他市のような5~10年先までの中期財政計画を立てて、基礎的な経費を算出し、大型事業をやる年をきちんと決めて、それ以外の年で裁量的な仕事をしていくというような絵を描かないと、いつまでたっても、大型で必要な事業に手が着かないのではないか、と指摘しました。これも議場にはそうだよなぁ、という空気が流れたものの、答弁では、考えておく、という内容に留まっています。

|

« 3/11 呼び出しの献血を受けてきました~震災13年の日 | トップページ | 3/19 教育長人事での私の討論 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 3/11 呼び出しの献血を受けてきました~震災13年の日 | トップページ | 3/19 教育長人事での私の討論 »