« 3/13 朝霞市として子育ての質を確保するための質問をいたしました~市議会一般質問 | トップページ | 3/19 教育長の再任、来年度予算などを決めました~市議会3月定例会閉幕 »

2024.03.21

3/19 教育長人事での私の討論

議案第45号教育長の任命の同意に関する議案への私の反対討論ですが、音声では少し時間がかかるので、文字化いたしました。以下討論の文字起こしです。

「すみません。第45号議案の討論をしたいと思います。

ご提案の、二見教育長の続投ということで、二見教育長は、前の学校教育部長の職とともに、その功績は大きかったと思います。
先日の議案質疑でも、自らご答弁された内容は決して誇張ではないものとして受け止めております。私が議会に出た頃の教育委員会の答弁は、非論理的で精神主義的な答弁が多かったと思います。問題解決に近づいていかず、自分たちの論理だけを心とか意欲に置き換えて発言していたのですが、教育現場の改革を先送りしてきたと言えます。そのなかで二見教育長は、現在の公教育が置かれた課題を真正面から受け止め、部活動の改革、子どもたちの負担だった部活への任意加入制への転換、教員の働き方改革、ICT教育の導入と高い質への到達、主体的で対話的な学びの推進など、こうしたことを進めながら、朝霞市の教育の議論のあり方を大きく転換させました。問題解決ベースで具体的な話をしてくださるので教育長とお話をするのが非常に楽しみでこざいました。その実行力は高く評価されてよいと思います。学校教育部長に就任以来、何より、具体的な問いに説明を返してくる姿勢は高く評価しておりました。ただやっぱり今回の事件、教育委員会は事故と言っていますけれども、学校も保護者もなかなか納得していないというのが現実でございます。

3月1日の今期議会での本会議での議案質疑のやりとりで、提案者である市長の答弁では、性犯罪の加害した教員がいたことで教育長が辞職退任した事例などない、と強弁、答弁しておりましたけれども、それらはもっとものように聞こえますが、そうでしょうか。一教員の性犯罪の問題に留めてしまってよいのか、ということがあります。

これまで長い間、当該部活動の部員たちから、さまざまな身体的・精神的ハラスメント行為が訴えられて、教育委員会に届けられてきました。我々議員のところにも来ました。実態としては結果的には、もみ消され続けました。それが続いた結果、当該教員には何もできないという空気が漂っていた。そして今回、警察権力の力を借りて初めて問題にすることができたと言うことになります。

ハラスメントに対する最も効果的な対応は人間関係を切り離すべきなのに、トラブルを繰り返し、何回も二見さんはそのなかでも一所懸命やっていたのですが、引き剥がしても戻されてしまう。勤務校の変更にならない。同じ中学校に10年も配属され続け、部活動の名声と功績だけが蓄積され地域や学校内のある種の政治力がすごく強くなる一方、被害者児童は、その活動の名声のもとで誰にも言えずに泣き寝入りしたり、時にとっては不登校になったり、退部したりする子もいますし、思いに沿わない演奏をする子どもを退部候補者のように追い込んでいた事実もあります。部活動がしんどくて退部という決断をした子どもに、人生が全てが失敗したという烙印をこの教諭は押してきたということで、何より自己肯定感を大事にしてきた教育界において、それでよかったのかということです。

そうした状況に立ち会った教育現場の同僚たちも傷ついております。一緒に部活動の顧問となった教員が精神的に病んでしまった事例もあったと聞いております。あるいは、逆に一緒になって加害行為に、性的なものではありませんよ、加害行為に加担したりする状況に追い込まれていくこともあったと。管理職も教育委員会事務局も事態の悪化に手をこまねいていたという状況です。私たちもいろいろ相談をもちかけましたが、結局解決されることはありませんでした。
これらは、個人責任しか問えない、個人的な関係性では留まらないというふうに思います。先ほど田原議員が言いましたが、一般的な性犯罪とは全く質が異なるものです。管理責任を超え、子どもを保護すべき義務を組織が果たさず、朝霞市の学校教育の部活動の構造的、組織的な問題としてとらえ、対処することが求められていたはずのことです。

本当に二見さんにはお気の毒ですが、議案質疑の市長の答弁では、あからさまに当該教員を庇護した話をされたいうことで、教育委員会の独立性を侵害する人事介入だということで、総合教育会議を設置するときに何人かの革新系議員、かなり懸念を強く示しましたけれども、それ以前のことが行われていたということで、こういう問題は、関係性を整理しないとリセットできないだろうと思います。

私は二見教育長のこれまでの仕事ぶりを見てきて、リーダーシップによる再発防止の策定実行に期待できるとは思います。当該教員を担当した他の管理職に比べ、加害者の教員に最も厳しく対処したという話も聴いております。
ただ、この問題教員を庇護し温存してきた構造のまっただ中におられた方でもあり、この問題の後処理をさせるにはきつい立場ではないかと思います。そこをいったん整理しないと、この問題の処理も解決も、2月21日に我々に示された報告書同様、負うべき責任を負わないようにしている人たちにとって、どこか奥歯に物が挟まった対応策と、弥縫策しか書けないということになります。

事件が起きて以降、私は当該校の保護者ですし、息子は社会科で習っておりました。授業参観にも行って彼の授業を見ました。そこはもうほんとうに平穏な普通の空間でしたけれども、授業をしていた教員が突然いなくなってしまってしまったわけですね。それから、部活動で信奉していた子どもとすごく嫌な思いをしていた子どもと両極端がいたわけですが、信奉していた子どもは神様のようにしていたのですが、そのケアがずさんだったと思います。
先日、議案質疑で平常な状態を取り戻すべきだと言った議員がいらっしゃいましたが、もう学校は平穏を取り戻して授業をやっています。だけども、だけどもです。学校に対する信頼がですね、教育者に対しての信頼が、どことなく薄っぺらくなっています。学校に関するあらゆる組織への信頼が薄っぺらくなっています。それは説明責任をはしていないからです。議会に言われたから報告書を出した、議会に言われたから何々やった、10月16日の保護者以降あらゆることが時間があきすぎている。その時間が空きすぎることに鈍感であることに保護者は怒っている。そのことが、事後の対応が悪くてこのままでよいとはならないと思いますよね。
やはり納得性の低い状態、再発防止を実感できるものがない市民感覚、心のケアも早期対応を求めたのに教育委員会の今もっている資源だけでやろうとしてしまったということです。
先ほど指摘ありましたが、教育委員会からは、保護者会での謝罪以外は、HPもなかったですし、被害のあった修学旅行生もなかにいるのですけよね。15日卒業式があったんですよね。卒業式の告辞でもお詫びは一言もありませんでした。何の説明もなく卒業していった。普通に卒業していったけど、心のなかに残ったものは何のケアもされないで社会に出されて行ったということになります。
不正確な記述とか内部都合で使われた記述もありました。再発防止の反省を言いますが、なかか伝わってきませんし、そういうなかで、学校に対するアノミーが起きている可能性は否定できません。

私の友人は、都内で小学校六年生の保護者をしております。私学進学率が半分という環境のなかで、受験するとなれば7割8割が私学を受験します。公立中学校に普通に行くことが、残念な選択であるかのような文化のなかで囲まれています。中学校段階での進路ですべてが決まるかのような言説に取り囲まれ、進路選択に大変苦悩しているのを見聞きしてまいりました。
公立小中学校が一定の信頼を維持し安心できる空間にしておくこと、そしてある程度まじめに学習していれば、進路に困ることのないようにすることが、優秀な児童を市立中学校から遠ざけず、公立小中学校に集め、さらに優秀な児童も優秀な児童ばかりに囲まれて狭い視野で育つことなく社会の多様性を受け止めていく、それが教育格差を縮めていく大事なステップだと思っています。事件以降の教育委員会の対応は、あまりにも遅すぎて、こうした信頼感を壊して、私学に行った方がよいという言説をつくりかねない状況にあると思っています。

私の子どもの同級生は加害教諭から授業を受けていたということで、そういうなかで、同級生の親たち、部活動の親たち、いったい何だったのと、いうことが、ここではいろいろ議論していますが、伝わっていないんですよね。ほんとうにそこは課題だと思っています。

会派としての考えに戻ります。仕事のできる教育長だと思いますし説明責任を果たしてくれた。市長野党で少数の私たちにも説明を尽くしてくれた。余人に代えがたい仕事の功績が大きいことは認めつつ、権力を背景にした犯罪の裏書きをしてきた立場にあったことを考えると、申し訳ないのですが、単に性犯罪を起こした教員の連座ということではなく、構造的な問題のなかで被害者が出続けたことを考えると、保護者や地域社会とか子どもたちにのことを考えると、再任に賛成したとなかなか言えないと思います。

議案質疑のなかでも改めて思ったのは、教員の、無秩序であってはならないと思いますが、政治的中立を守るという教育委員会の姿勢を守ってほしい。こんな先生引っ張ってこなきゃだめだ、こんな先生を引き戻さなくてはならない、ということを聞き流してほしい。そういうことを確保できるかどうか、わが会派としては反対したいと思います。」

|

« 3/13 朝霞市として子育ての質を確保するための質問をいたしました~市議会一般質問 | トップページ | 3/19 教育長の再任、来年度予算などを決めました~市議会3月定例会閉幕 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 3/13 朝霞市として子育ての質を確保するための質問をいたしました~市議会一般質問 | トップページ | 3/19 教育長の再任、来年度予算などを決めました~市議会3月定例会閉幕 »