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2024.03.21

3/19 教育長の再任、来年度予算などを決めました~市議会3月定例会閉幕

19日、2024年度予算を定めるなど、市長提出議案42本、請願2本、議員提出議案2本の46本の議案を審議した、2024年3月定例市議会が最終日となり、討論と採決が行われました。

2024年予算での修正は、経常経費の一部で見積が低すぎないかという問題提起と、法人後見制度の委任先が妥当かという問題意識のわが立憲歩みの会の修正案と、デジタル化推進人材を採用する予算を増額するあさか未来の修正案のいずれも否決され、行政提案の原案のまま賛成多数で可決しました。
また、教育長の任期満了を迎えることから提案された、現教育長の再任議案は、1議席の僅差で可決し、続投となることが決まりした。昨年10月の教員逮捕事件の背景に部活動をめぐる構造的な問題があって、長年、有名な教員の生徒へのハラスメントが見逃してきた構造的問題を受けて、同一人物が継続することが妥当なのかということを争われた結果、進政会、公明党、共産党、社民党推薦が続投賛成に回り、立憲歩みの会、あさか未来、無所属議員1人が反対し、12対11で可決しました。

2024年度の特別会計以外の一般会計予算は、コロナ禍の10万円給付以来膨らんだ予算総額が縮まらず、市税収入の倍以上の512億円もの予算を組みながら、水道料金の基本料金の半額(20口径で月700円)で3億円の値引き、こども医療費の15歳→18歳までの無償化、学校保育園の給食費の値上げ決定分の吸収以外に、これといって目立った政策はない冴えない予算と言えるものです。その結果、普通預金残高のような市の貯金「財政調整基金」の残高は約25億から16億円台まで8億以上取り崩すことになり、残高としては危険信号の領域に入っていきます。
その一方で、予算のいたるところに過小見積りを疑わせる痕跡があり、さらに「やむを得ない」などというだけの理由で補正予算でさらに支出は膨らむことも想定される、全体的に「だらしない」予算です。

そのなかで会派あさか未来さんがデジタル化人材の採用の人件費、約900万円を増額修正する提案があり、わが会派立憲歩みの会も賛成しましたが、12:11の1議席差で否決されました。
また社会教育施設でのエネルギーコスト、児童手当、児童扶養手当で予算の過小見積を疑わせるものと、受託に消極的な姿勢を見せてきた法人後見制度の委託先を社会福祉協議会と決め打ちする予算があったので、わが立憲歩みの会として、法人後見の委託先を自由に選定できる費目の変更とエネルギーコストや児童手当、児童扶養手当を必要額であろうという金額まで増額修正する修正動議を出しましたが、こちらはわが会派の賛成のみの、2:21で否決されています。

水道料金の基本額の半額値下げに関しては、少数派である困窮家庭を支援するためには、3億円も使って薄く広く撒きすぎて効果が少ない、として立憲歩みの会のみ反対しました。物価高騰で困窮する家庭に絞って支援することが必要です。2024年度水道事業会計予算、2023年度水道事業会計補正予算、撒くための財源を公営企業会計に頻繁に投入するのは公営企業の経営の自律性を奪うとして、2024年度予算とともに、2023年度3月補正予算に反対してまいす。

土地開発基金という市役所が機動的に土地購入できる別財布があるのですが、そこから本会計にお金を戻す手続きを簡素化しかねない条例改正が提案されました。締まらない今回の予算のもとでの提案から、本会計が不足したときにいかようにもやりかねないとして反対しました。

4月に任期満了を迎える二見隆久教育長の再任議案が提案されてきました。通常ならそんなに揉める議案ではないのですが、2023年10月13日に部活動指導で高名な教員が生徒への性犯罪で逮捕される事件を受けて、議会の判断は真っ二つに割れました。事件の真相究明や再発防止策の提起の遅れ、長年生徒をハラスメントをしていたことが通報されつつ放置してきた教育委員会の責任を誰も取っていないこと、卒業式での当該校での教育委員会告辞に謝罪がなかったこと、さらに議案質疑ではこの教員を市長や教育委員会が庇護してきたことも浮上していました。
問題の渦中にいた人物だからこそ再発防止を責任もってやれ、というのが市長の提案で、それに同意したのが進政会、(岡崎議長を除く)公明党の10議席、保護者世代の議員が多く、事故の後処理の悪さと構造的な問題ゆえの責任があり交替すべきとする立憲歩みの会、あさか未来の10議席で判断が割れました。
討論は、田原議員(反対),利根川議員(賛成),本田議員(反対),野本議員(賛成),黒川(反対),陶山議員(賛成),飯倉議員(反対),田辺議員(賛成)と多くの議員が討論をしています。
採決態度が直前までわからなかった無会派の3議員のうち、外山議員は反対、共産党の石川議員は続投賛成(この件では人権相談窓口の設置以外一言も発言がないので理由は不明)、社民党推薦の田辺議員は「人を評価すべきではない」として賛成し、最終的に12:11で続投が決まりました。
討論では、田原議員が問題点の整理が良かったこと、事件の被害者の支援に携わった利根川議員が苦渋の判断をしていること、当該校の保護者である私が当該校の保護者の気持ちを伝えたことが、この問題の深刻さを伝える内容になっていたと思います。
一方で、田辺議員が「他人を評価するものではない」として市民に信託された議決権の責任を自ら軽視する発言から始まり、1年生議員の討論参加をなったばかりでわかるかというような言葉で揶揄したり、加害者教員が何もかも失ったのだから終わりであることのような発言をし、当該校の校区の議員としての発言かと、唖然といたしました。
私の討論では、当該校の保護者として学校は日常に取り戻しているものの、ホンネを言わせれば事件の後処理に学校や教育委員会への不信感が強く存在している保護者たちの状況を伝え、二見教育長の実務能力を評価しつつ、庇護してきた構造的な問題だから、第三者性のある再発防止策の立案が必要だが、そうしたことはまったく伝わってこないことなどを話しました。

個々の議案の対応については、「続きを読む」以降をご覧ください。

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3/19 教育長人事での私の討論

議案第45号教育長の任命の同意に関する議案への私の反対討論ですが、音声では少し時間がかかるので、文字化いたしました。以下討論の文字起こしです。

「すみません。第45号議案の討論をしたいと思います。

ご提案の、二見教育長の続投ということで、二見教育長は、前の学校教育部長の職とともに、その功績は大きかったと思います。
先日の議案質疑でも、自らご答弁された内容は決して誇張ではないものとして受け止めております。私が議会に出た頃の教育委員会の答弁は、非論理的で精神主義的な答弁が多かったと思います。問題解決に近づいていかず、自分たちの論理だけを心とか意欲に置き換えて発言していたのですが、教育現場の改革を先送りしてきたと言えます。そのなかで二見教育長は、現在の公教育が置かれた課題を真正面から受け止め、部活動の改革、子どもたちの負担だった部活への任意加入制への転換、教員の働き方改革、ICT教育の導入と高い質への到達、主体的で対話的な学びの推進など、こうしたことを進めながら、朝霞市の教育の議論のあり方を大きく転換させました。問題解決ベースで具体的な話をしてくださるので教育長とお話をするのが非常に楽しみでこざいました。その実行力は高く評価されてよいと思います。学校教育部長に就任以来、何より、具体的な問いに説明を返してくる姿勢は高く評価しておりました。ただやっぱり今回の事件、教育委員会は事故と言っていますけれども、学校も保護者もなかなか納得していないというのが現実でございます。

3月1日の今期議会での本会議での議案質疑のやりとりで、提案者である市長の答弁では、性犯罪の加害した教員がいたことで教育長が辞職退任した事例などない、と強弁、答弁しておりましたけれども、それらはもっとものように聞こえますが、そうでしょうか。一教員の性犯罪の問題に留めてしまってよいのか、ということがあります。

これまで長い間、当該部活動の部員たちから、さまざまな身体的・精神的ハラスメント行為が訴えられて、教育委員会に届けられてきました。我々議員のところにも来ました。実態としては結果的には、もみ消され続けました。それが続いた結果、当該教員には何もできないという空気が漂っていた。そして今回、警察権力の力を借りて初めて問題にすることができたと言うことになります。

ハラスメントに対する最も効果的な対応は人間関係を切り離すべきなのに、トラブルを繰り返し、何回も二見さんはそのなかでも一所懸命やっていたのですが、引き剥がしても戻されてしまう。勤務校の変更にならない。同じ中学校に10年も配属され続け、部活動の名声と功績だけが蓄積され地域や学校内のある種の政治力がすごく強くなる一方、被害者児童は、その活動の名声のもとで誰にも言えずに泣き寝入りしたり、時にとっては不登校になったり、退部したりする子もいますし、思いに沿わない演奏をする子どもを退部候補者のように追い込んでいた事実もあります。部活動がしんどくて退部という決断をした子どもに、人生が全てが失敗したという烙印をこの教諭は押してきたということで、何より自己肯定感を大事にしてきた教育界において、それでよかったのかということです。

そうした状況に立ち会った教育現場の同僚たちも傷ついております。一緒に部活動の顧問となった教員が精神的に病んでしまった事例もあったと聞いております。あるいは、逆に一緒になって加害行為に、性的なものではありませんよ、加害行為に加担したりする状況に追い込まれていくこともあったと。管理職も教育委員会事務局も事態の悪化に手をこまねいていたという状況です。私たちもいろいろ相談をもちかけましたが、結局解決されることはありませんでした。
これらは、個人責任しか問えない、個人的な関係性では留まらないというふうに思います。先ほど田原議員が言いましたが、一般的な性犯罪とは全く質が異なるものです。管理責任を超え、子どもを保護すべき義務を組織が果たさず、朝霞市の学校教育の部活動の構造的、組織的な問題としてとらえ、対処することが求められていたはずのことです。

本当に二見さんにはお気の毒ですが、議案質疑の市長の答弁では、あからさまに当該教員を庇護した話をされたいうことで、教育委員会の独立性を侵害する人事介入だということで、総合教育会議を設置するときに何人かの革新系議員、かなり懸念を強く示しましたけれども、それ以前のことが行われていたということで、こういう問題は、関係性を整理しないとリセットできないだろうと思います。

私は二見教育長のこれまでの仕事ぶりを見てきて、リーダーシップによる再発防止の策定実行に期待できるとは思います。当該教員を担当した他の管理職に比べ、加害者の教員に最も厳しく対処したという話も聴いております。
ただ、この問題教員を庇護し温存してきた構造のまっただ中におられた方でもあり、この問題の後処理をさせるにはきつい立場ではないかと思います。そこをいったん整理しないと、この問題の処理も解決も、2月21日に我々に示された報告書同様、負うべき責任を負わないようにしている人たちにとって、どこか奥歯に物が挟まった対応策と、弥縫策しか書けないということになります。

事件が起きて以降、私は当該校の保護者ですし、息子は社会科で習っておりました。授業参観にも行って彼の授業を見ました。そこはもうほんとうに平穏な普通の空間でしたけれども、授業をしていた教員が突然いなくなってしまってしまったわけですね。それから、部活動で信奉していた子どもとすごく嫌な思いをしていた子どもと両極端がいたわけですが、信奉していた子どもは神様のようにしていたのですが、そのケアがずさんだったと思います。
先日、議案質疑で平常な状態を取り戻すべきだと言った議員がいらっしゃいましたが、もう学校は平穏を取り戻して授業をやっています。だけども、だけどもです。学校に対する信頼がですね、教育者に対しての信頼が、どことなく薄っぺらくなっています。学校に関するあらゆる組織への信頼が薄っぺらくなっています。それは説明責任をはしていないからです。議会に言われたから報告書を出した、議会に言われたから何々やった、10月16日の保護者以降あらゆることが時間があきすぎている。その時間が空きすぎることに鈍感であることに保護者は怒っている。そのことが、事後の対応が悪くてこのままでよいとはならないと思いますよね。
やはり納得性の低い状態、再発防止を実感できるものがない市民感覚、心のケアも早期対応を求めたのに教育委員会の今もっている資源だけでやろうとしてしまったということです。
先ほど指摘ありましたが、教育委員会からは、保護者会での謝罪以外は、HPもなかったですし、被害のあった修学旅行生もなかにいるのですけよね。15日卒業式があったんですよね。卒業式の告辞でもお詫びは一言もありませんでした。何の説明もなく卒業していった。普通に卒業していったけど、心のなかに残ったものは何のケアもされないで社会に出されて行ったということになります。
不正確な記述とか内部都合で使われた記述もありました。再発防止の反省を言いますが、なかか伝わってきませんし、そういうなかで、学校に対するアノミーが起きている可能性は否定できません。

私の友人は、都内で小学校六年生の保護者をしております。私学進学率が半分という環境のなかで、受験するとなれば7割8割が私学を受験します。公立中学校に普通に行くことが、残念な選択であるかのような文化のなかで囲まれています。中学校段階での進路ですべてが決まるかのような言説に取り囲まれ、進路選択に大変苦悩しているのを見聞きしてまいりました。
公立小中学校が一定の信頼を維持し安心できる空間にしておくこと、そしてある程度まじめに学習していれば、進路に困ることのないようにすることが、優秀な児童を市立中学校から遠ざけず、公立小中学校に集め、さらに優秀な児童も優秀な児童ばかりに囲まれて狭い視野で育つことなく社会の多様性を受け止めていく、それが教育格差を縮めていく大事なステップだと思っています。事件以降の教育委員会の対応は、あまりにも遅すぎて、こうした信頼感を壊して、私学に行った方がよいという言説をつくりかねない状況にあると思っています。

私の子どもの同級生は加害教諭から授業を受けていたということで、そういうなかで、同級生の親たち、部活動の親たち、いったい何だったのと、いうことが、ここではいろいろ議論していますが、伝わっていないんですよね。ほんとうにそこは課題だと思っています。

会派としての考えに戻ります。仕事のできる教育長だと思いますし説明責任を果たしてくれた。市長野党で少数の私たちにも説明を尽くしてくれた。余人に代えがたい仕事の功績が大きいことは認めつつ、権力を背景にした犯罪の裏書きをしてきた立場にあったことを考えると、申し訳ないのですが、単に性犯罪を起こした教員の連座ということではなく、構造的な問題のなかで被害者が出続けたことを考えると、保護者や地域社会とか子どもたちにのことを考えると、再任に賛成したとなかなか言えないと思います。

議案質疑のなかでも改めて思ったのは、教員の、無秩序であってはならないと思いますが、政治的中立を守るという教育委員会の姿勢を守ってほしい。こんな先生引っ張ってこなきゃだめだ、こんな先生を引き戻さなくてはならない、ということを聞き流してほしい。そういうことを確保できるかどうか、わが会派としては反対したいと思います。」

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2024.03.14

3/13 朝霞市として子育ての質を確保するための質問をいたしました~市議会一般質問

13日、自由論題「市政に関する一般質問」を終えました。
運転士不足に直面しながら高齢化に対処しなければならない公共交通のあり方、子どもの人権施策の検証、子ども施設の運営、役所の文書が残らない公文書管理の問題、朝霞市の中期的な未来像について質問をしました。

交通政策に関して、コミュニティーバスの利用喚起が中心だったものを、民営バスの利用も含めてもっと喚起していかないと、という提起には行政も同意していました。2026年度からの次期次期地域公共交通計画の策定に向けてのお題は、交通事業者の人材不足や高齢者の移動の課題が中心になるという答弁。それを受けて、それを策定する市の地域公共交通協議会で、委員としている高齢者福祉部門の市職員がもっと会議の場でニーズや検討している課題を話すべきではないか、という投げかけには、そうしていくという答弁がありました。

子どもの人権に関しては、
①県内公立保育所で相次いだ施設内虐待の発覚を受けての朝霞市の公立保育所の虐待対策を問いました。私立園の方は経費抑制すれば営利事業になりうるということで、性悪説から様々な規制や監視システムが存在しますが、公立保育所は性善説ばかりで、トラブルは通報先も同僚である市職員であるし、市の事務職は保育士の世界を別世界だという感覚があるので、盲点になりやすいところがあります。第三者評価や苦情解決システムが必要ということのなかで、保育部門の内部では必要性はあるけれどもお金がないのでやらない、という答弁の一方、新たに創設される子どもの人権相談から話が来れば、対応せざるを得ない、という答弁でした。
教員逮捕事件の事後対応について問いました。まず、教員逮捕事件の報告書の表現が甘いことを追及しました。報告書のタイトルが事件ではなく「事故」であることをはじめ報告書に保護者の不満は強いことを受けてのことです。「性被害の被害者にならない加害者にならない」というような、被害者に落ち度があると捉えられるような表現はじめ、教育委員会ならではの独特の言葉の用法が保護者を刺激していることを厳しく伝えました。報告書の検討経緯や参考文献などを確認しましたが、作業として甘い、という感じを受け、そのことを伝えました。教育委員会内部での子どもへの虐待案件を受ける仕組みは「全員で対処する」という答弁から未整備であることも確認しました。
③事件を受けて、12月定例会の利根川議員の質問に、市長が子どもの人権相談窓口を設置する、という答弁が行われています。私も会派立憲歩みの会も子どもの人権オンブズマンの設置を提言してきたので、人権相談窓口の設置は歓迎するものの、問題解決につながらなければ二次被害になりかねないという問題意識で質問に臨みました。
市が事例としては北本市を参考にした、という答弁でしたが、条例制定が先行し網羅的に制度を構築する北本市に比べ、朝霞市のやろうとしてしている内容は相談業務の運営手法のみで、受けた相談をどう処理するかに関する体制整備は全くありませんでした。相談した問題のなかから対処が必要なものを考える専門家の調査委員会や、委員に対する勧告権の付与などがなく、今の法律や条例では朝霞市では対処できないことも判明しています。朝霞市として条例整備や、専門家による委員会設置はどうするのか、という問いにはいずれ設置していきたいが、5月開設には間に合わない、子どもの相談に乗れることがまず大事だろう、という答弁ではぐらかされました。解決できない相談や、加害者に市職員や教員が絡むような被害があったときに、会計年度任用職員が窓口に立ち、専門的な検討とそれによる勧告権もない相談窓口では、問題のたなざらし、握りつぶしがおきかねない、と見ています。検討期間が必要と申しましたが、まずは走らせてくれという答弁でした。

子ども関係の施設利用の状況を確認しました。
朝霞駅周辺の放課後児童クラブで、大量の待機児童問題が発生していることは、私の質問の前にも4人の議員が指摘していました。私からは待機児童を発生させないための将来予測の計算が機能していたのか確認しました。近年は放課後児童クラブで待機児童が発生しなかったので、計算していないことが答弁されました。保育所入所児童の居住校区から、校区ごとの放課後児童クラブの利用者の将来推計をすることを約束させました。
3月8日に子ども家庭庁の会議体で、新しい「放課後児童クラブ運営指針」の素案が出てきて、朝霞市の放課後児童クラブがこの指針に適合するかも確認しました。子どもの自発性や企画、運営への関与、障害児とのノーマライゼーションという点では課題がある答弁でした。
朝霞駅周辺で、保育所の待機児童問題が増大ています。市としては未就学児の数自体はそんなに増えていないという認識と、一部地区での開発の影響があるという答弁に、私から開発事業者に保育行政と学校教育行政へのヒアリングを行わせ、販売責任と、販売する側からどのような客層が購入するかの情報を交換した方がよいと提言したところ、開発建築行政と連携して、待機児童の先読みをしていく工夫をさらに強める答弁が行われています。
③放課後デイサービスの利用に関して規制強化が来年度から始まります。放課後児童クラブを利用することを選択する児童が増えてくる可能性があることから、障害福祉と児童福祉の連携、放課後児童クラブの人員体制の強化を求めました。人員体制の強化の必要性を認識し、部から違う二つの課での連携の必要性が答弁されました。

朝霞台駅南口にできる新たな「福祉等複合施設」の建設構想に対して、住民参加が不在で、朝霞駅の周辺の様々な公共施設の建設で行われているワークショップなど、潜在的なニーズを把握したり、住民がその施設を自分たちの施設だと思ってもらえるような設計・企画が行われていないことを問題視しましたが、市からは、予定を変更しないという答弁しかされませんでした。
12日には遠藤議員からの質問で、防災倉庫に関しては一等地に作る必要はないことなどが指摘され、市としてその部分は会議室スペースとして供出する変更が答弁されていますが、それ以外に関しては、行政独裁のような計画の進め方です。
入居する機能としては、児童館が約1000㎡で3分の1を取りますが、その他で一番大きいのは社会福祉協議会の事務局です。ボランティアセンターだ地域福祉だという話ですが、それなら市役所近傍に置くことが必要です。公共施設用地のない朝霞台に中心部にあるべき新たな施設を作って置くものではないし、市からの地域福祉に関する(それも、国が社会福祉協議会がやった方がよいという他自治体で当たり前に行われている程度の)要請すらわけのわからない理屈で断ってくる社会福祉協議会に新しいオフィスを提供する義理はないのではないか、と指摘しました。またあわせて朝霞駅周辺では住民参加のまちづくりをいろいろな場面でやっているのに、朝霞台周辺では、公共施設の建設に関して住民参加をやらないのは地域差別ではないか、とも指摘しました。

公文書の管理について、破棄基準と歴史的文書の保存がなっていないことを指摘しました。破棄にあたっては年限が来たら、担当課長の裁量で破棄させています。断捨離好きな課長のもとではどんどん文書が破棄されるということが起きます。公文書管理の確立した自治体では、公文書管理の担当課長(朝霞市では市政情報課長)と、担当課が保存期限の切れた文書を確認しながら破棄文書を決めています。施策の後世の検証、歴史の記録のために、残すべき文書に関しての運用ルールの改善を求めましたが、前進する答弁はありませんでした。昨年、墨田区で朝霞市のことを扱った写真展示をされた写真家の方が、市役所に行ったら何の文書も残っていない、とお困りになっていた話から取り上げた課題です。過去を語りすぎるのはどうかと思いますが、記録のない街に歴史は残らず、歴史が残らない空間にポジティブなアイデンティティーは発生しないと私は考えています。

2026年からの新たな10カ年の総合計画の策定が始まっています。
総合計画に基づく施策として「少子化対策」と「子育て世代の誘致」という言葉が盛んに使われているので、そればかりでほんとうにそれでよいのですか、ということを問い直しました。子育て世代の流入過剰が、朝霞市で保育所不足、学校施設不足、放課後児童クラブの不足に追いかけ回され続けて、ちっとも子育ての質を上げるところにお金を使えていないではないか、世代的な人口バランスを崩し、将来的には遅れてやってくる急激な高齢化に直面するのではないか、という指摘に、行政や議場からそうだよなぁ、という感触はあったものの、明確に転換する答弁はありませんでした
朝霞市では計画書を山ほど作るのですが、財政的な裏付けが全くありません。そのことで計画を作っても、場当たり的に要求される1000万円単位の事業がどんどんお金を食べていって、市役所や市民会館や学校の改築など、お金のかかる事業が全然、実行に移されません。その結果、第二中学校など補修工事で二重にお金を使うことになっています。
他市のような5~10年先までの中期財政計画を立てて、基礎的な経費を算出し、大型事業をやる年をきちんと決めて、それ以外の年で裁量的な仕事をしていくというような絵を描かないと、いつまでたっても、大型で必要な事業に手が着かないのではないか、と指摘しました。これも議場にはそうだよなぁ、という空気が流れたものの、答弁では、考えておく、という内容に留まっています。

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2024.03.12

3/11 呼び出しの献血を受けてきました~震災13年の日

東日本大震災から13年です。いろいろなことが頭をよぎります。あれから、ここでこれをしていてよいのか、と思うことしばしばです。
定時には控室で祈りを捧げました。

金曜日、赤十字でメールで白血球型の適合で指定日に献血をしてほしいとの連絡を受け、3月定例会の会議の準備でやるべきことがあると思ったものの、人の命だと割り切り、11日朝一番で空いている新宿に献血に参りました。

昼から朝霞市役所に戻り、会派の会議で、4日~9日までの各委員会の審議での議員・会派の賛否を確認しながら、本会議の賛否について検討したり、必要な修正動議を準備する作業をしました。

審議中の2024年度予算では、派手にあれも無償化、これも負担減と打ち上げています。その財源捻出の余波か、必要経費の前年度予算比の大幅減がいくつも見つかっています。年度途中で予算不足になっては困るし、予算管理としてどうかと思うところもあり、今日に至るまで合理的な説明と思えなかったものに、修正を提出します。

あす12日(火)からは、各議員員が持ち寄った課題を行政に問う「市政に関する一般質問」です。
前回12月議会では、新人議員が勝手や感覚がつかめなかった反省が生かされるので、改善される新人議員の質問が聴き所です。

2024_1

私の質問問は13日(水)の午後、本田議員の次、最後です。
教員逮捕事件の後処理、県内で相次ぎ発覚している公立保育園の児童虐待案件を受けての対処、子ども家庭庁の動きなどを受けて、子どもの人権という観点で質問を繰り出す予定です。

また、役所の文書がファイリングシステムでばっさばっさと捨てられて、歴史がなくなっているような、公文書管理の改善にちっとも動きがないことから、公文書管理の改善を求めて質問を繰り出す予定です。


一般質問の日程(敬称略)
3月12日(火)9:00~福川,小池,兼本,飯倉,田原,西,宮林,遠藤,陶山
3月13日(水)9:00~増田,獅子倉,権,渡部,高堀,本田,黒川
3月14日(木)9:00~石川,外山,田辺,利根川

一般質問の内容の通告書はこちらのリンク(pdf)

youtubeの中継・録画公開も行われます

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2024.03.06

3/5 過剰な水道料金引き下げに疑義を呈しました~市議会建設常任委員会

建設常任委員会、昨日2日間の日程を消化しました。
予算を委員会に分割付託するのは違法性が高いのですが、予算特別委員会で何日も(単純に各委員会合算すると10日になり、所管以外で興味を示す質問も加わってくる)なるので、その改革は課題です。一つは委員会を分科会として議決しないということを加えるだけでもよいのなかと思ったりします。

一番重たい話は、公共交通事業者の撤退モードに対してどうするかということでした。手を尽くすしかない状況です。
一方鉄道会社はほぼ需要がもどっていて、コロナと少子化を理由にした減便に、時間帯によって無理が来ているのではないかと指摘しました。
バス会社ではないところに委託することにしろ、新規路線の開設が可能だったのですが、その予算が確保されておらず、実験運行が終わってから数ヶ月もすき間をあけて補正予算、または来年度予算で対応する、時期未定の話になっていることでした。これもまた市長選挙の取引の道具にされるのでしょうか。

水道料金の基本料金で、一般家庭の加入者が大半である10口径20口径の基本料金半額引き下げを12ヵ月実施するバラマキが予算化されています。国の交付金の消化が1.5億、市の持ち出しが1.5億で合計3億円使われます。生活が物価高で苦しいからという仮説ですが、一方でバブルだったり所得上昇も見られるので、延べ反で現金給付をしていくような考え方は違うと考えています。
水道事業の独立採算制の原則と独立性の維持という観点から問題だと思いますし、1.5億の市の持ち出しに関しては、他の有効な事業に使えたはずとして、水道事業会計予算、水道事業補正予算、その財源を繰り出す一般会計補正予算に反対しました。

来年度予算で実現していくものとして、
今年は建設行政はGIS(地図連動型)データベースの構築が前進し、これまで役所の窓口に来ないと問い合わせできなかったものの多くが市役所のHPの地図データベースで確認できるようになります。

10軒の所有権不明の放置された空き家問題に、所有権の追跡・解決の手続きが導入されます。毎年2軒のペースで法的処理を進める予定です。

マンション適正管理の自治体認証は形だけ始まりますが、あまりきちんと作り込まれていないので、税制などでの不利益にならない程度の認証制度になる見込みです。

住宅確保に困難をきたしている市民への「居住支援」は、県社会福祉士会、福祉部門と本格的な支援を開始し、相談だけの対応から前進させることになります。

朝霞市の街の姿でセールスポイントになってきた、ブレーパークの63日から80日への拡大予算は、事業採択の段階で却下されています。

議案には3点の問題を指摘しつつ、建設常任委員会の所管分は賛成しました。
・20年計画の都市マスタープランの検討がされているが、検討する審議会の開催回数が4回しか予算化されておらず、何をするのかと問いただしても、今の規定路線で向こう10年程度の問題解決しかできないまちづくりの話しかないこと。
・ねぎし号、ひざおり号を機動的に実施に移す予算がなく本格運行に移行する予算がないこと。予算が確定したら減額補正をすればよいだけではないか(バラマキ系の給付金・購入補助金など実額を計上しているわけではない)。
・下水道事業への赤字補填を明確に示さず提案したこと。

各議案の議事結果です。

議案第6号 2024年度一般会計予算(建設常任委員会所管部分)
  委員会討論 黒川(賛成),石原(賛成)
  私の討論 上記
  委員会採決の結果 総員賛成で可決すべきもの

議案第12号 2023年度一般会計補正予算(第6号)(建設常任委員会所管部分)
  委員会討論 黒川(反対),権(賛成)
  私の討論 3億円も使い、そのうち1.5億円も市の一般財源で持ち出しをする、月1000円にも満たない水道料金の値下げはやりすぎ。1.5億円あれば1000世帯で15万円配れるぐらいの財源が出てくる。生活が苦しい一方、バブルみたいな様相もあるので、延べ反で現金を垂れ流すことは問題解決にならない。
  委員会採決の結果 賛成多数で可決すべきもの
    賛成 石原,権,福川,兼本
    反対 黒川

議案第10号 2024年度水道事業会計予算
  委員会討論 黒川(反対),石原(賛成)
  私の討論 水道料金の値下げが大きすぎることが反対理由。また公営企業の独立性への干犯みたいな問題もある。答弁で明らかにされたが、反対理由ではないか課題として、予算提案、決算議案のときに、毎年度の水道事業経営計画との差異分析を、工事費を中心に価格変動なのか事業の伸縮機なのか明確に説明できるように整理して提案すべきだ。
  委員会採決の結果 賛成多数で可決すべきもの
    賛成 石原,権,福川,兼本
    反対 黒川

議案第11号 2024年度下水道事業会計予算
  委員会討論 なし
  委員会採決の結果 全会一致で可決すべきもの

議案第16号 2023年度水道事業会計補正予算(第2号)
  討論 黒川(反対),兼本(賛成)
  私の討論 水道料金の値下げが大きすぎることが反対理由。
  委員会採決の結果 賛成多数で可決すべきもの
    賛成 石原,権,福川,兼本
    反対 黒川

議案第20号 自転車駐車場設置及び管理条例の一部改正(建設)
  議案の概要
  立憲歩みの会の担当 主:黒川・本会議のみ:本田
  本会議質疑者 本田,石川,田辺
  委員会討論 なし
  委員会採決の結果 全会一致で可決すべきもの

議案第26号 手数料徴収条例の一部改正(建設)
  議案の概要
  立憲歩みの会の担当 主:黒川・本会議のみ:本田
  本会議質疑者 本田,石川,田辺
  委員会討論 なし
  委員会採決の結果 全会一致で可決すべきもの

議案第27号 土地開発基金条例の一部改正(建設)
  議案の概要
  立憲歩みの会の担当 主:黒川・本会議のみ:本田
  本会議質疑者 本田,石川,田辺
  委員会討論 黒川(反対),賛成(権)
  私の反対理由 土地開発基金から一般会計に現金を戻す際のルール整備にあたり、その理由と条件づけがあいまいで、近年の放漫的な財政運営のなかで、いいように財源として狙わたときに無防備な内容である。
  委員会採決の結果 賛成多数で可決すべきもの
    賛成 石原,権,福川,兼本
    反対 黒川

議案第39号 市営住宅条例の一部改正(建設)
  議案の概要
  立憲歩みの会の担当 主:黒川・本会議のみ:本田
  本会議質疑者 本田,石川,田辺
  討論なし
  委員会採決の結果 全会一致で可決すべきもの

議案第40号 水道事業及び下水道事業の設置等に関する条例の一部改正(建設)
  議案の概要
  立憲歩みの会の担当 主:黒川・本会議のみ:本田
  質疑者 本田,石川,田辺
  討論なし
  委員会採決の結果 全会一致で可決すべきもの

議案第41号 市水道事業給水条例及び朝霞市水道事業の布設工事監督者の配置基準及び資格基準並びに水道技術管理者の資格基準に関する条例の一部改正(建設)
  議案の概要
  立憲歩みの会の担当 主:黒川・本会議のみ:本田
  本会議質疑者 本田,石川,田辺
  討論 黒川(反対),権(賛成)
  私の討論 市の問題ではないが、人体の衛生管理を厚労省から環境省に移管したのは納得できていない。
  委員会採決の結果 賛成多数で可決すべきもの
    賛成 石原,権,福川,兼本
    反対 黒川

〈道路の認定・人事・区画の指定〉
議案第42号 市道路線の認定について(建設)
  議案の概要
  立憲歩みの会の担当 主:黒川・本会議のみ:本田
  本会議質疑者 本田,田辺
  討論 なし
  委員会採決の結果 全会一致で可決すべきもの

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