10/30 朝霞市でこれまで提言してきた交通政策
12日に東京都交通局の外郭団体の東京交通協力会労組、26日に東京都交通局の労組・東京交通労組、30日に私鉄労働組合総連合会にご推薦をしていただきました。ありがとうこざいます。
この4年、12年間の公共交通の政策化と、市として公共交通政策の充実に取り組んできたので、公共交通関係者からのご推薦はありがたい限りです。公共交通従事者のステータスの改善、その前提となる処遇改善、そして公共交通にやさしい道路政策の前進に向けて、引き続き取り組みながら、バス・タクシー・通勤電車の維持・改善に取り組んでいきたいと思います。
●この4年間で取り組んできた交通政策を説明したいと思います。
①「朝11」系統国際興業バス志木駅・朝霞駅路線の廃止撤回
2020年当選直後にバスの運転士を再配置するために廃止が提案されました。三原1,2,4~5丁目に大きな交通空白地域が発生すること、三原、泉水、膝折3,4丁目から市役所方面にアクセスする交通ルートがなくなります。廃止するにしても代替交通手段が必要、と指摘しました。事態は急展開し、新型コロナウイルスの感染拡大で観光バス運転士が回せる状況になり、廃止を撤回させることができました。
このときは市長も国際興業社を訪問して路線の維持を要請していただきました。
バス・タクシーへの新型コロナウイルスの感染拡大による乗客減への支援に手薄だったことも気づかされ、支援を3年にかけて各年総額約500万円の支援をしました。
バス運転士不足は継続していて予断を許しませんが、路線の維持、廃止の場合には代替手段の確保に取り組んでまいります。
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②新たな公共交通手段の創設
市内にはまだ大きなバス空白地域が残っています。狭隘道路で小型バスでも入り込むのが難しい地域です。そのうち、根岸台7丁目・朝霞駅間、上内間木地区・朝霞台駅間、西朝霞公民館周辺・朝霞台駅間の3地区3路線をワゴンバスで設定することにめどが立ちました。この路線は市役所が「やってあげる」と設定する路線ではなく、地元町内会で路線やダイヤを提案し、逆に町内会自身が利用者数の目標を立てて地域啓発を課したりしながら、住民自治的なメカニズムを入れて開設されます。
4年間はこの動きを加速させつつ、乗りもしない路線をくれくれ、にならないように、住民が路線を大事にするように、住民の自治的な手法を促してきました。また町内会役員さんだけでは見えないニーズについても指摘しながら、最終的な改善に住民への調査を入れてもらいました。
コミュニティーバスわくわく号内間木線が運営会社から撤退が言い渡されていますが、この仕組みで吸収できる見込みです。
③スマホでさらに便利になったコミュニティーバス「わくわく号」
コミュニティーバスわくわく号のダイヤがわかりにくく、使いにくいという意見をいただきましたし、その感覚は私も同感でした。それを解消してきました。
現在、googleマップで目的地を探すと、ルート案内がされますが、その公共交通のところにわくわく号のダイヤをデータ化して入れ、出先で適切な時間のバスがあれば、案内されるようになりました。
また、バス停でバスを待っているといつ来るかわからなくて、結果として待つぐらいならと歩いてしまったり、歩くぐらいならとマイカーを乗ってしまうということが私自身も多くありました。スマホでバスの走行位置をご案内できるシステムを2023年7月から導入しました。
岡崎議員とともに、提案してきたものです。わくわく号の値上げに際して、利用者還元策として導入させました。
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2023/1/30 わくわく号の値上げと地域の公共交通環境の改善を議論~地域公共交通協議会
④すべての人の移動権の確立のために
すべての人が移動の自由があり、誰と会うかという自由があります。生活の維持とともに人々の自由を支えるのが公共交通です。
バスみたいな交通手段をいくら充実させても、どうしても移動が困難な方々がおられます。バス停から遠い地域の方々や、何らかの身体的な状況でバス停までたどりつけない方々がいます。
その方々のためには利用料補助型のデマンド交通の必要性を訴えてきました。私は、運転士の資源、億単位で上限がなくなり財政支出の制約がかかるので、可能な方はできるだけバスを利用して路線を維持しつつ、要支援含む介護度や地域で利用者を限定して実現すべきとしました。全員に一律補助を求める市内の運動体の主張は十分汲み上げられなかったと思っています。
この課題はほとんど前進せずに申し訳なかったと思っています。
また移動にあたり介助が必要な方には福祉移送の適用範囲の拡充を訴えてきましたが、これも前進することはありませんでした。
数年前まで社会福祉協議会で移動ボランティアが組織化されしていました。都内病院の6時間にわたる通院などに利用されて、支え手がいなくなって潰れています。医療利用者の自由に任せて、医療連携や情報システムの進化で多くの症状や経過観察の対応が近隣病院で対応できることの周知がされていなかったからです。
マイカーのない住民が少し移動に困難をきたすと、要介護状態になるまで手を差し伸べられない状態は課題だと思っています。
⑤東上線の和光市からの混雑改善
夕方の帰宅時間、和光市駅で長時間待たされ、来た電車に乗れば朝のラッシュ時間より混雑し、トラブルも多いという市民のメールを何度もいただいたので、東上線改善対策協議会の議題にするよう求めてきたもので、むらはありますが、混雑は改善している状況です。
東上線の改善という総体の議論では、一進一退でした。2023年3月のダイヤ改正で、日中・夕方時間の和光市・志木駅間の普通電車の増発が行われた一方、朝ラッシュ時間帯の減便が大きく、とくに混雑のする時間帯の前後が混み合うと感じています。夕方のラッシュ時間も、TJライナーを速度的に優遇しすぎて周辺時間帯が不便になっている状況は改善されていませんし、直通車を入れて増便になっていますが、池袋駅発はTJライナーを除くと日中と本数は変わらず、それなのにわかりにくく、つっかえやすいダイヤで、課題は残されています。
総論としては他路線が新型コロナウイルス後の社会像といって減便一方ななか、日中夜間に関しては微増の増便をしている努力はあると思います。
朝霞駅に急行が停車するようになりましたが、一方で快速急行や川越特急が頻繁に設定されています。朝霞台駅での各停との接続が良くないことで通過駅の利便性確保(朝霞駅・川越駅間の移動や志木駅・池袋駅や副都心線への移動)に課題があると思っています。
⑥バス・タクシーの新型コロナウイルスの感染拡大の減収対策
新型コロナウイルスの感染拡大で利用者減に苦しんだバス・タクシー事業者に市として初の補助を行いました。
⑦朝霞台駅のエレベーター設置
ようやく方向性が固まりました。駅改築を見通しながら、駅改築を待たずに仮設エレベーターが設置されます。
他の議員も取り組んだ課題です。
⑧バス出て行って、という議論の打ち消し
朝霞駅周辺のバス路線に関して繰り返し撤退の提案が出続けることと無関係だと信じたいですが、かつて朝霞駅前通りに片道だけで1日200本以上のバスが入っている時代があって、その頃からバスを排除する議論が根強くありました。
全国の商店街は集客のためにバス・タクシーと搬入のトラックのみを通行可としているようなところもあり、バスの乗客の都合もお構いなく商店街からバスだけ出て行けという議論はナンセンスだと指摘してきました。路線の迂回はバス会社の経営の人繰りの負担にもなるので、印象のよくない主張です。商店街にとってどんな交通手段が危険で何が雰囲気を壊すのか、ということと、何が利益をもらたすのか、という議論をもっと厳密にしてもらう必要があると考えます。今ぐらいの本数なら一方通行化も合わせ技で、共存できるものと考えます。
今後、バス運転士の労働時間規制強化がスタートし、一方でバスの運転士になりたい人が減っている状況で、朝霞市内のバス路線の維持は予断を許しませんが、できるだけ残念な結果となる部分が最小限になるよう努力したいと思っております。
●12年間の市議としての取り組みとしては、東上線の改善、バス活性化とともに、市民・交通事業者・朝霞市・警察などが一同に公共交通に関して議論し課題を共有する「地域公共交通協議会」を発足させ(2期目)、市の直接事業以外の公共交通政策としての「地域公共交通計画」を立案(3期目スタート時と同時)をして、市として網羅的な公共交通政策が取り組める仕組みができあがったことです。
2期目の選挙のときに通行された市民から「そんなことできるの」と疑われましたが、晴れて疑いを晴らすことができました。
一方、要支援から介護度2ぐらいまでの高齢者の移動の権利に関しては課題が多いことと、障害者の外出支援があまり使われていないことが課題です。
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