9/19 9月定例会・ここまでに見えたこと
9月定例市議会、議案に対する質疑はきょうの民生常任委員会、教育環境常任委員会の審議で終わる見込みです。
ここまで本会議議案質疑などで議案に関して見えてきたことの概略をご紹介します。
議案第34号 2022年度一般会計決算
・ワクチン接種40億、コロナ関係8億などの国費の注入以上に膨張し、平時420~450億円規模のところ、520億円に達する決算規模。税収増は好調だが、この予算規模の拡大にははるかに及んでいない。
・起債が認められなかったものが多く、結果として現金収支は悪化。最終黒字に当たる実質単年度収支は1000万円のプラスに留まる。
・起債が抑制され将来負担比率は大幅に下がった。
・貯蓄にあたる財政調整基金は財政規模に見合う増加はなく、厳しい予算査定した割に支出が多い予算である。どこが使いすぎかは、討論・採決日までに解明したい。
・一方でこの年度は「枠配分予算」という各部で独自裁量で予算を組む制度を入れたが、その際、総枠7.6%カットをさせたことで、歪みや納得性の低い予算カットが行われた。
・重大な内部統制の対象案件である、児童扶養手当の資格喪失届の提出を強要した事件について、提出された内部統制報告書ではマニュアルの改訂しか報告書では言及がなく、職員の人権意識と、事件が人権侵害であるという認識がされていない。窓口規制的な手法、提出された公文書の改ざんなど、危機的な問題などの具体的な事象も問題としてとらえられていない。
・外郭団体を含む公営の福祉事業での人員確保が十分でない。そのため、集団主義的な福祉サービスになじまない人の利用拒絶なども行われている。そのしわ寄せは障害者福祉の特定のメニューの利用の膨張に反映し、排除と非効率な福祉となっている。
・公文書管理がなっていない。施設の改修において、過去の工事の竣工図面がなく二度手間となった案件があった。
・コロナ対策では、事業者に対しては、一般的な支援のほかに、困窮する事業者を特定して支援を加算するなど、きめ細かく行われた。一方、個人に対しては一般的なばら撒き施策ばかりが採用され、困窮する個人への支援は国が制度にしている貸付金制度を利用させるだけで冷淡だった。もっともコロナの経済的な影響を受けた結果となっている、貸付金が積み上がった人に対する施策は何も行われていない。
・土木建設分野では、具体的な施設建設では抜本的な市民参加の手法が入れられ、公共施設が地域住民の共有のものであるという意識付けが進められているが、一方で、根幹となる各計画策定では逆に審議会審議を弱め、議会における議案としての審議もなく、庁内組織だけで決定するような風習が定着している問題がある。
・公共施設の修繕が進んだが、その手法に計画性も、利用者の利用動向を見た未来志向の改修もなく、多額のお金をつぎ込んで現状維持をしている状況。
・業務のデジタル化の準備・対応がほとんど見られない。検討が着手されたのは届出書類のOCR読み取りレベルのみ。デジタル化の前提になる業務改革の推進はない。
・会計年度任用職員(正規職員でない職員)への処遇改善は進んだが、格差解消や物価上昇に追いつく水準ではない。短時間で人を入替える雇用をやっており、社会保険逃れやダブルワークしないで済む年収確保という観点で課題がある。
・公共交通空白地区(根岸台7丁目・上内間木・膝折4丁目と溝沼3丁目)に対する新たな公共交通システム導入への取り組みは住民と共同して大きく前進した。
・学校教育のICT化では、教育技術の改革も含めて大きく前進した。ICT運用支援や、生徒の自主的な調査への支援などの強化が課題である(2023年度一部改善)。
・生徒の多国籍化・多文化化に対しては、日本語通訳を行う支援員の確保が、規模が拡大しているにもかかわらず、いまだにボランティアに依存している。
・決算書に対する補助説明資料の提供がいまだに不十分で、審議に対して、予算項目に対する事業実施内訳に関する資料請求が大量に発生している。昨年指摘したことも不十分にしか記載しない資料を出している。
議案第38号 2022年度水道事業会計決算
・値上げの効果は見られて、収支のほか、キャッシュフローの改善も見られた。また人口増にともなう水道利用の増大もあり、水道事業経営計画を上回る改善となった。債務の増大には歯止めがかかった。
・水道管交換の年間5㎞というノルマは達成した。
・浄水場1カ所と取水井戸の廃止が行われたが、残った井戸の設備不調などがあり水量確保に課題があった。結果としてコストの高い県水道を追加購入している。
議案第39号 2022年度下水道事業会計決算
・下水道事業経営計画が未策定であり、料金問題や債務削減などの目標が立っていない。物価高騰などで経営計画策定で数字を固められなかった。
・雨水下水道は税、汚水下水道は料金と説明されてきたが、この年度は1億円程度、汚水処理のために一般会計から繰り入れられ、そのあり方について監査委員から意見がついている。
議案第40号 2023年度一般会計補正予算(第2号)
・武道館の改修予算約6億円が盛り込まれているが、資料請求を拒絶され、そのなかで、事業決定や予算査定で決裁権限者たちが図面も見ずに見ずに決定されたことが明らかになっている。12月議会で提案すればよいことを性急に行っている。
・毎年、社会福祉協議会が、指定管理を受けている放課後児童クラブ、児童館で職員を十分に雇わず、多額の返還金が返し、補正予算で雑入に計上されているのを問題にしてきたが、今年は低めで抑制され改善傾向が見られる。ただし引き続き職員不足は続いており、それに対して単価の高い派遣労働者を利用することで返還金が抑制された面もあるので引き続き注意する必要がある。
・人事院勧告を反映して人件費の修正の大量の計上は通常12月議会で行っているが、4月の人事異動による給与額等の変更は、一部の部署で一時金支給よにって不足する可能性があるので、今議会で提案されている。
・最低賃金改定による会計年度任用職員の報酬改定は補正予算に先行して10月に実施するが、今後(12月定例市議会以降)補正予算を提案する。
・水道料金の基本料金を4ヵ月半額にするために、水道事業会計に入れるお金を1億円計上している。
・これまでなかった補正予算の事業内容の詳細説明資料が添付されたのは改善点である。
議案第47号 職員定数条例改正
・45人の増員要求があり、16人について認め、いま残っているのが4人のみなので、13人引き上げる。
・火葬場設置による一部事務組合派遣で2人、後期高齢者医療広域連合派遣で1人、生活保護のケースワーカーの配置基準で1人、他民生で7人、土木で1人、教育で4人などを内容として予定している(4月までに変動要素はあり)。
・増員分を職員の平均賃金で換算すると2億8557万2千円/年の増となる(初年度は初任給ベースなのでこの6割程度)。
議案第50号 工事契約の承認(第九小学校増築)
・予算提案から契約までの変更点としては、既存校舎の給食搬入のエレベーター改修を変更している。
・エレベーターが設置されるので、四肢障害者も来校・登校できる。
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