8/17 実質的なまちづくりの議論ができるか~土地計画審議会の傍聴
17日夕方朝霞市の「都市計画審議会」を傍聴して参りました。
朝霞市の審議会としては異例の2時間半にわたるものでしたが、都市建設部が仕事が発展的なのか議題はてんこ盛りでした。2議案8報告で、1件15分に留めてもとしてそのくらいの時間です。
議論の深めはまだ物足りない感じがしました。年に3~5回ぐらいの会議体で、近年、他の都市計画系の審議会を潰して都市計画審議会ここに集約しているので、もっと時間かけてよいのではないかと思っています。
内容としては、
①市街化区域の農地特例の「生産緑地」の解除・縮小の決定議案が12カ所、申請の報告が5カ所
②内間木に建設予定の新しい国道254号線バイパスの道路の設計変更で必要な都市計画の変更の決定議案
③都市計画マスタープランの策定の報告
④国道254号線バイパス沿道の活性化の報告
⑤内間木公園拡張整備等基本構想の報告
⑤朝霞駅南口地区の道路安全対策についての報告
⑥官民連携まちなか再生推進事業(朝霞駅・朝霞台駅周辺)の報告
⑦ウォーカブル施策の推進(ベンチの設置)の報告
⑧マンション管理適正化推進計画と、空き家等対策計画の策定の報告
で、関連する人には重たい議題ばかりでした。
地価がこんなに高くなる前は、生産緑地は指定と解除がどっこいどっこいでしたが、朝霞市の地価が爆上がりしているなかでは、解除ばかりになるなぁ、という感じがしています。賃金がさして上がらないなかで、住宅価格も高騰して、バブルが繰り返されていると感じているものです。
審議会の傍聴をしていていくつか不満はありました。
一つは、3月6月定例市議会で詰めた「都市計画マスタープラン」にかける時間はやはり不足気味で、計画策定の進め方をまとめたレジュメには、都市計画審議会に対して「経過報告」しか載っておらず、「検討」ではないことでした。市職員だけで検討する「庁内検討会」だけが実質の決定権をもつ真の検討の場という感じで、もう少し具体的な担保を取るまで、先の議会でも継続審査にすべきだったかな、と反省するところでした。
一つは、生産緑地の解除が提案される前の申請の報告で、委員から事実が先行していると指摘された案件がありました。別の委員からはよりによって該当場所の現地写真の撮影日が掲載されておらず、事実が先行しているのかわからないと指摘がありました。
こうした、怪しまれそうなものぐらい、答えられるように資料ぐらい持参しておくものじゃないかと思いましたが、撮影日に関して資料を開いて答弁することもなくて、課長が再度配布と答えていました。
ときどき説明不足の資料を出して、もめたら後から事実を作ることがしばしばあって、またかなぁ、なんて思ったりしました。7月3日の別の検討会でも、配布資料のなかにメリットは「議会を通さないこと」というような失礼な表現があって、ブログで指摘したら、そこを消した資料を「正しい資料」としてネットにアップしています。
少し残念だったのは、議論が議員委員中心になりがちなことでした。一般委員が話しにくい状況は何か工夫した方がよいと思います。議員が審議会の委員になることの是非論は別として、委員になった以上、議員委員が変に遠慮するのもどうかと思うところで、審議会の運営の課題かなと思っています。
ただ、土地の権利制限を議会以上に決める厳かな「都市計画審議会」というところ特有の雰囲気もあるかも知れません。
何度か地方分権で緩和されているとはいえ、戦後の自治体の土地利用・都市計画が自治の論理ではなくて、中央集権的な国土づくりを意識されています。自治体の民意による拒否にあいにくいように、住民の権利・義務の変更にもかかわらず自治体議会を通さず、国や県に市が決めたと言える制度設計をしているところがあります。議会の代替の合意形成の機能が都市計画審議会で、権利の制限、義務を決定する機能が強いところです。そこのなかに都市計画行政の諮問的な機能をくっつけて運用するのが、どうにも話しにくい雰囲気ができているのではないかと思うところです。
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