5/29 2024年4月までに朝霞市内のバスの縮小が始まります
29日16時から、交通事業者、市民、自治体、警察などが公共交通の課題を議論する地域公共交通協議会が開かれました。
1年間の公共交通計画の進捗状況のチェックの後、具体的な交通の話が始まりました。
プラスの話では、
・コミュニティーバスのわくわく号、夏にはスマホによるバスロケーションシステムが導入され、乗りたいバスがどこまで近づいているか、だいたい何分待ったらよいかが示されるようになります。時刻表的な情報はgoogleマップでも確認できるようになっていることとあわせてバス待ちの不安が解消されていくことになると思います。
・上内間木、根岸台7丁目崖線、溝沼3・4丁目に、ワゴンバスによる新たな交通手段の確保が検討され、夏頃試行事業に入ります。示された経路も遠回りが少ない合理的な路線で、ダイヤも例示されましたが毎時間の発車時刻が統一されたパターンダイヤでした。利用料に目をつぶれば使いやすいものになりそうです。
一方、マイナスの話もありました。主にはバス運転士を保護するための労働時間規制から、バスの運行時間の縮小、減便、路線の存廃までが議論されました。
・わくわく号の終バスの時間が繰り上がることを中心にダイヤの見直しが2024年4月までに行われます。4月以降には、乗車率の低い区間の廃止が検討されます。
・国際興業バスに続き、東武バスが7月に運賃値上げが行います。
・国際興業バスから、2024年4月以降は運転士不足による路線維持が不可能ということで、車庫から遠い朝霞市内バス路線の部分的な縮小撤退を検討していることが示されました。
提案者に対する意見では、
・タクシー業界から、新たな交通手段を駅構内に入れないように、という要請がありました(今、公共交通が潰れそうな原因となる競争相手はバスではなくて、過度なマイカー利用だと思うのですが)。
・私からは、労働時間規制によって実施するわくわく号のダイヤ見直しが、二段階になっているのはおかしい、新たに発生する空白地域への対応が求められるのではないか。
・他の委員からは、新たな交通手段の利用料300円が高すぎるのでなんらかの対応ができないか、新たな交通手段のフリー乗降を引き続き検討すべきではないか、といった意見が出ています。
●前回の廃止提案を撤回してもらってから4年延命できましたが、改めてバス路線の撤退が示唆されたことに私も含めて会場全体で緊張感が走りました。具体的な路線名は示されませんでしたが、乗車状況からは膝折循環は残りそうなものの、他の「朝11」系統朝霞・志木線、「朝50」系統朝霞駅・内間木線のどちらか、または両方が整理の対象になりそうだと見ています。
早めに情報収集して対応しないと、朝霞市内広大な公共交通空白地域(あるいは代替手段が2時間以上ダイヤの空白があるような実質的な空白地域)が発生しそうです。
●バスの運転士の確保が困難だという時代のなかで、企画書とお金をいくらつきつけても難しい時代に入っているという感じでした。
かつては憧れの職業の上位だった運転士。経営学的な議論のなかでの現業的な仕事への「非創造」的な印象操作、近年では自動運転に対する過大な肩入れによる「オワコン」意識が、人材確保を困難にさせている原因だと思います。
1990年代後半からの職業に対する考え方を変えて、それぞれの仕事の現場で、実際に手や足を動かす人の地位を改善していかないと、いくらインターネットでポチッとやっても実務をやってくれる人がいない社会がやってくる危機感を感じました。
朝霞市役所も給食調理や用務員、その他ケアにあたる直接処遇職員をどんどん切り離していますが、危機のときに誰がやってくれるのでしょうか。行政改革の視点を変えるべきです。
●質問を打込むとAIが答えるchatGPTが話題になっていますが、これの登場で将来なくなると思われる仕事のリストが新聞記事になったようです。そのなかでは従来、IT技術の進展でいらなくなると言われていた仕事が生き残り、逆にホワイトカラーの仕事の多くがいらなくなると示されていました。
将来いらなくなる仕事などわからないものです。生活に必要性のある実感の高い仕事に、適切な費用とプライドがあれば、その仕事は残ると思います。
●バスに対して長く冷淡な態度が強かったせいか、交通難民になりやすい自治体だと思いました。
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