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2023.03.15

3/13 都市計画マスタープラン策定委員会の廃止は留保に

3月7日、8日、13日と、市議会の建設常任委員会が開かれました。来年度予算の中身の議論と、市長提出議案の条例4本の審議をしています。

条例のうち1本は都市計画マスタープラン策定委員会を廃止するものでした。
建設常任委員会として、委員会の審議を終了させず、結論は6月定例会に持ち越すことにしました。来年度から検討が始まる、都市計画の基本計画である「都市計画マスタープラン」策定には、専門の検討委員会を設置せず、庁内委員会と都市計画審議会だけでやる、という行政提案に、乱暴さを感じたため、須田議員の発議に全議員が賛同して継続審査に。結論を保留しました。私もそうですが、須田議員は自らが議員になった動機が20年前の都市計画マスタープランの策定だったから思い入れがあるんだ、と休憩中にお話されていました。
継続審査となったのは、2017年の市の機構改革の条例案以来のことです。建設常任委員会での各委員の討論からは、行政が、都市計画マスタープラン検討委員会の機能に代わる市民参加の具体案や工程の案を示した段階で採決とするとしています。

都市計画マスタープランは、1992年までの何でも国が最終的に決める中央集権的な都市計画ではまずいからと、都市計画法に持ち込まれた、下からまちづくりの地域合意を作る計画の仕組みです。計画づくりには、市民参加や、市民のだいたいの意見を聞いている、という策定のお作法が求められ、都市計画法でも市民参加を求めています。
庁内検討委員会は市幹部職員しか参加資格はなく、公務員だけの意見集約の場です。
都市計画審議会は、昔の国の中央集権的な都市計画行政のなかで、自治体議会を通さず市町村の意思を決定するための仕組みが原型で、内容も土地利用の制限=財産権に露骨に関わるものが多く、謙抑的な組織文化を持った会議体です。
自由闊達に街の未来を市民が意見を出し合い、市の有力者たちに合意形成を図り、そんな場所がどこにあるのか、確認しないと、市民はただ税金を払い、役所が提供するサービスのを消費するだけ、という構図の自治体になる計画ができてしまいます。

一方で、「都市マスタープラン検討委員会」も、形式的に各分野の偉い人ばかりが委員になるような配置なので、市民の意見を自由闊達に出してもらいながらまとめていく、今の時代が求める市民参加の水準に合うかという観点では、課題が多い会議体であることも否定できません。
行政が、どのような方法で、市民にまちづくりへの意見を言って、だいたいこんな感じだよね、という市民の納得性を取っていくのか、方法論を見て最終判断をしたいと思います。

2議案4本の道路認定は全会一致で可決しています。

最後に、土地開発公社の廃止条例も全会一致で可決しています。
市役所の土地購入は、①自治体会計から直接買う、②昭和44年通達で認められている「土地開発基金」から間接的に買う、③法人である土地開発公社で買う、という3手段が執られます。③土地開発公社は、市から独立した法人であり、別会計で、与信が認められれば、自治体のガバナンスの外で借金しながら大きな土地購入を可能にする手段です。公立学校の新設ぐらいの土地購入になると出番はあります。一方で、副作用としては、議会が監視する自治体の予算管理から外れるので、公社が借金して有力者の持つ不良資産化した土地を買い取らされたりする不祥事がバブル崩壊期に頻発していて、大きな土地購入が予定されていなければ不祥事リスクの回避として、解散するのは妥当という判断です。

本体の一般会計予算は、田辺議員のみ反対の賛成多数で可決しています。
私としては、住宅政策がマンション管理支援と住まいのない困窮者への居住支援の推進、公共交通政策での交通事業者支援の継続と根岸台7丁目・溝沼3膝折4丁目・内間木の新たな公共交通の開設に向けた取り組みを評価、公園行政での市民参画の定着などを評価して賛成しましたが、課題として、都市計画マスタープランの策定作業での市民参画体制と景観行政に課題があると申し上げました。

水道事業会計予算は、田辺議員のみ反対の賛成多数で可決しています。
賛成・反対に関して特に議論はしていませんが、水道経営計画に逸脱することなく予算が組まれ、数字的には計画の上方に振れているので、議会が介入するほどの問題は少ないと受け取れています。

下水道事業会計予算は、田辺議員のみ反対の賛成多数で可決しています。
計画化された事業以外には特に無駄な事業をしていることではないと思いましたが、固定資産を抱える収益事業にもかかわらず経営計画の策定が遅れていること、そのことにより中長期の経営が見通せず結果として今年も資金流出が止まらない現状に警鐘を鳴らして賛成しました。なお当局からは、下水道事業での経営計画を早期に策定する、という答弁を受けています。

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