12/16 12月定例市議会が終わりました~最終日の審議状況
12月15日午前、市議会12月定例会の最終日となり、約1ヵ月にわたって審議してきた議案の評価(討論)と採決を行いました。
市長提出議案13議案のうち、全議案が可決、賛否が分かれた議案は、
・一般会計補正予算第5号(反対:立憲歩みの会2、共産党3、田辺)
・下水道事業会計補正予算第2号(佐久間)
・個人情報保護に関する法律施行条例(立憲歩みの会2、共産党3、田辺)
・人権擁護委員の推薦(立憲歩みの会2)
の4議案でした。
2022年第4回定例会採決結果表(市議会ホームページデータ)
一般会計補正予算第5号には、朝霞台中央病院跡地に隣接した「溝沼浄水場」跡地への公共施設建設の頭出し事業の予算が800万盛り込まれておりました。住民や地域のニーズを掘り起こしが不十分なまま、設計、建築に入っていくのは問題だとして、私の会派で修正案を提出しましたが、賛同は佐久間議員しか得られず、敗退しております。
議案第78号一般会計補正予算第5号の修正案
施設に入れる中身も、児童館、子育て包括支援センター、社会福祉協議会本部、福祉相談窓口、防災倉庫、集会施設とてんこ盛りです。隣地の民有地をあわせた開発をすることもなく、建ぺい率から2000㎡ぐらいの施設のなかではこれだけの機能を実現しながら、地域ニーズを反映した設計をするのは難しいと考えられます。
社会福祉協議会の本部が朝霞市役所から離れた場所に設けられることは、今の朝霞市社会福祉協議会が抱える様々な連携不足や、交通費もないような困窮者対策に難題を引き続き抱えることになります。
そのような観点から再考を求める意味で、修正案を提出し、可決するに遠く及ばない賛成しか得られなかったため、原案にも反対しています。
なお、この補正予算は、賛同人を最終確定させる会派代表者会議で、田辺議員が賛同者にならないが賛成する意向を示し、討論では、住民ニーズの確認に関して私どもと同じ趣旨の討論をしていましたが、本会議場では修正案には賛成いただけませんでした。何があったのだろうかと考えてしまいます。
個人情報保護の新条例には、市の作業に問題はなかったものの、2会派+1議員とも自治体にも適用になる新たな個人情報保護法の考え方に問題が多いとして、制度そのものに異議を唱える目的で6人の議員が反対しています。
なお修正動議の提出は3年9ヵ月ぶりです。予算提案権が著しく厳格に市長にしか認めていない地方自治法を前に、議員立法が難しいと思うところですが、議員が一般質問で行政に要求するばかりではなく、あるべき姿に向けてもっと議員立法に取り組むべきだろうと思っています。
本会議の審議経過は以下のとおりまとめましたので、ご確認ください。
議案第78号 2022年度一般会計補正予算(第5号)
○12月15日の討論・採決
・修正動議提出 提出者黒川、賛同者本田
内容:仮称福祉複合施設建設基本構想策定委託料800万円の減額
理由:朝霞台駅南口の中央病院跡地に隣接する貴重な公有地、溝沼浄水場跡地の利用に関して、住民ニーズの掘り起こしが不十分であること。
修正動議に対する質疑はなし
・討論
須田(輝政会)原案に賛成・修正案に反対
佐久間(無会派・維新)原案に賛成・修正案に賛成
石川(共産党)原案に反対・修正案にも反対
本田(立憲歩みの会)原案に反対・修正案に賛成・修正後の第78号議案なら賛成
田辺(無所属の会)原案に反対・修正案にも反対
・修正動議の採決 賛成少数で否決
賛成3(立憲歩みの会・佐久間)
反対19(輝政会・公明党・共産党・田辺)
・修正せずの原案の採決 賛成多数で可決
賛成16(輝政会・公明党・佐久間)
反対6(立憲歩みの会・共産党・田辺)
○11月30日の本会議質疑
質疑予定者 外山,本田,大橋,黒川,田辺,佐久間,山口
4つの全ての委員会の分割付託
私の質疑概要
Q.補正予算の提案にあたり事業採択をどう行ったか。
A(市長公室長).8月16日に庁内各課に補正予算に盛り込む事業の調書提出を求め、10月11日に事業決定し、10月17日に市長査定を経て提案している。各課から提案したもので不採択になったものはない。
Q.不採択がないというのは各課が提案を諦めていないか。また提案の競争がない事業提案で問題はないか。
A(市長公室長).各課が必要なものを出した結果、全部採択できている。
Q.電算システムの改造料は。
A(総務部長).県の提供する自治体クラウドのセキュリティ登録の改定作業である。
Q.庁舎空調管理の必要性は。
A(総務部長).3階から5階の空調が問題で、メンテナンス会社と庁内衛生委員会から指摘を受けたことから提案した。
Q.屋上断熱など電力によらない方法も併せて行う必要がないか。
A(総務部長).屋上など断熱も行うことを考える。
Q.生活保護の追加の内容は。
A(福祉部長).実績から、医療扶助を6300万円減、生活扶助を3400万、住宅扶助を4600万円追加し、合計2100万円追加の予算となっている。
Q.複合公共施設の基本構想・基本計画の設計費の日程的な見通しは。
A(福祉部長).2023年12月をめどに検討し、敷地の状況、事業の背景、課題等を整理し、機能と規模、工事のスケジュールを確定させる。
Q.他に施設をつくることができない土地で、十分なニーズの確認が必要だが、説明会や意見を聞く機会は設けるのか。
A(福祉部長).2023年8月頃にパブリックコメントなどを実施したい。
Q.総工費は。
A(福祉部長).用地代4億を含み、23億円はかかると見ている。
Q.庁舎に入れる機能は。
A(福祉部長).社会福祉協議会本部、児童館、子育て包括支援センター、福祉相談機能、防災倉庫、地域住民のための機能などを考えている。
Q.施設は小さいし、一方で周辺には弁財市民センターや朝霞台出張所があり、それらを含めた機能分担など総合的な検討が必要で、ハード系の業務になれていない福祉部を主管にするのは問題ないか。
A(福祉部長).社会福祉協議会、児童館、子育て包括支援センター、福祉相談機能は広く福祉となるので福祉部として担当したい。
Q.ワクチン接種を推進するが、供給量を十分確保されているのか。時期的に受験生の対応など行うか。
A(子ども健康部長).ワクチン接種体制についてはすでに手を打ち、今後徐々に拡大していくことになる。受験生の対応は、県が対応している。また市としては12~18歳に限定した予約枠を設定した。
Q.保育園調理の債務負担行為を設定して、その民間委託の契約が行われるが拡大するのか。
A(子ども健康部長).公立保育所の調理員を退職する者がおり、行政改革方針にしたがい、給食調理を民間委託するために債務負担行為とした。
Q.2015年に提案された学校給食民営化方針で、最終段階では給食センターの民営化が掲げられ、職員の生首を切るわけにはいかないので保育園調理に引き受けさせるという話だったが、保育園調理の民営化をして大丈夫なのか。
A(子ども健康部長).過去にはそのような検討もしたことがありますが、必要があれば都度協議することにしている。
Q.臨機応変な対応が求められる保育所で調理業務だけ分離して委託することは労働法的な問題や業務上の障害にならないか。
A(子ども健康部長).連携はできている。
議案第79号 2022年度国民健康保険特別会計補正予 算(第2号)
○議案の内容
新型コロナウイルス感染等による休業の傷病手当金・傷病見舞金の予算追加。
○12月15日の討論・採決
討論者なし
採決の結果 全会一致で可決
○11月30日の本会議質疑
質疑予定者 外山,黒川,田辺
民生常任委員会への付託
議案第80号 2022年度下水道事業会計補正予算(第2号)
○議案の内容
下水道事業に従事する職員の給与の人事院勧告反映により不足する予算を追加
※上水道は異動により予算内に収まるため提出なし
○12月16日の討論採決
・討論
佐久間(無会派・維新) 反対
黒川(立憲歩みの会) 賛成
・採決の結果 賛成多数で可決
賛成21(立憲歩みの会、輝政会、公明党、共産党、田辺)
反対1(佐久間)
○11月30日の本会議質疑
質疑予定者 本田,田辺
建設常任委員会への付託
議案第81号 市議会議員及び市長の選挙における選挙運動用自動車の 使用等の公営に関する条例改正
議案第81号の議案の概要
○議案の内容
選挙公営にかかる自動車借り上げ料、運転士人件費、印刷代などの単価を改定する
○12月15日の討論・採決
討論者なし
採決の結果 全会一致で可決
○11月30日の本会議質疑
質疑予定者 黒川,田辺
総務常任委員会への付託
私の質疑概要
Q.改正の理由は。
A(選挙管理委員長).国の公選法施行例改正にあわせて改定し、これまでも国の基準額にあわせて改正してきた。
Q.選挙管理委員会の審議状況は。
A(選挙管理委員長).9月11日の定例会で議案とした。反対意見はなく、全会一致で決定したので、市議会に議案として提案した。
議案第82号 市職員の定年等に関する条例改正
議案第82号の議案の概要
○議案の内容
市職員の定年を順次65歳まで引き上げ、60歳以降は役職定年とし賃金をそれまでの7割とする
○12月15日の討論採決
・討論
黒川(立憲歩みの会)賛成
私の討論内容:改正は問題ないが、考え方として60歳からの賃金が賃金表によらないのが課題。役職定年で非管理職にするというがその範囲は狭い。
・採決の結果 総員賛成で可決
○11月30日の本会議議案質疑
質疑予定者 黒川,田辺
総務常任委員会への付託
私の質疑の概要
Q.根拠は。
A(総務部長).国の地方公務員法などの改正による。
Q.会計年度任用職員は。
A(総務部長).定年を設定していないので関係がない。
Q.役職定年の運用は。
A(総務部長).60歳到達年度で管理職手当を受ける職員は非管理職としている係長級に格付けする。
Q.役職定年後の賃金が7割というが、賃金表によるのか計算式によるのか。
A(総務部長).計算式による。
Q.役職定年と短時間の定年前再任用制度を選択するのは業績か本人の意向か。
A(総務部長).本人の意向による。
Q.役職定年としてい配置予定していた職員が定年前再任用職員を選択したことによる労働力量の変化はどう対応するか。
A(総務部長).役職定年と定年前再任用制度を採用した職員によって、業務上どうしても埋められない場合は、しかるべき定員に対応することもある。
議案第83号 市長・副市長・教育長の給与等に関する条例改正
議案第83号の議案の概要
○議案の概要
市長・副市長・教育長の一時金を人事院勧告に準じた支給月数に0.1ヵ月引き上げる。
○12月15日の討論・採決
討論者なし
・採決の結果 全会一致で可決
○11月30日の本会議議案質疑
質疑予定者 黒川,佐久間,田辺
総務常任委員会への付託
私の質疑の概要
Q.特別職報酬等審議会に諮ったか。
A(総務部長).一時金部分の改定なので、審議会設置条例に該当せず諮っていない。
議案第84号 市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
議案第84号の議案の概要
○議案の概要
今年4月の民間賃金の調査結果による人事院勧告を反映し、市職員のうち若年層の賃金改善と、市職員の一時金を0.1ヵ月引き上げる
○12月15日の討論・採決
討論者なし
・採決の結果 全会一致で可決
○11月30日の本会議議案質疑
質疑予定者 黒川,佐久間,田辺
総務常任委員会への付託
私の質疑の概要
Q.人事院勧告と今回の提案のずれは。
A(総務部長).テレワークと初任給での博士課程があるが、テレワークは国の対応を見て、博士課程は対応する予定はない。
Q.博士課程は一般的な前歴換算は行われますね。また必要な業務があったら考えるのか。
A(総務部長).前歴換算は行う。専門性の高い業務が発生したら考えるだろう。
議案第85号 手数料徴収条例改正
議案第85号の議案の概要
○議案の内容 低炭素住宅の認定手数料の改定
○12月15日の討論・採決
討論者
黒川(立憲歩みの会)賛成
私の討論 取り組まざるを得ないが、政策誘導をするときに、政策減税という選択肢は効果の割に手数ばかりかかり、利用されていないのが実態。よくよく考えなくてはならない。
・採決の結果 総員賛成で可決
○11月30日の本会議議案質疑
質疑予定者 本田,田辺
手数料の対象事務が建築にあたるため建設常任委員会への付託
議案第86号 地区計画区域内における建築物の制限に関する条例改正
議案第86号の議案の概要
質疑予定者 本田,田辺
建設常任委員会への付託
議案第87号 朝霞市個人情報の保護に関する法律施行条例
議案第87号の議案の概要
○議案の内容
個人情報保護法が自治体にも網羅的に適用さることになり市の独自条件を設定できなくなったことから、市の独自条例である個人情報保護条例を廃止し、必要な新条例を制定する。
○12月15日の討論・採決
・討論
斉藤(共産党) 反対
利根川(公明党) 賛成
本田(立憲歩みの会) 反対
田辺(無所属の会) 反対
・採決
賛成16(輝政会、公明党、佐久間)
反対6(立憲歩みの会、共産党、田辺)
○11月30日の本会議議案質疑
質疑予定者 外山,本田,黒川,田辺
総務常任委員会への付託
私の質疑の概要
Q.今回の施行条例が制定されたときに廃止になる朝霞市個人情報保護条例は全国でも早めにできた先駆的な条例で、その歴史を答弁されたい。
A(市長公室長).1997年に個人情報の適正な取り扱いと個人の権益保護を目的として施行した。
2004年には国が公共機関の個人情報保護法が成立したことを受けて全面改正し、自己情報の訂正、罰則規定、職員の規律などを盛り込んだ。
2015年にはマイナンバー法の施行、2017年に要配慮個人情報、デジタル庁設置に関連する改正を行ってきた。
議案第88号 工事請負契約の締結について(第二中学校体育館エアコン設置工事)
議案第88号の議案の概要
○議案の内容
朝霞第二中学校の体育館のエアコン設置工事を2023年の夏休みに行う工事契約の承認
○12月15日の討論・採決
討論者 なし
・採決の結果 全会一致で可決
○11月30日の本会議議案質疑
質疑予定者 本田,田辺
第二中学校のエアコン設置工事のため教育環境常任委員会への付託
議案第89号 監査委員(松崎徹さん・新人)選任に関する同意
議案第89号の議案の概要
質疑予定者 福川,田辺,黒川
本会議審議
○12月15日の討論・採決
討論者
黒川(立憲歩みの会)賛成
私の討論の概要
対象者を調査したところ問題はなく適任だろうという判断はした。ただ、市長をトップとする行政を監査する役を行政の長自身が選ぶ制度のなかで、選び方については、一本釣りした疑念がなくなるような工夫が必要だろう。
・採決の結果 総員賛成で同意
○11月30日の本会議議案質疑
質疑予定者 福川,田辺,黒川
本会議審議で委員会付託しない
私の質疑の概要
Q.前の人の外部監査の強化という点では、専門性が高く、職務に問題があれば資格剥奪などがされる公認会計士や税理士に依頼できなかったのか。
A(市長).何人かの税理士に打診してみたがお断りされている。
Q.税理士会がどのような理由でお断りされたのか。
A(市長).税理士会には依頼しておらず、個々に依頼したが、長期に務めてもらいたいと思うなかで年齢的に適合する方は業務の多忙などが理由だった。
Q.初めて選ばれる方でよく存じないので、どのようなご縁で選んだのか。
A(市長).私の人脈から、間接的に推薦いただいて、経歴などからお願いすることにした。
議案第90号 人権擁護委員候補者(陶山憲雅さん・新人)の推薦に関する意見を求めること
議案第90号の議案の概要
○12月15日の討論・採決
討論者
黒川(立憲歩みの会) 反対
私の討論の概要
公職に立候補することが想定される政治団体の結成届が県選管に出されていて、違法ではないが、人権相談等で疑義を持たれる。政治家として期待される人物であるだけに、他の人物を推薦すべきだった。
・採決の結果 賛成多数で推薦に同意
賛成20(輝政会、公明党、共産党、田辺、佐久間)
反対2(立憲歩みの会)
○11月30日の本会議議案質疑
質疑予定者 福川,田辺,黒川
本会議審議
私の質疑の概要
Q.人選はどのようにしたか。
A(市長).今回、最も任期の長い委員が退任することで、保護司会、民生委員・児童委員から3人の候補者を出してもらい、そのなかから選任した。
Q.前者の質疑も指摘があり、聞こえてくるのですが、政治的な課題があるのではないか。政治の世界で活躍してもらうなら、本人のためにも再考すべきではないか。人権には政治的自由があったり、自治体からの人権侵害がありうることから、政治的疑念を持たれないか。
A(市長).まだ出るかどうかも確定していない。市議会議員なら市の業務に精通しているし、政治的な偏見を市議会議員に持っているとも思えないので、政治的云々は考慮に入れていない。
※人権委員としてい推薦する候補者は、7月4日に市内に政治団体を設立していることが県で公表されています。
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