19日、朝霞市議会の最大会派「輝政会」11人から7人が離脱して、新会派「あさか未来」が結成された、との連絡がありました(会派とは市議会のなかの政党みたいなものです)。
県議会議員選挙をめぐる市長の対応のほか、これまで与党議員に結論を押しつけるだけで議論をさせない市長の議会対応などに不満を募らせており、爆発したものと見られます。
市長の統制の強いこの街で、新会派の結成にこぎつけたみなさまの意志力に敬意を表し、新会派結成をお祝い申し上げたいと思います。
これにより市議会の会派別の所属議員はこのとおりです。
●あさか未来(新結成) 7人 須田,獅子倉,福川,田原,小池,外山,原田
●公明党 5人 利根川,岡崎,駒牧,遠藤,宮林
●輝政会 4人(←11人) 野本,石原,山下,柏谷
●日本共産党 3人 斉藤,石川,山口
●立憲歩みの会 2人 黒川,本田
●無所属の会 2人 田辺,大橋
●無会派 1人(日本維新の会所属) 佐久間
(敬称略・順は各会派代表者→その他議員は当選回数順)。
●当選以来11年間、朝霞市の民主主義の現場に入りましたが、その問題は聞きしに勝るものでした。議会の多数派が始めに結論ありきで議場に臨むので、権力の分立が全然機能していません。他にもそのような自治体もありますが、市長の意思を追認する最大会派の議員が、市長との間で細かい政策調整をやっているのかと思えば、それすらなくて、ただ賛成させられている、という話も聞いたことがあります。
市長の専権が強いので、予算書は、議会に示される2月下旬まで公表されず、翌年度の事業が継続できるかわからず事業計画が成り立たないと困っている市民・事業者もたくさんいました。国の予算なら11月下旬から翌年度事業ができるかできないかあらかたわかるように編成しています。もちろん最終決定は議会ですが、地方自治法で議会がやるべきことは原案に対して加除するようなもののはずです。
市の事業が法的な問題でも起こして追及する場面以外は議場の議論は意味がないのではないか、と感じることが多くありました。この10年、私に期待してくれた人の思いと、現実の無力感との落差への闘いでした。
そのなかでも明文規定のない暗黙の規制にじりじり風穴を開けて、修正案を出したり、反対がなくても賛成討論をしてGOサインを出すだけではなくて政策遂行にあたっての課題を示したり、野党なりに議会が機能する議論を試みてきたつもりですが、他は数の力で抑止されることばかりで、他の自治体の市民参加や、合意形成、議会改革の水準がどんどん差を付けられていると感じています。
市民もそういうことを感じていて、市議会議員選挙の投票率が30%台前半に貼り付いているのも、議会が無力だと見抜いていたからだと思います。議員自身も議事に関する関心事は他の議員の「話が長いか短いか」が中心にになってしまっています。
このような朝霞市の今の体制のなかで、市長の側に立って異論をブロックしてきたのが最大会派だったわけで、その構図が大きく転換したことから、朝霞市の民主主義の転換点になって、開かれた自治体になる第一歩となるか、議会が自身の力で自己改革できる機会になるのか、新会派がその力になるか、見定めていきたいと思います。
●新会派結成にあたって、新会派結成届だけで十分のはずなのに、従前にいた会派にも減った新たなメンバーでの届け出を出させています。結社の自由という観点からは問題のあった対応ではないかと思います。
議会の会派は、法規制ではなく、役所が公認するような組織ではありません。事務管理の都合から、結成したときに届け出を出す、ということと、政務活動費を会派として受け取るときのルールがあるのみです。脱退、解散、分裂に関して管理するルールはありません。組織統治の正統性は会派の内部ルールに委ねられるべきものです。市議会に議席を有する国政政党とわが会派以外は、会派の統治に関する内部ルールもなかったと思います。それがない限りの法的根拠は、基本的人権の一環としての結社の自由のみです。
もちろん政治なので、仁義を切ったり、筋を通したり、という作業はあってよいとは思いますが、それらは行政的統治の根拠とする規制ではありません。
※アップした時点で新会派の名称が音でしか確認していませんでしたが、文字での正式名称を確認したので正式名称をアップしています。