« 11/30 補正予算のなかみ、市職員の定年延長など、本会議で議案への質疑を行います | トップページ | 12/15 人権擁護委員まで政治化することを追認した採決結果~市議会最終日の採決 »

2022.12.01

12/1 止まらない複合公共施設の建設、整合性のない調理業務の民営化~30日の議案質疑から

11月30日に市議会本会議の議案質疑が行われました。

一般会計補正予算では、朝霞台南口の「複合公共施設」の設計予算、公立保育園の調理の民営化に関して問題点を指摘して検証しました。
複合公共施設では、強引な進め方と、乱れた施設構想をどう整理つけていくのか、そして何より地域の必要性を根底からちゃんと考える機会があるのかという点に引き続き疑問が残りました。主張を織り交ぜて、12日の一般質問で再び議論していく予定です。

公立保育園の調理業務の民営化は、偽装請負になりやすく調理業務だけ切り取って民間委託することの問題は大きいことと、2015年の学校給食の全面民間委託の方針が出たときに、市の答弁で職員・調理員の最終整理で保育園調理が引き受けさせるという答弁がまったく考慮されていないことを確認しました。上意下達の方針づくりのために、大事なことが方便でしか言葉にならない朝霞市役所の体質を感じたものです。また、現業労働という実業務をあまり大切に考えていないことも感じました。

今回提案にある個人情報保護条例の全面改正では、国のルールに全面的に従うことを求められ対応するものです。しかし個人情報保護は、自治体が先行して取り組み、朝霞市も比較的早い段階で条例を作り対応してきた歴史があることから確認質問をいたしました。経緯やその蓄積を振り返ることは、今後の行政の適正さを誘導していくために大事です。

人事案件では両名とも新人で、指名の経緯が過去にないパターンだったので、市長に突っ込んで問いただす場面がありました。
監査委員については、①士業から選ぶことを検討したが断念、②人脈のあるカテゴリーの仲介者からの紹介を受けて、選任として提案したこと、
人権擁護委員については、①保護司・民生委員から選任した、②疑義がある政治活動については問題が無い、
という答弁がされています。

市議会の最後にハプニングがありました。ほぼ終わりかけていたので実害はありませんでしたが、厳密には招集権者不在という大きな問題になりかねないことだと思います。

●身につまされる記事を読みました。
朝日新聞「独裁政権は選挙を使って「進化」する データで比べる民主主義の価値」。何でもない人事から、選挙はやる、弾圧はしないけど、人々を無気力にする政治が産まれてくるという話です。

●30日の私の質疑の要約です。
昨日の議事の詳細を確認したい方は、録画公開をしていますので、ご覧ください。

議案第78号 2022年度一般会計補正予算(第5号)
  質疑予定者 外山,本田,大橋,黒川,田辺,佐久間,山口
  4つの全ての委員会の分割付託
私の質疑
Q.補正予算の提案にあたり事業採択をどう行ったか。
A(市長公室長).8月16日に庁内各課に補正予算に盛り込む事業の調書提出を求め、10月11日に事業決定し、10月17日に市長査定を経て提案している。各課から提案したもので不採択になったものはない。
Q.不採択がないというのは各課が提案を諦めていないか。また提案の競争がない事業提案で問題はないか。
A(市長公室長).各課が必要なものを出した結果、全部採択できている。
Q.電算システムの改造料は。
A(総務部長).県の提供する自治体クラウドのセキュリティ登録の改定作業である。
Q.庁舎空調管理の必要性は。
A(総務部長).3階から5階の空調が問題で、メンテナンス会社と庁内衛生委員会から指摘を受けたことから提案した。
Q.屋上断熱など電力によらない方法も併せて行う必要がないか。
A(総務部長).屋上など断熱も行うことを考える。
Q.生活保護の追加の内容は。
A(福祉部長).実績から、医療扶助を6300万円減、生活扶助を3400万、住宅扶助を4600万円追加し、合計2100万円追加の予算となっている。
Q.複合公共施設の基本構想・基本計画の設計費の日程的な見通しは。
A(福祉部長).2023年12月をめどに検討し、敷地の状況、事業の背景、課題等を整理し、機能と規模、工事のスケジュールを確定させる。
Q.他に施設をつくることができない土地で、十分なニーズの確認が必要だが、説明会や意見を聞く機会は設けるのか。
A(福祉部長).2023年8月頃にパブリックコメントなどを実施したい。
Q.総工費は。
A(福祉部長).用地代4億を含み、23億円はかかると見ている。
Q.庁舎に入れる機能は。
A(福祉部長).社会福祉協議会本部、児童館、子育て包括支援センター、福祉相談機能、防災倉庫、地域住民のための機能などを考えている。
Q.施設は小さいし、一方で周辺には弁財市民センターや朝霞台出張所があり、それらを含めた機能分担など総合的な検討が必要で、ハード系の業務になれていない福祉部を主管にするのは問題ないか。
A(福祉部長).社会福祉協議会、児童館、子育て包括支援センター、福祉相談機能は広く福祉となるので福祉部として担当したい。
Q.ワクチン接種を推進するが、供給量を十分確保されているのか。時期的に受験生の対応など行うか。
A(子ども健康部長).ワクチン接種体制についてはすでに手を打ち、今後徐々に拡大していくことになる。受験生の対応は、県が対応している。また市としては12~18歳に限定した予約枠を設定した。
Q.保育園調理の債務負担行為を設定して、その民間委託の契約が行われるが拡大するのか。
A(子ども健康部長).公立保育所の調理員を退職する者がおり、行政改革方針にしたがい、給食調理を民間委託するために債務負担行為とした。
Q.2015年に提案された学校給食民営化方針で、最終段階では給食センターの民営化が掲げられ、職員の生首を切るわけにはいかないので保育園調理に引き受けさせるという話だったが、保育園調理の民営化をして大丈夫なのか。
A(子ども健康部長).過去にはそのような検討もしたことがありますが、必要があれば都度協議することにしている。
Q.臨機応変な対応が求められる保育所で調理業務だけ分離して委託することは労働法的な問題や業務上の障害にならないか。
A(子ども健康部長).連携はできている。

議案第79号 2022年度国民健康保険特別会計補正予 算(第2号)
  質疑予定者 外山,黒川,田辺
  民生常任委員会への付託

議案第80号 2022年度下水道事業会計補正予算(第2号) 
  質疑予定者 本田,田辺
  建設常任委員会への付託

議案第81号 市議会議員及び市長の選挙における選挙運動用自動車の 使用等の公営に関する条例改正
  議案第81号の議案の概要
  質疑予定者 黒川,田辺
  総務常任委員会への付託
私の質疑
Q.改正の理由は。
A(選挙管理委員長).国の公選法施行例改正にあわせて改定し、これまでも国の基準額にあわせて改正してきた。
Q.選挙管理委員会の審議状況は。
A(選挙管理委員長).9月11日の定例会で議案とした。反対意見はなく、全会一致で決定したので、市議会に議案として提案した。

議案第82号 市職員の定年等に関する条例改正
  議案第82号の議案の概要
  質疑予定者 黒川,田辺
  総務常任委員会への付託
私の質疑
Q.根拠は。
A(総務部長).国の地方公務員法などの改正による。
Q.会計年度任用職員は。
A(総務部長).定年を設定していないので関係がない。
Q.役職定年の運用は。
A(総務部長).60歳到達年度で管理職手当を受ける職員は非管理職としている係長級に格付けする。
Q.役職定年後の賃金が7割というが、賃金表によるのか計算式によるのか。
A(総務部長).計算式による。
Q.役職定年と短時間の定年前再任用制度を選択するのは業績か本人の意向か。
A(総務部長).本人の意向による。
Q.役職定年としてい配置予定していた職員が定年前再任用職員を選択したことによる労働力量の変化はどう対応するか。
A(総務部長).役職定年と定年前再任用制度を採用した職員によって、業務上どうしても埋められない場合は、しかるべき定員に対応することもある。

議案第83号 市長・副市長・教育長の給与等に関する条例改正
  議案第83号の議案の概要
  質疑予定者 黒川,佐久間,田辺
  総務常任委員会への付託
私の質疑
Q.特別職報酬等審議会に諮ったか。
A(総務部長).一時金部分の改定なので、審議会設置条例に該当せず諮っていない。

議案第84号 市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
  議案第84号の議案の概要
  質疑予定者 黒川,佐久間,田辺
  総務常任委員会への付託
私の質疑
Q.人事院勧告と今回の提案のずれは。
A(総務部長).テレワークと初任給での博士課程があるが、テレワークは国の対応を見て、博士課程は対応する予定はない。
Q.博士課程は一般的な前歴換算は行われますね。また必要な業務があったら考えるのか。
A(総務部長).前歴換算は行う。専門性の高い業務が発生したら考えるだろう。

議案第85号 手数料徴収条例改正
  議案第85号の議案の概要
  質疑予定者 本田,田辺
  手数料の対象事務が建築にあたるため建設常任委員会への付託

議案第86号 地区計画区域内における建築物の制限に関する条例改正
  議案第86号の議案の概要
  質疑予定者 本田,田辺
  建設常任委員会への付託

議案第87号 朝霞市個人情報の保護に関する法律施行条例
  議案第87号の議案の概要
  質疑予定者 外山,本田,黒川,田辺
  総務常任委員会への付託
私の質疑
Q.今回の施行条例が制定されたときに廃止になる朝霞市個人情報保護条例は全国でも早めにできた先駆的な条例で、その歴史を答弁されたい。
A(市長公室長).1997年に個人情報の適正な取り扱いと個人の権益保護を目的として施行した。
2004年には国が公共機関の個人情報保護法が成立したことを受けて全面改正し、自己情報の訂正、罰則規定、職員の規律などを盛り込んだ。
2015年にはマイナンバー法の施行、2017年に要配慮個人情報、デジタル庁設置に関連する改正を行ってきた。

議案第88号 工事請負契約の締結について(第二中学校体育館エアコン設置工事)
  議案第88号の議案の概要
  質疑予定者 本田,田辺
  第二中学校のエアコン設置工事のため教育環境常任委員会への付託

議案第89号 監査委員(松崎徹さん・新人)選任に関する同意
  議案第89号の議案の概要
  質疑予定者 福川,田辺,黒川
  本会議審議
私の質疑
Q.前の人の外部監査の強化という点では、専門性が高く、職務に問題があれば資格剥奪などがされる公認会計士や税理士に依頼できなかったのか。
A(市長).何人かの税理士に打診してみたがお断りされている。
Q.税理士会がどのような理由でお断りされたのか。
A(市長).税理士会には依頼しておらず、個々に依頼したが、長期に務めてもらいたいと思うなかで年齢的に適合する方は業務の多忙などが理由だった。
Q.初めて選ばれる方でよく存じないので、どのようなご縁で選んだのか。
A(市長).私の人脈から、間接的に推薦いただいて、経歴などからお願いすることにした。

議案第90号 人権擁護委員候補者(陶山憲雅さん・新人)の推薦に関する意見を求めること
  議案第90号の議案の概要
  質疑予定者 福川,田辺,黒川
  本会議審議
私の質疑
Q.人選はどのようにしたか。
A(市長).今回、最も任期の長い委員が退任することで、保護司会、民生委員・児童委員から3人の候補者を出してもらい、そのなかから選任した。
Q.前者の質疑も指摘があり、聞こえてくるのですが、政治的な課題があるのではないか。政治の世界で活躍してもらうなら、本人のためにも再考すべきではないか。人権には政治的自由があったり、自治体からの人権侵害がありうることから、政治的疑念を持たれないか。
A(市長).まだ出るかどうかも確定していない。市議会議員なら市の業務に精通しているし、政治的な偏見を市議会議員に持っているとも思えないので、政治的云々は考慮に入れていない。
※人権委員としてい推薦する候補者は、7月4日に市内に政治団体を設立していることが県で公表されています。

|

« 11/30 補正予算のなかみ、市職員の定年延長など、本会議で議案への質疑を行います | トップページ | 12/15 人権擁護委員まで政治化することを追認した採決結果~市議会最終日の採決 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 11/30 補正予算のなかみ、市職員の定年延長など、本会議で議案への質疑を行います | トップページ | 12/15 人権擁護委員まで政治化することを追認した採決結果~市議会最終日の採決 »