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2022.10.31

10/31 わくわく号の値上げ

31日15時から朝霞市の公共交通の課題を話し合う「地域公共交通協議会」が開かれ、委員として参加してきました。
主要な議題は、現行一律150円のわくわく号の運賃値上げです。すでに地域公共交通計画にも盛り込まれ、実施決定だけということだと思いますが、「値上げ」として市民負担を増やすことになるので、いろいろ考えておくべきことです。

前回協議会では値上げを検討せよということで値上げ幅は示されませんでしたが、今回は180円に値上げするという具体的な値上げ幅が示されました。
値上げの理由の一つとして民間バスの運賃との均衡が挙げられています。これは理解しにくいことですが、民間バスより安い運賃で公営バスが運営できるなら、民間バスが撤退して全部コミュニティバスでやれば、という話になりかねないというところからの論理です。これはなかなか強烈です。実際に、首都圏でもコミュニティバスしかなくなった自治体があります。
何とかトントンの収支なら、民間会社に既存バス路線を気持ちよく運営・維持してもらうようにしなければ、市民負担が多大になるだけです。そういう点では値上げは容認せざるを得ません。

値上げに対して明確に反対意見はありませんでしたが、ただ値上げすれば市の持ち出しから1000万円の財政負担が減るだけで、何の進歩もありません。
前回の委員会で私から、値上げするにしても、その増収分の一部からさらなる利用喚起=増収策になる追加投資をすべきだ、と申し上げました。バスを忌避される理由を潰したり、さらにニーズのあるところに届く設備やバス停を追加するなり、増収の1割ぐらいでできることはあると思います。
今回の委員会で、具体策は提示されませんでしたが、何らかの利用喚起のための投資はされる方向は見えたと思います。
前回、他の委員からは節約の論理で追加投資に後ろ向きな意見もありました。公営の収益事業がダメになっていくのは、ステークホルダーの市民や議員や行政学者がこだわる節約の論理がわかりやすすぎて、必要な追加投資がなかなか行われず、その間に設備や施設の陳腐化と利用者離れが起きることです。病院の独立行政法人化や公営交通の民営化は、行政改革のわかりやすい話として人件費の問題が焦点になりやすいですが、本質的には行政を取り巻くご意見番たちが節約の論理が強すぎて、事業が時代に追いつくための追加投資が時代の速さに追いつかない問題ではないかと思っています。

ただここに来て考えなくてはならないのが、民間バス会社が燃料代高騰でどうも運賃の値上げを検討しているようなのです。運転士の確保対策も含め、独立採算でやらせている以上、運賃のある程度の改定は呑まざるを得ないかも知れません。そのときに、またわくわく号との運賃格差が発生し、今回の値上げの理由が残ってしまうということになります。

そんなことで、今回、議論打ち切りで改定してよしという答申が出るところでしたが、待ったをかけて民間バス会社の動向を見て値上げ幅や値上げの考え方を再整理しして、次回の2023年1月中下旬の地域公共交通協議会で結論を出し、わくわく号の運賃は2023年7月から改定実施となる見込みです。

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2022.10.28

9/28 莫大な事務費と公正性の担保が不透明~市民全員3000円のくーぽん券

26日午前、市議会臨時会が開かれ、11億円の補正予算第4号が可決いたしました。内容は①国の施策として、住民税非課税世帯や家計が急変して住民税非課税ではなくても住民税非課税世帯と同様の収入に落ち込んでいる「家計急変世帯」に5万円給付で7億円、②朝霞市民全員に3000円のクーポン券を世帯単位で配布する「朝霞でぎゅっとくーぽん券」に給付費3億、事務費1億円の委託料を内容とする議案の審議を行いました。

私ども立憲・歩みの会は②のくーぽん券がバラマキ色が強すぎること、非課税世帯に該当しない低所得者への対策がないこと、市民全員への3000円クーポン券「朝霞でぎゅっとくーぽん券」の事務費が高すぎて、透明性の担保がでなきいことから、反対いたしました。
結果は、
賛成17 輝政会9(議長は採決に加わらず、1議員疾病で欠席),公明党5,日本共産党2(1議員疾病で欠席),大橋議員
反対4 立憲歩みの会2,佐久間議員,田辺議員
の賛成多数で可決しています。

●くーぽん券の4億円の事業費のうち2億円は国から降ってくる「地方創生臨時交付金」で、その原資は今国会で赤字国債を原資に27兆円から自治体に押し込まれてくるものです。赤字国債が原資であるのなら、10年後に国は返済しなくてはなりません。それなら、今困っていて、国や自治体が支えれば10年後に深手の傷にならず生産活動に戻れる人を創ることに優先的に使うべきではないかと思います。
一つは、原油高・物価高を直撃している広い意味での公共基盤となるサービスへの支援です。タクシー、バス、介護輸送、給食食材購入などに充当すべきです。今回は見送られました。ただ12月補正予算でここは提案されるということです。
見送って浮いているお金で何をするかというと、今回は一律で3000円程度を配るのですが、そうした使い方では、赤字国債を発行して挽回するような効果にはならないだろうと思います。給付金にするにしても、あの人もらっているのにもらえないという論理ではなくて、政策なのですから、その人の人生がその後どんどん転落しないような歯止めとなるものに集中的に使ってほしいと思います。
さらに国のお金で不足する2億円は、市の貯金を取り崩します。これから学校校舎の建て替え、市庁舎の建て替え、市民会館の建て替え、高齢者の増加への備え、さらにはまたデフレ経済が戻ってきたときの施策のためにたくさんのお金が必要になる場面が出てきます。それに取っておいたお金を今取り崩すわけです。
そして今回事務は、市役所や商工会がやらず、大手旅行会社3社のどこかに随意契約で委託します。委託料も1億円にもなります。地域経済を回すといいながら、事務は市外の業者に委託せざるを得ない現実。残念です。また、最近、国は広告代理店や旅行会社などエージェント業に様々な業務委託をして、莫大な事務費の中抜き、委託費に見合わない業務実態、さらには五輪汚職では変なお金の流れなどもあって、注意が必要です。そこに対する警戒感もなく、新しい仕事で市職員がやれる余力がないから丸投げ委託する、というのがどうかと考えました。
その結果の反対です。

●政府部門からのバラマキは、物価だから善政を、という正当化ができるかもしれません。
しかし、今回の物価高は、政府が収入不足を誤魔化して支出を膨らませたことと、そのための作業を実業務を通じた景気対策とすることを面倒くさがって、金融緩和でお金をじゃんじゃん市中にながしたことによるものです。
労働運動が機能していれば、金融緩和でも、物価高→賃金高→売上高→生産の増大→税収増というインフレ的好循環が起きると言われていますが、先進国で物欲よりお金を蓄える願望が強くなっていることや、21世紀以降の労働組合の脱組織化が進み、不安定雇用ばかり増やした結果の労働者の発言力の低下で、賃金高のところで目詰まり起こして、余ったお金は不動産や株などの資産価格の高騰しか生んでいません。その尻拭いを政府部門だけで一所懸命補っても物価高を補うには限界があるものです。

●ネーミングが会派で話題になりました。3000円の商品券をくれることにどうして「朝霞でぎゆっ」になるのか、不思議なネーミングです。質疑された議員がおられましたが「結束するという意味だ」という答弁。この施策の意図は結束して乗り越える問題かなぁ、と思ったりしたものです。

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2022.10.26

10/26 お金を撒くだけが仕事だろうか~補正予算を審議します

本日26日9:00~臨時市議会本会議が開かれます。議案は今年度4回目の補正予算で、①国から非課税世帯を中心に現金給付が行われる話と、②国から自治体に「地方創生臨時交付金」が2億円新たに送り込まれることによる予算です。

①に関しては国の事業なので、国の事業の過不足を確認して、自治体の役割が残っていないかを確認するべき作業が残っています。ただ位置づけとしては自治事務なので、現実的にはそうはなりませんが、やらないという判断もありえます。
②については、市としてどんな風にお金を使うのかが問われています。21日に議会運営委員会があり、そこで示されたものとしては、財政調整基金という積立金から2億円を取り崩し、合計4億円を原資に、市民1人あたり3000円の商工会加盟を中心とした市内の商工業者に使えるクーポン券を「朝霞でぎゅっとくーぽん券」と称して世帯単位に配布します。その配布分が3億円、残り1億円が旅行会社3社から選んだ事務代行手数料として消えます。

行政が美名のもとに行う施策に、莫大な手数料をエージェントっぽいところに払うということが、国を中心に疑惑を呼んでいます。また、あまりにも事業の本体の割に比率の高い手数料に唖然としている予算案です。また地域経済を回すというのに、肝心のその事務を市役所でも外郭団体でも、商工関係団体でもない、地域社会で引き受けないで1億円流出させるやり方にどうかと思いながら、今日の審議に向かっていきます。

●2020年に1人10万14兆円を緊急でやむを得ず配ったあたりから、国も国会議員も自治体も自治体議員も感覚が麻痺している感じがします。赤字国債を原資に、兆の単位で現金給付と、商品券のバラマキにしか使われない自治体へのバラマキばかりが続いています。原資は今の10~30代が働き盛りのときに天引きされていく様々な公租公課なのだ、ということを忘れずにいたいものです。

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