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2021.11.02

11/2 総選挙が終わりました

28日のブログで与野党伯仲の岸田政権の続投が当面望ましい政局、と書きましたが、結果をみれば自民党政権の安定多数は維持されて、与野党伯仲に持ち込めなかったことは残念です。この埼玉4区では比例区の対策のみで、選挙区選挙はいかんともしがたかったと思っています。
最も近いと思っている立憲民主党も、民主党政権の失敗の最大の要因であり公約違反の批判にグウの音も出なくなる減税政策を、ある時点から乱発し始めたので、いくつかの選挙区で作業的なことは支援したものの、そこからは宣伝戦に加わることを控えました。21歳から選挙運動への関わりを続けてきたので、このようなことは初めてでした。
今回の選挙で投票してくださった方々には頭が下がるばかりです。ありがとうございました。投票の参考にしたいと私ごときに問い合わせしていただいた方にはさらにお礼を申し上げたいと思います。

野党共闘のこれからについて議論が起きています。比例代表制とは別枠の小選挙区制が続く限り、選挙協力は続けた方がよいでしょう。ただし無理のない範囲でやりましょう、としか言いようがありません。また左版のN国とも思われる政党との協力は打ち切った方がよいと思っています。東京8区の公認問題のような有権者不在の後出しジャンケンが混乱を招くものです。

野党共闘は人間が自由になるための手段ですが、左翼の統一戦線論のように自己目的化して、片務的な話と、共闘の構築とその正当性をめぐる内ゲバみたいなことが続いて、正直これでは有権者に届く話にはならない、とこの夏から感じはじめていました。
連合組織内議員だから連合の言う「共産党を含む」ことへの批判と思われがちですが、それとはまた別の感覚です。
私は、労働組合で働いていたときも市議会議員になってからも、21世紀に入って組織票が機能しなくなるなかで、衆院選では組織票があてにならない選挙区での運動に関わることが多くありました。今は駅頭であれ訪問活動であれ、候補者が一人ひとりの有権者と気持ちがつながるような行動を取らない限り得票にはつながらないと思っています。その経験からは、今回の衆院選の、枠組優先、他力依存の野党共闘のスキームには、Win-winというものが出てこないと感じておりました。
それぞれの政党の支持者が自由になりながら、少しだけ重ねあうかたちで協力しないと、無党派層を前に訴えていくなかで、埋没するという感じがしています。
これからは、維新が野党のなかで大きな位置を占めます。政治評論家やワイドショーかつきつけてくる野党共闘の相手は、維新を突きつけられると思います。その先にあるのは2017年9月の野党の混乱です。

●立憲民主党の敗退で枝野代表の進退が話題になっています。議論が出るのは仕方がありませんが、再びウンザリするような野党政局が始まりそうです。
責任や過去のミス、年齢などで消去法的に考えていくと、考えられる大物に大きな懸念を抱いています。右だ左だというより文脈のない人、という感じです。8月、ある映画を見ましたが、この人物は過去には菅義偉さんと親密な関係があり、党首にしたら今は不遇の菅義偉さんと何を始めるかわからない、と見ています。今回の同党の減税バラマキ公約もその人が震源地のようです。他野党との協力で呑み込むべき減税政策は消費税減税だけだったはずです(これも実現性や政府歳出に与える緊縮的な影響を考えると問題です)。立憲民主党の当初の話では、様々な社会サービスを張り巡らせて、お金のかからない老後や子育て、格差社会でこぼれた人のチャレンジの支援などがあって、それらは財源のいる話でした。なぜ、あれもこれも減税するみたいな公約になるのかと思ったものです。

●小選挙区制と比例代表制の並立制をやっている限り、選挙で選択肢がなくなる問題が多いと思っています。ドイツの比例代表制のような制度に移行する必要があると思います。
ドイツの選挙制度は、比例代表制で政党の議席配分を決め、そのなかで誰が当選するか、ということを小選挙区当選者をまず当て、残りを比例代表の名簿から補充するという制度です。全員重複立候補当選者、という考え方です。
この制度は、選挙において選挙協力などする必要がなく、有権者は応援したい政党に当選すれば政党の議席配分が決まる制度です。野党共闘みたいなことは、選挙が終わって政権樹立に向けた協議を行うことになります。

●政治や政策の研究者には、欧州の先進国では大きな政治勢力である中道左派政党を日本でなぜ作れないか、と盛んに議論されていて同感なのですが、現実の日本の中道左派的な政治運動の世界はと隔絶された理想で難しいと改めて思いました。高度成長期に習慣化され、高度成長の所与の条件がないとできない左派の常識を転換させていかないと難しいものがあります。すでに、その問題を超えるために努力した先人たちは死を迎えています。私ももう51歳になろうとして、余生をカウントできる年頃になっています。10代からの問題意識で政治運動に関わってきましたが、中道左派としての理想を追いかけ続けて何かあるのかと思ったりすることが増えています。かつて、お隣の前市長から「いつまでそんな問題意識を抱え込んでいるのですか?」という冷やかしがリフレインしてきます。

●繰り返し書きますが、届出1番の候補者を調べると、ありえないと思いました。どういう力学かうかがい知ることはできませんが、結果的には、前世紀末からのこの選挙区の特殊事情としてあるいろいろなものが終わってく象徴だと見ています。

●追記:文書化されているわけではありませんが、聞かされてきた住み分けの前提を超えて、共産党の候補が昨年から出てきましたが、同党にとっては比例代表の票集めには、県内1ヵ所の候補では難しいので仕方のないことだろうと思います。また、どういう意図かわかりませんが、埼玉4区内では立憲民主党やその支持者は共産党候補の応援をしているという怪情報が流されてきましたが、間近に見ている私からそれはないと断言します。県内でも9区や13区で、住み分けで立憲民主党が候補を出す選挙区でも、共産党が独自候補を立てています。埼玉4区では地方議員の数で圧倒されていますし、民主系の地方議員が散逸してしまったので、これからも共産党候補が必ず出る選挙区である前提に動く必要があると思います。

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