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2021.05.08

5/8 松本武洋さんが民間人に

きょうをもって、お隣の和光市長松本武洋さんが辞職します。
国会中継で「ニンメーセキニン」ということを煽る政治風土があるなかで、政治家の部下の失敗に対するハードルは厳しいものがあります。
直下の部下であった人物の、公金着服事件の責任を取るもので、残念ですが、辞職という対応は妥当なところだと思います。優秀な政治家でもったいないという思いはありますが、無理に引き留める方が、もっと残念な結果になるだろうと思います。

松本さんと知り合ったのは、2005年頃ではないかと思います。このブログ「きょうも歩く」で私があれこれ書き始めたところを目をつけられ、しばしばコメント欄に論争を挑んでくる和光市議が松本さんでした。イデオロギーは違う(私は西欧北欧社民主義に、松本さんは自由主義)し、ウイットは入るしでしたが、丁寧な論立てをして議論を作れっていただいたことは、捨て台詞が多いネット言論のなかで、私は大事に受け止めました。当時の政治評論では、松本さんは「改革派」、私は労組職員ということで「抵抗勢力」にほかならないわけです。当時、取り組んでいた地域福祉計画づくりでエッジをかけたものいい(取り上げた問題は、今日のコロナ対策ではみんな浮き彫りになった問題ですが)をしていた私には、職業のこともありまちで「アカ」とまで陰口たたかれていたもので、そうしたレッテル貼りを超えて関わっていただいたことは印象深くありました。
論争を重ねていくうちに、類型的な自由主義よりも、有効な自治体がどうるあるのか、というところで価値が共有できたところがあります。それを模索する姿に、政治家という松本さんを尊敬するようになりました。市議時代には、朝霞市の市民活動団体相手に自治体財政の講座をしていただいたことがあり、財政という言葉が切り詰めるだけではないというイメージを作っていただくのに協力していただいたことがあります。

12年前・2007年の和光市長選に立候補するというときには、公明党と共産党以外は、地元の家系の人かベタな政治業界経験者ばかりの朝霞地区4市で、政治の雰囲気を変えてくれる存在になるだろうということで、応援いたしました。まだ私は政治家になっておりませんでしたので、表に立つというよりは、種蒔き、水まきみたいな支援です。まさかの当選をかちとって驚いたものです。
開かれた自治体政治に期待する市民に大きな支持を得たのだと思います。

その後、市長になられ多忙であること、2011年には私が市議になり、ときに利害が異なる朝霞市の立場ということもあることから、市議時代のような何でも言い合うような関わりはしない方がよいと遠慮してきました。
この12年は和光市の施策の展開を見て評価してきましたが、子ども関係を中心にNPO事業と市政との協働、保育だけではない子育て支援政策の展開、介護保険の周辺の地域福祉の展開などでは成果をあげられました。自由主義者として「切り捨て」の政策を採用することはなく、統合度の高い政策を推進して、正直、市民に近いところの政策で改革が停滞している朝霞市とはぐんと差をつけられたという感じがしています。

一方で、今回の辞職の原因となった人物の問題はもう少し早く見抜けなかったか、という気持ちはあります。近隣市の視察を受け入れないことや、ケアマネージャー業界からは早い時期から当該人物の支配的な対応が指摘されていました。
一方で、保革対立のような、基本的な考え方の違いで政権交代を経験したことのないこのあたりの自治体では、新しいやり方で自治体経営をするための研修・学習をしている職員が少なく、先進的な政策の知識や遂行能力を持った職員がいれば、抜擢せざるを得ないといのうが現実でもあります。それを否定すると、仕事ができる人材が去って行く市役所になると思います。
結果は、部下が、公金着服という誰もが想定を超える事件が起こして容疑者となり、それを受けて、連座して松本さんがどこかで市長を辞職は避けられない、と見ていたので、潔く今回の辞職という判断になっていると思います。

近年、担い手不足や、政争や学生運動を経験していない政治家が増えて、政治業界ですら争いごとを避ける傾向が強く、首長の任期が長期化する傾向がありますが、私が政治や選挙の訓練を受けた1990年代は、同一人物が首長を連続3期12年を超えてやると、いろいろ問題が起きると言われてきました。友人である松本さんの未来を考えると、市長を降りられるよい機会ではないかと思います。地方自治体の経営を考えるプレイヤーとしては、首長以外の関わり方もあるかと思います。
これからの自由人となった松本さんの活躍を楽しみにしたいと思っています。

●和光市長選に向けての動きが始まっていて、競争選挙になるようです。
今月下旬に行われる和光市長選は、政策の内容もさることながら、それ以上に先進自治体と評価されてきた改革の継続か、新人どうしであるにしても不祥事の責任問題か、という選択肢ではないかと思います。和光市民の自己決定権を尊重し、落ち着いたところで、大所・高所からの判断を仰ぐべきであり、政党や国政政治家が手を突っ込むべきものではないな、と思っています。

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