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2021.02.25

2/24 「何のため」が抜け落ちているワクチン接種の議論

地方議員業界はいま、ワクチン接種の準備が話題です。この議論に噛んでいると、方法論ばかりどんどん些末な議論になっていて、ワクチン接種は何のためにするのか、という議論がどこかいっているんじゃないかと思わせるものがあります。

その背景には、ワイドショーやワイドショー化しているニュース番組の報道加熱があります。庶民感覚に近い、感情に障る問題や、疫学的な問題よりもどう並ばせられるか、という本質論ではない、些末な技術的問題を取り上げれば取り上げるほどチャンネルを切り替えてくれるからです。そういう報道に煽られた発信が、何のためにわざわざ国家的事業で接種をやるか、ということをすっ飛ばして、右向け、左向けと声があがるなかで、声の出る住民の感情を逆なでしないことが最高の仕事の価値になってしまい、自治体の現場は迷走している感じがしています。報道規制ができるわけがないので、実務に携わる人は、横目でそういう報道を気にしつつも、最大の効果が出るように接種の準備を進めるのが最善です。

集団接種へのネガティブなイメージから後ろ向きにとらえ、個別接種中心のやり方がもてはやされていますが、医師会の側が、混乱をしなやかに受け止める腹が団結力をもって決まっていないと、懸念材料が多いと私は見ています。これは何千人もの人を集める仕事をした人でないと、あるいは毎日何万もの物を届けることをコントロールした仕事をしている人でないと想像つかないかも知れません。

そして最近では、中央政界では、1回接種で済ませようかなどという政治の側の思いつきが提案され始めています。こういうのも、冷静に専門家が議論すべき話題です。

こうなってしまうのも、国家的に接種を進めるのは何でやるのか、どのくらいの人たちが接種を終わらせれば次の時代に向かえるのか、ということが共有されていないからだと思います。受付や予約アプリや集団か個別かとか、接種会場のつくりとか、まだ世界的にも使われ始めたばかりのワクチンの副反応を具体的に示せとか、反ワクチン派の存在の是非論とか、傍論とも言えるサービスの細かいテクニカルなことばかりに関心が向くのではないかと思います。

私は、自治体が医師会全体との信頼関係をきちんと構築できるかどうかが、混乱や不成功にならない一番のカギを握っていると思います。そのためには自治体側がきちんとしたグランドデザインを描いて、医師会と根気強い協議が必要です。また接種の人的資源は医師会ですが、接種のオペレーションは、大量の物や人を正確に動かす実務を日々になっている物流業者や、ときには自衛隊などに助言を仰ぐことが必要ではないかと思っています。

あと数日で来月末配布される「広報あさか」のなかに、次号は臨時議会の議会だよりが掲載されます。同じ会派の議員に全原稿を見せてもらいましたが、補正予算の柱であるワクチン接種に関する質疑は、多くの立場の議員から多面的な質疑が行われていて、現時点での市の絵姿が捉えられるよい資料になっていると思います。
ワクチン接種対応で朝霞市はどうなっているの、と思われる方は、ぜひご一読ください。
急がれる方は、youtubeで議場のライブが配信されています。時間はかかりますが、こちらをご覧ください。

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