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2020.11.10

11/9 朝霞市の公共交通の5ヵ年政策の素案がまとまる~地域公共交通協議会

9日14時から開かれた「朝霞市地域公共交通協議会」を傍聴してまいりました。
朝霞市役所の会議で、市民、交通事業者、警察や県などの行政機関、研究者が一同に会し、朝霞市の公共交通の重大な政策変更を協議する場です。この1年は2021年4月から5ヵ年の「地域公共交通計画」の策定を取り組んできて、最終段階の検討に入りつつあるのが昨日の会議でした。12月1日から1ヵ月間パブリックコメントを受けつけ、2月の協議会で最終決定する予定です。
また、バス路線の新設も協議され、積水化学東京工場跡地に開発された「あさかリードタウン」から和光市駅周辺に向けてのバス路線新設が提案されました。

1.地域公共交通計画
計画の目標は大きく2点、①だれもが快適に移動できる地域公共交通体系の実現、②市民・行政・交通事業者等と一体となった持続可能な地域公共交通の実現としています。
その下に方向性として、①公共交通空白地区の改善、②交通情報案内サービスの提供、③定時性、速達性、安全性を高める通行環境の整備、④朝霞台駅のエレベーター設置などのバリアフリーの強化、⑤シェアサイクル等を活用、⑥路線バスの維持・確保、⑦市内循環バスの見直し、⑧バス待ち環境の改善、⑨運転士の確保に向けた対策の実施、⑩バスの利用促進、⑪地域が公共交通を守り育てる意識の向上、⑫持続可能性のためのPDCAサイクルによる運行(素案45ページ)
として政策を具体化しています。

国際興業バスの「朝11」路線の廃止提案とその撤回という経験を受けて、今回、「⑥路線バスの維持・確保」が挿入され、市職員の説明では「バス路線の廃止提案は対岸の火事ではない」という危機感が示され、バス事業者との調整・協議を重視しつつ、国や県に廃止届出が直接提出されたときには正規の手続きを通しながら路線維持を模索することが示されています。
路線維持の支援は、代替コミュニティーバスの新設やデマンド交通の開設などの経費に比べてはるかに安く上がるものの、今回は記述されていません。しかし、市として「対岸の火事ではない」という認識を、バス事業者の前で示したことは、私は大きな意味があると受け止めています。
これに対して県職員の委員が、朝霞市は、県に廃止が届出を出されたときに、生活路線維持確保計画の検討をすることに、牽制球を投げてきたのが印象的でした。廃止対象となったバス路線の利用者数や地域の代替手段の有無によるりますが、この対応は、窓口規制ではないかと思うところです。ただし、基本は、この、朝霞市地域公共交通協議会で、路線廃止をしたい事業者の言い分を聞きながら対応方法を検討していくべきなのだろうと思い、それができれば、県の手を煩わせることがなくなります。

バス空白地域の解消策として、市が該当地区の町内会等に働きかけて、該当地域住民と交通事業者でどのような交通手段なら開発でき乗れるかという地域協議体を設置していくことも示されています。残る地域が、小型バスすら導入しにくい道路形状の地区であり、また高齢化が著しいことから、バスという方法ではない、定時定路線の運行方法を検討していくことになります。事業者の都合と、地域住民のニーズをすりあわせながら方法を模索していく、路線クレクレだけではなくて、路線を誘致したからには乗って育てていくという作風を作っていくことが示されています。
委員からは、西朝霞公民館周辺のバス路線誘致が提案されましたが、こうしたことも市の調整のもとでの地元町内会と事業者との話し合いで決まっていくことになると思われます。当該地域は、過去、何度もコミュニティーバス「わくわく号」の誘致が検討されていきたものの、折り返し設備や通り抜け道路、そこを経由することでもっとニーズの高い地域が通れなくなることなどの問題から、見送られてきたものです。

今回はバス路線を便利にするというだけではなく、市民がバス路線を育てて行く必要があるんだ、ということが示され、乗車率や採算率を路線存続の指標として協議会で対応することも示されています。
いささか厳しいかなと思いますが、採算が取れる路線でも、バス運転士の不足から、バス運転士はもっと収益の上げられるバス乗車密度の高い地域(自治体)に取られていく時代です。市民が少しでも意識づけて、きょうはマイカーをやめてバスで移動しよう、という行動を取らないと市内からバス路線が消えていくことは間違いないので、市として重要な指標提起になると思います。
幸い、新型コロナウイルス感染拡大が始まるまでと、そこで利用者が大幅減し外出自粛が終了した後も、市内のバス利用者は微増が続いており、その状況を背景にしていくなかで、バス路線が見直され維持され、利用者が増えることで便数を増やせる状況になればと思っています。
委員からは、採算率を問題にする意見がありました。背景人口があるのに乗らない地域に関しては、次に公共交通を待っている地域のニーズに対応するために、厳しく対応していく必要があると思うところです。また採算率は、バス事業という固定費の塊に対する乗車率なので、必要と言って路線を誘致したのに乗ったのか乗らなかったのか、ということに尽きるように思います。もちろん市街化調整区域の路線などは例外にするか斟酌して低めの目標にする必要はあると思います。

朝霞台駅のバリアフリー化については、沿線自治体と東武鉄道の協議体である東上線改善対策協議会から、地域公共交通協議会での議論に移されることも示され、朝霞台駅の一体的な見直しができるかも含め、検討していくことになる案となっています。

前回は、新しい手段に飛びついているような案でしたが、3ヵ月経って、直面するバスやタクシー事業者の状況を直視した計画にブラッシュアップされたと思って、評価できる案になったのではないかと思います。

一方で、高齢化社会を直視した、バス(定時定路線の手段)では対応できない交通ニーズにどう対応するかは明示されておらず、課題を残すものと思われます。

2.積水によるバス路線新設
 駅から距離のあるあさかリードタウンの利便性を高めるために、事業者は積水、運行事業者は飛鳥交通で、あさかリードタウンから和光市駅方面に向けてバス路線を運営することが検討されています。1月から実証実験をし、その利用状況をみながら、4月から路線を開設するものと提案されています。委員からの質問で、バス車両のバリアフリーがこれからの課題であることが明らかになったほか、実証実験で、利用者がリードタウンの住民に限定されるか、広く多くの利用者があるかによって、無償の住民や商業施設利用者限定の送迎バスになるか、有償の一般路線になるか含みを持たせる答えがされています。

3.その他の議題
 県バス・ハイヤー協会から新型コロナウイルス対策の実施状況と利用喚起を求める意見と、東武バス労働組合から1号線綿屋坂の道路環境改善を求める意見が述べられました。こうした各委員の持ち込み議題があることも、地域公共交通協議会が、電車・バス・タクシーのまちの課題を議論する大事な場だ、と認識されていくことになるものと受け止めました。

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