3/27 市役所の来年度の仕事を確定させました~3月定例会
27日3月定例市議会が終了しました。最終日は、4委員長の委員会審議の報告、各議案に対する討論・採決でした。市長提出の27議案と、議員提出の議会内部のルール変更の2議案の29議案が可決・成立しました。
会派「立憲・歩みの会」としては、このうち、成年被後見人に個々の事例に応じて印鑑登録制度の本人利用を認める条例改正に、内部ルールの未整備を理由に反対しました。また私としては、道路変更の議案1件を反対いたしました。
来年度予算では、10月頃から3歳児健診に視力検査が入ること、ロタウイルスの予防接種の開始などが新規事業ですが、オリンピック・パラリンピック対策を除いて、市民に対する影響では前年の課題を引き続き取り組む派手さを控えた予算です。そのなかで、保育無償化によって国から入る歳入、新電元工業進出の土地の賃料収入などによって予算規模は435億円になっていますが、例年補正予算で増やしている分をある程度組み込んでいると考えると、是認できる内容です。民生費の急増が話題になります。高齢者の増より、持ち出し財源の多い、保育、放課後デイの予算の急増への対応が課題です。
市の借金も、新規起債が14.6億円、市債の償還元金が29.4億円、差引14.8億円の残高の圧縮が行われ、268億円程度に下がるります。平均的な市債が10年~20年償還ということですから、15億円残高を圧縮すると毎年1億円前後の借金返済を圧縮できた予算です。ただし、水道事業、下水道事業では、施設の更新費用がまかないきれずに、10億円の市債の増加となっているので、差引では、5億円程度、毎年3000~5000万の借金返済を圧縮していることになります。
社会保障関係の国民健康保険、介護、後期高齢に関しても昨年と大きな変動はなく、賛成いたしました。
条例改正では、印鑑登録制度を動かす「印鑑条例」は大きく迷いました。成年被後見人を一律に権利を制限してはならないという一般論としては賛成のものの、登録すると本人だけで印鑑証明を取れ、不動産や自動車の売買など高額な契約行為を可能にして本人に損害を与える危険性があります。市としての内部事務のルールの未整備なことを理由に、会派として反対いたしました。その判断に至るには、本田議員に、新人にもかかわらず、この制度改正に関して調べ上げて判断の材料を作っていただきました。
通った予算も、新型コロナウイルス対策による、納税猶予などで、課税額に対しての実際の税収が落ち込むことが想定されること、オリンピック・パラリンピック対策予算を来年度に温存しなくてはならないことなどが課題となります。また新型コロナウイルス対策で予算に影響がなくても市役所の仕事の仕方が大幅に制約されたり、突発的な制度変更の事務が増えてくるものと考えられます。
●新型コロナウイルスの感染の拡大とにらめっこをしながらの議会運営でした。
当初は県内自治体議会がやっているからと一般質問でも議案質疑でも何でもいいから一つはと中止が提案されました。その後、2月27日に学校の一斉休校が政府から提案され、その判断をめぐって市役所が混乱するなかで、市職員の業務負担の軽減として議会の開会時間をどう抑制するかという課題に移り、中盤からは、職員や議員に感染予防を起こさないことが課題となりました。日程変更もあったり、日程短縮に異論を言う議員に対する様々なプレッシャーもなきにしもあらずでした。
職員の負担軽減では、地震諷水害が対象なのでやむを得ませんが、4年前に作った議会の危機管理対応指針が忘れ去られていることも課題かと思いました。
あと数週間様子を見てみないとわかりませんが、ひとまず、議案の審議をきちんとできたことは良かったのではないかと思います。閉会後、市長があいさつに会派室を来たときには、大変ななかの議会対応にお礼を申し上げました。
2020年第1回で審議した議案と採決の結果
※条例名の後のカッコ内は審議する常任委員会名
※賛否での「立憲歩みの会」が私の所属会派です。
Ⅰ.市長提出議案
【2020年度予算関係】
第1号 一般会計予算 賛成多数で可決
上下水道、社会保険関係を除く、総額435億円の予算です。
朝霞市発表 予算のポイント
予算関連資料
【討論】斎藤,(反対),野本(賛成),田辺(反対),黒川(賛成)
【採決】賛成:立憲歩みの会,輝政会,公明党,大橋,佐久間
反対:共産党,田辺
【私の討論】予算規模は膨れあがっているが、事業内容は穏当。非常勤職員の会計年度任用職員への移行では、制度が求めた対応を満額行って非正規職員への処遇改善が大幅に進んだこと、職員の能力開発に注意を払っていること、借金の圧縮の努力をされたこと、諸々の計画策定ではアンケート依存ではなくヒアリングを重視していること、障害福祉や保育では計画事業の積算がきちんと行われていることを評価したい。課題としては、クリーンセンターの長寿命化関係の工事予算が不足。指定管理者制度の更新を控えて指定の更新の条件整理の認識が低い、歩道整備予算が少ない、生涯学習に関しての強化が足りないことを指摘する。
第2号 国民健康保険特別会計予算(民生) 賛成多数で可決
国民健康保険税や市の負担、前期高齢者負担金などを県の国民健康保険特別会計に出抜けで渡し、県の国民健康保険特別会計から市民が使った給付分を県から当特別会計に出抜けで計上する。
【討論者】石川(反対),宮林(賛成)
【採決】賛成:立憲歩みの会,輝政会,公明党,大橋,佐久間
反対:共産党,田辺
第3号 介護保険特別会計予算(民生) 賛成多数で可決
第7期介護保険事業計画3年目最終年度の事業予算。
【討論者】石川(反対),佐久間(賛成),黒川(賛成),田辺(反対)
【採決】賛成:立憲歩みの会,輝政会,公明党,大橋,佐久間
反対:共産党,田辺
【私の討論】第7期介護保険事業計画としてその内容が差異分析をされながら見積もられている。インセンティブ評価を使いながら弱点を克服しつつある。地域支援事業費で地域の様々な福祉活動の支援がないのが課題。
第4号 後期高齢者医療特別会計予算(民生) 賛成多数で可決
各健康保険経由で市民から納付された後期高齢者医療の保険料、市の負担金をあわせて広域連合に渡す出抜けの特別会計。
【討論者】石川(反対),宮林(賛成),田辺(反対)
【採決】賛成:立憲歩みの会,輝政会,公明党,大橋,佐久間
反対:共産党,田辺
第5号 水道事業会計予算(建設) 賛成多数で可決
【討論者】田辺(反対),小池(賛成)
【採決】賛成:立憲歩みの会,輝政会,公明党,大橋,佐久間
反対:共産党,田辺
第6号 下水道事業会計予算(建設) 賛成多数で可決
今年度から、下水道事業の公営企業化にともない、現金収支から企業会計に移行。
【討論者】田辺(反対),小池(賛成)
【採決】賛成:立憲歩みの会,輝政会,公明党,大橋,佐久間
反対:共産党,田辺
【2019年度補正予算】
第7号 一般会計補正予算 賛成多数で可決
総額6億7100万円の追加予算
・市職員の給与改定による予算修正(特別職15万、一般職昇給分1116万と若返り分▲3254万)
・国の補正予算にともなう小中学校構内LAN整備(3億3506万)
財源 国補助1億6730万、国の交付税措置の市債同額
・第九小学校前歩道橋改修(4291万)
・第五小学校周辺東弁財の交通安全対策(6216万)
・ノンステップバス購入補助(50万)
予算説明資料
【討論者】山口(反対),利根川(賛成),田辺(反対),(本田)賛成
【採決】賛成:立憲歩みの会,輝政会,公明党,大橋,佐久間
反対:共産党,田辺
第8号 国民健康保険特別会計補正予算(民生) 全会一致で可決
第9号 介護保険特別会計補正予算(民生) 全会一致で可決
第10号 後期高齢者医療特別会計補正予算(民生) 全会一致で可決
【改正条例】
第11号 印鑑条例改正 賛成多数で可決
成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るため の関係法律の整備に関する法律の施行にともない、成年被後見人の権利制限を見直すことと、記録媒体に関する条文改正
【討論者】本田(反対),利根川(賛成),山口(反対)
【採決】賛成:輝政会,公明党,大橋,佐久間
反対:立憲歩みの会,共産党,田辺
第12号 監査委員条例の一部を改正する条例(総務) 全会一致で可決
地方自治法の改正にともない、条例中の参照条文を修正する内容
第13号 市長・副市長・教育委員会教育長の給 与等に関する条例改正(総務) 賛成多数で可決
人事院勧告の改正水準にあわせ、市長、副市長及び教育長の一時金支給月数を4.45→4.5ヵ月に改定を行う内容。議員はなし。
【討論者】佐久間(反対),(賛成),田辺(反対),黒川(賛成)
【採決】賛成:立憲歩みの会,輝政会,公明党,共産党,大橋
反対:佐久間,田辺
【私の討論】常勤である3職は一般職公務員と同様の対応が必要。お手盛り批判を受けやすいので報酬等審議会を通すか、人事院勧告の一時金水準と同等というルールを確立するのが望ましい。
第14号 市職員の給与に関する条例改正(総務) 総員賛成で可決
人事院勧告にもとづき、給与改定を行う内容。本給のアップ、一時金支給月数4.45→4.5ヵ月へのアップと、賃貸の住居手当の支給基準と支給額変更の内容。
【討論者】外山(賛成),黒川(賛成)
【採決】総員賛成
【私の討論】法律を理解し、住民や議員の様々なニーズを聞き出して打ち返す能力を職員は持たなくてはならず、50人以上の事業所の平均賃金から割り出した人事院勧告にもとづく公務員賃金は妥当。職員組合もないのに人事院勧告より上にも下にもすることは適切ではない。職員給与を下げると1%で億のお金が出てくるので魅力的だが、一方で非正規職員の低賃金問題も抱えてその改善も課題とも言える。
第15号 国民健康保険税条例改正(民生) 全会一致で可決
保険料の上限額を58万円→61万円に3万円上げる改定
※介護、後期高齢入れて最高額は93万円→96万円
第16号 手数料徴収条例改正(総務) 全会一致で可決
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律改正に ともない、新たに規定された項目の追加及び既存の項目について見直 しを行う内容
第17号 災害弔慰金の支給等に関する条例改正(民生) 全会一致で可決
法改正にともない、災害弔慰金等 支給審査委員会を設置擦る内容
第18号 市営住宅条例改正(建設) 全会一致で可決
民法改正を受け、市営住宅の入居に連帯保証人を廃止し、緊急連絡先の届出を求め、退去時の修繕を求めず、金銭的な修繕費用の負担を求めることに一本化される内容。
第19号 水道事業給水条例改正(建設) 全会一致で可決
水道法改正で、給水工事業者の5年ごとの指定更新制が導入されるにあたり、更新申請手数料1万円を設定する内容。
【新規条例】
第20号 朝霞市土砂等の堆積の規制に関する条例(市民環境) 全会一致で可決
残土搬入規制を目的とする新設条例。
【道路関係】すべて建設常任委員会で審議
第21号 市道路線の認定 全会一致で認定
891号線溝沼4丁目76.4m、開発による寄附採納
第22号 市道路線の認定 全会一致で認定
892号線泉水3丁目111m 境界確定による市道
第23号 市道路線の認定 全会一致で認定
400~402号線宮戸2丁目計318.8m 区画整理にともなう整備
第24号 市道路線の変更 全会一致で認定
7号線観音通線栄町延伸75m 道路整備による延長
第25号 市道路線の変更 賛成多数で認定
747号線根岸台2丁目延伸131.7m
【討論者】田辺(反対),田原(賛成)
【採決】賛成:輝政会,公明党,共産党,大橋,本田,佐久間
反対:黒川,田辺
【人事案件】委員会審議を省略・本会議のみの審議
第26号 公平委員会委員の選任の同意 全会一致で同意
須崎勝茂さん再任(2008年~)
第27号 固定資産評価審査委員の選任の同意 全会一致で同意
橋本正彦さん再任(2014年~)
Ⅱ.議員提出議案 委員会審議を省略
第1号 市長の先決処分事項の指定についての改正 全会一致で可決
地方自治法にともなう引用条文の改正
第2号 市議会委員会条例改正 全会一致で可決
無所属だった外山議員(オリーブの木)が輝政会に入り11人となったことで、申し合わせにより、議会運営委員の割り当て委員数が1増することから委員会の定数を1増する
Ⅲ.選挙管理委員の選任
5月22日で任期満了を迎える選挙管理委員は、市民の代表機関である市議会で選任。今回各会派の調整で委員に4人、補充員に4人を指名し、本会議で選任した(敬称略)
次期選挙管理委員 細田昭司、加藤洋子、曽根田晴美、金子智恵子
次期選挙管理補充員 ①藤井尚夫②比留間栄和③浅川万次郎④飯倉計彦
※任期途中で辞任等で欠員が生じると補充員の1位から順次委員に就任します
※今回の選任では会派代表者会議で選任方法が話題になりましたが、選挙が市民によって行政から独立して実行されることになっているため、行政機構が人選するのではなく、市民の代表機関として議会が選ぶ制度設計になっています。ただ、選挙管理委員は選挙運動をやってはいけないことになるので、議員が知っている市民から選ぶには大変苦労します。さらに地方自治法では同一党派の委員が3人以上になってはならないというルールがあり、同じような政治的色合いの人に占められない方が望ましいことになっています
Ⅳ.市民から提出された請願
第1号 後期高齢者の医療費窓口負担の現状維持を求める請願(民生) 次の定例会に継続審査
提出者:年金者組合朝霞支部 支部長
第2号 介護保険制度の利用者負担増に反対する請願(民生) 次の定例会に継続審査
提出者:新日本婦人の会朝霞支部 支部長
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