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2019.10.01

10/1 きょうから消費税10%に

きょうから消費税が10%になります。私は消費税を簡素に完全なかたちで取って、様々な社会サービスの無償化や、災害の被災者の住宅のような自費で自力で調達しているような困難な問題の解決にきっちり使ったらいいじゃないか、と思っています。しかし、今回の5→8→10%の改定は、迷走と混乱が続いて、消費税への不信感だけが広がった上に、使われ方もメチャクチャになったと思っています。

一つは軽減税率の混乱です。この運用めぐって小売現場、飲食店は大混乱です。マスコミが盛んに報道している軽減か本来税率かの微妙なところは、日々業務を処理する以上、テキトーに運用するしかないように思いますし、そこには税務当局は寛大に臨んでもらいたいものですが、それでも会計処理をめぐって混乱と残業増が続くでしょう。その社会コストを考えたら軽減するのは意味があったのか、小売業や飲食店に従事している方々は、世の中に強気でものを言える仕事ではないわけで、たまらない問題を残したと言えます。

各種のポイント還元も混乱気味です。対象店舗もコンビニがポイント還元の対象で、デパート・スーパーが対象外、地元商店は経営者次第みたいな基準が全くわかりません。機器の導入、対象店舗の認定も遅れているといいます。
こんなポイントで事務手数料かけてちまちま返すより、全国民に税の申告させて、低所得者に割合の高い仕組みで現金を戻せばよいではないか、と思います。そうすれば、逆進性の緩和どころか再配分になります。

市議会議員としても、その前に政治に関心があった国民・市民としても、北欧までいかなくても西欧先進国みたいな大きな社会保障を手に入れることが必要だと思い続けてきました。福祉や学校給食費や義務教育での教材費など教育に何もかも料金や自己負担が必要な社会をやめるためにも、また介護・医療・保育・各種相談員など、人の命に関わる公共サービスで年収200万以下で働いている人が山ほどいる問題を解決するためにも、増税が必要と考えている私は、消費税増税は大きな選択肢と考えていますが、あまりにも筋が悪い「増税対策」にウンザリするとともに、そうした必要なところに回すお金がなくなってしまっています。一方で、こうしたいい加減な政府の増税を突いて、かつて増税が必要と言っている人たちが「増税反対」や「減税」を言い出している政局にほんとうに呆れ果てている状況です。誰も未来をどういう社会にしようなどと考えて、世論を突き動かしていません。消費税の是非に争点が集中しすぎています。

老後に2000万円貯金がいると金融庁がぶちあげて話題になりましたが、年金給付は生活のランニングコストととらえ、老後に貯金がなくても暮らせるという政策目標が必要で、そのための政策動員をきちんとしなければならないのに、それが全くなっていない。非常時こそ臨時出費が続くような老後生活の仕組みのなかで、高齢者が人生をエンジョイするお金も使わずに必死で生活防衛と貯金を残すことに汲汲としている、そんな社会を変える必要があります。
また災害になると自宅は自力再建で、この間、天災で借金地獄になったり、仮設住宅のような劣悪な住環境にずっと暮らさなくてはならない人々を見続けています。こうした人たちの住宅保障に使ったらいいじゃないかと思ったりします。みんなで努力すれば解決できるのに、運が悪い人だけが地獄に堕ちるような仕組みは、みんなで負担して変えていくべきでしょう。

●思えば、この増税は2010年6月、サミットから帰ってきた当時の菅直人首相がぶち上げた増税構想を端に発します。この時点で菅さんは戻し税で貧困対策をやるんだと言いだして痛税感の緩和を図ろうとしたのは良かったのですが、その規模を次々に変え、増税対策の迷走と増税への不信感、民主党政権の求心力の低下が始まります。
社民党が連立政権を離脱した後、赤字国債の発行をめぐって自民党の合意を取り付けるのにさんざん苦労した政権政党・民主党は、増税が必要という立場に舵を切り直します。そのなかで、増税が必要という自民党、自民党と連立する公明党、困っている民主党の三党で増税が模索され、「社会保障と税の一体改革」として増税構想がまとめられます。

ところが社会保障と税の一体改革が走り出すと迷走が始まります。
第一に、増税段階を2回に分けるというところでまた混乱要素が増えました。
第二に、安倍内閣が何度も増税時期を動かしては衆議院を解散したりちらつかせることで、与野党合意した話が、完全に政局の道具になりました。みんなが合意している話をひっかきまわして、政局化して、話を何だかわからない状態にすることに、安倍首相は天才的な才能があります。
第三に、難病患者の指定範囲の拡大と給付の拡大と待機児童解消策に使われた他は、どうも格差拡大に使われたのではないかと思うようなことが多い。
第四に、これは社会保障=年金と考えがちな国民世論に問題があるのですが、年金の安定化と称して、増税財源が社会保障ではなく国債償還に使われた。未来に必要なお金を今どこに突っ込んでも口実は成り立つわけですから。
第五に、国会議員の子育てに対するイメージの貧困さゆえに、子育て支援ということで保育無償化に使われてしまった。そのことで元々経済格差を勘案した保育料がタダになることで、保育料の高い高所得層により大きく還元されることになった。一方で、医療や介護同様、給食費が「家にいても食べる」という論理で有償化され、月7500円も払うことになった。
第五に、農業人口が減り失業者と非正規労働者の受け皿になって保険料が高い国民健康保険の支援に使われるはずが、国民健康保険制度の「改革」の名の下、かえって保険料を値上げさせる動きにつながった。市町村が国民健康保険の保険料軽減に投入した財源が全国で3400億円あるということで消費税財源を都道府県に3400億円突っ込んで、国民健康保険の運営を都道府県かやれば運営が安定する、という話が、保険料の取り立ては市町村がやる仕組みを残して、3400億円都道府県に入れられて、都道府県はそれを保険料に還元せず、むしろ市町村に高めの納入金を設定して市町村に保険料値上げを指導する、という一言では説明できない方法で、増税したのに保険料値上げを弱者に押しつけた。
第六に、この間、社会保障と税の一体改革のブログラムではありませんが、介護や医療の自己負担の対象と比率が上げられ続けて経済的弱者を痛めつけています。本来は、病気や介護になったときの余計な費用負担こそなくすか無駄遣いを抑える程度の負担割合にすべきところです。そのための増税財源のはずです。

ここまでは8%に上げるまでの迷走。
続いて10%に上げるにあたり、

第七に、国会議員の子育てに対するイメージの貧困さゆえに、子育て支援ということで保育無償化に集中して使われるようになった。元々は自民党文教族を慰撫するために幼稚園の授業料軽減だけをまずやるはずの話だったもの。所得格差に応じて取っている保育料を無償化することで、高所得者ほど高い保育料が軽減されることで、かえって格差拡大に使われてしまった。同じ子育て支援でも、産後生活の支援とか、児童相談所の強化や市への一部機能移管とか、貧困家庭の支援、大学授業料の高騰への対策など、まだまだ優先課題はあるだろう、というなかで。
第八に、軽減税率の導入。公明党ばかりが非難されてるけど、元々は、消費税増税反対派が「どうせ増税するなら生活必需品ぐらいは」と無責任に言い放っていたことが政策化されてしまったもの。つくづく政治の側は増税をめぐる議論に関しては慎重さが求められると思った。
第九に、経産省が政権を乗っ取るなかで、キャッシュレス決済の推進の道具にされ、ポイント還元など複雑に入り込んだ。それも、小売業を規模で差別するやり方でやったので混乱になっている。
第十に、プレミアム商品券という複雑で市民も市役所も事務に手間のかかる仕組みで増税対策が行われたことです。使う方も貧困者だと識別されるし事務が煩瑣で、市町村の事務手数料が軽減額の8割にもなり(小規模自治体では3倍ぐらいになるところもある)、どういうわけかその事務システムの根幹を握っているのは特定の寡占企業という不思議な仕組みです。これも戻し減税または給付金にしたらはるかに事務手数料はかからない。しかも制度は6月までで、経済的な弱者への対策としては中途半端です。為政者の自己満足みたいな制度です。
第十一に、野党(共産党除く)です。消費税増税をぶち上げたり増税に賛同した政治家が、今、増税に反対、増税が強行されたら減税法案出す、などと言っています。言葉に責任を持て、と思います。野党が消費税増税をぶち上げて、どれだけの政治家がその後政治生命を失って退場していったのか、それでもやらなければならないと前に進めてきたことでしょう。だったら最初から税制は自民党に任せて余計なこと言うな、と思うものです。
また、消費税の使い道をここまで作り上げてしまったら、税率を戻せばその財源どこから調達するのか、という議論に巻き込まれていきます。その結果、算数もできない政権担当能力もない、ということを白日に晒す結果となるでしょう。このような時代に増税はまかりならんという話もありますが、新自由主義のデフレ基調の経済システムのなかで、今は相対的に景気のよいときです。問題は格差と再配分が機能していなくて生活苦にあえぐ人が多いことです。そこには再配分を強化する仕組みを入れるしかないでしょう。あるいは非常時にせめて現金があまりなくても生きられる仕組みづくりを急ぐべきでしょう。

●消費税恐いという感覚的な反対論と、菅義偉官房長官や経産省的価値観は、批判とそれならばという共依存の関係にあって、結局増税を押しつけられる一方で、使い道は「増税対策」としてバラマキ・マネーゲームみたいなところに使われてしまっているなぁ、という感じがしてなりません。
こんな増税をやると、また社会保障や再配分が必要な話が出れば、増税が必要という議論が出てくるでしょう。それも変にまじめな今の野党が政権を握ったときに押しつけられるに決まっています。消費税導入以外の、増税の最初の決断はいずれも自民党じゃないところが政権を握っているときに行われてきました。

●消費税は逆進性がある、所得税で高所得者からもっと取れという議論がありますが、高所得者に関しては安倍政権で5%の増税が行われて、村山内閣で消費税の簡素化と高所得者への大幅な減税が行われて以降、初の高所得者への増税となっています。問題は、法人税の税率の低さと、一律20%の金融分離課税です。金融分離課税は、所得税5または10%の普通の人には税率が高く、累進税率30%以上が適用になっている高所得者ほどトクする制度で、高所得者が本業よりも金融所得にシフトさせる動機付けになっています。低所得者の金融所得の減税と高所得者が本業回帰を促すために、金融所得に関しても総合課税とすべきだと思っています。

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