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2019.05.01

5/1 祝メーデー・メーデーとGWと有給休暇

きょうはメーデー、労働者の祭典です。集会としてのメーデーは27日に開催済みだけども、きょうこそは、労働者が団結して交渉して、労働力を買いたたかれないようにすることが大事だと再確認する日です。
GWのど真ん中ということで、週休二日制が定着した頃からメーデーは連休初日に開くようになりました。労働界やそこに近い運動家業界では、祝日の日付に固執する保守派よろしくメーデーは5月だという名詞にこだわる人と、GWど真ん中に組合員に県庁所在地の公園広場に来てよ、と誘う側の都合とで、論争が繰り広げられます。労働組合というのは社会のサブシステムであり、GWに帰省か旅行か子どもの面倒などを理由に参加を断られながら勧誘を続けて疲弊する在職の組合の支部・分会の役員たちのことを考えれば、参加しやすい日に設定してよいのではないかと思います。
日本のメーデーは、2~4月の春闘が終わってお疲れさま集会(もちろん4月になっても妥結できない中小零細企業の組合もありますし、追い込みの目安にもなっている面は否めませんが)のような意味もあるので、戦術的な意味はなく祭典で、記念日に固執して、参加者を減らしてコアな活動家だけのものにする必要はないように思います。

しかしGWなんですよね。宿泊料金や航空運賃が変動相場制になってから、連続休暇は金持ちのための休暇みたいなところがあり、あまりありがたいものではなくなった感じがします。またサービス業が増えて、女性が休日に出勤することが多い状況は、国民の祝日があべこべの意味を持っているのではないか、と感じるところがあります。今年のGWの保育実施の調整などはそれを痛感しました。

さて日本の労働者はGWしかまとめて休めないのでしょうか。
労働基準法の有給休暇の条文は不自然な文になっています。
「第39条 使用者は、(中略)労働者に対して、継続し、又は分割したた十労働日の有給休暇を与えなければならない」
労基法39条に「、又は分割し」と挿入されたのは、戦後の生活困難で「生活物資獲得のため、週休以外に休日を要する状況にあり」つまり東上線名物だった芋の買い出しで付け加えられたものです(濱口「日本の労働法政策」P512~514、「働く女子の不幸」など)。
本来は有給休暇は「継続して」一括で与えるべき休暇で、欧州ではまさに「バカンス」のことです。

ところが実際には、病気休暇の弁償や、役所などに登庁したりPTA用務などパラパラと消化されることが大半です。社内風土の悪い職場だと、旅行などで有給休暇を取得すると「権利ばかり行使して」と陰口をたたかれ、厚顔無恥な人だけが取得するという残念な運用になっています。判例によって取得理由を聞くことが違法とされていて、ますます、いつ取ったって構わないんだろうvsそんなことでは権利ばかり主張した人だけいい思いをするだけ、との職場のなかの感情的な対立があるところにはあります(このあたりも濱口「働く女子の不幸」で指摘)。
連続して「継続して」取得する有給休暇だからこそ、本来は、職場で調整して、一括して事務所を閉めるか、交代で休みの期間を決めて休む、ということが必要な運用じゃないかと思ったりしています。
そんな働き過ぎの日本人に、有給休暇の代償措置とも言えるのが、年間20日近くもある国民の祝日の多さ(特に近年は3連休が増殖)で、とりわけこのGWではないかと思います。国が決めてやらないと休めないのです。

しかし、社会情勢が変わったんじゃないかと思うところがあります。休みが増えることはありがたいのですが、社会が製造業からサービス業中心に変わったり、土日休日も動くコンピューターがあると、国民の祝日はかえって過酷な状況になる労働者が増えます。
職場の誰かが私的な理由で有給休暇を取得するとモラルが崩れた感じがしていらつくような、総動員体制的なセンスももうそろそろ改めるべき時に来ていて、国民の祝日より、権利としての有給休暇を職場の仲間と日程を調整して取る、ということが必要なのではないかと思っています。
もう一つ、日本は小さな政府でやってきたので、どうしても町内会やPTAなどで、公共的な作業のために、義務的な労務提供が求められることの多い国で、そうしたことの対応も、税金をもっと払って公共サービスの拡充で解決するか、権利としての休暇制度(ボランティア休暇みたいなもの)を増やすか、どちらかの対応が必要だと思います。

労働者が、権利として必要・可能な時期に職場で順番にまとめてバカンスを取れるようになると、国民の祝日などこんなにたくさんいらなくなり、航空運賃も宿泊施設も今日の変動相場制のもとむやみに高い時期ばかりに行かずに済み、もちろんGWという労働者の貴重な休みがそこに集中することもなくなるので、メーデーも本来の5月1日に開ける、ということになるのではないかと思います。

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