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2019.04.22

4/22 新人市議会議員の第一歩

この記事は、市民向けというより、新人で市町村議選に当選した人でこれから議会がどうなるのだろうと心配な方向けに書いたものです。

昨日開票の各地の市区町村議会議員選挙で、新人議員が誕生したと思います。まずはおめでとうございます。昨日までの喧噪とは打って変わって、運動員たちは日常に戻り、選挙の後は急に人がいなくなり、その落差に驚かれることと思います。そのなかで選挙の後処理、支援者へのあいさつ行脚などをしていきます。寂しくなって、誰もいないことで焦燥感が出ますが、平常心が大事です。

議員になるための選挙のヘルプは、政党も人を派遣して教えてくれ、書店にマニュアル本もあるのですが、当選して議員になってからの知識は、党組織がしっかりしている政党・地域にいない限り、ほんとうに静かで誰も教えてくれず、気がついたらこんなことになっていた、ということばかりになります。

私の経験から少しだけ道案内いたします。

まずは、市議会の初日を確認してください。その日は出席しなければなりません。時間厳守です。

多くの議会のなかには、政党みたいな「会派」というものがあります。ほとんどの議会では、会派に所属するのか、しないのか、所属するならどの会派に所属するのか決めて、届け出ることになっています。その結果を受けて、会派のトップが集まる会議で選挙後の議会のダンドリを決める会議が行われ、議場の座席や所属委員会などの割り振りを調整して原案を作ります。
政党所属議員は政党の方針で会派が決まりますが、好き嫌いで組む議会もあります。結婚と同じで、会派を組むのは簡単ですが、割るのは泥仕合です。議会によっては会派で意見が違うことを問題視したり、会派と違ったときに発言制限を受けることもあります。会派の所属に関して口約束で話が進みますので、誘いを受けたときには入るか入らないか答えないか、明確にしないとこんなはずではという4年間が始まります。世間的には会派というのは考え方や理念を同じくする政策集団、として政党並みの位置づけがされていますから、意見も考え方も違うのに友だちだからと組むのもバカにされる原因となります。

議会初日までに、議会制度の説明会・オリエンテーションをする議会もあります。「対等平等」で自由な立場の議員どうしが物事を決める場所なので、多数派の暴力にならないようにルールと先例が大事な世界です。こうしたものを陋習と頭からバカにする人は注意した方がよいです。自分を守るためのツールです。おかしな先例やルールは議員になっていろいろ見えてきたところで、あるいは議会改革などの取り組みがあればその機会に直してもらうように工作しましょう。
議会事務局の説明会と、議会事務局がくれるルールブック「先例集」(会議規則、委員会条例、申し合わせ集、先例を束ねたもの)と憲法と地方自治法は時間のある限り目を通しておくべきだと思います。
説明会もルールブックもくれないという議会は、時々多数派や議会事務局がテキトーなこと言って議員を制御している議会である可能性があり要注意です。

議会初日、議会が始まるといきなり議長選挙になります。立候補者から選ぶ仕組みを取っていない議会もまだまだあり、突然投票用紙が配られ、投票箱に議員の誰かを書いて投票するように促されます。そのときに困らないように、信頼できる議員や考え方の近い議員に相談して誰に投票するか考えておく必要があります。会派があれば会派で調整します。同様に副議長選挙も行われます。

続いて、座席や所属委員会が決められます。市議会議員はどこかの委員会に所属しますが、どの委員会に入りたいか、順番に候補を考えておきます。会派のボスが委員会の枠を取ってきて、会派内でどこに入るか調整するのが通常です。無会派の議員はたいてい残余の枠を渡されますが、無会派の議員が多くいる議会では、無会派の合計数で按分して委員会枠が渡されて、無会派議員どうして割り振るところもありますし、会派の会議で取りたいところを取った残りだけがまわってくるところもあります。ここは議会によりけりですが、希望委員会を持っておくことが必要です。人事ポストに何があるのかも確認して、入り込めそうなものはどれかを確認しておくことも必要です。

その他いろいろなポストの調整がありますが、そのとき議会内の「選挙」で決めるか、会派間の調整で人事の原案をつくり全員一致で決める「指名推選」を取るかで手続が違いますので要注意です。1人でも「選挙で」と言い出すと選挙になるので、選挙にした方がよいのか指名推選にした方がよいのかよくよく考えておきます(通常は会派のボスが決めちゃうんですがね)。

さらに様々な届出書を出させられたり、なかにはそれが質問権を確保するために重要なものがあるので、議会事務局に積極的にヒアリングすることが大事です。

ここまでが議会初日。
統一選の当選者は、議会デビューは6月議会からだと思いますが、議会によっては、最初から質問があるところもあります。とくに一般質問は自分の問題意識をぶつける場なので、何を聞こうか、質問時間とにらめっこしながら洗い出して準備しておくことが必要かも知れません。

その後、基礎知識の勉強が必要です。

受けておいた方がよい研修として、
・多摩住民自治研究所「よくわかる市町村財政分析基礎講座」(5/20~21)
   市町村財政の見方の研修。企業会計とは違う財政の読み方の注意点を実習しながら理解できます。
  9月の決算議会でやくに役に立ちます。
・「市民と議員の条例づくり交流会議」(7/28 10:00~15:00)
  議会のあるべき姿について模索している会議です。そのなかで今回は基礎的な講座を設定する予定です。

目を通しておいた方がよい本として
・大塚康男「議会人として知っておきたい危機管理」ぎょうせい
  議会で起こりうるトラブルに対してどのように処理していくべきか整理されています。
・「議員必携」町村議会議長会
  議会の一つ一つの審議がなぜ行われているかということを説明していて参考になります。
・寺町みどり「市民派議員になるための本」学陽書房
  市民運動系の議員のたしなみと割り引いて読むと、住民相談の対応などのノウハウなどが入っていて参考になります。
・松村亨「地方公務員の法律入門」ナカニシヤ出版
  地方自治体をめぐる法律の読み方などを整理されている本です。
・大和田一絋「習うよりなれろの市町村財政分析」自治体研究社
  財政分析の多摩住民自治研究所の研修のワークブックです。
・小西砂千夫「地方財政のヒミツ」
  地方財政の制度の本質的な意味を解説しています。
・土山希美枝「質問力で高める議員力・議会力」中央文化社
  議会に入って最初に自分でやらなくてはならない「一般質問」のノウハウ、準備、考え方の教本。
・「コメンタール地方公務員法」
  公務員の法体系がどうなっているか理解するために。法律の背景なども詳しく説明されています。ただ版が少し古いです。
・江藤俊昭「地方議会改革」など議会改革関連書

議員として必要な道具として
・出版社はどこでもよいので地方自治関連の自治六法書
・12桁電卓
・当該自治体の例規集

自治体関係の資料として各自治体の
・「総合(振興)計画」 市の計画の全体像
・「都市マスタープラン」 市の土地利用や開発の計画、都市計画に反映
・「地域福祉計画」 福祉行政全体像や方法論を明記  
・「介護保険事業計画」 高齢者福祉の考え方とサービス量
・「障害者福祉計画」 障害者福祉の考え方とサービス量
・「子ども子育て計画」 児童福祉の考え方とサービス量
・議員になる前年度の予算書と事業実施計画(単年度計画)

議会では、議会内の自治に任され、ルールがないことがしばしば起きます。そのときに、民主主義としてどうか、市民の付託を結果に結びつけるためにどんな方法をとったらよいのか、と考えた上で行動することが大事です。根拠として憲法しかないこともあるので、日本国憲法の人権などの項目を何度も読むことが大事だと思います。

他都度都度、専門書や専門分野のテキストを購入されたらよいと思います。

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