11/4 バス停に採算を表示する京都市営バス
研修の後、京都市内の移動に市営バスを利用しました。その際、バス停に、その路線の採算状況が示されていました。茶色い四角囲みの数字が100円の運賃収入にかかる経費です。
是非論があるかと思いますが、一定の人口密度のある京都市では、マイカー利用をやめてみんなでバスに乗るようにすれば採算が取れるはずの地域です。そういうなかで、住民にもう少し乗ってくれれば採算が取れるという到達目標を立てられることになると思います。
私も、わくわく号やその他バスの課題に取り組んでいますが、バスを通しても結局乗ってくれない現実に退くしかない話ばかりです。
業者が乗ってくれるような努力をしていないと水掛け論を言われますが、乗らない限り増便もないし、バス会社はもっと儲かる路線に資源を投入したいので、運転士不足のおり運転士も確保してくれない、という時代状況です。
●この話を別のところで紹介したらバス運賃がタダにして街が活性化したという海外の事例が紹介され、ナンセンスだというご意見をいただきました。
私も、基本はそうだと思います。ところが、残念なことに日本の公共交通は独立採算が基本でその仕組みを変えるのは何十年もかかる話です。財源も小さな政府が歓迎されるので、どこからも出てきません。補助を出したくても、人に関わる医療、福祉、教育の支出をして、日常のインフラのメンテナンスをして、その残余の額でしか公共交通に振り向ける財源はありません。限界です。地方の公営交通も福祉財源として予算を確保して、高齢者無料パスを交付することで財源投入を受けているという実態もあります。
そうした貧困な公共交通政策のなかで、こういう採算の表示が、住民自身がマイカーから少しでも降りてバスを残す努力をしてみるか、という一つの判断材料となり、社会的な意義のある消費行動を誘導することになると思います。
●「政治路線」と言われるような、有力政治家がごり押しして、誰も乗らないバスを無理に維持させるようなことの防止にも効果的です。
一方、朝霞市では内間木地域のバスが課題になっています。私は、人口密度の低い地域の交通維持は別問題で、採算云々の話ではないと思っています。採算問題は他3路線の課題です。
●私は、高齢者や障害者に交付しているパスモの補助金(年額2000円)が、経費が関わる割に利用できる頻度が少なく、効率悪いと思っています。また市役所や出張所に近い住民ばかりがメリットがあって、遠い住民はこの交付を受けるために交付金額の大半を使ってしまう矛盾があります。またパスモなので、地域間の人をつなげることに政策目的が特化できません。
このための財源が総額約4000万円程度あることから、これを市内バス事業者3社に分配して、高齢者と障害者のバス無料パスを交付したらどうかと提案しているところです。また、ケアマネージャーなどの専門職の判断で、無料パスではなくタクシー券に振り替えることも含めて検討されるべきだろうと思っています。
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