消費税増税をめぐり議論が大迷走しています。軽減税率や景気対策の迷走ぶりがまたワイドショーのネタになっています。
政治的な反発になっている消費税が、弱者だけを痛めつけるだけの税金なのか、という疑問を持つことが必要だと思います。消費税の「逆進性」をちゃんと説明できる人って本当に少ないんです。その逆進性の正体にどこまでおびえるべきなのか、もう少し冷静な振り返りが必要だと思っています。
逆に、何で学校で半強制的に食べるべき給食が税負担でなく所得に無関係に一律取られるのか、低所得者が大量に入る国民健康保険に1人頭の初乗り税があるのか、学校で義務的な補助教材として使われるものに教材費負担があるのか(その補助教材で宿題やらないと怒られるでしょう)、保育所に子どもを預けるとご飯代だけ(園によっては1家族分ぐらいの値段)取られなくてはならないのか。義務的に頭割りで負担していることが漫然と続けられているのか、こちらには誰も怒らないのか、本当に疑問です。貧富の差関係なく義務的に取られているのに滞納すると人でなしのように言われるのです。
サイフのなかの現金で、今より損する、トクするということだけで政策判断するのは、政治家としては最も合理的ですが、未来にどんな社会を作るかということでは、それではダメなんだと思います。
困ったときに行き詰まらない社会システムを税金をどうするかということとあわせて考えなきゃならないのだろうと思います。
「逆進性」に対する過大評価の脅威に、安倍首相も引っ張り回されて、軽減税率の副作用をろくに考えもせず受け入れ、さらにポイントだ、戻し税だ、何だとどんどん制度を複雑にしてしまいます。そうすればするほど、社会保障にも国が借金を増やさないための財源もなくなっていくわけです。また「景気対策」の制度が複雑化しているので、情報強者だけがその恩恵を受けられ、「逆進性」で痛みがあるであろう階層にはちっとも届かないということになります。今の制度のなかでシステム改造を最小限にできるように、消費税の痛税感の低所得者対策は、第一に医療費の自己負担軽減などの現物給付の充実、第二に所得税の基礎控除の拡大や税額控除、戻し税でやるべきだと思います。
自公政権もこんな感じで消費税増税の財源をまじめに考えずにばらまいてしまう、対する野党も、今じゃないとか、逆進性を過大評価して消費税増税反対といくわけですから、結果として増税してもバラマキに使われて、野党の側として財政の健全化も社会保障の安定化も提案できないまま、引き続き「財政がー」という状態が続くのでしょう。
となると、個人が今おびえている、様々なリスク、老後、失業、貧困化、教育での転落、教育費の高騰にともなう子どもの世代のふるい落としにおびえながら、ひきつづきリスクを抱える群どうしでお互いに「あいつら不正をやっている」と醜悪な告発合戦をやって、お互いにリスクを抱える群どうしで福祉を斬り合うという状況は続くのだろうと思います。
私の目の黒いうちは保育士の給料が足りないから1万円出すとか、このワクチンに予防効果があるから補助出しましょう、という程度の改善はあっても(もちろん財源がないのでその裏側で何かが切られるわけですから)、包括的に国民全般のリスクをなくすような社会保障に対する包括的な改善というのは期待できないように思います。
そういう政治環境で世の中良くすることに尽力できるのか、また一つ自信がなくなっています。