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2018.10.18

10/18 しょうもない消費税談義に囲まれている政界。生きている間、社会保障の水準は悲観的なものです

消費税増税をめぐり議論が大迷走しています。軽減税率や景気対策の迷走ぶりがまたワイドショーのネタになっています。

政治的な反発になっている消費税が、弱者だけを痛めつけるだけの税金なのか、という疑問を持つことが必要だと思います。消費税の「逆進性」をちゃんと説明できる人って本当に少ないんです。その逆進性の正体にどこまでおびえるべきなのか、もう少し冷静な振り返りが必要だと思っています。
逆に、何で学校で半強制的に食べるべき給食が税負担でなく所得に無関係に一律取られるのか、低所得者が大量に入る国民健康保険に1人頭の初乗り税があるのか、学校で義務的な補助教材として使われるものに教材費負担があるのか(その補助教材で宿題やらないと怒られるでしょう)、保育所に子どもを預けるとご飯代だけ(園によっては1家族分ぐらいの値段)取られなくてはならないのか。義務的に頭割りで負担していることが漫然と続けられているのか、こちらには誰も怒らないのか、本当に疑問です。貧富の差関係なく義務的に取られているのに滞納すると人でなしのように言われるのです。

サイフのなかの現金で、今より損する、トクするということだけで政策判断するのは、政治家としては最も合理的ですが、未来にどんな社会を作るかということでは、それではダメなんだと思います。
困ったときに行き詰まらない社会システムを税金をどうするかということとあわせて考えなきゃならないのだろうと思います。

「逆進性」に対する過大評価の脅威に、安倍首相も引っ張り回されて、軽減税率の副作用をろくに考えもせず受け入れ、さらにポイントだ、戻し税だ、何だとどんどん制度を複雑にしてしまいます。そうすればするほど、社会保障にも国が借金を増やさないための財源もなくなっていくわけです。また「景気対策」の制度が複雑化しているので、情報強者だけがその恩恵を受けられ、「逆進性」で痛みがあるであろう階層にはちっとも届かないということになります。今の制度のなかでシステム改造を最小限にできるように、消費税の痛税感の低所得者対策は、第一に医療費の自己負担軽減などの現物給付の充実、第二に所得税の基礎控除の拡大や税額控除、戻し税でやるべきだと思います。

自公政権もこんな感じで消費税増税の財源をまじめに考えずにばらまいてしまう、対する野党も、今じゃないとか、逆進性を過大評価して消費税増税反対といくわけですから、結果として増税してもバラマキに使われて、野党の側として財政の健全化も社会保障の安定化も提案できないまま、引き続き「財政がー」という状態が続くのでしょう。

となると、個人が今おびえている、様々なリスク、老後、失業、貧困化、教育での転落、教育費の高騰にともなう子どもの世代のふるい落としにおびえながら、ひきつづきリスクを抱える群どうしでお互いに「あいつら不正をやっている」と醜悪な告発合戦をやって、お互いにリスクを抱える群どうしで福祉を斬り合うという状況は続くのだろうと思います。

私の目の黒いうちは保育士の給料が足りないから1万円出すとか、このワクチンに予防効果があるから補助出しましょう、という程度の改善はあっても(もちろん財源がないのでその裏側で何かが切られるわけですから)、包括的に国民全般のリスクをなくすような社会保障に対する包括的な改善というのは期待できないように思います。
そういう政治環境で世の中良くすることに尽力できるのか、また一つ自信がなくなっています。

●法人税が消費税との見合いで下がっている、ということですが、私もけしからんと思いますが、消費税の増税と法人税の減税は別事件の話で進み、たまたまた結果が同じになっているということです。そのあたり一体的に庶民を搾取して企業を潤しているというプロパガンダに成功している人たちは見事と思っています。
法人税だけずるいと私も思いますが、全世界的に法人税の引き下げ合戦を止めていかない限り、ペーパーカンパニーや海外子会社を使ってどんどん海外子会社を儲けさせて利益を蓄積させていくのは自然の流れです。トランプ大統領のような強権的な政治家でもない限り、現時点では、引き下げるなというのが限界ではないかと思っています。
別次元の話がなぜ同額になるかというと、増税でこさえた財源を、最も発言力の高い経団連が減税要求を時の政権に押し込むことを長期的に行われながら結果としてそうなっていくのです。他に大きな政府を作れという社会団体も政党もありませんので、税の使途はいろいろあるのに、減税して景気を良くするという大義名分に使われてしまってこんな状態になります。

●法人税減税が繰り返されるなら、確かに増税に反対して、今の状態を温存した方がよいのかも知れません。一般国民も、企業マインドを持った統治を望んだりしますよね。そういう国民感情が経団連の要求を過大にしてしまっていると私は見ています。
経団連と自治労、どっちが既得権益か、と聞くと、多くは自治労と答えますが、1997年以降、財政から経団連の要望にしたがって法人税を減税した分と、自治労の組合員や非組合員も含めた職域で獲得した賃金や雇用とどちらが多いか、ということは明白な結果が出ていると思います。

●累進強化については、安倍政権のもとで、所得税の最高税率を40→45%に引き上げられ、税率だけで見ると、高所得者は住民税を入れて最高税率が55%になっています。私の感覚でも、半分を超える税負担は、正直者がバカを見る感覚に囚われるだろうなと思っていて、もう少しとは思いますが、このぐらいではないかと思っています。

●社会保障に使われていないと言われています。国の予算ベースだと微々たる増加しか見えてきませんが、地方消費税としてかなりの割合が地方自治体に投下されています。前回の増税前には自治体の民生費(社会保障関係)支出は4割切りましたが、今は5割超えています。自治体で社会保障政策の支出が急増している中での地方消費税の増加です。朝霞市の場合、それなくして新設した保育所の運営経費や放課後児童デイなど自治体負担分で広げてきた事業経費は確保できなかった可能性もあります。

●反対する側は公的支出自体がムダである感情を引き起こすような宣伝しかしませんし、賛成する側は不信感持たれるようなことばかりするので、消費税増税をして有効な政府を作ろう、という話をしても無意味だなと感じています。私の生きているうちは、小さな政府で、誰がやってくれるかもわからない互助・共助を待って、社会保障の受給者になったときには「あいつだけもらってずるい」という攻撃の矛先が向かないように息を殺して生きるしかない社会で我慢するしかありませんね。

●立憲民主党が「今ではない」というレトリックを弄していますが、景気は良い、雇用も逼迫している、しかし再配分がうまくいかない、ということであれば、再配分の機能だけ強化させる必要があるのですから、今こそ増税のタイミングだろうと思います。今回「今ではない」と言ってしまったということは、2019年の統一自治体選挙、参院選挙の公約となりますから、向こう3~4年方針転換は難しいということになります。ポストオリンピックの時代に増税などできるのでしょうか。その頃には自然減収もあいまってすごい時代になるんだろうと見ています。
私は、2011年12月、民主党政権の末期、消費税増税のプログラムが通った後に政治家になりましたが、消費税をめぐっての民主党の公約違反には、民主党員でもないのに非共産野党で連合系ということで、いろいろ言われました。国民のサイフに対する不正直は、壊滅的な政治的破滅をもたらすものです。

●消費税に対する与党も野党も不真面目な態度を続ける限り、公務員非正規労働者や、介護、保育などの公共サービス関係の人たちの待遇など、どんなに職務内容を評価されるものにしても、上がるなんてことはありません。

●消費税の導入に対する景気対策の政策の迷走は、安倍政権中枢部(の世代の政治家や官僚)に、コンピューターシステムに関する仕事をした人がいないと見ています。制度を複雑化するとコンピューターシステムを変えなきゃならない、そのための時間と経費がどれほどのものかということがわかっていないんだとろうと思います。だから思いつきみたいに次から次にパッチワーク的な小技が出てくるのだと思います。

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