9/7 市の財政ガバナンスの検証~2017年度の決算で質疑を展開
7日の市議会、市長提出議案に対する本会議での質疑でした。思ったより長丁場で、9:00~21:30の12時間半の議論となりました。
2017年度決算では、決算書に載らない財政ガバナンスの基本的なことを中心に確認しました。4月から6月まで入金のない市の資金繰りでは最大26億円を他会計から振り替えて調達する運用であること、ホームページの決算情報の公開を推進しつつ整理したいこと、土地開発基金など出したら見えない使途のガバナンスをどうするのか、など論戦いたしました。これらは改善の方向での答弁が目立ちました。
2017年の市の仕事して最大のものは、クリーンセンターの焼却炉の改築が延期になったことです。その背景として、国民健康保険の県への移管にあたり県が朝霞市に提示した上納金額が当初莫大であったことと、朝霞第八小学校の増築が突如浮上したからです。
人口増の朝霞市のなかで、最も人口が増えている第八小学校の入学予定者数の増加は先読みできたはずで、2016年度から10カ年の朝霞市総合計画に載せて、計画行政のなかで建設費10億円を押さえておくことができなかったのか、という問いかけをしました。
幸い、焼却炉の改築の当初案はコスト高の提案で、建設が延びたおかげで時間がかせげて、オリンピック後のコスト抑制と、さらに今年に入って和光市との広域化がまとめられ、運がよかったと言えますが、しかしこれが必要不可欠な事業とかちあってしまったら大変なことになります。
教育委員会が、予算要求や計画行政に関与する訓練がされていなくて、ロジスティックと財政ガバナンスの枠外におかれてしまっている感じがしてしまいました。さらにその先には、教材費の公会計原則が貫かれないことなど、保護者への安易な教材費請求につながっているのではないか、と感じました。
補正予算では、ブロック除去の補助金が時限で新設されます。これには多くの議員が発言がありました。
焦点は予算の規模、塀の再建、歩道拡幅などとの事業連動ですが、いささか急ごしらえな感じの提案でしたが、建築基準法に満たないブロック塀を取り除かなければ、という社会的機運がないと持ち主の協力は得られず、鉄は熱いうちに打てという政策でもあり、11日からの建設常任委員会の審議でたたき直したいと思っています。
補正予算では四中前の「観音痛線」の工事で、久しぶりに債務残高が増加する補正になります。少し注意が必要です。
障害者医療費の所得制限を入れる議案に対しては、その改正案提出までのダンドリを問題にしました。
障害者の社会参加やバリアフリーという観点では、当事者が参加している審議会・委員会に話も通さず議会に出してよかったのか、という点で私が論を張りました。
介護関係の条例改正や新設では、その条例が可決されない場合、どのような障害が起きるのか、という設問を投げかけました。これが議会にとって議決しなければならない理由を最も明確にする問いかけだと思ったからです。
保育園を審議する委員会を、「子ども子育て会議」に統合して、会議内に専門部会を設置する2議案の審議では、2013年に私が修正案を提出して否決されたものと同様の提案となっていました。もちろん私は賛成するつりですが、もやもやしたものを抱えます。この提案が通れば、今まであって併走していた保育園運営審議会は廃止されますが、これは保育園入所に点数だけではなく様々な非定性的情報を加味して入所者を決定していた時代の名残なので、一律点数で入所決定している今は役割を終えたものだと思います。それより、保護者、運営者、行政、学者で保育所政策を合意していくテーブルが必要だと思います。
最後、市道の廃止の議案では、不思議な道があるものだな、と思わせてくれる、封建時代と近代をつなぐ、建設関係の興味深い題材です。ただしこの売却価格をめぐっては少し調査が必要かも。
●大半の議案の質疑通告者が、私と田辺議員だけで、不思議な感じがしました。また他の党派がチェックを入れないので、自分と田辺議員だけの視点だけでは見つけられないチェックもれがないか、とてもプレッシャーを感じた質疑でもありました。確認する情報が不足して、議決で間違った判断をしてはならないからです。
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