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2017.12.15

12/13 「子育てしやすいまち」をどうつくるか~市議会一般質問

13日夕方、市議会本会議の一般質問(市政全般を対象に自由質問できる)の機会がやっていて、約100分間、行政とやりとりを行いました。

最大のテーマは、朝霞市の子育てをどうするか、という考え方の設定。9月定例市議会で、田辺議員が総合計画に設定した「子育てしやすいまち」をあらゆる施策で串刺しして検証する仕組みができているのか、という質問があり、同時期、東洋大学の先生とおしゃべりしていただいているなかで、ユニセフが地域コミューンの政策点検指標として「子どもにやさしいまち」12の指標を出していることを教わったことが契機でした。

役所はPDCAの事業評価を入れていて、以前より生産性は上がりましたが、一方で、そのやり方は、目の前にあるわかりやすい数値目標で結果を出すことばかりが優先課題になりがちです。そうではなく大目標や、そもそも子どもや子育てを大事にしたまちづくりはどんな視点を持たなければならないかという目標が必要で、それは無手勝流でやるのではなく、一定の経験や知識をベースにしたものを活用した方がよいと思ったからです。

その他、朝霞台駅と北朝霞駅の点字ブロックが人の動線を横断していること、来年度から6年間の障害者プランや高齢者福祉計画の視点、母子手帳の交付方法の変更で浮上した妊婦の課題や自殺対策と生活支援、たたずまいを守るマンション規制のあり方、もっと乗っていただくためのわくわく号の改革の残課題などを取り上げました。

(詳細議論はここから)

※質問は演説形式で3回、質疑応答を繰り返していますが、それでは読むのがわかりにくいため、ここでは一問一答のように記録しています。

1.「子どもにやさしいまち」指標
Q.朝霞市の総合計画の4つのうち1つ、子育てしやすいまち、というコンセプトは、住宅地としての質の底上げにつながる時宜になかった指標だと思っているが、全施策の串刺しの評価としてどのようにしようか、お迷いで検討している、ということが9月定例市議会の一般質問で明らかに。そこへ、東洋大学の先生からたまたまユニセフの「子育てにやさしいまち」12の指標をご案内いただき、朝霞市の子どものくらす環境改善につながるものだと思う。
「子どもに」ということと「子育て」ということにニュアンスの違いがあるものの、単に保護者の便利さだけの子育てが「子育てしやすい」ということではなくて子どもを育て上げるという目的は同じなのだろう。
「子育てしやすいまち」への評価方法と、国連機関が地域社会に求めている子どもを育てていくために提示したこの指標が存在していることの見解をお伺いする。
A(市長公室長).4つのコンセプトを評価に入れているが、さらに深掘りしたテーマを外部評価委員会から受けており、そうしたことも込めて次年度の評価を検討している。ユニセフの指標は、国連子どもの権利条約の実現を目指す指標にであり、子どもにとって大切な視点であることから、取り込んでいくことが必要と思う。現段階では難しいが、着眼点としての活用は、今後研究してまいりたい。
Q.市民参加の方法を定めた「協働指針」や、今後制定されるのかわからないが「自治基本条例」なり「市民参加条例」なりのなかで、子どもの主体的な地域への関与の仕組みを示す必要があるので、それを待たなくてはならないが、行政評価の変更などされるのか伺いたい。
A.活動指標(プロセス)と成果指標(結果)とが混在していることが課題で、指標を見直しながら、そうした観点を持ちながら施策を推進したい。
Q.子どもが発する声を受け止める仕組みは
A(福祉部長・学校教育部長).児童館で、子どもから手紙を意見として出していただけるようにしていることと、イベントには子ども実行委員会を作るようにしている。子どもの悩みや困難に関して、子どもの人権を尊重しながら解決する仕組みが必要だが、これは先進自治体に取り組みの調査をしたい。
Q.子どもの困難な話になると、相談ということになり、子どものメンタルの問題としてカウンセラーと心の対処が中心になりがち。相談といっても、通報であったり、相談であったり、解決のための援助要求であったりするのでそれらを整理してとらえる必要があるのではないか。
A.それらを整理として捉え、対処する必要を感じている。
Q.子どもに余裕がない。ただでさえ授業時間数が増える一方のなか、冬は暗くなってから帰宅するようななかで、脅迫観念で、塾、習い事、部活で子どもの時間が埋め尽くされている。子どもは遊ぶことで、自発性、技能、考える力、他人を受け止める力、事務処理能力を身に着けていく。その余裕の必要性を感じているか。
A(学校教育部長).遊びを通じて身につけているはずのものがつけにくくなっていて、今日の教育的課題の一つだと考えている。進路選択と決定に必要な学力が十分つけられるようにしているが日々の授業で十分改善できるように取り組んで行く。教育活動で様々な主体的に向き合うようにしたい。
Q.要望だが、子どもの社会性や主体性のための活動は教育ですべて担おうとせず、地域や社会に子どもたちをできるだけ返して、子ども社会があるまちにしていってほしい。そのための環境整備など重要。昨日の他議員の一般質問で夏休みの短縮が準備されつつあるが、どちらがいいとは言わないが、子どもが地域で日々遊ぶという観点で最善の結論を出してほしい。

2.公共空間のバリアフリーの課題
Q.全市・全庁的な課題を提示する障害者プランと、実行計画である障害者福祉計画との間の役割分担が混乱していないか。「自己決定」の支援、「親亡き後」、「高次脳機能障害」、「医療的ケアの必要な子ども」など新たに盛り込むべき課題が福祉計画の方に書かれて、プランに書かれていないが。
A(福祉部長).整理していきたいがパブリックコメントを受けて対応したい。
Inkedinkeddscn9914_li_momentQ.朝霞台駅と北朝霞駅の連絡通路にあたる北朝霞駅ロータリの点字ブロックが人の移動の流れを3回横切るような配置になっていて危険である。改造しないのか。
A(都市建設部長).点字ブロックが人の流れと交差しているところがあるのは認識しているが、過去、当事者をまじえて配置した経緯もあり、変更するにも動線が複雑であることから、慎重に判断する必要があり、求められる対策をとりたい。
Q.やるのかやらないのかわからない答弁だが、あまりにも危険なので対応を強く求めたい。その際、朝霞台駅改築の予定が東武鉄道から示されており、その間、棚上げにされないか。
A.まずは調査したい。必要であれば改築までの暫定的な対応が必要と認識している。
Q.知的障害者のバリアフリーの取り組みが必要だ。
A(福祉部長).支援が必要だ。
Q.支援ももちろんだが、大事なことは、難しい表現をしない、複雑な表現を避けるなどの取り組みが必要だと申し上げたい。次に日本語が使えない来訪者が増えている。対応は。
A(市長公室長).オリンピックパラリンピック大会の会場となるので、実行委員会のなかの「輸送・多言語対応部会」から何らかの基準が示されるので、まずは駅や会場へいたるルートを中心にそれにもとづいて対応しつつ、それを参考に市内の表示・案内も活用したいと考えている。また、実行委員会からの基準が出る前でも、簡易なものについては、外国語表示にトライしてみたい。
Q.以上バリアフリーの課題の解決に向けては、当事者による点検チェックを習慣化する必要はないか。
A(総務部長・都市建設部長).公共施設の整備改修には当事者チェックを強化したい。.点字ブロックの設置には視覚障害者の方々と意見交換する機会を設けたい。

3.自殺対策
Q.自殺対策ではこの定例会でも2人の議員から質問が行われ、主に精神保健福祉を中心に捉えての質問だったので角度を変えて質問する。まず自殺対策基本法の改正で、国は市町村に自殺対策の中心的な取り組みを期待しているが、計画策定はどのようになっているのか。
A(健康づくり部長).引き続き、県の計画策定をまって策定したい。
Q.衝撃的な事件があったので悩める青少年に向けての精神保健福祉を中心とした自殺対策も重要だが、1997年以降の自殺者の急増は、中高年男性が中心。失業、貧困、借金苦などが背景にあると言われており、まさにメンタルヘルスの相談だけではだめで、貧困や借金苦の問題の早期発見と解決のための支援が重要だが、そうした認識はあるのか。
A.庁内関係部署や民間機関との連携していくことが必要だと考える。
Q.朝霞市の自殺者の状況は。
A.全体的に平均より少なく、特徴は30代、40代の男性が多い。
Q.従来の若者でも中高年でもない人たちの対処が課題ということは難題かも。絶対数が少ないので統計的に事例が出てくることもなく個別事例がどのようなものであったか、警察などからの情報をもとに対策を打っていくことが必要ではないか。
A.警察との連携の内容次第になるが、認識は同じである。朝霞市の特徴をつかむためには連携したい。

4.子育て包括支援センターの状況と課題
Q.母子手帳の交付を、相談と一体化させて集約したことで混乱はしていないか。
A(健康づくり部長).不便になったと意見はいただくが、妊娠や出産、生活に関して専門職に話を聞いてもらえた、という満足度の方が高い。11月では14%の方が早期支援につながった。
Q.産後ケアに関して、母乳と育児が例示されている。母子の健康、子育てのつまづき予防が課題だが、産後生活への介助の必要性は出ていないか。妊娠して母子手帳の交付を受けるまでの相談をどのように捉えるか。職場復帰の相談は。
A.産後ケアは、保健師の相談に加えて助産師による支援は過去よりの政策として継続。若年妊娠や、産後の生活環境に不安がある家庭には必要な機関につなぐことをている。転出入が多く、家事支援が必要な人が課題と認識しているので必要性に応じて見直していきたい。
職場復帰に関しての相談は強化していきたいが、主には事業主や職場などへの相談ができることの情報提供になると思う。

5.高齢者福祉計画の課題
Q.介護の必要のない人85%という目標は良いのか、達成できるのか。
A(健康づくり部長).朝霞市の要介護認定率は15.7%なので現在のところは介護予防などを組み合わせながら実現できる見込み。
Q.数値目標を大目標にすることはいかがかと思う。次に、高齢者のコミュニティーを老人会だけ特だししてよいのか。老人会に並行して、様々なコミュニティーを形成しなければならないのではないか。これからの後期高齢者はビートルズ世代より後になる。40代50代から共有しているものがないとコミュニティーにならないのではないか。
A.まずは地域の老人会の活性化に取り組みつつ、指摘のことは認識している。
Q.介護予防が筋肉偏重になっていないか。社会的なものの支援も。
A.趣味やボランティア活動を通じた互助などが重要と認識している。民間マンション内の福祉活動や企業による福祉活動を盛り込んでいきたい。
Q.和食のチェーンのファストフードが高齢者で大繁盛していて、高齢者が外に出て食事したがっている。配食サービスもよいが、もっと他の高齢者の居場所づくりを民間とやらなければならないのではないか。
A.その認識はしている。市の施策としては、配食サービスや地域包括支援センターでの食事会、老人会や地域のサロン活動を充実させたい。
Q.介護保険料の改定が予定されているが、前回改定では積算根拠が明らかにならずに、値上げの必要性を感じて理解した方が高齢者をいじめているかのような宣伝をされバカを見た。今回は改定は、サービス拡大分や報酬改善分、利用者の自然増など改定額の積算根拠を明らかにするか。
A.今回は明らかにしたい。

6.水道指定工事業者の指定
Q.消費者問題で話題になる業者が、水道指定工事業者になることがありうるのか。
A(水道部長).平成8年水道法改正で、工事指定業者は技術水準を満たしたら指定しなくてはならない。
Q.技術的基準は評価されるが、商道徳的な評価はできない、ということか。
A.できない上、更新という制度もないので問題を起こしても対処ができない。
Q.近隣市の事業者であれば、悪いことすれば噂が流れて仕事ができなくなる、というギルド的自己規制がかかるが、遠くの業者だとそうしたメカニズムも働かない。
A.現在、更新制を可能とする法改正が検討されているので、それを注視したい。

7.不動産に関して
Q.2022年生産緑地制度がスタートして30年、最初の更新年にあたる。そのまま継続されれば問題はないが、農地に固定される生産緑地として維持するのが負担で、農家が売却すると決断してしまったときに、そこが歩道の用地として適地であったり、公共施設の拡張に適した用地だったりした場合、どうするのか。
A(都市建設部長).市に買い取り申し出ができるので買い取ることも考えられる。
Q.しかし土地開発基金も現金はわずかしかないし、一般会計も余裕がない。買い取りは難しいので規制で何とかするしかないのではないか。
A.道路整備計画で拡幅路線と位置づけられれば所有者と協議は可能。
Q.道路計画では強制力がないのが難題。売却されたマンションになるとなったときに、歩道に適した土地を歩道とした場合に容積率緩和などは適用できないのか。
A.そのまま所有し、公開用地として歩道を構築して通行可としていただけるなら可能だが、市に寄附されたら容積率から外れてしまう。
Q.道路計画の拡幅路線の指定や都市計画道路とするのは、手続きが難しく事態が前後する。PTAや町内会などの歩道整備要望程度のところで、歩道整備を要望できるのか。
A.話はもっていってみることはできるが、難しい可能性が高い。
Q.マンション需要があるなか、近年、まとまった土地がなくなってきて、いびつな形状の土地に無理にマンションを建てる事例が出てきた。建築基準には適合しているのだろうが、たいていの人が近隣との関係悪化を想像させるし、実際になかなか売れなかったケースもある。売りにくいマンションは将来空き家問題になる。従来の用途規制、容積率、高さ規制だけではなく、密集市街地としてのたたずまいを守る規制はできないか。
A.法令や条例の基準や規制に適合していない規制はできない。建築協定や地区計画で規制できるが、周辺住民の多くの同意が必要で規制づくりは住民による合意形成の努力がないと難しい。動きがあれば技術的支援はしたい。
Q.法的規制は難しいだろう。景観計画では、商店街の未来の姿を絵にして、商業地にふさわしい景観づくりを誘導したいとしていたが、どうなっているのか。
A.開発規模によって、言うことはできるが、規制ではない。

Dscn99448.わくわく号の課題
Q.わくわく号の改革がスタートして走り出した。とにかく乗ってもらわなければ話にならない。採算ベースでは両端に駅がある路線で1便20人、片方の終端にしか駅がない路線で10人の乗客で黒字化が可能ということで、乗れば乗るほど、市議会で求められているような対応が可能になる。ところが先日利用として時刻表をネットで検索したところ、スマートフォンなどでは見るのに困難。これでは乗客を逃す。機会損失であるし、一度、使いにくい、わかりにくいと思うと今は簡単にマイカーにシフトする。
A(都市建設部長).バスロケーションシステムと連動した時刻表検索サイトへの接続が来年度になるのでご容赦願いたい。
Q.便ごとの乗客数の把握はできているのか。
A.路線ごとに担当者を分担させたので、膝折溝沼線と内間木線では可能になったが、便ごとは運転士の負担が必要になる。宮戸線と根岸台線は同じバスを同じ会社で使い回しして運行しているので把握が難しいが可能か検討したい。
Q.改革の方向性は、利用者数を把握して走りながら改善していくということなのだから、きちんとやっていただきたい。乗り残しの出ている路線や便もある。そうしたところは追加投資すべきかも知れない。経営なのだから機会損失に敏感になってほしい。ところで公共施設の利用団体への、公共交通利用の呼びかけはしているのか。
A.公共施設での時刻表の掲示等はしているが、利用団体への働きかけはまだなので、各公共施設の関連部署と相談しながら考えたい。

※わくわく号の採算ラインの計算
現在の負担額上限(運行経費)6765万4421円(平成28年度事業評価シートより)
運休日は12月31日と1月1日の2日間。残り363日が運行日。
わくわく号の乗降調査では利用者の大半が朝霞駅・朝霞台両駅からの利用者であることが明らかになっていて、路線が駅に接している数に利用者が比例しているという前提。
平日は、224日あり、両端が駅の便が51便で指数が102、片端が駅の便が32便で指数が32を合計して指数が132をかけて指数32696
休日は、119日あり、両端が駅の便が41便で指数が82、片端が駅の便が28便で指数が28を合計して指数119をかけて指数13090
合計指数45786で運行経費を割ると、1指数1477円、これを運賃150円でわると、1指数約10が黒字ライン。

片側しか駅がない路線では、指数×1で1便10人、両側に駅がある路線で指数×2で1便20人が採算ラインとなります。

来年度からはバスの減価償却費用が運行経費に上乗せされるので、この採算ラインは上がる一方、現在の乗車率は採算の3~4割程度なので、駅が片側にしかない路線で1便3~4人、駅が両側にある路線で1便7~8人が平均ということになり、乗車率の改善だけで、採算は取れなくても、同じ市の負担額のままで1台増車(約年1200万円)できる可能性もある。増車して現行路線をわかりやすいダイヤにして増発を行えば、さらに増車効果を上回る収入確保の道が開ける。
とにかく現有路線での乗客数の増加に取り組むことが、わくわく号の今回の改革の課題で解決できなかった、デマンド交通の導入や、朝霞市中心部のバス、わくわくどーむへのアクセス復活など、乗り越えていくための鍵です。

なお、わくわく号に7000万(実質4000万)を払っていることに批判的なご意見をいただきますが、埼玉大学の久保田尚先生を訪問した際、1日6台80便運行してこの経費で納まっているのは、コミュニティーバスでは成績の良い方だそうです。

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