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2017.07.01

7/1 知事に是々非々の態度を取る議員がある程度必要~都議会の問題と議員の選び方

東京都議選の運動はきょうで終わりです。他県のことですが、給与所得を通じて経済的な東京への依存が強まる朝霞市の議員として、また、近隣自治体の政治家どうしの交流でも気になることが多くあります。
今回、都政を刷新するチャンスだと思いますが、一方で、流行に飛びつく選び方しか考えていなければとんでもないことになると思っています。古い体質の人たちの影響力は削りつつも、健全な中間派を選んでほしいと思っています。そのことを以下つらつら書いてみました。

●知事恭順派(都民ファースト・公明)でも、知事対決派(自民)でもないとすると、民進党、都民ファーストや自民の推薦を受けない無所属、共産党ということになると思います。共産党に関しては他に選択肢がなければ選んでいただいたらいいと思いますが、留保するところもあります。

●都議会は、1990年代中頃から、自民公明が圧倒的に議席を占め、それから知事と行政が好き勝手できるシステムができるようになったと思います。議会の監視機能が全然機能せず、オリンピックも豊洲も議会が性悪説で審議することもなく、いけいけどんどんと既成事実が積み上げられてきました。議会の改革がたちおくれ、権限強化をしないままでした。民主党が議会で多数派を取ったときも、都庁の膨大な予算配分の関係で、民主党の一部もその体制に組み込まれていったと思います(そこに尻尾振っていた人たちが今回、民進党が古いと出て行って都民ファーストの会に移籍した民主党都議のなかに少なからずいます)。民主党都議団のまとまりのなさというのも背景には、自公に対決すべきか、いやいや実をとるべきかということが派閥抗争みたいなものと相まって続いてきたことにあります。
都議会の運営の異常さは、塩村あやか都議のインタビュー記事に出ています

そうして、都庁と癒着した議会のありかた、知事のやりたい放題の体制が、猪瀬、舛添両知事の辞任の原因になっています。そのときに政治を建て直すには、知事を変えることとともに、議会を強くしなければならないのが都庁の課題ではないかと思います。

しかし、今回の選挙の世論調査では、知事は変えたけど、議会は相変わらず知事に翼賛する都政ファーストの会の議員ばかりが優位にたたかいを進めていることをうかがわせます。都議会に、新しい血を一定の量入れることに意味がないとは思いませんが、それが都知事の言うことに何でも賛成する議員ばかりが、半数以上の勢力を取ったらどのようなことが起きるのでしょうか。

結局元の木阿弥みたいなことが起きて、都政ファーストの会と公明党が、議員報酬と公用車の台数をちょこちょこ削っただけで改革を終わらせ、知事の追認機関として都議会を再定義することになりかねません。議員は行政から自立できず、都知事与党に入って、都庁にすりよった人でないと、都庁の利益配分に預かれない。23区に関してはハード系の事業が、区だけでできず都にやってもらうことが多いので、都庁に逆らって予算編成に議員が関われないと、選挙区の区議たちに迷惑をかける構造。そんななかで、緊張感のない都議会をつくるとまた同じことが起きます。

議会に重要なのは、健全な中間派の存在です。二大勢力は、重要政策や首長の政治姿勢をめぐって賛成・反対と激しく対立します。そのなかで、どちらの方に理があるのか判断し、ジャッジしていく勢力がある程度の数で必要です。

議会改革の観点からも中間派の存在は重要です。議会改革が進んだ自治体を見ていると、議会の勢力がほどよく多極化しているところが多いです。いろいろな政党・会派が合意形成しないと、自治体の運営が停滞してしまうからです。ほどよく多極化した議会では、多数派が少数派を圧倒して押し切るという乱暴な運営ができなくなります。行政もすべての政党・会派に公正に中立的に接しなくてはなりません。
そういうところから、どこかの誰かが勝手に決めた政策に、都民が振り回される事態がなくなるのではないかと思います。

●ということは、朝霞市議会でも健全な中間派が存在しえないなかで、天つばみたいな話になります。私も、役割としては中間派のつもりでいますが、どんなに市の出す政策に、自分のイデオロギーを排して判断しようとしても、どんどん「あっち側」に追いやられている感じがしています。低い投票率のなか、どうしても中間派が選ばれる構造がつくりにくいこと、先日の「5区(中選挙区のエリア)議長会」での山梨学院大学の江藤教授がこの当たりの市議の報酬の低さを指摘していましたが、中間派として振る舞いそうな人が市議に転身しにくいということがあるのだと思います。

●歴史的に批判の多い1994~1998年の「自社さ」政権ですが、この時代に情報公開制度が進んだり、介護保険制度の創設が決まったり、政府と政策の被害者との和解が進んだり、金融機関の破綻スキームが作られたり、男女平等政策が進んだり、戦後膠着し続けた政治課題が解決されました。このときも、自民党と新進党が激しく対立するなか、弱小勢力であっても、社会党とさきがけが中間派として政策を動かした歴史があります。

●また、衆院選になったら都政ファーストの会は自民党を応援するという約束もあるようです。都政ファーストを選んでみたら、都議会で自民党と手と手を組んで、昔と同じことを始めた、ということにならないように注意も必要です。

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