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2017.04.30

4/29 「PDCAクルクル教」!

面白い評論を紹介されました。「「PDCAクルクル教」だから変化に弱い日本企業」。

最近は自治体も何かというとPDCAが管理手法として最も優先されるものとして扱われ、ただでさえたくさん作られている計画や審議会や行政委員会の運営に、PDCAが機械的に適用されてい運用し、役所のなかは行政評価で蔓延して、アイディア貧困な状態になっています。
そして市民も「PDCAをちゃんとやれ」という何の目的も目標もないご尤もなご意見をすることで、企画部門あたりのクルクル教の布教活動に加担したりしています。年柄年中Check業務に追われ、Checkにはまりやすいようにしか仕事をしなくなり、ただでさえ官僚的な仕事になりやすい市役所を、さらに官僚的にしてしまっている原因の一つです。
必要なところでPDCAを取り組めばいいけど、それがすべてになることは弊害もあります。理念を重視したり、顧客を想像することを優先したり、業務そのものの対話を重視したり、部署や場面によって計画や目標はPDCAクルクル教から自由に運用することが必要だと思います。

市役所のPDCAクルクル教で成果を挙げるのは、理解浸透のために印刷物を作る作業です。デザインも配り方活用方法も考えずに、必要な文言並べて印刷して、ポスティング業者か町内会に配布して終わり。これで達成度A。問題もなし(あまりにも業務としては機械的なことの連続でそれ自体に問題が発見できない)。あとは文書を読んで対応したかしないかは市民の責任。言い訳文書もいらない。本当は何のためというところに立ち返って、本来は何をして効果を出すのか、という整理が必要なのに。

逆に虐待対応、いじめ対応など、やってもやっても問題がさらに出てくるのでいつまでたっても達成度Cで、土日も呼び出されるほど多忙なのに、企画部門に対して達成度Cになった言い訳文書を作り続けなくてはならないという悪循環構造にはまります。そうするとああいう部署には絶対行きたくない、となります。
行政評価を見ていて、いつも思うこと。達成度Cになった仕事の方がいい仕事している。1回、不適切にも議員が突っ込まれている何かの行政委員会で、達成度Cほどいい仕事している、と発言をしたら、みんな「はあ」と委員一同から声があがり、得心されたことがあります。

またPDCAを審議会・委員会で評価するのはよいですが、あまりにもそのウェイトが重すぎると、行政が設定した政策と事業目標に、審議会・委員会の委員から出てくる言葉が、そこの範囲を超えることがなくなります。本当は、市役所の職員、市の関係者で気づかない問題点や課題を指摘していただくことが審議会や委員会の委員の役割ではないかと思うので、PDCA手法だけに縛られないような運営が必要だと思います。

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