4/17 悪質な金田法相の答弁
昨日、たまたま作業しながら、国会中継を聴いておりました。
共謀罪をめぐる金田勝年法務大臣の答弁がひどく、しばしば「(詳細の)事前通告がないから答えられない」という答弁がされていて、言語道断だと思いました。
詳細に事前通告しないと答弁しないというなら、国会には「質問主意書」という制度があり文書質問だけしていればいいわけです。何のために人が集まって言葉でやりとりするのか、その大切さがわかっていないで、質問者に非があるかのようなことを指弾するのは問題です。質が悪い。
議場で政策を議論するのかというのは、質問する、答弁する、さらにそこから見つかった問題点から質問をして問題を深めていく、そして新たな対応策を答弁する、と、何度にもわたるやりとりを通じて、政策の改善や深まり、問題発見が可能です。
国権の最高機関として、行政側の問題点や課題を発見することが質問の意義だとすると、質問内容の事前通告は、質問権とのバランスが重要だし、議論の展開によって発見されたことが再質問されるべきものであることから、詳細な通告がなければ答弁拒否できると考えるべきではないものだと思います。
厚生労働委員会の討論なき採決といい、最近、議論をしない議会運営が美風みたいな運営が続きます。戦前の国会も、選挙はあり、採決はあったものの、議論はどんどんしなくなった歴史があります。政治を見る国民の眼も議論すること自体に批判的な空気もあり、要注意です。
●議題は2012、2013年度の決算を審議していましたが、そんな昔の決算を審議していて、国の運営は大丈夫なのか、と思ったりします。
決算審査は、もう使い終わってしまったものの審議だから無意味、みたいなこと言う政治家がたまにいますが、行政にとって実際にやったことをチェックするのには決算審査をきちんとやらないと、予算をもらったが最後、何やっても構わないと考える行政の体質が作られてしまいます。
朝霞市も、数年前まで、豊かな市税収入を背景に、ありとあらゆる技を使って、予算使い切りをやっていましたが、決算審査を通じて具体的に財政運営の問題を指摘し続けたなかで、経常的な事業に関しては、予算がある限り使う、というような運営は改まったように思います。
マルかバツかが問題なのではなくて、そこで議論された言葉が国権の最高機関として、国のお金の使い方の評価に当たり、様々な改善につながっていきます。予算で縛っておけば行政は良きにはからう、というものではないと思います。
自治体は、前年度の決算を9月の市議会で評価して認定・不認定を判断しています。いろいろな事情があってその時期ですが、それでも私には遅いと言われても仕方がないと思います。
衆議院も怠惰を貪っていたわけではなくて、昨日の石関議員の質問では、2011年度決算までは1年以内に審議を終えていますが、それ以降は3年近く放置されているという指摘もありました。国会の場合、基本、与野党で審議入りに合意しなければ審議できないようなところがあり、2012年以降の財政運営に関して、チェックされたくなくて、誰かが審議入りすることすら止めているということなのだろうと思います。
●決算・行政監視委員会で共謀罪の議論をしているのはどうか、と思います。そのあたりは安倍首相も質問者に指摘しており、私もいくらなんでも決算・行政監視委員会がそれでいいのかと思ったりします。
ただそうなってしまうのも、2012年度2013年度の決算審査で、それぞれ2014年度、2015年度の予算編成に活かされなくてはならないはずのものです。そうなると何議論したっていいんだということになりかねません。
また、議論を通じて政策変更を加えていく、という作風が、政権党の側も野党の側もなく、とくに政権党が原案をそのまま通すなどということを政治的成果としてやり続ける限り、野党は、大臣の失敗や無能力さを暴き立てる質問を通じて、身動きのできない状況を突破しようとするのでしょう。
●国の決算審査がいい加減なのは、自治体議員や自治体首長出身の議員が減ったからではないかと思います。自治体なら、予算審議の次に重要議案として扱われているものです。
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