3/14 新設児童館の考え方から「センター」機能は消えた~市議会民生常任委員会
13日~14日にかけて、市議会で福祉・健康関連政策を審議する民生常任委員会が開かれ、私は所属委員として予算案などに質疑を行いました。
質疑のなかから、来年度予算の医療福祉政策が以下のように運用されることが明らかになっています。
・来年度策定する障害者プラン・障害者福祉計画は、インタビュー調査よりサーベイ(紙アンケート)調査を先行させる。
・障害者福祉は、今年度予算からサービスメニュー別提供予定量を元に予算を積み上げた(過去年は過去の傾向から概算)
・90歳以上の高齢者全員に敬老の日に市として手紙を出す(いったい効果は?)
・新たに本町に建設する児童館が想定していた追加の機能は、面積の制約からとりやめ。センター児童館としての機能は持たせず、他の児童館に持たせることもなく、児童館政策は社会福祉協議会本部の2人の職員で引き続き行う。中高生向けサービスも想定しているが、中高生に関する専門的能力の育成は未定。
・保育園整備は、60人規模の認可2園と小規模保育施設を2ヵ所想定。1施設は家庭保育室から転換、家庭保育室は1施設が事業を終了する。その結果、今年度並みの入所申請があれば再来年度入所の待機児童解消は引き続き難しい情勢。
・来年度は放課後児童クラブの増設はなく、2018年度に向けて開設準備を進める。2018年度は第五、第六、第八小学校校区に子どもが多いことを予想している。
・子育て包括支援センターをスタートさせることにともない、母子手帳の交付は、保健センターに集中させる。母子手帳交付時に、妊娠や育児に困難が生じないか面接調査を行い、困難がありそうなケースには支援計画を策定して保健師が産院、市役所庁内各部門と連携して対応する。産後ヘルパー派遣は、特に設定しないが現状でも行っている事業者がある。
・42歳以下の不妊検診、35歳以下の不妊治療に県の方針にならいそれぞれ1回に限り補助を開始する。
・自殺対策基本計画は、県の方針待ちで、2018年度に策定する予定。
・介護保険は介護予防給付を新総合事業に移行、生活(家事)援助などは介護事業者から地域の支援事業者やボランティア活動に移行していく(不利益変更はなし)。
・国民健康保険の県移管に向けて準備を行っているが、保険料がどうなるかは未定。
・国民健康保険、後期高齢者医療の現役並み所得のある高齢者への保険料減免が減り、高額療養費の上限が上がることで負担増(国の法律の変更による)。
●以上のようなことが明らかになったことを受けて、以下の判断をしています。
・2017年度一般会計予算 反対 理由:センター児童館としての機能は重要で、新しい児童館でやれなくても他の児童館に持たせるべき。他の施設も管轄している社会福祉協議会の事務職員に担わせ続けるのは、質の向上からは限界。そうしたことを後退させて、建設コストの高い時期に、ただ施設を増やすことになるのは問題で、反対。その他の経常的な事務に関しては予算も実施計画も大きな問題ないし、子育て包括支援センターを実現させたことは大いに評価しているが、児童館の政策ダウンの話は金額の大きな話なのでこの一点をもって反対する。
・2017年度介護保険予算 賛成 理由:新総合事業に関して市民の理解がされていないのが課題だが、今年度に関しては現介護事業計画を継承し不利益変更はないと確認しているので、賛成。
●医療生協と新日本婦人の会から出ている、保育士の処遇改善の請願と、介護労働者の処遇改善の請願を、12月定例市議会に引き続き審査しました。今回で採決することとなり、採決の結果、否決されています。私は両請願とも賛成しています。
保育士や介護労働者の賃金の原資である仕組みは国の制度が変わらないと自治体独自では負担しきれないものばかりで、そういう点からも国に市として意思表示することは重要ととらえています。また、私の前職の自治労勤務のなかで、福祉労働に関しては、規制緩和と強制民営化の嵐に対抗するのが精一杯で、福祉労働者の処遇改善をなかなか言い出せない時代を経験していて、世論がようやく処遇改善の必要性を認識しはじめている今が大事な時期ともとらえています。
●委員会の採決結果は以下のとおりです。最終的には28日の本会議で採決が行われます。
2017年度一般会計予算 可決 【賛成】獅子倉、大橋、田原 【反対】黒川、石川
2017年度国民健康保険予算 可決 【賛成】黒川、獅子倉、大橋、田原 【反対】石川
2017年度介護保険予算 可決 【賛成】黒川、獅子倉、大橋、田原 【反対】石川
2017年度後期高齢者医療予算 可決 【賛成】黒川、獅子倉、大橋、田原 【反対】石川
2016年度一般会計補正補正予算 可決 全会一致
2016年度国民健康保険補正予算 可決 全会一致
2016年度介護保険補正予算 可決 全会一致
2016年度後期高齢者医療予算 可決 全会一致
健康づくり推進協議会条例改正 可決 全会一致
介護保険条例改正 可決 全会一致
保育士の処遇改善の請願 否決 【賛成】黒川、石川 【反対】獅子倉、大橋、田原
介護労働者の処遇改善の請願 否決 【賛成】黒川、石川 【反対】獅子倉、大橋、田原
※遠藤議員は委員長であり、通常は採決に加わりません。
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