12/7 ほんとうにそれでよいのか、と問い直すことの大事さ/市議会民生常任委員会
昨日は、市議会の福祉・医療分野の議案を審議する、民生常任委員会がありました。5年に1度の市の施設の運営を外部に管理させる、「指定管理」の更新議案が6本、新しい「健康づくり条例」の審議など行いました。また、障がい児を中心に利用する放課後デイの1.5億の追加や「指定管理」の将来負担を前提にした契約を認める予算なども審議しました。
一般会計補正予算で焦点となったのは、①再来年度スタートの新しい障害者福祉計画・障害者プランの策定作業のためのコンサルタント契約、②放課後児童クラブの指定管理の契約の前提となる職員給の改善、③障がい児が中心に通所する放課後デイのあり方など。多額の予算を使う障害者政策を効果的なものにするためには、コストだけ重視のコンサルタント選びは改善が必要、放課後児童クラブの職員給の改善方法の落とし穴や職員定着対策としては給与以外の方法も提案が必要、障害者デイには、地域との接続が見えにくく、本人や家族が利用終了後孤立しないか、などの課題を質疑答弁しました。委員会採決では、全会一致で可決しました。
介護保険補正予算では、内容の確認質問が続きましたが、最終的に賛否が分かれ、石川議員以外は賛成、賛成多数で可決しました。反対理由が、事業ができなくて剰余金を積立金としたことが問題ということなので、介護保険事業計画は3年単位で動いているので、中間年で剰余金を積立することは問題とはならない、と賛成理由を表明しました。
健康づくり条例は、全会一致で可決されましたが、共産党の石川議員からは社会保障の給付抑制の正当化に使われることの懸念、私からは中学校の部活動で運動部系の部活ばかり奨励されるようなことが起きないか、などの懸念を表明しています。誰もが反対できないし権力性がなくても、理念条例をつくるときは人々の精神的自由を政治的に束縛していく危険性に注意が必要だと思います。
指定管理の議案は、はあとぴあ、放課後児童クラブ、児童館、老人福祉センター、障害者ふれあいセンターを社会福祉協議会に、特別養護老人ホーム朝光苑を朝霞地区福祉会に、管理者として指定するというものです。
このうち、はあとぴあの指定管理は、議案が複合していること、社会福祉協議会のガバナンス体制構築に努力不足だとして私が反対しました。9月定例会の事業組み替えに反対したことも視点としてあります。
放課後児童クラブは、4年前に職員が告発しようとした利用者への不適切な処遇の案件の処理が悪く、告発者も実行者も双方退職する展開になったこと、その後の人権教育も不十分、平成15年には設置されていた社会福祉協議会の法人としての苦情解決委員会もつい最近まで周知されず、不適切な処遇を予防・抑止する機能が不十分であること、セーフティーネットに関わる保護者や議員からの運営内容の改善要望も不十分な説明をせずに拒否することなどを問題として申し上げました。
5年に1度の仕事を受けるか失うかという契約更改のタイミングに、重要な課題への改善策が示されていないことから、運営者として問題があるとして私が反対しました。両議案とも、輝政会、公明党、共産党、大橋議員の賛成多数で可決されています。
両議案とも、反対意見は私、賛成意見は獅子倉議員のみです。
残る、児童館、老人福祉センター、特別養護老人ホーム朝光苑の指定管理に関しては、理由を表明しませんでしたが、事業の継続性を超える問題点は見いだせなかったことや、障害者ふれあいセンターはつい1年前に事業を開始したばかりであって運営者の変更を考えること自体が不適切と判断、いずれも賛成、全会一致で承認と可決しました。
🌑それぞれの現場ではいろいろな職員が苦労と努力をされているものですが、しかしだからといって構造的な問題があるのに、彼らの努力だけを評価してよかったよかったと無視するわけにはいきません。
議決で私の主張が認められないとわかっていても、言うべき立場にいる者が言っておかないで看過し続けるのは、議員として怠慢、と考え、心を鬼して、職員にとっても私にとってもつらいことを市議会で申し上げました。因果な仕事です。私自身は全然評価されなくても、あのときあいつがこんなこと言っていたなぁ、直しておかなきゃなぁ、という動きが始まれば、と思っています。
🌑健康づくり条例の必要性や多くの市民へのプラスの効果を十分に認識しながら、ニヒリストのタモリが昔の芸術家・作家がみんな病気に苦しめられたことを引きながら「不健康って色気あるんだよなぁ」とコメントしたことを思い出しています。
🌑一般会計予算の議論はこちらです。
①毎年約20億円かけている障害者福祉が生きたものになるよう、450万円の委託経費となるコンサルタントは少し高くなったとしても最良な事業者を選べる選定方式とすべき、制度もニーズも細かい障害者福祉にアンケート中心の調査のあり方の見直しが必要、社会調査のセオリーをきちんと理解しているコンサルタントを選ぶべき、と問いただしました。市としては、本会議で入札中心の選定と答弁したところから軌道修正はしなかったものの、考慮はしたいという答弁でした。
②放課後児童クラブの職員賃金の改善は、平均勤続6.9年の指導員の定着促進策として、公務員に近い社会福祉協議会の正規職員の勤務時間按分にしていく、やり方は現在の給与を現在の正規職員の給与表の最も近い上位に位置づけ、以後、正規職員と同じ昇給をしていくと社会福祉協議会から聞かされていると明らかになりました。これに対して私は、経験年数の若い職員はこれで救済されるが、経験年数の長い職員ほど低賃金のまま終わる構造を抱えるのではないか、と指摘しました。また定着対策は、賃金改善だけではなくて、職員どうしのコミュニケーション、運営体制の風通しの良さなど、他にもやらなければならないことがあるのではないか、と申し上げました。
③障がい児デイの普及は良いことだが、本来はできるだけ通常の放課後児童クラブに障がい児を統合していくべきではないか、事業者が小さすぎて、送迎もあるため、施設内がどのような状況になっているのか、子どもたちがどんなふうに暮らしているのか見えなくなっているのではないか、市として関与が必要ではないかと質問。市は事業者どうしでも開かれた施設にする問題意識を持っているところもあるが、事業者どうしではなかなか前に動いていかないので何らかの対応を考えていきたい、と答弁。
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