9/14 2015年の福祉行政を評価~市議会民生常任委員会での決算審査
13~14日、市議会民生常任委員会でした。
福祉と保健分野の、2015年度の決算、保育園の増設や2015年の剰余金の処理などを内容とする補正予算、社会福祉協議会の業務の変更、特別養護老人ホームが経営するショートスティに障害者を受け入れる議案と、介護保険制度の「改革」に対して継続的な扱いを求める2つの請願が議題でした。
2015年度の決算議案のうち、民生費、衛生費と、国民健康保険、介護保険、後期高齢の4会計を審査しました。一般会計に対しては、通常の事務で反対する理由はないが、放課後児童クラブの定員オーバーでは緊急対応を行って学校間との危機意識を引き出したことがプラス、保育園の整備ができなかったこと、地域包括ケアの構築が遅れていることがマイナスなどと指摘して賛成し、賛成多数で認定しています。
介護保険会計では、介護保険料値上げを問題視する討論があったので、介護保険料も全国平均以下であり介護労働者に支払う報酬原資であることからことさら問題視するべきではないことと、問題視する事務はないとして賛成し、賛成多数で認定。
補正予算は、保育園4園増設や各会計の剰余金処理に関するもので4会計とも全会一致で可決。
条例改正では、社会福祉協議会の指定管理に関するもので、障害者就労支援B型と生活支援の充実をする一方、公的ヘルパー事業やデイ事業の廃止がの議案には、廃止事業の提案の不備などから反対しましたが、与党議員の賛成多数で可決。
特別養護老人ホーム朝光苑のショートステイ事業に、来年度から障害者の受け入れもすることは全会一致で可決。
介護保険の改革にともなう介護度の低い利用者や住宅改修に関するサービス切りを問題視する請願、医療生協の提出したものと市内介護事業者団体から提出したものの2件は両方とも私は賛成しましたが、与党議員は後者のみ賛成し、医療生協提出のものは不採択、介護事業者団体から提出されたものは全会一致で採択しています。
決算審査では、県議選の党の犠牲で1年ぶりの共産党の石川議員のたまりにたまった行政監査的な質疑と、私の会計監査的な質疑がてんこもりで、延び延びになりました。
決算は、一般会計、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の4つの特別会計は、共産党の石川議員以外の賛成で認定。
一般会計の討論では、石川議員が2014年の歳出カットが復活していないと認定に反対。
私は、穏当な事務を行い否決すべき理由はないとした上で、放課後児童クラブの緊急対策が良かったこととそのことで教育委員会との連携体制ができたことなどを高く評価、一方、制度改革に追われるなかで保育所の増設ができずに待機児童問題が大きくなってしまったことや、地域包括ケアの構築が遅れていることなどを問題事項として指摘して認定に賛成し、討論しました。
採決では、石川議員以外賛成として認定されました。
国民健康保険特別会計の決算でも賛成討論を行っています。
介護保険特別会計の討論では、石川議員が介護保険料改定して値上げしたことを問題視して反対。
私は、適切な事務であること、介護保険料の改定は介護労働者の賃金原資を確保するために不可欠であることから賛成しつつ、地域包括ケアの形成のたちおくれを問題事項として指摘して賛成しました。
採決では、石川議員以外賛成して認定されました。
後期高齢者医療特別会計は、保険料や、国民健康保険や各健康保険組合から朝霞市民分の拠出金を受け取り、県の後期高齢者医療広域連合に拠出金を送る出抜けの会計ですが、
討論では、石川議員が保険料負担などを問題視して反対。
獅子倉議員が賛成を表明。
採決では、石川議員以外賛成して認定されています。
補正予算では、一般会計で、本町、溝沼、根岸台、北原に保育園を建設する補助金を盛る予算が全会一致で可決。6億円の補正で国や県から5億円出てきます。ランニングコストも確認しましたが、国・県補助金と保育料を除いた市持ち出し分だけで毎年1億円増になることを確認(現在保育園のランニングコストは持ち出し分で22億円)。建築コストはタダみたいなものですが、ランニングコストの市町村の負担割合が高いことが待機児童対策のネックです。
その他剰余金の処理などもあり、4会計とも全会一致の賛成で可決しています。
続いて条例審議。
1つめは、社会福祉協議会の事業組み替えの議案。内容は、社会福祉協議会の障害者就労支援Bと生活支援を充実させる一方、ホームヘルパー派遣事業と、高齢者のデイを廃止する内容です。
ホームヘルパーの派遣事業を廃止することが最も悩んだところです。
県内でも蓮田市が同様のことを行い、現在、民間ホームヘルパー事業者の引き受けてのいない利用者がいて問題になっていて、朝霞市でも同様の問題が発生しないか危惧しました。
民間の活発な福祉事業が展開されることは引き出したいものですが、一方で民間事業者がやりきれない福祉が存在することを前提にセーフティーネットも張り巡らせておくべき、という私の考え方からも、簡単に容認できない問題でした。
福祉サービスの廃止には、それなりの理由や検討経緯が必要なのですが、朝霞市の行政改革にも、指定管理の方針にも、障害者プランにも、社会福祉協議会のヘルパー事業の廃止を読み取れず、検討経緯の情報提供がほとんどなされておらず、とくに社会福祉協議会側の意思決定過程に関してまったく情報が出てこないで、もう民間があるから、決めちゃったから、という話しかないことも不信感がつきまといました。
そのような観点で質疑を続けましたが、安心感を得られる答弁も少なく、賛成できない、という判断になりましたが、どこまで抵抗するか、ということを次に考えました。
そのなかで、社会福祉協議会の福祉事業と連携するべき市内事業者の評価や、実際に行われているサービス内容、アカウンタビリティーのなさ、などから、議会のルールのあらゆる方法を駆使してまで死守するまでの事業でもないという感触になってきました。
議論を経て、採決では反対し、本会議の決定に送ることにしました。
採決では、私と石川議員が反対、他の4議員が賛成して、可決されて本会議に戻されます。
特別養護老人ホームの運営するショートステイに障害者のショートステイを併営させる議案は全会一致で可決。
請願が2件、医療生協から提案された、要支援1・2にサービスの継続を求める請願と、市内の介護事業者団体から、要支援1・2や住宅改修への介護保険適用を外すことを危惧して市議会が国に意見書を出すことを求める請願を審議しました。
私は同趣旨に全面的に賛成ではないものの(できるだけ継続してサービスを受けられるとよいが、本人の自立を阻害するような過剰利用や、事業者による介護漬けの問題はやはり何とかしないとと思う)、9割賛成なので両請願に賛成しました。
共産党の石川議員も両請願に賛成、与党3議員と、無所属クラブの保守系議員は、介護事業者団体から出た請願だけ賛成しました。
前者の請願は賛成少数で不採択、後者の請願は賛成多数で採択となりました。意見書は後日委員長が起案して本会議にかけられることになります。
医療生協が出した請願の討論では、本文中にあった「「卒業」をおしつけないでください」との文言が議論になりました。
与党議員からは「結果として介護を利用しなくて済むようになったことすら良くないことであるかのような批判は好ましくない」との反対理由の指摘が行われました。私も、その部分に関して、隣市の取り組みをネガティブに言うことで、当市が地域包括ケアの構築が立ちおくれている状況を直視しなくなることを弊害ととらえ、好ましくない、と、賛成討論のなかで指摘いたしました。
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