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2016.05.24

5/23 不信任案決議否決が見込まれるものに衆議院解散を示唆するのははおかしいのではないか

昨日、自民党の佐藤国会対策委員長が、野党が内閣不信任決議案を提出したら解散する、という会見を行っていますが、憲法の解釈から言っておかしいのではないかと思います。

憲法で衆議院の解散を明確に定めたのは第69条です。他に、第7条(内閣の助言による天皇の権限での)衆議院解散が可能と解釈されていますが、この場合、内閣不信任案が存在するので扱いとしては明らかに69条の解釈になるでしょう。

第69条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

内閣不信任決議案が出てきた場合、衆議院は最も優先される議題として、討論・採決に入るのが慣習だったと思います。その場合、採決が終わるまで解散する余地はありません。
採決が終わった後に、解散手続きをすることになりますが、現在の国会の構成では、内閣不信任決議案は否決されますから、内閣は信任され解散も総辞職もするべきではない、と考えるべきではないかと考えます。不信任決議案を否決して解散したとすると、69条は意味を失います。

●第7条解散を可能にしている解釈が、戦後の混乱期に、戦前の司法制度で育成された裁判官によって「判例」とされたものから来るもので、首相を指名する「国権の最高機関」にいる国会議員を、指名される側が自由に解任できる解釈はおかしいのです。仮に7条解散権があるとしても、それは畏れ多き天皇の権限として首相が行使させるからには、憲法の「統治機能」条項では政治が機能できないときに限って抑制的に行使すべきものなのだろうと思います。
解散する側も権力維持のために自由に使い、野党の側も「解散に追い込む」ことが野党の政局的目標として設定されて誰も疑わないので、論理的にはおかしなことが常識として通用しているのだろうと思います。

●地方自治法で、自治体の首長には、不信任決議なしの解散権はありません。どんなに議会が気に入らなくても、我慢してつきあわなくてはなりません。長と議会がぎくしゃくすると収拾に時間がかかりますが、一方では次の選挙までどうにもならないので、議員も市長も、中期的な時間軸で問題を考えることができます。

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