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2016.04.07

4/6 毎年変わる低所得者向け給付金の事務コスト

毎年、低所得者対策という美名のもとに配られる各種給付金。税で取って、給付で戻すことが、消費税の増税をやめる以上に、逆進性の緩和の効果があるので、こうした給付金は賛成なのですが、やり方が本当によくないと思っています。

ところがやり方がほんとうによろしくない。
補正予算として行われるため、低所得者対策として不適切な毎年ころころ変わる制度となり、国と自治体との事務の切り分けが整理されていないので自治体の事務コストがモラルハザードになりやすく、年度またぎ予算で行われるので会計的にも問題の多い処理になっています。

支給対象が毎年変わるし、支給額が変わる。これでは増税の見返りの、逆進性の緩和としての意味を持ちません。低所得者の生活がカツカツだとするなら、給付額が変更されたり、給付金が突然なくなったりすることは残酷なことになります。

毎年ころころ給付対象や給付額が変わるので、システム改造費が毎年膨大です。ただお金を配るという事務に、給付額の1割が給付事務に使われ、3分の1が人件費、3分の1が電算改造費、残りが郵送コストです。朝霞市の場合、今年は高齢者対象の給付金が行われますが、2億7000万円の給付総額に対して、約3千万円のコストをかけています。
そのコストは、国から全額補助金で出てくるので、自治体の懐が痛まないものだから、子ども手当への変更のときのように、自治体側からの制度検証したり反発する意見が出てきません。そのお金が出てくることを当て込んでいるので、自治体側も、自治体の電算システムを請け負う業者も、少々の値引きや節約はしても、やり方そのものを変えてコストを抑えようなんて発想は出てきません。
この一部を自治体負担にするだけで、事務フローとしては単純なこの業務にコスト削減の力学が働くことになると思います。

そもそもおかしいのは、自治体が給付事務をやらなければならない法的根拠がないことです。「予算措置」というものしかなくて、法定受託事務という位置づけもないから、自治体がやるもやらないも自由なはずです。
しかし、この給付事務、どう考えても国の下請け業務でしょう。本来は国が国税や社会保険事務所など使える手段を探し出して、直接やるべき事務ではないかと思うのです。99%以上振り込みで給付し、手渡しでもないのに、あえて自治体をかませて、全国1700自治体にばらばらにシステム改造費を積ませてやるべき理由は何か、と思うところです。

それから毎年ころころ変わる理由ですが、これは毎年の国の予算で剰余金が出そうになるからと、ばらまく補正予算で行われることです。ですからあるだけ払いで制度設計がされ、それが毎年、金額も支給対象も変更されることになります。
今回給付時期が与党の選挙対策と批判されていますが、参院選の直前、2016年5~7月に給付するというのですから明らかに2016年度予算で行われるべき事業なのに、国は2015年度予算の継続費として支出し、自治体にもそうした処理を強要しています。
年度またぎの予算は、必要最小限に限るべきでしょう。レベルも問題も故意性も違いますが、破綻する前の夕張市は、前年度予算と、今年度予算が併存する期間があることを利用して、粉飾決算をしていたわけで、何のために会計期間があるのか、と考えると、破綻する前の夕張市と同様の問題を抱えていることも考えなくてはならないと思います。

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