4/25 北海道5区池田まきさん惜敗
24日に行われた衆議院議員補欠選挙、札幌市郊外の北海道5区がデットヒートしている予測で注目でしたが、残念なことに私の応援していた池田まきさんがあと少しで惜敗しました。
一方、京都3区は自民党が不戦敗したことによると思いますが、泉健太さんが優位に当選をかちとっています。
ご支援いただいた方々にお礼申し上げ、選挙運動に参加された方々、候補者本人のご努力に頭が下がります。
●今回の北海道5区に関して、いろいろ分析する要素があります。
結果はわずかで、肉薄したと言えます。議員の死亡による補欠選挙「弔い合戦」ですから、死亡した議員の後継候補が有利ななか、この結果ということは、「惜敗」「善戦」という結果だと思います。
野党共闘に関して過大評価したがる人がいますが、北海道は共産党、社民党、生活の党への支持率があまり高くない一方、野党第一党の社会党→民主党→民進党支持層が厚く、その他の政党の影響はそれほど大きくありません。野党票の分裂して野党どうしの論戦に対策を打つことをしなくて済んだことと、相手に漁夫の利を与えない効果が高かったのではないかと思います。足し算よりも引き算がなかった効果です。
候補者のキャラに関しては、プラスだと思います。格差社会のさまざまな苦悩があるなかで、野党がそれに向き合うべきだろう、と思っていますが、そういうときに苦労を重ねた池田さんの人生と、人を巻き込み励ます演説は強烈な存在だったろうとみています。
政治エリート臭ぷんぷんする候補じゃないことは、短期間の追い上げ、知名度の徹底に効を奏したと思います。
NHKの出口調査からは、池田さんは無党派層から70%も支持を得ていて、これは無党派層こそいろいろな人がいることからすると限界いっぱい票を集めたと言えます。
自民、民進、公明、共産ともに大半の票がそれぞれの公認・推薦候補に入れていて、政党支持層のとりまとめは両陣営ともに成功しています。
最大の差は、北海道で二大政党制を具体化してきた自民党と民進党の支持率で、民進党の支持率が自民党の半分ぐらいまで落ち込んでいることです。かつては社会党→民主党の支持率は、自民党の支持率の8割ぐらいの水準をもっていた北海道で、対抗してきた勢力の支持率が課題といえます。あわせてかつての民主党支持で今回「無党派」と回答した層が無党派の池田支持を押し上げている可能性もあります。
民進党の支持率を、社会党や民主党の頃のように回復させるかが北海道の選挙の課題ではないかと思います。
市町村別に見ると、池田さんが圧倒的に優位だったのは札幌市厚別区のみ。社会党時代から非自民の層が厚い江別市、北広島市、石狩市では勝ったもののほぼ互角に持ち込まれ、千歳市、恵庭市、当別町、新篠津村では相手候補の優位を許してしまっています。相手候補の優位な市町村はいつもの通りなので、本来、社会党→民主党時代に優位を保ってきた江別、北広島、石狩で相手候補を突き放しきれていないと言えます。
いつも通り、非自民にとって千歳市、恵庭市をどうするかというのが北海道5区の課題と言えます。自衛隊基地があるから、という説もありますが、北海道の自衛隊の基地がある市ても社会党・民主党系の市長を輩出している自治体もあることから、相対的にはそれだけに理由を求めるより、自治体議員の数であったり、住民の政治との関係性がどうであったのか、その歴史的な差とみた方がよいように思います。
鈴木宗男さんが与党候補についた効果に関しては、よくわかりません。あのわずかの票差だとあると強弁する人にはできるし、いやいや前回の衆院選とそんなに変わらないじゃないかという人にとっては全く効果がなかった、と言えます。
候補者のキャラが強い選挙だったので、政治業界の自己目的化したような批判に対して、まったく効果を失わせたように思います。
●野党共闘万能論には、いろいろ障壁があるのではないかと思っています。一つは戦略がそれしかなくなる危険性があります。もう一つは、政策的に矛盾が出てきます。それを時間軸で解決することはできますが、小政党ほどその主張を先鋭的にやり、大政党に向かって裏切り者予備軍みたいないいぐさをすることがよく行われます。そのあたりの乗り越え方が課題ではないかと思います。
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