12/29 農業委員をどう選ぶと農業振興になるかで悩む採決~選挙後初の議会が終わる
29日は、22日に引き続き、市長提出議案への質疑が行われ、その終結をみて討論・採決が行われました。
うち、市長提出議案のうち、第5次総合計画、障害者ふれあいセンター設置・管理条例、監査委員の選任の同意は全会一致で可決、農業委員会の定数条例は賛成多数で可決しました。
小山・田辺議員が提出した安全保障法の運用に反対し廃止を求める意見書は、私も賛成しましたが、賛成少数で否決されています。
●今回の市議会は、選挙後で有権者も意識して傍聴に来ていただいたように思います。傍聴に来ていただいた方々には感謝します。
●これからの市議会日程として現在内示を受けているものです。
① 臨時市議会 2016年1月21日9:00~1日限(部門間の異動にともなう給料予算調整の補正予算など)
② 3月定例市議会
2月25日開会
3月3日議案質疑
3月7日総務委員会、建設委員会(予備日8日、11日)
3月9日教育環境委員会、民生委員会(予備日10日、11日)
3月16~18日一般質問
3月24日討論・採決
議事日程を本決定する議会運営委員会は2月19日。
市民が3月定例市議会に議論を求めたい請願の提出締切は2月18日となります。
●今回の市議会で賛否の分かれたうち農業委員会の定数条例は、
賛成:輝政会、公明党、絆、大橋、黒川
反対:共産党、田辺、小山
(無所属クラブ、無所属の会は会派拘束せず)
討論:山口(反対)、遠藤(賛成)、黒川(賛成)、田辺(反対)、小山(反対)
TPPの圧力を利用した規制緩和派による農協・農業委員会の「改革」を受けて、農業委員の選挙を廃止して市長任命制に変わることに対応する条例です。当初は私は農家の自治を尊重したい、国の法律の責任だけども改革に反対する意思として反対する予定でした。
しかし、審議のなかで、地価の高い都市部において、農地利用の変更を決める農業委員会の役割が、本質である農業振興より、環境保護や不動産事業の振興にシフトしてしまっていることを踏まえて、本来の農業振興のための農業委員会という役割を大きくするために何をすべきかということで判断を検討した結果、衆参両院の附帯決議で、青年や女性、農業振興をする人材を委員に登用することと決議されていることを尊重し、「賛成」と判断しました。
市役所1階などで農産物の販売をしながら市民にアピールしている農家の青年グループや、農家の妻のグループなどが元気づいていくことのためには、こうした国会での議論の経過をきちんと踏まえて人選をしてもらうことを期待しています。
●安保法の運用に反対し廃止を求める意見書は、
賛成:無所属の会(黒川・小山)、田辺、共産党、山下
反対:山下を除く輝政会、公明党、絆、大橋
(無所属クラブは会派拘束せず、輝政会は所属政党の判断を優先)
討論者:獅子倉(反対)、田辺(賛成)、須田(反対)、山口(賛成)
改選前の議会で提出された安保法の成立反対の意見書に賛成した時と考え方を変えてはいないので、今回も反対としました。特に新しい論点としては成立してしまったので運用の停止と法律の復元を求めるということと、参議院特別委員会のかまくら採決を問題視しています。今回は討論には参加しませんでした。
山下議員は同じ会派の賛否とは異なり、所属政党の方針を優先して、賛成していただきました。市政に直接関わる問題ではない国に向けての意見書とはいえ、市議会の会派の枠組みを超えた有権者の信託を意識した判断をしたこと、あわせて会派が混乱しないよう調整をした上で採決に臨んだことなど、強く評価したい態度だと思っています。
真ん中から左派がやりがちなのですが、採決はどうなるかわからないので、いたずらに他党派の名誉を刺激するような討論をしない方がよいという教訓ではないかと思います。
●本来は、農業委員会が混乱するような場面では立候補制が大事だと思っています。一方、日本社会、「名誉職」的な意味を含むポストに、立候補してくれとよびかけて、素直に最適な人材が出てくることは、遠慮深い日本社会ではなかなかない(議員の資質が問題になるのもこのあたり)。農業委員も含めて、政治以外の様々な役職を選出する過程で、選挙となっていても、候補者が事前に調整が行われてしまって選挙にならないようにしがちです。
その一方で、トップが選ぶメンバーだから改革が進んだということもあります。
だからといって、自由に人材が手を挙げられない方がいいんだ、というイデオロギーを全面的に肯定してしまうと、それは大政翼賛会みたいに、高潔なだれかが挙国一致体制を作る、というフィクションにつながりやすいものです。トップが人選する制度においては、メンバーの自治ということを自覚させるような場面をつくるような運営が必要だと思っています。
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