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2015.07.15

7/14 10年間の計画は10年後を想像して書いているのか~総合計画のパブリックコメントの結果

朝霞市の来年度からの10ヵ年計画「第五次総合計画」のパブリックコメントの結果を入手いたしました。

細かい政策は、趣味もあったりセンスもあったり思想もあったりするのですが、一番課題だと思っているのは、具体的な政策を定めた「基本計画」をもって、朝霞市が何をしたいのか、していこうとしているのか、全く分からなくなっています。
また、財政の裏付けなども全くないし、財政統制の仕組みも全く変化なし、ガバナンスとしてどうなのか、不安になります。

毎度のことですが、回答の文面も一部の部署だと思うのですが、木で鼻を括ったような文面になっていて、これが仮に一往復であったとしても、市民との双方向的やりとりの態度としてどうなのか、と思うところです。
書かれた市民がこんな回答もらったら、このまちを愛し、何かあれば協力しようと思うのか、信頼感の醸成という点で疑問が出てきます。

●詳しくは続きを読む以下をご覧ください。

自治体の総合計画は
・5~10年後にやらなくてはならないと考えられること、やりたいと考えられること
・そのための資源配置をどうするのか(お金だけではなくて人材や知恵なども含めて)
・優先順位をつけて
作っていくものではないかと思います。

ところが第五期総合計画では、地方創生や国の政策要請、その他社会情勢から5~10年後にやらざるを得ないことで、書かれてないことがあまりにも多く、そのことを私はパブリックコメントで指摘したのですが、
・まだ詳細が決まっていないので「実施計画(実質的な単年度計画=単年度予算案)に反映させる」
と回答しているところがあまりにも多いのです。詳細を総合計画に書き込まなくても、粗々このぐらいの予算は喰うし、職員は使うだろうな、ということはある程度見えているはずです。そこを10ヵ年計画に書かず、後から後から見えない請求書のように、実施計画で追加していくというのであれば、総合計画としての意味はないのではないかと思います。
具体的には、2022年頃に予定されている清掃工場の建て替えは準備段階も含めて多額の経費を要しますが、総合計画には一切言及されていません。国民健康保険の赤字補填「その他繰出金」は予算・決算のときにいつも議論になるところですが、全く考え方が示されません。その結果、毎年大きく金額が変動するようになって、国保会計の運営が安定しません。産後ケアなど国がやれと言っているのに、まったく影すらありません。
計画を動かしながら、後から後から追加施策が出てくることになります。

そうすると財政の裏付けや余力の把握が問われるのですが、財政問題の意見I対して修正はゼロ。計画的財政と予算統制の基本をきちんとやってもらえばいいのですが、それが全くなっていない。
歳入に関しては市は「未来の予測がつかないから」というのですが、民間企業だったら考えられない。民間企業が売上高を毎年的中させて経営計画を回しているわけではなくて、予算と結果がずれたところから少なければ締めるところを締め、余力が出れば何らかの投資に回していくということをして経営を動かしています(何で社会民主主義者の私がこのような経営者サイドのものの言い方をしなくてはならないのか)。
中期財政計画は立てない、財政は実施計画=単年度予算で場当たり的に調整すればよい、というスタンスは全く変えない。結果として自治体としての貯金は不安定だし、長期的な多額の支出を必要とする政策が不可能になっている。これでは民意からこういうことをしてほしい、と要望が上がっても、誰も判断できない、判断したときには財政が一気に悪くなることを覚悟しなければならない、そういう展開になってしまうのではないかと心配をしています。

●10年間の総合計画の運用に不安を感じながら、改めて、多治見市長を務められた西寺雅也さんの「自立自治体の形成」を読むと、財政の制御と、民意の反映と自治、計画行政は一体であることが縷々書かれていて、頭を抱えているものです。

●パブリックコメントの回答は、きちんとしたものもあれば、これ回答になっていませんよ、と思うものもあります。以下どうでしょうか。すべて私が提出したもの以外のものです。
①市民の意見:保育園を増やす・学童保育の1所の人数を減らし数をふやす…
→市の回答:子ども・子育て支援事業計画に基づき、計画的に幼児期の教育、保育施設及び放課後児童クラブの充実を図っていきます。
〈私の意見〉具体的な提案をしているのなら、具体的にどう市は考えているのか返答すべきで、子ども子育て支援事業計画に委任しているのならそこで何と書いているのか回答すべきであろう。
②市民の意見:(プレーパークに関して)連続開催だけではなく、土日でも良いので毎週開催をしてくれればありがたいと思うのですが。
→市の回答;プレーパークについては、子どもが成長するための活動の支援の対象として、子ども会やボーイ・ガールスカウトと併せて位置づけています。
〈私の意見〉木を鼻で括ったような回答で誠実な公務員なのかと疑いたくなる。位置づけていることは承知してもう少しこうならないかと提案しているのだから、計画でどうするのか、できないならできない理由を明示すべきではないか。
③市民の意見:「あらゆる人が安心して~」の表現を改める(べき)
→市の回答:「高齢者や障害のある人など誰もが安心して」に修正します
〈私の意見〉間違った態度ではありませんが、ユニバーサルデザインやバリアフリーの考え方から言ったら、市の原案が正しいのではないかと思う。歩くのに困っている人のイメージが固定化されて、子連れの人や、内部障害の人にとってのバリアフリー、知的障害の人にとってのバリアフリーなど忘れられはしないか杞憂します。
④市民の意見:これまでにない厳しい市の財政状況とのことであれば、なおさらのこと計画策定期間内の予算配分方針や歳出内訳の見通しを、基本構想のところで明確に記載すべき
→市の回答:素案のとおりとしています。第四次と大きく変わることは無いと考えており、毎年度の実施計画や財政査定の時点で調整していくことから基本構想に掲載していません
〈私の意見〉回答としては成り立っているけども、「厳しい財政状況」と説明されてきたから心配している意見に「第四次と大きく変わらない」と回答してしまっては「厳しい財政状況」という前提がそんなに厳しくないと言っているに等しいのではないかと思う。形容矛盾ではないかと思います。

●私の提出した意見から回答として大きな問題だと思ったところは以下の通りです。
①朝霞市がマンション化して、そろそろ20年経過していろいろな問題が出てくる頃で、自治会・町内会ネットワークを中心に動かしてきた朝霞市でとらえきれない様々な社会問題が発生してくる、と議員になる前から、再三再四指摘してきたのに今回も欠落させて、また何も書いていませんでした。そのことをパブコメで意見しましたが、文面を直さずその一部分をつかまえて「その中で検討していきたいと考えています」という回答になっています。この計画が終わる頃には、築30年のマンションがゴロゴロ出てきて、老朽化、入居者の高齢化や孤独死など様々な問題が出てくるのに、項立てもせずにそのままでよいというのは問題ではないかと思います。
②教育委員会の学校教育に関しては、今の仕事以上の問題意識がない、ということを改めて認識させられた回答でした。また抽象的で科学的裏付けのない決めつけを前提に施策をかたち作っているのではないかと思わせるものが多くありました。
③死にまつわる政策に関しての問いかけに対して、全く考えられていないし全体的に回答に力を抜きすぎである。1960~5年の人口急増に対応した人たちが死を迎えるこの先10年、朝霞市での死の送り方が大きく変わるなかで自治体が何も知らぬで済む話になるのか、疑問です。
④子ども、障害者、高齢者の受けるサービスの権利擁護(苦情解決機関や第三者評価、成年後見)などに関して、記述が始まったことは評価しているが、書かれている内容が議会答弁などより後退していて、大丈夫かと不安になってきます。
⑤財政。加えて、「最小のコストで最大の効果」などおっしゃることご尤ものご教訓ばっかり書いていて、仕組みとしての財政統制の話がない。しかしこのやり方で財政が全然良くならなかったのはなぜか、という振り返りがありません。

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