5/8 市の計画書づくりのコンサル委託はやっぱりやばい
一時期減っていたのですが、最近またコンサル委託が増えていて、こんなタイトルでもつけないと市役所内、緊張感出ないでしょ。
そんな感じのときに、このブログ記事を紹介されました。
僕が今になってコンサルにならなきゃよかったと思う理由
多分、この筆者は企業向けコンサルだと思うのですが、自治体に出入りしているコンサルの仕事っぷりも役所の人以上に小役人的で予定調和的で、こんなんだったら計画書なんか作らないで、現場の課長の裁量を最大限にした方がよいんじゃないの、と言いたくなる場面が何度もありました。
議員になってからもコンサル委託で作る様々な計画にかなり意見を申し上げてきました。
大きな問題は3点
①彼らの会社の工数管理に縛られるので、民意や、審議会・委員会の委員の都合構わず日程やツールを押しつけてくる。計画策定に柔軟性が全くなくなる。
②役所に代わって計画書の下案を作るのですが、その内容が類型的。一般論。専門業者としての見識も提案もない。
③1計画書あたり、最低で300万/年、最高で1000万超/年と割高。正規職員を雇った方が安い。
計画策定に当たる市職員といろいろ意見交換すると、それなりに問題意識を持っていて、それをそのまま審議会・委員会でもんで意見をもらったらいいんじゃないの、と思うことが多いのですが、そうならない。
福祉系の計画策定の場合、審議会・委員会に、当事者がいたり、支援のプロが入っていたり、地域で困難事例の解決に当たっている人がいて、コンサルよりずっと真因を突いた意見を言ったり、問題発見手法を提示するのですが、あと1年近く審議スケジュールがあるのに、毎度「策定スケジュールが」のひと言で取り入れられません。
よく聞くと結局はコンサルタント業者が反対して聞き入れないということが起きています。その背景には工数管理でガチガチなっているので見積書と違う仕事が入ると追加料金とか何だとかそういう話になるらしい。計画策定の途中で専門家に意見を聞こうという話になったら、コンサルが講師料を払ってくれるかどうか、なんて馬鹿な話も経験したことがあります。確かに審議会や委員会で根源的な問題提起が出ると、役所の職員が、コンサルにおそるおそる計画策定のダンドリの変更ができるかお伺いを立てているかに見える場面を何度も見させられました。
このコンサルタント依存の計画書策定をした結果、現場不在、当事者不在、アンケート調査票と、世の中的にはこんなもんだよな的キーワード(例えば「少子高齢化が」云々、「財政が立ちゆかなくなる」云々)から計画策定が行われるので、本当に大事なことは計画に書かれず、実際には計画書とは無関係に市の幹部級の判断で政策変更が行われています。
朝霞市も一時期その問題を認識して、コンサルを使わない努力をしていましたが、最近気付いたらコンサル利用の計画策定だらけになっているし、国も何かとコンサルタント委託料を「計画策定経費」として自治体に押し込むので、どうしても安易に使ってしまうきらいがあります。この委託費用300万~1000万円を切って、市職員に先進自治体に見学に行かせて、専門書何冊も買ってやった方がきっとよい計画ができるのではないか、と思わざるを得ません。
そんなことを感じながら、冒頭にご紹介したブログ記事を読むと、そういう社風に委託して、よいものができるのは本当に幸運なときしかあり得ないのではないかと思います。
コンサル業者が全く駄目というのもどうかなので、若干弁護すると、コンサル委託しても変な話になっていない計画書もいくつかあるので、役所も役所で発注者として、もっと強く出て民意を反映するような計画策定を進めるべきではないかと思います。また私の知人のところがそうですが、コンサルといっても良心的な提案をし続けているところもあります。
あとコンサルタント業者の価格1本の入札はやめた方がよいです。安いに越したことはありませんが、コンサル業界、価格と品質は無関係です。仕事の品質で選ぶ仕組みが必要です。
| 固定リンク
コメント