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2015.05.18

5/15 中国地方を渡り歩きました

5月13~15日、毎年1回の議員視察でした。「視察」という言葉が苦手で勉強させてもらうのに上から目線的なものを感じます(本当にそういう意味があるかどうか調べていませんが)。
それでも公費で様々なものを見学させていただけるありがたい機会、議員の道楽旅行みたいなことにならないよう、そして朝霞市の課題に即したテーマになるよう注意しながら行き先をみんなで選定してきました。

市議会民生常任委員会として今回は、①岡山県総社市の「障害者千人雇用」という総社市のほぼ全員が何らかの就労を見つけられる取り組み、②広島県尾道市の地域包括ケアと大病院と町医者の往診との連携、③参加型で総合型の公共施設を作って医療機関やこども園を用意した岡山県旧哲西町(現新見市)の取り組み、を3日、かけあしのように中国山地を渡り歩きました。

①総社市の「障害者千人雇用」は、人口6万人で1200人おられる障害者(障害者認定を受けた人の数)のうち、福祉的就労を含めて就労している障害者が180人しかいない状況を、市長の号令一つで、数年で、800人超えまで引き上げた政策を検証してきました。
総社市役所に着くなり、市長のお出迎えで、この政策にかける思いを語っていただきました。市長退席の後、担当課長と担当職員からご説明を受けました。
その内容は、
・雇う側の気持ちを動かすのには、トップの明快な方針提示を市内の至るところで行うことが大事だし、そのことは障害者への差別や隔離をなくしていくことになった
・一般就労に関しては長期雇用の達成者に10万円を給付していること以外何もしていない
・職員は手厚い。6万7千人の自治体で、障害者就労に市役所6、社協5、ハローワーク4人いる
・個々の企業に声をかけるにはハローワークの協力が絶対に欠かせない。
・商工会議所が、障害者就労に関する助成金の手続き斡旋を行うようになった
・福祉的就労に関してはA型、B型合計500人枠まではきちんと確保する
・職員育成は、障害者施設に1年間出向させた
・障害者雇用千人委員会で専門家に議論をしてもらい報告をうけた。その報告書を見て、全職員に何が可能かレポートを書かせた
などなど。地域雇用が多いのかと思ったら、下請けが中心で地場の企業の層の厚みは事前の想像ほどなくて、やっぱり零細企業の努力によるところが多いという。
目からうろこはありませんでしたが、税金も使いたくないし、誰かが幸せにしてほしいというどこかの誰か任せの明るい障害者政策ではなく、雇用という切り口からまちぐるみでこつこつやって成果に結び突いていると思いました(なんて書くとまた近隣市にネタを奪われそう)。

②尾道市の地域包括ケアと医療連携
 当初は、地域包括ケアの原型を1998年から始めている尾道市に、その制度の成熟状況を確認するために訪問したのですが、いろいろあって尾道市民病院を訪問することになりました。ところがその話の有意義なこと、かえって良かったです。
 地域包括ケアは、介護を介護だけでやるのではなくて、生活に関わる様々な資源で取り囲みながら、残存能力を最大限活用しながら満足度の高い人生を送ってもらう、介護システムをさす言葉です。
 一人の介護の必要な人に、他職種が連携してかかり、余分な介護をせず、足りない介護を補い、かつ生活に関わる様々な仕事を福祉化することが必要です。一人のケアプランを様々な人がよってたかって検討する仕組みが必要です。
 尾道市の場合、それは医療機関を中心に取り組んできているという報告がされましたが、最近の行政リストラ的な意味合いには疑問を持っているというのが病院側の説明でした。
 病院からはあわせて、地域の町医者が往診をしてくれるようになっていること、中心的な病院であり市民病院とJA病院が急性期医療に特化して、回復期、慢性期医療は町医者に逆紹介して返していることと、それを支えているITCのご説明を受けました。院長先生には、ベッドタウンだと難しいよなぁ、と半ば相談乗っていただくような視察のなりました。
 自治体として中核病院を定め、町医者は積極的に往診し、その機能分担と、紹介・逆紹介する関係、検査データやCTの共有などをしていかないと、なかなか難しい、専門医が東京の大病院にすぐ接続する状況ではなかなか満足度の高い医療は実現できないなぁ、などと指摘をいただきました。

③新見市の旧哲西町役場・きらめき広場
現在、旧哲西町域の地域医療の核としての診療所、図書館、唯一の未就学児の施設認定こども園と生涯学習センターが置かれ、また旧役場は市役所支所としての機能を残しています。
この複合施設を作った2001年に、どのような目的で、どのような手法で作ったのか、旧町長でもあった深井正さんからお話を伺いました。現在、深井さんは新見市の顧問をされ、この施設の多くの業務を受託しているNPO法人の代表もされています。普通合併市は、二重権力になることを嫌い、合併された町村の長に実権を握られないような偏狭な市長が多いのですが、ここは太っ腹です。いいことです。
旧町長からは、2700人の町で、顔の数で200人の町民に参加してもらって延べ60回もどういう施設が必要か議論してもらった、必要な施設を全部洗い出して、他町で代用できないか、優先順位はどうか、何度も検討してもらった。その結果、住民は自らの施設としてこの施設を思い、専門的な資格のいらない業務は、町民がNPO労働として運営に参加していることが報告されました。このようなことが可能になったのは、施設の細部にわたるまで町民と設計士と町長と議員が徹底的に議論して作ったからだ、という話をされました。
 町長時代に深井さんが、補助金をいろいろ算段したけれどもうまくいかなくて、結果としては国が償還の一部を負担する過疎債の発行で乗り切ったということ、地域医療が何より大事で、医師の確保には最大限努力を払ったことなどをお話くださいました。
 朝霞市も地域に均等に施設が整っているわけではなく、一部の地域ではまだ公共施設への期待があります。これからの公共施設の集約再編が不可欠な時代に向けて、良い事例を調査したと思います。朝霞の森の運営もそうした取り組みへの準備体操みたいな面もあります。

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